Another School idols diary 作:藤原久四郎
というよりそろそろ死んでるんじゃないか説立ちそうなので急遽生存報告も兼ねてます……(他の投稿してるからばれてそう
本音言うと展開に悩みすぎて筆がまるで進まず、当たり障りのない決まった範囲まで書ききっております。
「どうでもいいですけど、ことりさんの髪ってどうやってセットしてるんですか?」
「え? 企業秘密っていうのかな?」
「なんやそれ」
他愛のない会話を繰り返しながら、気が付けば俺とことりさんは初めてきたわけではないことりさんの家までやってきていた。そして俺はその間も、ずっとウサギパンツの主の事を夢想していたため、所々でウサギだのパンツだの言っていたようで、ことりさんに怪訝そうな顔で何度も見られてしまったのは内緒だ。
「じゃあ、入ろうか。ちょっとまってて?」
「ん、大人しく待ちます」
ことりさんが先に門を潜り、鍵を開けるまで俺は言われた通り門の前で待つことにした。
「あ、あれ?」
「お、どうしました?」
ことりさんは門の辺りでガチャガチャとドアノブを何度か捻った後、何故かもう一度とぼとぼと戻ってきた。
「鍵、もってなかったよぉ……」
「お、おう……」
ことりさんは今にも泣きだしそうな勢いで落ち込みながら、俺に鍵を所持していない事を告げてきた。いや、まぁよくあるけどさ。昔は親が何故か帰ってこなくて何度か橋の下で寝かけたし。
「んーじゃあどうします? ことりさん、一応学校行けば理事長いるんですから、鍵くらい貰えると思いますけど」
「そうだけど……折角学院に戻るなら部室にいこ? 皆だって頑張ってやってくれてると思うし」
「だから最初から学院に行っておけば――」
「なーにー陽月くーん?」
「ナンデモナイデス」
「もう……」
「ま、衣装作りはまた手伝いますし、とりあえず学院に戻りますか」
「うん! 皆きっと頑張ってると思うし、もしかしたら一曲出来てるかも?」
「お、そうしたらこっちも衣装作り頑張らないといけないですね。そりゃ八人もいてなんも出来てないなんてありえないですよね!」
俺とことりさんはお互いに笑いあいながら、ここには居ない八人の頑張りの事について考えながら、部室に戻る事にしたのだった。
そして相変わらず、そんな二人の後ろをコソコソとついていく影が八つ。いい加減ばれないのだろうか。まるで都合のいい状況だけが、彼らには見られないかのようにすら感じられてくる程である。
「ねぇねぇ皆! 陽月くんたち部室に戻るって――」
「破廉恥です! 二人きりで家になど!」
「海未先輩が完全に壊れたにゃー!」
「……凛ちゃん、ウサ――」
「にゃああああ!」
「……これ、大丈夫なの? 陽月たち部室に行くみたいだけど」
「えぇ~っと……ちょ~~~~っとまずいかな?」
「まずいわね、ここで陽月に弱みを握られるのは」
「そっちじゃないわよ絵里」
「…………ウサギ、まさかね」
そう、彼女たちは本来ここに居てはいけない……というより居る事がおかしいのだ。彼らの共通された事情では、この場にいる八人の残念な女神たちは部室にて作詞にいそしんでいる筈なのだから。
「ど、どうするの~!?」
「どうするも何も、陽月たちより先に戻るしかないわ! 皆急ぐわよ!」
絵里の一言で皆がこの状況での問題を考えたが、よくよく考えたら特に自分たちには問題がないと半数が思ったりもしていた。主に困る(と思っている)のは絵里だけなのだ。
「ですが、ここから学院に戻るとすれば陽月さんとことりがいる道が一番早いのです。そうすると私たちは必然的に陽月さんより遅くついてしまいます」
「あ、海未先輩が戻ったにゃ」
「凛ちゃんもね……」
「じゃあどうしような~他に早くつける道あったかな?」
「仕方ないわね、ここは一人が囮になりましょう」
「な、なんか重い話になってきたよ」
毎度の如く提案するのは絵里、そして突っ込むのも穂乃果である。
「全員でじゃんけんして、一人が陽月たちを引き付けている内に皆で部室に戻りましょう。そうすれば最低限の犠牲で辿りつけるわ」
「え、絵里先輩。犠牲って……」
「きっと陽月の事よ、サボっていたと知れたら皆制裁されるわよ」
「……陽月くんそんなキャラだったかなぁ」
「私が行ってもいいわよ。というか、私は困らないし」
「それじゃ面白くないでしょ、真姫」
「今のが本音ですよね絵里先輩……」
と、全員で押し問答をしている間にも、陽月とことりは着実に学院に向けて歩いていっていた。
「ま、まずいですよ! ことりちゃんも陽月くんも先に行ってます!」
「仕方ないわね、ここは公平にじゃんけんでいきましょう!」
「あ、この流れって」
希は絵里の提案にあっ、と会話に参加せず座り込んでいたにこの方を見ていた。するとそれに気が付いた残りの全員もあっ、と何かに気が付き、そして閃いたようだった。
「な、なによ」
「い、いや~なんでもないんよ~。さっ、じゃんけんじゃんけん」
全員が集まり、円を組んで握られた手を出す。
「じゃーんけーん」
ぽん!
「……はい?」
そこには、グーが八つ、チョキ一つとある意味予想だにできない、いや逆に容易に想像のついた光景が広がっていた。その状況に驚愕しているのは、やはりお前か矢澤にこ。そしてやっぱりこうなった、と見るからにそう見える表情を浮かべている残りの全員であった。
「な、アンタたち全員で組んで……」
「ちゃ、ちゃうんよにこっち。これはな、こういう運命やったんや。カードもそういっとるんや」
「希が言うとそれっぽく聞こえるけど……アンタ、カードがただのトランプよ」
「さ、にこ。ここは大人しく犠牲になってちょうだい。皆のためにも」
「……絵里、絶対楽しんでるでしょ。それに犠牲って……」
「あら、そう見えるかしら」
「……はぁ、まぁいいわ」
「~みたいな感じで酷いんですよ絵里さん」
「へぇ~絵里先輩そんな風なんだ。陽月くんの前だとそんなお茶目に~」
「いや、お茶目じゃなくてからかってきてるだけですよ?」
「いや、私から見たら――」
「お、おっほおん!」
「な、なに?」
俺とことりさんが学園に向かって歩きながらある人物の愚痴を話していると、これでもかというくらいに怪しさ前回の咳き込みが後ろから聞こえてきた。勿論そこまで白々しい音を無視することも出来ず二人揃って振り返るとそこには、
「や、や~ごほっ。わ……私は通りすがりの占い師に……じゃ」
「さ、いきましょうことりさん」
「む、無視しないで!」
「いやぁ……誰だよアンタ、怪しすぎるわ」
「あれ……この恰好」
俺は半ば呆れながら元の道を進もうとしたが、引き留められてしまったのでもう一度向きなおして突如として背後の曲がり角から現れたと思われるその不審者の恰好を観察していく。深くかぶった目だし帽に大きなサングラスとマスク、夏も本格的にやってきそうな時期なのにマフラー。更に全身すっぽり覆う程の厚手のジャンパー。なにこれ。そして隣のことりさんも何か思う所があるのか、うーんと考えながらしかめっ面をしていた。……目の前の人物は、一点の曇りもないくらいにすがすがしい不審者であった。
「何ですか? 怪しい人についていくなって親から教わってるんで」
「アンタ――ごほん、それより一つゲフンゲフンを占ってあげ……ますよ」
「色々と怪しさ全開じゃねぇか!」
「うるさいわね! 黙って占われなさい!」
「ひえっ……」
こわっ! 最近の不審者こわっ! しかも今の声、明らかに興奮した女の声だな……もしかして本物のストーカーとかじゃないよね。俺まだ女の子に恨み持たれそうなことした記憶なんてない……やっぱいくつかあるわ。
「さぁ、はやく手を出しなさい手を」
「は、はいっ」
下手に素性の知れぬ相手を刺激するのは憚られたので、素直におずおずと自分の手をその不審者に差し出す。いきなり背負い投げとかされないよな、あの人みたいに。ふと幾百と投げられた記憶を追想し、俺の脳裏には空より深い青をした髪の人物を思い出していた。
「……はっ!」
「どうしたの海未ちゃん?」
「どこかで私を呼ぶ声がします!」
「や、やっぱり海未先輩壊れてるにゃ!」
「凛ちゃん、スカート翻って――」
「いにゃああああ!?」
「あはは、皆にぎやかやなぁ」
「皆、早く! 学院は近いわよ!」
「……もういや」
残念な女神たちは、いそいそと学院へ向かっているようだった。
「……ふむ、ふむふむ」
「あのーいつまでこれを?」
「黙って!」
「ひぃ!」
五分後。俺は未だに例によって意味の分からないまま手をにぎにぎされたり、意味がわからないくらいに観察されてていた。いや、本当になにこれ。
「……はっ!?」
「ひぃぃぃ?!」
「……なんでもないわ」
「なんなんだよ!」
もうやだホント。
「……やっぱり、だよねぇ」
「いやいや、ことりさん。見てないで助けてくださいよ」
「んー? 面白いからもう少しっ♪」
「……やっぱことりさん性格悪いわ」
「なんかいったぁ?」
「ナンデモナイデス」
「なによそ見してんのよ!」
「す、すみませえええん」
「……うふふっ♪」
……ホント意味わからん。というかことりさんホント微笑ましそうに見てないで助けてよ……。
俺の悲しみはことりさんには伝わらず、いつまでこの不審者に付き合わねばならないのかを、空を見上げ溜息を吐きながら考える事になったのだった。
いやぁそのぉ……脳コメ最新刊見てたら無性にこう書きたくなって。(ステマ
やはり直近で見たものに酷く影響される文体ですね、はい。
そして今後の連載に関する事は一応活動報告のあたりに書いてあるので、よければ。
そしてこんな稚拙な文を心待ちにしていた方には謝罪と感謝を……ホントもう頑張るんで。