Another School idols diary 作:藤原久四郎
しかも短いので次からはしっかり書いていきます!
「えー、オホン。では結果発表をいたしまーす」
場所はまたしても移動し、最初にいた部室へと戻ってきた。ようやく一通りの採点が終わり、俺も一応結果や俺の客観的な点数を元に順位を出した。自分でも意外な結果だったので発表するのにこちらも何故か緊張してしまう。
「「「「「「「ゴクリ……」」」」」」」
一同は俺の結果発表を今か今かと待っているようで、唾を飲み込む音がどこからともなく聞こえてくる。
「結果は……」
「「「「「「「結果は……?」」」」」」」
「なんと……」
「「「「「「「なんと……?」」」」」」」
全員が固唾を飲み、俺の二の句を待つ。そして俺が放った言葉は。
「全員同率です」
そう、俺も付けてから驚いたのだが点数化してみると全員が全員きっちり同じだったのだ。優劣の一切つかない結果であった。
「え……?」
「そんな事って」
「凄いですね……」
「なんかすごいにゃー」
「わ、私も同率なの……?」
「これはちょっと予想外ね」
それぞれがこの結果に驚きや疑問を感じたようで、皆それぞれ顔を見合わせながら呆気にとられた表情をしている。
「な、なぜ……そんな……」
皆もかなり衝撃を受けている様だが、それ以上に衝撃を受けている様子なのは矢澤先輩。まぁ三年間も活動してきたのに最近活動を始めたメンバーと同率というのは流石に堪えた様だ。逆に言えば皆が凄いということでもあるのだが。
「でも、それではリーダーはどうするのですか?」
至極真っ当な疑問をぶつけてきたのは海未さん。結局、今回皆で競い合ったのはそのリーダーを決めるためであった為に、それが同率では話が進まないのだ。ではどうしようと言っても、公平に決めようとした手段でこれなのだから全く持ってどうしよもない。
「こ、こうなったらもう一回よ!」
結果に納得いっていないのか、矢澤先輩は執念深い様子で声を張り上げる。
「……見苦しいわよ」
「なんですってぇ!?」
真姫が挑発めいたセリフをボソリと呟き、それをキッチリ矢澤先輩も聞いていたようで挑発をしてきた真姫に突っかかっていく。
とりあえずそんな二人はほうっておいて、この結果の決まらなかった為にフワフワしたままのリーダーの座をどうしようかと考えてみるが、皆を納得させられそうな言葉が見つからない。同率と言った手前、俺が誰かを指名するのは不可能だし……。
「なら、居なくてもいいんじゃないかな?」
穂乃果さんが突然ポツリと零した言葉が皆の耳に届いた瞬間、ざわついていた教室が一瞬にして静まり返った。
「別にいなくてもいいと思う。それに今までだってリーダーなしでやってきたんだもん。ならこれからだってそれでも大丈夫……だと思うんだけど」
穂乃果さんの意外すぎる提案に全員考える仕草をしている。この提案はさっきまでやってきたことを完全に茶番に帰す提案でもあるからだ。流石に全員容易に答えを出すわけにはいかないのだろう。ならばここは俺が流れを作るべきか。
「まぁいいんじゃないですか? 早急に必要だとか、絶対必要ってわけでもないんですし」
俺はさりげなくフォローを入れ、穂乃果さんの意見に同調する。この提案は正直驚かされたものの、実際悪くない提案ではある。だがもし仮にだが、何かあった時が大変そうだが滅多にそんなことはないだろうし。
「そうですね。今まで通りという事でいいのではないでしょうか」
「私もそう思うな~」
一人、また一人と同調するように肯定的な発言が飛び交う。良かった、これで目下重要である問題は一つ解決と言うわけだ。
「楽しかったしいいんじゃないかにゃ?」
「私はずっと緊張しっぱなしでした……」
「結局こうなるのね」
問題が解決したおかげか皆もいつも通りの雰囲気に戻り、心なしかむしろ今までよりも活気にあふれている気がする。
「よーし! なら早速練習だー!」
またしても穂乃果さんが声を張り上げ、練習の開始を宣言する。こういう所を見ると最初からリーダーなんて決まっているようなものじゃないかと思ってしまうな。皆を引っ張り、皆の支えになる。それがリーダーの資格だが、穂乃果さんは立派にそれらを満たしているではないか。……ならさっきまでやってたリーダー決定戦は何の意味も無かった事に……。
「言う必要はないわよ」
一人で思考をしている横にはいつの間にか矢澤先輩が立っており、俺の考えを読みきっているであろう台詞を残して次々と部室を後にしていっている皆の後を追っていった。
「……俺も行くか」
矢澤先輩は穂乃果さんはリーダーに向いていない、と最初に言っていたのにあの発言。穂乃果さんにリーダーであることを潜在的に意識させようとでもしたのだろうか。いや、考えすぎだろう。あの矢澤先輩の事だから本気でリーダーの座を狙っていそうだ。
余分な思考を一度打ち切り、すっかり誰も居なくなった部室に鍵を閉めた後、μ’sの活動場所である屋上へ足を向け、歩き出そうとした瞬間ポケットに入っていたスマホのバイブレーションが俺の足を止めた。
どうやらバイブレーションが続かない辺り電話ではないようだが、とりあえず内容を確認すべく素早くスマホを取り出し操作する。新着メール一通、と液晶画面には表示されており、何々差出人と内容はっと……
明日くらいに遊びに行くぜ 鷹能
異常なまでに簡潔な文面に、見覚えのある差出人の名前。
「……鷹能?」
この差出人を見たときに直観的に感じたのは、面倒事が起こるであろうという根拠のない確信だった。
何やら新キャラ登場のかをり。
そして今別作品も一緒に書いているんですが、そこでちょっと関連性が出たのでよかったら見ていただけると嬉しいです。(別作品の方には関連性ないと書いたのですが結果的には嘘になりました)