Another School idols diary   作:藤原久四郎

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テスト、諦めよう。


遊びにいこう!

 あいも変わらず怠惰な日常を送る俺は、いつも通りの昼の時間を迎えており食事を取っている。

 

「にしても……」

 

 言いかけた口を噤んだのは、特に理由があるわけでもない。強いて言うなら、対面に座る花陽の弁当が相変わらず真っ白だという事だ。俺や真姫、凛の弁当は色とりどりの食材に囲まれているので、余計に気になって仕方がない。というかこんな食事で栄養とか大丈夫なのか、と疑問が浮かぶものである。

 

「そういえば、そろそろオープンキャンパスだな」

 

 七月の終わりごろにはオープンキャンパスがあるのを、校内の掲示板に張られていたことを思いだし噤んでいた口を開く。よく考えたらこのオープンキャンパスの入学希望者次第では廃校の可能性が浮上する、とも口々に言われているらしい。

 

「そういえばそうね」

「凛たちにはあんまり関係なくない?」

「いや、凛ちゃん……廃校になっちゃうんだよ?」

「そんなんでいいのか学院生よ」

 

 安定してマイペースの凛と真姫。振り回されるのも安定して花陽と俺である。

 

「でも実際凛たちにどうしろっていうのにゃ」

「凛の言う通り学校の問題に、一生徒の私たちがどうこうできるものでもないわよね」

「ちょっとまて」

 

 今の口ぶりだとμ'sの結成の理由を知らないのだろうか。それでいいのかメンバーよ。

 

「μ’sって一応廃校を阻止するために始めたんだったよね?」 

 

 俺の気持ちを代弁してくれたのは花陽。この分だと一応説明もあったのだろう。凛が聞いてないのはいいとして、真姫まで聞いて……いや、さっきのはただ意見として言っただけだか。そう思っておかねば真姫のイメージが凛と同じレベルまで降格することになる。

 

「そうだぞ。だからこれからまた練習も忙しくなるだろうし。練習とかしっかりしてるのか?」

 

 勿論、真姫や凛に知らなかったことを追求することもなく話を進めていく。今までの活動を鑑みるに、新曲をまたやったりするのだろうか。

 

「そうね、私は今新曲の作曲してるわ」

「凛は……何もしてないにゃ」

「わ、私は……その……研究を」

 

 予想通り、新曲をやるらしい。真姫は既にμ'sの為に二曲を作っているが、明らかに学生のなせるペースではない。もしかして分身出来たりするのだろうか。

 

「新曲かぁ。進み具合はどうだ?」

「正直あんまりって所ね。連続して作ってるから尚更かも」

「凛は真姫を少しは見習うべきだな」

「凛だって頑張ってるもん!」

「さっき何もしてないって言ったよな」

 

 にしても、分身ができる(と、勝手に思っている)真姫でもやはり大変なのか。

 

「というか、曲作る時って何してるんだ? ってかどうやって生み出してるのかっていうのかな」

「私の場合は……そうね。予め聞いたイメージの中から、雰囲気を考えて……まぁ正直ノリよね」

「真姫ちゃんからノリなんて言葉初めて聞いたにゃ……」

「り、凛ちゃん! 失礼だよ!」

「う、うるさい!」

 

 どうやら真姫はいじられやすい方の様だ。確かに、完璧な立ち振る舞いをする真姫の慌てる姿はギャップがあり、可愛いと素直に思う。って何考えてるんだ気持ち悪い。ブンブンと頭を振って考えを外に放り出してしまう。それより今は曲の事だ。

 

「うーん……曲作りに関して俺たちはどうしよもないよな。音楽関係はさっぱりだし」

「凛はドレミファソラシド言えるよ!」

「凛ちゃん、それは普通だよ……」

 

 この有様である。あ、俺の音楽の成績は生まれてこの方評定ギリギリの2である。あのおたまじゃくし共はまるで理解できん。しかもあの横にあるでかいヤツなんだよ……子供でももっとましな絵書くわ。

 

「これじゃあ真姫の手伝いはできんなぁ……いや、せめて息抜きに皆で遊ぶか」

「それ賛成!」

「よく考えたらまだ皆で遊んだ事なかったね」

 

 花陽の一言で気が付いたがよく考えても見れば、個人個人で遊んだりはしたことがあったが固まって遊んだりしたことが無かったな。普通は逆じゃないだろうか。我ながらとんでもないプレイボーイっぷりである。

 

「陽月はそんな柄じゃないと思うけどね」

「って真姫、人の心を読むな!」

「ふん……何考えてんのよ」

 

 鼻を鳴らしてそっぽを向く真姫。確かにプレイボーイどころか引っ張りまわされるだけだったが。それにしても提案に否定をしない辺り真姫も満更ではないのだろう。

 

「つっても……どっか行くとこあるか?」

 

 この辺りで遊ぶ場所と言ったら、駅を跨いで秋葉原の方へ行くか近くの繁華街の方に行くかくらいである。

 

「なら凛の家にいこ?! ウチにはゲームとかいっぱいあるよ!」

「り、凛ちゃん!?」

「凛、正気? こんな何しでかすかわからない危険人物家に上げるなんて」

「サラッと酷くないですか!?」

 

 それぞれ違うものの、等しく凛の提案に驚きを隠せない。花陽は何故かオロオロと落ち着かない様子だし、保護者か。真姫に至っては通常運転を通り越して暴走特急である。冗談とはいえ地味に傷つくって事を知ってほしいものだ。これって本当に冗談だよな?

 

「よく考えたら凛の家に呼んだ事あるのかよちんだけだよ? それじゃお母さんに友達いない子だと思われるかもだし!」

 

 思ったより現実的だし悲しい理由だった。というかそんなことしなくても凛には友達いるって絶対わかるだろ。

 

「だ、大丈夫! 凛ちゃんは可愛いよ!」

「!?」

「そうよ、凛は可愛い――って何言わせんのよ!」

 

 真姫が言ってしまった事に対する照れ隠しのビンタを、こちらに投げてくる。避ける余裕は花陽へのツッコミで失っているので勿論あたるわけで。頬に強烈な痛みが走る。

 

「なんで!? 俺関係なくない!?」

「真姫ちゃん、凛の事そういうふうに見てたんだ……」

「ご、誤解よ! 陽月がそう言ってたの!」

「ちょ、俺に振るの!?」

「……陽月君はやっぱりえっちにゃ」

 

 以前、凛がとても乙女らしく見えた体育の時の事を思いだし、その光景がフラッシュバック。そして今の様子と被り、自分でも驚くほど顔が真っ赤になり、心拍数は跳ねあがっていく。

 

「誤解だろ! うがぁぁ落ち着けえええッ!」

「よ、陽月くんも落ち着いて~!」

 

 主に自分に対して放った言葉は狭いクラスに何度か反響していき、結局一度乱れたこことはすぐには戻ることはなかった。そして結局、放課後はいくつか反対意見も飛び出したが凛の家に遊びに行くことになったとさ。

 




ちょっと書き方変更しました。会話文の所はわざと改行しております。
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