Another School idols diary   作:藤原久四郎

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ちなみに今日が投稿初めて半年だったり。
いやぁ、よく続いてこれたなこの作品。そして相変わらず今回も関係ない話題&短い。
まぁ、単に半年記念の日だから投稿したかったんです。


続・部室にて

「で、気は済みました?」

「別に、アンタたち疑ってるわけじゃないわよ」

「珍しいわね、にこ。貴方がそんなにムキになるなんて」

「む、ムキになんてなってないわよ」

 

 地獄の一瞬を体験した後、何事もなく二人で部室に戻ったのだが何故か矢澤先輩からよくわからない追求を食らった俺と絵里さん。なんでそんなに仲が良くなってるのか……そう見えるのはおかしい。なんで呼び捨てなのか……これは脅迫、と言いかけたが見事に封殺された。等々、色々な疑問や疑念が浴びせかけられたのだった。

 

「呼び捨てに関しては本当、もう……その……名前の方が呼びやすいからって言うか?」

「なら私も呼び捨てでいいじゃない」

「でもなんか矢澤先輩は矢澤先輩って言う感じで、その名前で呼ぶのに抵抗があるっていうか」

「な、どういう意味よ!」

「貴方たちも、仲がいいじゃない」

 

 どうやら矢澤先輩は、俺が苗字と先輩付けで呼ぶのが気に食わないようで、このやりとりは既に何度も行われていた。そうは言っても、なんというか矢澤先輩に向かって、下の名前で呼ぶのは何故か躊躇われるのだ。なんというか……多分、例の『にっこにっこに~』から来る一抹の恥ずかしさがそうしているのだろう。普通に『にこ』って呼びづらいとも思うんだけどな。

 

「まぁ、とにかく。矢澤先輩は矢澤先輩っすよ」

「釈然としないわね……」

「二人の睦まじい時間を邪魔するのもアレだし、そろそろ私生徒会に戻るわね」

 

 アンタ、わざわざ俺を仕留めるためだけに来たのか。

 

「あっそう。って仲睦まじくないわよ」

「ほら、そんなだから陽月も嫌がるのよ」

「……うるさいわね」

「ま、元々矢澤先輩の扱いはこんな感じですけどね」

「アンタはもう少し優しくしなさいよ!」

「やっぱり仲いいじゃない」

 

 これ以上悪乗りすると、本格的に後が怖いので俺は笑顔で適当に相槌をついておく。

 

「じゃあね。また練習の時には来るわ」

「ふん、それ以外では来ないでほしいわね」

「あら、それは二人の時間を邪魔するなって事?」

「早く帰りなさいよ、もういいわ……」

「あら、怒らせた? じゃあ雷が落ちてくる前に退散するわ。じゃあまたね」

 

 嵐の如くやってきた絵里さんは、何やら矢澤先輩をからかってから部室を後にした。というか、なんかあの人最近拍車をかけて恐ろしくなってる気がする。誰だよ、そんな風に完全無欠の生徒会長を煽ったやつは。

 

「ふぅ……アンタも、絵里には喧嘩うらない事ね。命が大事なら」

「それはもう身を持って経験してますよっと」

「ならなんでそんなに煽るのよ」

「なんというか……面白いっていうんですかね?」

「アンタやっぱ馬鹿だわ」

 

 部室に立ち尽くしていた矢澤先輩は、やれやれと溜息を吐いて首を振っていた。だってあの人面白いもん。その内ボロが出てポンコツな面だとか、アホな顔してくれたりとかしそうだもの。

 そうこうしている内にも、そろそろ海未さんに稽古をつけて貰う時間が近づいていた。別に約束などをしているわけではないが、大体いつも日暮れ前には行くから勝手にそう言っているだけである。

 

「ん、じゃあ俺そろそろ帰りますね。毎度の如く、部活らしいことしてませんけど」

「私はしてたのに邪魔が入って捗らなかったわ」

「おぉすみませんすみません。じゃあ俺も退散させてもらいますよ」

「なによそのお茶らけた態度は……」

「怒らないで怒らないで、マジで拳振りかぶるのやめてしかもそのまま踏み込んでこないで」

 

 俺がちょっとふざけるとこれだよ。ちょ、目が据わってるんだけど、本気で殴ろうとしてないか?

……嗚呼、俺は一体いつまでツッコミ役やってればいいんだ。

 

「……まぁいいわ。じゃあさっさと帰りなさいよ。私まだ作業あるんだから」

「まぁ最初からそのつもりですけど。あと、ちなみに何の作業なんです?」

「秘密よ」

 

 取り付く島もなかった。

 

「まぁまぁ、前々から気になってたし、教えてくれても――」

「秘密よ」

 

 まさに暖簾に腕押し。そういえば、部室で前一人残された時に「マル秘! 矢澤にこのアイドルノート」っていうものなら見たこともあるが、その内容もまんまアイドル関連の事だったし、もしかしたら今はそのノートを使わずにパソコンに打ち込んでいるのかもしれない。だったら別に隠す必要も無いと思うのだが。

 

「ちぇっ、けちなんだから。だからいつまでたっても先輩なんだ」

「それ関係ないでしょ。そんな事どうでもいいから、ほらさっさと帰りなさいよ」

「あーあ、ひっどい先輩だこと。じゃあお言葉通り帰りますよーっと」

 

 扱いの悪い事で少しだけ傷ついた俺は、素直に持ってきている学校用のスクールバックを背中に背負って部室から出ようとする。

 

「ちょ、ちょっと……本当にもう帰るの?」

 

 と、丁度扉の引手を触ろうとしたところで背後から呼び止められた。

 

「なんすか……帰れって言ったのそっちじゃないですか」

「そ、そうだけど。最近部活らしいことしてないからなんかしようと思うんだけど……」

「自覚あるんですね」

 

 というか、なんかってなんだなんかって。思いつきで人を帰らせようとしたり、引き留めたりしないで欲しいものだ。

 

「まぁ、まだ時間あるからいいですけど。何するんですか?」

「そ、そうね……考えるから待ちなさい」

「せめて案があるなら呼び止めてくださいよ」

 

 半ば呆れ気味に返事を返すものの、うーんと唸りながら何するか考えている矢澤先輩にはどうやら聞こえていない様だった。

 

 

 

 立ち尽くしながら待つこと五分。思い立ったように矢澤先輩は口を開いた。

 

「ごめん、やっぱいいわ」

「なんで呼び止めたんだよ!」

 

 何この無駄なやり取り。

 

「もういい! 俺は帰らせてもらう!」

「あ、それ最近みたドラマの死亡フラグね」

「うっさいわ! じゃあまた来ますから!」

「うん、またね陽月」

「はい、さようなら!」

 

 五分も無駄に立たされた挙句、結局放逐された俺は半ば呆れながら部室を飛び出した。やけに最後はスッキリした表情を矢澤先輩はしていたが、もしかしたら絵里さんと同じように俺をからかって遊んだだけだったのかもしれない。三年生組からの仕打ちのお蔭で、俺には理不尽な胃痛襲い掛かり、それも最近は着実に加速している。ここらでボケに走らないと、その内発狂ロールが入るかもしれない。

 

「…………武道場行くか」

 

 三年生組とは関わると危ない、そんな虚しい教訓が俺の思考の中によぎりつつ、俺は少しだけ重い足を武道場に向けて歩きだした。。

 




うん、まだ当分はこんな感じで続きそう。
それでもいいよって方はこれからもよろしくオナシャス。

相変わらず感想はウェルカム。ぶっちゃけ展開に関する事とか以外ならなんでもペラペラしゃべっちゃう。それくらい嬉しかったりする。
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