Another School idols diary   作:藤原久四郎

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まぁ、タイトル通りにはいきませんけど。
でも、ちゃんとそうなる予定です!


奇跡の起きる場所
始めよう、バイト


「バイトしたい」

「また始まった……」

「どうしたの? 陽月くん」

「相変わらず唐突にゃー」

 

 オープンキャンパスも成功の内に終わった(らしい)後の、特別何もない日。俺は相変わらず狭いコミュニティーの中で生きていた。今はそんな放課後の、皆が帰りだす時間。俺と、同じく一年生の凛と花陽、それに真姫と話していた。

 

 

「いやさ、俺ってなんもしてないじゃん」

「「「確かに(そうだね)」」」

「ちょっとくらいオブラートに包むとかできないのかよ」

 

 日に日に扱いが悪くなる気がする、でも今はそんな事はどうでもよくて。いや、どうでもよくないけど。

 

「だからさぁ、どっかバイト無いかなって」

「そうね……無難に飲食店とかは?」

「うーん……クレーム怖くない?」

 

 そう、最近は客側の声が大きく、鬱も発生しやすい職業の上位ランカーなのだ。飲食、接客、それもチェーン店などなら尚更酷いものだ。

 

「じゃあ……家庭教師!」

「珍しくまともだが、俺の成績知ってる?」

「あっ……ごめんにゃ……」

「でも凛と俺って成績同じくらいだからな? ブーメランだぞ?」

 

 家庭教師。これはまぁいい所につければ、と言ったところか。まぁ学力が地を這うレベルの俺では論外である。

 

「じゃあ……喫茶店とか、そういう個人経営のところは?」

「でもそれ接客とかあるけど……あぁでも、心当たりはあるな」

 

 ふと思い出す、二つの店。一つは電気屋ナマズ。まぁ、論外だろ。それに、喫茶店勿忘草。これはぶっちゃけアリだと思う。あの店の雰囲気俺好きだし、それにまた行くって言ったからな。果たしてバイト募集しているのか、という所は行ってから考えよう。……なんかもう一つ忘れてる気がするけど、まぁいいか。

 

「よし、今日は心当たりの所行ってみるか。一応だけど、μ'sにバイトしてる人とかいないのかな」

「うーん……穂乃果さんが自分のお店のお手伝いで、他は……ちょっとわからないかな」

「そっか、ありがと花陽」

「でも陽月、貴方なんで突然バイトなんてしようと思ったの?」

「えっ?」

 

 それもそうだ。何故俺は突然バイトなんかしようと思ったのだろうか。……なんか将来的に金が要りそうだから? とうか自分の事なのに疑問形って大丈夫か俺。

 

「まぁ、備えあれば憂いなしよ。ぶっちゃけ暇だし」

「陽月くんもμ'sの方に顔出してくれればいいのににゃー。今日だって練習なのに」

 

 一応俺は、あまりμ'sの方には顔を出さないようにしている。別に俺ができる事もないし、それに邪魔にはならないまでも、折角の皆の時間に水を差すほど俺は野暮ったくない。

 でも、アイドル研究部の活動にはちゃんと出てるぞ。じゃないと何故か矢澤先輩がとっても怒ってくる。以前サボって帰った時は何故か怒られた。物凄い剣幕で。

 

「まぁ兎に角だ、俺はバイトをする。そして金ためて……ビッグになる」

「うわ……」

「ちょっとないにゃー」

「なんかよくドラマとかで不良とかが言ってるよね」

「なんか花陽まで最近酷い……」

 

 今日は、バイト探しの旅になりそうだ。そして、勿忘草には二度目の訪問だ。

 

 

 

 

「というわけで……」

 

 授業後、俺は一人秋葉原の方まで足を運んでいた。勿忘草のある繁華街方面とは少し違うが、一応秋葉原の方で何かアルバイト募集してないか見に来た次第である。

 

「にしても……凄い人だ」

 

「いらっしゃいませー! 今日はオススメの一品ありますよー!」

「あっそこの兄さん! 今日はいい兄貴いるよー!」

「おい、急げ! 今日はミナリンスキーさんいるみたいだぞ!」

「やっべぇ! 早くしないと! この先の角を曲がった先の突当りにあるメイド喫茶だ!」

 

「えっ……なんか色々怖いんだけど」

 

 兄さんに兄貴紹介してる変なおっさんいるし……ちょ、こっち見てるし! ウィンクするな気持ち悪い!

 

「それより、やけに説明口調の若い人がいたけど」

 

 ミナリンスキーねぇ。確か矢澤先輩が前――

 

『ほら見なさい! これがアキバのカリスマメイド、ミナリンスキーさんのサインよ!』

『へぇ~なんか見たことあるふんわりした字ですね。これパチモンじゃないですか?』

『まぁ、ネットオークションで落とした奴だからよくわからないわ』

『えぇ……それを自信満々に見せつけられても……』

 

 てな感じで言ってたな。その時からちょっとは興味があったのだが、ネット検索でも写真NGだのそんなにいないだので、イマイチ人物像がわからないままだったのだ。

 

「……行ってみるか」

 

 一度バイト探しを中断し、伝説のミナリンスキーさんに会いに行ってみる事にした。サインとか貰ったら矢澤先輩が喜びそうだし、サイン貰えるか聞いてみないとな。

 俺は、やけに親切に解説してくれたお兄さんの言葉を思い出しながら、歩を進めた。

 

 

 

 説明お兄さんの言葉通りに道を進んでいくと、何やら喧騒としている秋葉原の中でもより一層の熱気を放っている所を発見する。これがどうやら例のミナリンスキーなる人物がいる、メイドさんが接客してくれる、所謂メイド喫茶らしい。

 

「……っしゃいませ♪」

「うおおおおおおおおおお!」

「いや、大袈裟だろ」

 

 俺も人混みの最後尾に並びながら一目見ようと背伸びをしてみるが、たわわな肉で鍛えられた屈強な汗臭い男たちの肉壁に阻まれ、辛うじて聞こえるのは消えかかった声だけ。しかもその一言でやけに盛り上がる男たち。正直臭い。

 

「あら? こんな所にイイ男が……ってアンタら! 何店サボってんのよ! 早く戻りなさい!」

「ひぃぃぃぃ! ママだぞ皆! 逃げろ!」

「あっ、待ちなさいアンタたち!」

 

 突如現れた化粧下手塗りの、微妙におっさんくさい要素のある……というかおっさんだ。その女装としか思えないおっさんが現れた途端、俺の目の前の肉壁はクモの子を散らすように逃げていった。お蔭で店の前はがら空きになり、残ったのは俺だけになった。

 

「……他の客も近寄れんわな。こんな明らかに怪しい男たちいたら」

 

 きっと怪しいお店勤めの男たちの事、もしかしたらみんな知っていたのかもしれないな。だからきっと見たくても見えなかったんだろう。というかそんな男たちはなんでこんな所にいたんだろうか。そこまで魅力的だったんだろうか。

 

「お次のお客様? いらっしゃいませ♪」

「……俺しか居ないんだっけ。じゃあ遠慮なく」

 

 扉一枚隔てられたこの先に、伝説らしいカリスマメイドのミナリンスキーさんが……そう思うとちょっと緊張するな。でもなんだろう、ちょっとしか緊張しないって。

 

「……お邪魔しまーす」

 

 何故かお店に他人の家に上がるように一言言いながら入る俺。内装は如何にもメイド喫茶……というわけではなく、勿忘草に近い落ち着いた雰囲気のお店だった。観葉植物も置かれていたり、机や椅子もゴテゴテした洋風のモノではなく、木で作られたものの様だ。この店は所謂隠れ家的な、メイド喫茶の中の隠れ家的な位置づけなのだろう。

 

「ご主人様♪ いらっしゃいま……せ……?」

「…………え?」

 

 そこには、俺たちのイメージにあるメイドのようなガチガチの恰好をしていない人が立っており、足がすっかり隠れたロングスカートと黒のユニフォームに、清潔さのある白いエプロン、それに同じく白いカチューシャをつけていた。そのカチューシャの横には、どうやって作ったのかわからない、独特な巻き方をされた……わかりやすくいえばトサカとでも言えばいいのか、髪をくるっと一回転させて作られた物があった。

 均整の取れた顔、それに服の上からでもわかる絶妙なプロポーション。そして一度聞けば確実に魅了されるその声。初見なら圧倒されるようなスペックを誇る、これがきっと伝説のカリスマメイドのミナリンスキーさんであることを確信させる多くの事実。だが俺はそれよりも、もっと別の事で驚いた。

 

「……ことりさん?」

「陽月……くん?」

 

 なにせ目の前に現れたのは、今はきっと練習に励んでいる筈の、本来いるはずのないμ'sの、俺の先輩である南ことりさんがいたのだから。

 




今更だけど、私の書き方って、凄いエロゲとかのノベルゲーの書き方なんですよね。

絵里編も終わって、また気が抜けてますが頑張ります!
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