Another School idols diary   作:藤原久四郎

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ヤバいヤバい……短編完結型みたいな書き方ばかりしてたら全然書けなくなってきた。
というかいきなりこの章の最終回だけ書いたから余計に変に…… 

という事で、今回も短いです。そして、メインではなくサブのお話です。


幻想の中で

「じゃあまたね陽月くん」

「はい、また明日です」

 

 あの後は結局予行演習も兼ねて、ことりさんを家まで送り届けた。その間は特に目立つこともなく取り止めのない会話を繰り返していた。ミナリンスキーとしてバイトをしていること、それにその中でのお客さんの話。この話の大半があのおっさんたちの会話だと思うと、中々面白くてあっという間に家までついていたというわけだ。おっさんたちは、俺の持っているイメージと、ことりさんの話してくれるイメージが思ったよりかけ離れており、少々戸惑ったが。ことりさんは「いい人たちだと思うよ?」と言っていたが、これが男女の格差か、とその時は苦笑いを返すことしかできなかった。

 

「さて、今の時間は……」

 

 メイド喫茶にいた時は三時くらいだったが……今は五時か。夕暮れもそろそろでもありまだまだでもある微妙な時間であり、そろそろ夏が近いという事を嫌でも俺にそう感じさせた。

 

「そうだな……勿忘草に行ってみるか」

 

 本来の目的、というかメイド喫茶なんてそもそも行く気なかったからな。おかげで何やら厄介の事になっているのは否めない。それでも、自分から首を突っ込んだ以上どうにもならないと、半ばあきらめ気味のまま、俺は勿忘草に足を向けた。

 

 

 

 そろそろ日も傾きだしオレンジ色の光が街を包む中、一際周りの喧騒とはかけ離れた場所、そこにひっそりと存在する勿忘草という名前の喫茶店に俺はやってきた。

 以前はゆっくり感想を述べる事も無かったのでこういう風に感じるが、実際ここだけ繁華街とはかけ離れた……ひっそりとした、まるで草原に小さく咲いている花の様な所である。

 

「こんにちはー」

「ん、いらっしゃいませ」

 

 そして店の扉を開くと、外観からの印象そのままの店内が俺を迎え入れる。そろそろ閉店の時間が近いのか店の中には人がおらず、店長も少し驚いた様子だった。俺はとりあえず、店長のいる場所に一番近いカウンター席に腰かけた。

 

「ご注文の方は?」

「えっと、今日のオススメコーヒーで」

「かしこまりました」

 

 店長は注文を取り軽く会釈をした後、慣れた手つきでコーヒーを淹れはじめた。手元に置かれていたコーヒー豆の袋から一人分と思われる量の豆を取り出し、あれは……ミルだろうか、豆を細かくするものでゴリゴリと削りだす。そして、その間待つ必要もないので、本題を切り出す。

 

「あの、一つ聞いてもいいですか?」

「はい、なんでしょうか」

 

 よ、よく考えたら別に店長と仲がいいわけでもないし、いきなり「バイト募集してますか?!」って聞くのってどうなんだろう。いやでももう言っちゃったし……ここで後戻りするのも……。

 そうこうしている間にも店長は俺の問いかけに対して不思議そうな表情をしており、早く言わねばという気持ちだけがはやる。

 

「あ、あの……ここって今バイト募集してたりしませんか?」

「バイト……バイト、ね」

 

 店長はふむ、と逡巡する仕草をしながら何やら思いを巡らし始めたようだった。し、しまった……もっとさりげない質問から行くべきだったか? というかもっと通ってからとか、求人見てからでも良かったぁ……。

 

「バイト、か。確か陽月くんと言ったね」

「あ、はい。そうですけど」

「すまない、盗み聞きをするつもりではなかったのだがね、希くんとの会話がどうしても聞こえてきていたんだ」

 

 希くんとの会話か、きっと以前来た時の事を言っているのだろう。それに希くん、か。やはりこの二人はそれなりに関係があるようだな、と今はあまり考えなくてもいい事を考えてしまう。それより、今は店長との会話が優先だ。

 

「それで……今ってどうなんでしょうか」

「そうだね……今は、本当なら募集はしていないんだ」

 

 そう言う店長の表情はどこか寂しげに見えるが、それでいて不思議と吹っ切れたようなどこか爽やかさを残した顔をしていた。やっぱりそうだよなぁ……。いきなりこんな不躾に来たらそうなるわな。表には出さずとも、内心ガッカリする。

 

「でも、そうだね……最近は一人で忙しくてね。実はホールを一人か二人募集しようかと思っていたんだ」

「ほ、本当ですか?」

「あぁ、本当だ。でもそうだな、少し時間を貰ってもいいかな。一応採用するにあたって条件とかを纏めておきたいんだ」

「それって……俺が相応しくないって事でしょうか……?」

「あぁ、そう言う事じゃなくてだな。気になるだろう? 自給だとか、時間のとられ方だとか」

 

 あ、そっちか……でも、何故だろうか。店長から親しみを感じるというか、俺に対してというより……希さんにもそうだったように親近感を見せているというか。俺なんか初対面に近いのに、この対応の仕方なのだ。まるで娘息子を眺めているかのような……。

 

「だからそうだね……一週間、一週間でいいから待ってはくれないかな? それまでにまとめておくから」

「一週間ですね、わかりました。よろしくお願いします」

 

 もしかして、俺がいきなりこんなふうに話すことができたのも、心の底でこの人なら安心できるってそう思ったからなのだろうか。いや、考えすぎか……?

 

「じゃあ、こちらこそよろしく頼むよ。……それと、本日のオススメです。お待たせしました」

 

 店長は話しながらコーヒーをその間に作っていた様で、俺の座るカウンター席の方へコーヒーを丁寧に出してくれた。そして、コーヒーを出す瞬間、先程の親しみのある店長から、何か口調が切り替わったような気がした。もしかしなくても、プライベートと接客でわけた話し方をしていたのだろう。これが考えすぎた原因か?

 

「じゃあ、いただきます」

「……はい」

 

 店長がコクリと頷いてから、俺は差し出されたコーヒーを軽く一口口に含んだ。夕焼けの日差しが差し込むガラス張りの窓。その光を受けて仄かに反射をする木の机。そんな幻想的な空間で自然に口に入ってきたコーヒーは……どこかいつもより甘く、いつもより苦い味がした。

 




んーそろそろモブ……勿忘草と忘れられてそうなクレープ屋の店長の名前ださないと……普通に客と店の関係だと名前聞く方が珍しいしなぁ……。

そして、これからは頑張って更新を続けていくつもりですが先程も申したようにスランプ?気味なので遅くなるかもしれません……暖かく見守ってくだされば幸いです
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