Another School idols diary   作:藤原久四郎

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こんばんは、感想も百を越えました!
実はUAとかよりも感想もらえる方が嬉しくてもう……これからも応援よろしくお願いします!


迎え入れよう、先生

「オープンキャンパスまで!」

「あとにゃんと!」

「にっこにっこ二ー週間でっす!」

「って期間全然ないやんけ!」

「なにこの茶番」

「陽月くん……凛ちゃんまで……」

「穂乃果も……」

「あはははは……」

 

 開幕の四人……四馬鹿とでも言えばいいのだろうか、早速頭のネジが飛んだような事を言っているが、紛れもない事実である。俺はふざけているように見えるが真面目である。希さんと会った次の日、オープンキャンパスまでの練習期間は休みなどもカウントしたとするとキッチリ二週間しかないらしい。別に俺は関係ないとはいえ、色々な方面に関わってしまっている身としては、このオープンキャンパスの大切さを知ってしまっている。前々からある噂だが、オープンキャンパスのアンケート調査などの結果次第では、廃校の可能性も……という話だ。

 

「にしても、大丈夫なんですか? 衣装だとか、曲だとか、振り付けだとか」

「衣装は大丈夫だよ? もう案は出来てるし、一着は試しに作ってみたし」

「なら大丈夫そうですね。後はどうなんです?」

「作詞の方も大丈夫です。後は真姫が作曲の方をしていただければ」

「それも大丈夫。後は細かい所とか直すだけ」

「なにこのハイスペック集団……踊りとかは?」

「それも穂乃果と凛ちゃんと花陽ちゃんで考えたよ! 皆にOKも貰ったし!」

「か、完璧だ……」

 

 なんと、期間が全然ないと言ったが、むしろ余りそうな勢いで進んでいるようだった。ことりさんは衣装作りはプロレベルだし、真姫は作曲の才能もピアノの才能もあるし、海未さんはコーチだけでなく作詞までできるようだし。穂乃果さんと凛、それに花陽もその三人に負担をかけないようにできる事をしているみたいだ。なんとも完成された集団である。……? 一人足りなくないか?

 

「あれ、矢澤先輩何かしてるんですか?」

「うぇっ……に、にこちゃんは~皆の応援、って言うかぁ」

「へぇ……皆さん見ましたか?」

「「「「「「見てないです」」」」」」

「だ、そうですけど」

「ちょ、ちょっと待ってよ! 私にだって用事があるのよ!」

「へぇ……皆さん何か聞きました?」

「「「「「「聞いてないです」」」」」」

「だ、そうですけど」

「し、しまった……根回しを忘れていた……」

「最低じゃないですか先輩」

 

 これからは矢澤先輩を監視しないといけないのかもしれない。

 

 

 

「では、オープンキャンパスに向けてですが……」

 

 いつも通りの集まってからの会話を終えてからは、これまたいつも通り海未さんが今後の予定を話し始める。この間俺は暇なので少し離れた所でゆっくりしている。大抵棚にある漫画だとか、雑誌だとかを勝手に漁って読んでいるだけである。これも、大切なアイドル研究部の活動の一環である、と勝手に思っている。

 

「ダンスなのですが、振り付けはいいのですが素人の私ではどうにも動きの事に関してアドバイスがしづらいのです」

「よく考えたら、踊りに詳しい人いないもんね」

「それ以外なら皆できるのにぃ」

「なら、ここはアイドル研究部の部長であるこのにこちゃんの振り付け――」

「……は置いといて、確かに踊りは今まで細かい所をやってなかったもんね」

「ちょっと!?」

「凛も運動は好きだけど、ダンスは苦手だにゃー」

「わ、私も……」

 

 さり気なく矢澤先輩が虐げられているように思えるが、いつも通りである。にしてもダンスか……このプロフェッショナル集団μ'sの中でも、ダンスに詳しい人はいないらしい。俺が得意なのはダンスゲームだし、まともな意見は出せない。じゃあ他にダンスに詳しい人っているか? あれ、そういえば……

 

「そうやで陽月くーん!」

「いひゃっ?!」

「な、なに!?」

 

 俺の嬌声に驚いた皆が、一斉にこちらを向く。俺はと言えば、何が起こったか把握できずに違和感の正体であるおっぱい……じゃなくて胸板に伸びている二つの手が、原因である事を遅れて理解する。

 

「の、希さん! 普通に出てきてください!」

「うふふふ、丁度わしわししやすい位置に陽月くんがいたものだから~」

「……強制わいせつとかの罪で訴えれねぇのかなぁ」

「まぁ、そんなことより? ダンスに詳しい人、身近に一人おるやん?」

「俺の貞操がそんなことって言われた?!」

「だ、誰ですか? 希先輩」

「それは…………」

 

 

 

 

「お願いします! 私たちにダンスを教えてください!」

「……はい?」

 

 アイドル研究部の部室から移動して、現在は生徒会室の前にいる。勿論理由は、ダンスの専門講師候補である絢瀬会長を招くためである。俺はと言えば、二年生を筆頭にした合わせて四人で頭を下げさせられている。なんですか俺の頭はそんなに軽いですか。

 

「私たち、ダンスが上手くなりたいんです! オープンキャンパスのライブに向けて!」

 

 勿論、頭を下げるだけならわざわざついてきたりはしない。別にいいんだけどね、土下座普通にするし。本当のところはそうではなく、以前あったあの使用許可書の事が気にかかったからでもある。お願いした手前、確認をしないというのも気が引けたし、仮に絢瀬会長の気が揺らいでいても、こうして誠意を見せればいけるのではないかという下心も存在している。きっとそんな心配は無用であるとも、わかっているのだが。

 

「別に私としてはダンスを教えるのはいいのだけれど……」

「……っ」

 

な、なんだ? 今こっちを見たような……

 

「私も決して手放しで暇であるとも、特訓をしてあげられるとも言えないわね」

「な、ならどうすればいいんですか?!」

「そうねぇ……一人、そう一人でいいわ。生徒会の手伝いをしてくれる人をもらえるかしら?」

「え、えぇーっ……で、でも皆練習が……」

「そうです、私たちに一人でも……暇な人は……?」

「あっ……陽月くんが……」

 

「逃げるんだよォォォォォ!」

 

 全速力ダッシュだ!

 

「ま、まちなさーい!」

「待つにゃー!」

「うるせぇ! 待てと言われて待つ奴がいるか―ッ!」

 

 走り抜けた先の角に、いつの間にか見張りにでも来ていたのか矢澤と一年生らが座っていた。そして例の条件を聞いていたのか、俺を後ろから追走して来ている。

 

 

「馬鹿アンタ四人に勝てると思ってるの!?」

「ふざけんじゃないですよ俺は絶対勝つぞってか二人しかいねぇですよ!」

「ちょっと、花陽と真姫―っ!」

「めんどくさいわ……」

「あ、あはははは」

「裏切りにゃー!」

 

 もー嫌だ! とにかく走る走る走る! 捕まれば最後、またしても体の良いお手伝いを食らわされる羽目になる。ここに来てからの経験上、唯一の男子学院生という肩書は、全く役に立っていないのでそうなるであろう事が明白な事実である。

 

 生徒会室の前から駆け出した俺は、授業後でもあることを念頭に置き、学園からの脱出を目論む。とりあえず一日の間だけ逃げ切れば、なぁなぁで済ませる事も可能だという、自分でも浅はかな考えだが、不用意に手伝いという拡張性のあるお願いは死んでもごめんである。

 

「ま、まずは鞄だ。とりあえず一度部室に……」

「警察だ!」

「何だお前ら?!」

 

 と、空き教室から突然、警察の恰好をした、明らかに学院生である女が三人出てきた。そして意味がわからないまま腕に絡みつかれてしまう。

 

「なんだ目的は! 金か、演目か!」

「やめろ離せぇ! 何するぅ!」

「暴れるんじゃない! 三人に勝てるわけないだろう!」

「ちょ、ちょっと胸当たってるぅ駄目ですよナイスゥ!」

「キャー!」

「素に戻るの?!」

 

 ようやく絡みついていた腕と、幸せな膨らみを名残惜しく離すと、俺は部室に急ぐべくまた走り出す。

 

「あっ居たわよ! 捕まえなさい凛!」

「はいにゃー!」

「げっ!」

 

 クソ、部室を目前にして凛と矢澤先輩が先回りしていたか! だが、俺を今止められるものはいない!

 

「……ふぅ」

「な、動きを止めるとは浅はかなりーにゃ!」

「お婆ちゃんは言っていた……」

 

 俺は天を高く手を掲げ、空を指さす。室内だけど。

 

「おしまいだにゃー!」

「クロッ○アップ」

「な、加速した!? あ、してないわ」

 

 クロッ○アップ。当社比1.14倍の加速を見せるゾ。

 

「あっ、でも抜かれたにゃ!」

「嘘でしょ!?」

「はっはっはーッ! 捕まえられる物なら捕まえてみろ―ッ!」

「ま、まちなさーい!」

 

 一歩早く、そして加速していた俺は素早く二段飛ばしで階段を駆け下り、部室を捉える。幸いにも鍵の開いていた部室に飛び込み、冷静な判断で鍵を閉める。

 

「こ、コラー! 開けなさい!」

「か、かばんかばん……どこだ、あった!」

 

 隅に寄せられていた複数の鞄から俺のを見つけ出し、抱える。ここからの逃げ方だが、よく考えたら袋小路、ネズミも同然であった。割と無計画。

 

「ちっ……あ、穂乃果! 鍵、アンタ鍵もってたでしょ!」

「げ、どうするどうする」

 

 どうやら鍵を持っている穂乃果さん達二年生が合流してしまった様だ。は、早くどうするか考えねば。

 

「か、鍵ですか! ま、待ってください!」

「早く! じゃないと前の私みたいに逃げられる……あっ」

「あっ」

 

 そういえば以前、矢澤先輩が凛のカップラーメンを勝手に食べたことがあったな……確かその時は……

 

「窓だっ!」

「あーっ! 早く、早く穂乃果!」

「ああっ、家の鍵と部室の鍵と自転車の鍵とロッカーの鍵と海未ちゃんの家の鍵とことりちゃんの家の鍵が落ちちゃった!」

「なんで無駄に多いのよ!」

 

 なにやらごたついている様なので、俺は逃走経路であるパソコンの横にある、鍵のかかった窓を開錠し、思い切り開ける。

 

「開いた! まちなさーい!」

「へっ、もう待てるわけがないぜ!」

 

 俺は窓から思い切り外に飛びだし、外の芝生の感触を確かめながら、下駄箱のある昇降口へ向かって思いきり駆けだす。

 

「よ、よし……もう誰も追ってきてないな」

 

 昇降口まで全速力で駆け抜けたために切れた息を整えつつ、周りを見渡しながら逃げ切った事に安堵する俺。無論、まだ終わりではない。家に帰るまでが逃亡劇である。

 靴を履き替え、辺りを警戒しつつ校門の前までやってきてから、ようやく逃げ切った事を確信し、今度こそ胸をなで下ろした。

 

「あら、陽月くん。こんな所で奇遇ね」

「ゔぇ……?」

 

 そこには、俺をここまで逃げさせる羽目にさせた提案をした張本人である、絢瀬絵里会長が俺を待ち受けていた。……もう気が抜けて逃げる気力もねぇ。というか既に肩に手が乗っけられてるし。

 

「さ、生徒会室にいきましょう。聞きたいことも、あるからね。誰が私の事を言ったのかーとかね」

「…………はい」

 

 聞きたいことがなんなのかと戦々恐々しながら、結局こうなるのかと半ば呆れ気味のまま、気分は更迭される感じで生徒会まで行くことになった。




テンションで書ききってる感が尋常ではありませんが、至って真面目です(素

さて、そろそろオリジナル要素が強くなりそうな予感がしつつ、ノーブラ辺りまでは本格的に陽月くんのお話が出せずにいるので、微妙にもやもやしてます。

なので、これからも頑張って早く書いていきたいです!
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