Another School idols diary 作:藤原久四郎
あと一話で、絵里編も終わりかな?
思いの丈をぶつけ、激しい心の揺れに戸惑いながらも家に帰った俺。戸惑いながらも、古傷に悩みながらも、悩みぬいて自分なりにけじめをつけたその日。
その次の日……何時もの俺に戻るべく、いつも通り学校に行こうとしたが――
「あーこれインフルですね。間違いない」
「な、なんですとぉ……あぁ、星が見える……」
「おーい患者が幻覚見てるからベッドに頼むゾ」
「睡眠――鎮静剤は必要ですか?」
「君、そろそろクビにならないようにね?」
なんと、俺はインフルエンザにかかっていた。
結果として、絢瀬会長があの後どうなったのかも、μ'sが無事九人になったのかも、絢瀬会長と希さんは元の関係に戻れたのか、という結果を知るのは一週間後になってしまった。
まぁ、お蔭でこっちも気持ちの整理が出来たって言うもんだ。これで、いつも通りの俺だ。忘れるのは、簡単だからな。
「つっても、暇だよなぁ……後半の三日ぐらいとかホント暇」
安静期間もあり、体の自由が利きはじめた四日目。俺は暇つぶしも兼ねて、『ラブライブ』のホームページをスマホで見ていた。そこには、アイドルの甲子園とも呼ばれる『ラブライブ』を目指す、多種多様なアイドルたちの動画や画像が所狭しと並んでいた。
「やっぱり、ランキングはA-RISEかぁ」
ぶっちぎり……というか他の追随を許さないというレベルではない人気である、UTX学園の誇るスクールアイドルA-RISE。よく考えれば、今までそのパフォーマンスを見たことが無かった。
「んじゃ、一番人気のヤツでも見ますか。その前にプロフィールも見とくか」
動画概要欄からメンバー欄へジャンプ。どうやらA-RISEは三人のメンバーで構成されているらしい。
リーダーの綺羅ツバサ。そのパフォーマンスはかなりのものであり、低身長である事をまるで不利に感じさせない。俺が気になったのは、どちらかと言えば髪が散髪失敗したみたいに、デコ丸出しであること。
そして次に統堂英玲奈。その男顔負けのカッコよさから女性ファンの方が多いらしい。歌は三人の中でもトップレベルでうまい。でも、一部ではまるで機械の様とも言われているが、これはよくわからない。
最後は優木あんじゅ。ゆるゆるふわふわ、と言った言葉がよく似合うそんなイメージ。ことりさんとキャラ被りしてるようにも思える。天然系らしく、メンバーの中でも失言が目立つらしい。
「よし、今度こそ動画をっと」
動画再生ページの再生ボタンを押すと、画面の中の彼女らは踊りだす。そして三分間、俺はその画面から離れる事が結果として出来なかった。理由は勿論――
「す、すげぇ……」
その、圧倒的なクオリティ故にだ。
「こんな強豪が一杯だなんて……スクールアイドルって本当に今一番人気なんだな」
A-RISEの投稿されている動画を一通り見終わり、嘆息する。普通に考えて、プロどころかアマですらない、一介の学生たちがここまでやるのか? って言うのが本音でもあるが、それが今の流行って言う事なんだろうな。話によれば、スクールアイドルから本当のアイドルになる人も少なくないとか。
「これは一層……μ'sから目が離せないな」
何と言っても我が学院の誇るスクールアイドルなのだ。それに、贔屓目かもしれないが、スクールアイドル全体で見ても、中々レベルの高い方なのではないかと思っている。それこそ、漫画やアニメレベルの容姿。まるで用意されていたかの様に揃った九人。
「奇跡……希さんならそういうのかな」
きっと、そのμ'sという輪の中に加わっているであろうその人を思い出す。やっぱり心配な物は心配である。あの三年生二人なら絶対大丈夫だとわかっていても、ただ確認できないだけで、それだけで心配である。
「あと、三日……」
ギリギリオープンキャンパスの当日には間に合う。そうなれば、いつも通りカメラを回し、彼女たちの輝きを世界に発信する。実はこの役割、ちょっと嬉しかったりする。全国のきっといるであるファンたちの、より前にいるのだから。
「そうなれば……早く時間よ経ってくれ!」
俺は、ただ無為にすぎる時間をやや恨めし気に思いながら、ただ三日後を待った。…………ちょっとまて。三日後ってちょうど七日目だろ。つまりインフルエンザの自宅療養期間。俺が家を出れるのはその次の日。つまり――
「いけねぇぇぇぇぇぇ?!」
絶望が、木霊した。
「と、言うわけだったんだ」
「大変だったのにゃ」
「もう大丈夫なの? 陽月くん」
「おうともさ。むしろ暇すぎて悟り開く勢い」
と、実質一週間経ってからの初登校日。俺はいつもの三人に報告を兼ねながら会話していた。とは言っても、別段何かあったわけでもないのだが。
「陽月ってホント突然頭おかしくなるわね」
「これだよ、これ。この真姫の辛辣なツッコミ。戻ってきたって感じするわ」
「やっぱバカね」
一年生で唯一友達である彼女らと他愛のない話をしながら、この平凡な日常を今更ながら自分が気に入っていたことに気が付かされた。真姫は相変わらずツンツン1000%LOVE状態なんだけどね。いつになったらデレデレ2000%LOVEになるんだろ。
「でさ、俺が休んでる間にオープンキャンパス終わっちゃったじゃん? 結局どうだったのさね」
「そりゃもう大成功にゃ! 絵里先輩に希先輩も加わって……もう敵なしにゃ!」
「あ、そうかぁ……よかったよかった」
「あれ? 思ったより驚かないんだね陽月くん」
「まるで全部知ってたかのようね」
意外と鋭いぞ女の子!
「い、いやぁ……だってさぁ……虫の知らせがさぁ……」
「それよりこれで凛たちに欠けていた物が補えたんだよ!」
思ったよりテンションの高い凛。上手い事俺のフォローになっている。
「欠けていたのも? なんじゃそれ」
「もちろん胸囲――」
バン!
「りーんー?」
「ひっ!? に、にこ先輩いいいい!」
一体どこから聞いていたのか、勢いよく教室の扉を開け、物凄いタイミングよく矢澤先輩が登場。しかも、完全にプッツンモードである。
「さ、屋上行くわよ」
「や、やめてほしいにゃー! かよちん助けてー!」
「は、あはははは……」
「自業自得ね」
「うんうん。矢澤先輩怒らせちゃだめだぞ凛。いくら胸が―――」
「よーうーげーつ!?」
「や、やめろっ! 言論の自由!」
俺も何の気なしに不用意な発言。まさに矢澤先輩両手に花……もとい馬鹿。わかっていてもどうしよもない、そんな言葉は不幸の元であった。
「さ、花陽。先に部室にいきましょ?」
「う、うん……二人とも早く来てね?」
「なら助けろよ!」
「助けてにゃー!」
「諦めなさい」
俺と凛は屋上に、真姫と花陽は部室へ行ってしまう。なんだ、今日部活会ったのか……と、これで残りの気になっていたことを聞けるなーとか思いながら、これから起こる地獄にも劣らぬ出来事を、俺は凛と一緒に待つことになった。
口は禍の元である。気をつけねば……。
今回三年二人でないっていう進展ゼロ回。
超楽しんで書いてますw
そういえば、5thライブチケットについてきた特典CD聞きました!
ホント、ラブライブの曲は元気になれて好きですわ!
その元気をそのまま作品に還元していきたいと思います!