Another School idols diary   作:藤原久四郎

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なんとなくプロットをまとめ、書き始めました。
メモ書きにしてはやけに書き込まれててまたこの章の長さを実感。


部活、そして

 結構な濃密さを秘めた昨日は過ぎ、現在次の日の学院である。とは言ったものの、既に授業は全て終わっているし、後は帰るだけである。

 

「うーん……」

「ど、どうしたの陽月くん」

「また始まったの?」

「陽月くんはいっつもこんな感じにゃー」

 

 何気に酷い事言われている様だが、それよりも今は優先すべき事がいくつかある。それはまず一つ、ことりさんの事である。頼まれた手前すっぽかしもできないし、かといってよく考えたら連絡とる手段も無く、こちらが出向くか、あちらが来るかを待たねばならない。そしてもう一つ、そのことりさんに関係しているが、一応ボディーガードを頼まれているのだ、何も準備しないわけにもいかないのだ。という事で、一番強そうな海未さんの下へお話を聞きに行くのが必要だとも思っているのである。これはまぁ、ことりさんの事と同時に出来るからいいとして……後は少し早いがバイトの申請だな。どうせどこかで働くし、生徒会にもいかねばなるまい。

 

「ねぇ、陽月くん。今日は帰らないの? 部活もあるよ?」

「放っておけばいいじゃない、陽月にも色々あるんでしょ」

「最近陽月くん一緒に帰ってないから帰ろうにゃー」

「うーん……」

 

 確かに、最近一年生の花陽たちと……というかμ'sに関わっていないのだ。絢瀬会長の一件以来、中々出向く機会もなくというわけで。一応アイドル研究部の部員であるから活動にも顔をださねばとは思うのだが……絢瀬会長にけしかけられてからというもの、どうにも行きづらい。もう一人の当事者の凛はさっぱりわすれたようだったが。

 

「よし、今日は部活へ行くぞ!」

「だって凛ちゃん。今日は部活に行くって」

「陽月くんもいる部活は久しぶりだにゃー!」

「……なんでそんなにはしゃぐのかしら」

 

 ことりさんの件も、海未さんの件も、そして生徒会への件も兼ねて一気に解決する部活へ今日は行くことにしよう。

 

 

 

「こんちわー」

「こんにちはにゃー!」

「こんにちは」

「……こんにちは」

「あれ、陽月? 久しぶりね」

 

 花陽たちと教室を一緒に出た後、向かった部室には案の定というかやっぱりというか、アイドル研究部部長の矢澤にこ先輩がいつも通りパソコンに前に座っていた。そして振り向かずに返事をするのも久しぶりに感じられ、少しだけ笑ってしまった。

 

「んーいつも通りかけてて」

「へーい」

 

 矢澤先輩もいい加減慣れたのか、ぶっきらぼうにそう告げた後パソコンでの作業を再び開始し始める。毎回思うけど、この人いつもなにしてるんだろう。

 

「こんにちはーって皆早いねー」

「こんにちは」

「こんにちは~」

 

 俺たちが椅子に座ったすぐあと、元気一発と言わんばかりに二年生の三人がやってきた。相変わらず穂乃果さんは元気満々な様子で、こちらを見ると笑顔を振りまいてくる。ことりさんは、昨日もあったから別段何もない。

 

「……―っ」

「……な、なんだ?」

 

やはり平和だ……とか思ったのだが、海未さんは何故か俺の方を凝視し、全身を嘗め回すように視線を這わせてきた。いや、単に不安そうな……落ち着かない様子だが。お、俺何かしたのか?

 

「あれ、もう皆揃ってるん?」

「あら、皆早いわね」

 

 と、蛇に睨まれた蛙の如く固まっていた俺の硬直を解いたのは最後のメンバー、三年生の希さんと絢瀬会長がやってきたからだ。二人ともこちらを見て、あら珍しいと言わんばかりの視線を送ってくるが、誰のせいで来づらかったと思うんだ、と視線で返事を送り返してやった。

 

「じゃあ皆揃ったし、今日のミーティングを始めまーす!」

 

 全員が席に座ったのを確認すると、穂乃果さんが大きく声を上げた。

 

「じゃあ、次にしていくことなんだけど……」

 

 今日の議題はこうだ。目下最大の危機、オープンキャンパスにおける廃校の危険はアンケートの結果、もう廃校の方が不思議、という結論に至ったらしい。と、言う事で次はもう一つの……スクールアイドルなら誰しも目指す『ラブライブ!』に向けた方針を決めるという事らしい。まぁ、俺には関係ないから特に何も言う気はないんだけどさ。

 

「あ、あの……少しいいですか……?」

「んー? 何、海未ちゃん?」

 

 皆がわいのわいのとどうするかを話し合っていると、おずおずと申し訳なさそうに海未さんが手を上げていた。それも、何故か深刻そうに。

 

「あの、あのですね……」

 

 海未さんの発した一言は、これからのμ'sに大きくダメージを与える事になりそうな、そんな一言。

 

「ええぇぇぇぇ!? ス、スランプ~?!」

 

 部室には、俺を含めた九人の驚愕の叫び声が木霊した。

 

 

 

「駄目なんですぅぅぅぅ……最近、どうにも筆が進まず……オープンキャンパスが終わってからというもの、まるでアイデアも浮かばず……」

「だ、大丈夫? 海未ちゃん」

「ことり~……私の代わりに詩を書いてください~!」

「む、無茶だよ~!」

 

 な、なんと言う事だ。まさにこれからだという時にいきなり海未さんの不調。よく考えたらμ'sは作詞作曲衣装にダンスまで全て皆でやっているのだ、逆に何もない方がおかしいというものだ。

 

「う、海未先輩……辛そうにゃ……」

「ど、どうしよう……」

「私も、最近いい調子とは言えないんだけどね……」

 

 一年生の皆は不安げな様子を隠せずにおり、さりげなく真姫も爆弾発言をしていたりと、なにやら不穏な空気が流れ始める。

 

「皆落ち着いて! 海未や真姫に負担をかけすぎているのも事実でしょう? だからここは皆で力を合わせて乗り切りましょう!」

 

 パン、と手を叩き皆を鼓舞するのは最年長の絢瀬会長。こういう時に三年生のお方は役に立つな……どっかの先輩はあまり役に立たないけどさ。

 

「そうやなぁ、じゃあ皆で手分けして手伝っていくとかどう? 衣装の方はテーマが決まらないと難しいと思うから後にして、五人五人でわかれて作詞作曲とか」

 

 次いで助け舟を出すのは希さん。この人は余裕ありありの様子で、助言も的確である。この有能さをどこかの先輩にもわけてもらいたいものだ。

 

「ふんっ!」

「いってぇ!」

 

 何故か一人でうんうんと頷いていたら矢澤先輩に殴られた。なんで皆人の心読んでるんだよ。

 

「そうね、今日は希の言った通り五人ずつにわかれて作業をしましょう? 自分でできると思う方にとりあえず手を上げてちょうだい」

 

 さて、俺はどうするか……以前も言った通り音楽のセンスは壊滅的だ。困った事に、おたまじゃくしとは共存できない間柄にあるのだから。

 

「じゃあ、作詞を手伝う人ー」

 

 絢瀬会長の提案に手をあげたのは……俺と、穂乃果さんと凛と……おってことりさんが手を上げた。

 

「おっ、丁度ええやん?」

「じゃあそうね……作詞を手伝う人はこのまま部室で、作曲を手伝う人は音楽室にいきましょうか」

「うん、じゃあ皆別れて始めよーう!」

 

 上手く先導した三年生の二人にに続き、穂乃果さんが無邪気に気合十分に声を上げていた。だが、ここで不安が募る俺。なぜなら作曲メンバーには比較的しっかりした人物が集結しており、こちらは比較的まともな海未さんが壊れているのだ。のこりは凛やことりさん、穂乃果さんだが、凛はまぁいいとして問題は穂乃果さんとことりさんだ。二人とも独特の雰囲気と言うかテンションがあるから余計に心配をしてしまう。まぁ、そこにいる俺も大概なんだけど。

 

 

 

 という事で二手に分かれた俺たちは、とりあえず海未さんがどういう風に不調なのかを聞くことにしたのだが……

 

「ことり~お願いしますぅ~」

「う、海未ちゃん~苦しいよぉ~」

「穂乃果さんこういうのどう思いますか~?」

「わぁー! 凛ちゃんすっごーい! センスあるよ、作詞の!」

 

 というわけで早速統率がとれていない。お願い帰ってきて三年生の皆さん。

 どうやら、前途多難なようだ。

 

 

 

 一方その頃……

 

「あれ? 真姫ちゃん全然作曲出来てるみたいだけど」

「それは没よ」

「没って……それも一個や二個じゃないのね……」

「真姫ちゃん意外とストイックなんね」

「単に完璧主義者なだけじゃないの?」

 

 こちらは、前途無難すぎるようだった。

 

 

 

「ことり~……貴方しかいないんですぅ……」

「う、海未ちゃん……」

「できたよ穂乃果さん! 名付けて猫ちゃん大行進!」

「わぁ、わぁぁぁぁ! これで次のライブの曲は決定だね!」

 

「……誰か助けてー」

 

 早速不安に駆られる陽月だった。

 




ぶっちゃけ凛が穂乃果の事を『さん』で呼ぶのか『ちゃん』で呼ぶのか迷いました。先輩は……なんか違和感感じたのでやめました。ちゃんはアニメでは呼び捨て回が初出だったきもするんで、とりあえずさんに。もしも違うようなら訂正はします。
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