スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
生身もいたりしてあれだけどこの話は頑張って普通のスパロボを目指せれば良いなとは思ってます。
投稿者の他の小説に同じ名前やスタンスの人間がいるかもしれませんが並行世界の同一人物という事でお願いします。
ちなみに主人公結城苺悟(イチゴ)のイメージCVは先導アイチ(キャラ名で勘弁を)です。


第一章 回り始めた歯車
第1話 悪魔の星の忌み子


 昔々、世界を砕き、繋ぐ事件(ブレイク・ザ・ワールド)が起きるより遥か昔……

 

 ~志葉家 邸宅~

 

 黒子の朝は、早い。

 掃除、霧吹きで観葉植物に水やりをしたり、そして炊事、その他諸々……

 それら全てを朝までに終える。

 それが終われば、街に出て掃除……

 ここまでは日常茶飯事と言えるので、いつものようにテキパキ行動すれば別段問題はない、今時藁箒なのはいただけないが………話は変わるがこの家では非常事態を知らせる鈴がある、その鈴が鳴る瞬間、それだけはいつまで立っても慣れない。

 カランカランカランカラン~

 その瞬間がやってきた。

 言ってしまえば、敵襲の知らせ……

 鈴の音と共におみくじもセットで出てきて番号で位置が分かる仕組みになっている。

 一目散に外へ向かった。

 この世界……特に日本では見える妖怪と、見えない妖怪がいるらしい。見えない妖怪は、祓忍(はらいにん)とか道士(タオシー)とかシャーマンとか魔法使いとか、その道の一族代々の職業の人が秘密裏に祓うなどの処理をしてくれている分まだ良い、だが、見える妖怪というのがいて……そいつ達は確実に人を襲う。誰にでも見える分、一層恐怖を煽ってしまう。

 名前はアヤカシ、外道衆、牙鬼軍団とかもいたような……今回牙鬼軍団は関係無さそうだからアヤカシ、ないしは外道衆の話をしたい。これまたそれらと戦ってきた殿様と家臣の一族がいて……その一族の殿様がこの家……志葉家の人間である。

 鈴の音の鳴った瞬間、黒子の役割は殿様を現地に運ぶのと、外道衆が襲撃する際の人々の避難誘導に変わった。

 ~市街地~

 

 「ガヤ、ガヤ!!」

 

 街の一部が燃えている。

 燃やしているのは外道衆……隙間に佇む、怪異達

 出てきたのはナナシ連中、モブ的な奴らで弱いが数はたくさんいるそうだ。

 志葉家の殿様、丈瑠に倒してもらうのが一番ではあるが、殿様は一人、とても手は足りない。

 頭巾を被ってる間は全く声がでない、役に染まるとでも言うのか?声を出そうとする気にならない。だから身ぶり手ぶりで精一杯誘導する。

 女の子とか男の子とか老人とか、時にはおぶさらなきゃいけない相手もいて……

 

 「!!」

 

 今にも、ナナシ連中の2体が女の子に突っかかろうとしている。

 

 「!?」

 

 すぐに女の子を助けに行く事にした。そうしなければ、後味は悪いし黒子の役割としても失格だ。

 ナナシ連中にタックルを仕掛ける。ダメージにはならないだろうがよろけさせればOKという心持ちで向かった。

 

 「!?」

 

 だが、ナナシ連中はよろけもしない。以前から殿様が倒してくれていた奴らより強くなっているのか?

 

 「ガヤ!!」

 

 ならば女の子を庇う、いっそのこと黒子として死ねるのならそれが良いという思いが脳裏をよぎった。

 ナナシ連中は、勢いづけて得物を振るう。

 急いで女の子に近寄り、庇った。

 避けられない、避ける訳にはいかない。

 と思っていると背中が削られるような鋭い痛みと、自分の中から何かが飛び散っていく感触がした。

 

 「!?」

 

 傷は浅い……とはいえ背中からそれなりに出血したせいか少し息苦しくなってきた、声を出すために頭巾を取ろう。

 

 「ハァーッハァーッ」

 

 「ガヤ?ガッ!!」

 

 すぐさま2体一辺に回し蹴りを浴びせ、ノックバックさせた……その隙に女の子を連れて距離を取る。

 

 「…………お兄ちゃん、大丈夫?」

 

 「ハァー………なんとかね、それより怪我はない?」

 

 「うん」

 

 「なら良かった、さあ、あっちだよ……あっちにオレと似たような格好をした人がいるから」

 

 「お兄ちゃん、名前は?」

 

 何も知らなさそうな子供だし言っても構わなさそうな安心感があった、だから下の名前を言った。

 

 「イチゴ」

 

 「ありがとう、イチゴお兄ちゃん」

 

 女の子はイチゴに向かって頭を下げた。

 

 「いいよ」

 

 丁度他の黒子が視界に入ったので、呼び止めて女の子を連れて逃げてもらった。

 

 「さあ……行った行った」

 

 遠くに向かう他の黒子共を見て胸をなでおろしつつ……さっきのナナシ連中を見た。

 

 「用事は終わったかって?ああ、待ってくれたんだ、ありがとう」

 

 ナナシ連中が迫る。じわりと感じる命の危険、随分久しぶりに感じるそれは新鮮みがあり、恐怖心を鮮明に掻き立てられていく……怖い、そう思える事への感謝と不安が一杯になっていく。その時、首飾りとして首回りに着用していた物が熱くなった。

 

 『危ないって思ったらこれを使って、イチゴを守ってくれるから……』

 

 優しい、優しい、他の女の子供なのに優しくしてくれた女の人の声を思い出す。

 思い出に浸りつつ試しに色々な所を押してみた、すると首飾りが発光した。

 

 「なんだ?」

 

 光が収まる頃、首飾りは無くなり、代わりに一体のロボットが現れた。

 

 「これは……」

 

 確か王妃ララ・サタリン・デビルークの発明したコスチュームロボット、ペケの2号機カイだ。ペケちゃんのボディを黒くしただけのような姿はコンパチ、2Pカラーと言ってネタにされても仕方のないだろう。

 

 『認証開始……該当……ひさしぶりです、イチゴ様……御命令を』

 

 「じゃあ……あいつらを倒すの手伝って」

 

 『了解……でもイチゴ様は傷ついております、ですので私がお守り致しましょう』

 

 チェンジ!!

 バトル形態(フォーム)!!

 

 そう言うとカイは、イチゴを包み込んだ。

 

 「これは……」

 

 どうやらカイが鎧としてまとわりついたみたいだ。

 

 「どれどれ……」

 

 とりあえず武器に何があるかを確かめてみた。万能工具(ツール)、現存の武器の改造する用と考えると後は殴り飛ばすしか無くなる……が、生身の時よりはやりやすそうだ。

 

 「これなら……やれる!!」

 

 すぐさま格闘戦に持ち込んだ。

 

 「まずは一発」

 

 ジャブで牽制。

 

 「はぁ!!」

 

 次にアッパーで突き飛ばし、飛び上がった後両手を組んで、振り下ろして叩きつけた。胴長たんs…………腕が足より長いから、破壊力は抜群だ。

 ナナシ連中はその攻撃で爆発した。

 まずは1体、この調子ならいけると息巻いていたその時……

 

 「……増援?」

 

 今いる数も含めて8体出てきた。

 

 「さすがに8体はきついな……殿様……早く……」

 

 殿様、志葉丈瑠の力を借りればすぐにやっつけられると思った。だが来る気配は無い、他にもいて忙しいのだろう。

 一人で全滅させる必要が有ると覚悟した、その時だった。

 

 「はぁ~っはっはっはっはっはっ!!」

 

 半袖ジャージ姿の金髪……というより、ブロンドといった方が良さそうな髪をたなびかせる、声を聞くだけで自信家で偉そうなイメージの湧く青年が現れた。

 

 「天条院ヒカル、助太刀するぜ!!」

 

 そう名乗ると青年は、その勢いのままナナシ連中の一体を蹴っ飛ばす。

 

 「得物は!?」

 

 「これだ!!」

 

 ヒカルは破魔矢を取り出す。

 

 「神社で買った、これで突き刺す!!行くぞ!!」

 

 「……………うん!!」

 

 ヒカル主導で、反撃開始の狼煙が上がった。

 助太刀に来たと豪語しただけはある、瞬く間に3体に突き刺して、ナナシ共に致命傷を負わせた。

 

 「強い……」

 

 「随分まどろっこしい戦い方だな?お前こそ武器は?」

 

 「万能工具(ツール)はあるけど」

 

 「俺達の王家のコスチュームロボットになおかつ王妃様の工具か……貸してみな、確かこうやって……」

 

 イチゴが万能工具(ツール)を貸すと、ヒカルはそれを武器に変形させた。

 

 「ほら、使え」

 

 ヒカルは万能工具(ツール)を投げ渡す。

 

 「おっとっと」

 

 ヒカルに投げ渡され、慌てて拾ったイチゴはとりあえず武器を振り回してみた。ヒカルは少し離れる。

 

 「剣か……」

 

 イチゴは剣を横凪ぎに振るい、ナナシ連中を攻撃した。

 

 「はぁあ!!」

 

 切れ味は良さげで、一回斬りつけただけで複数のナナシ連中は爆発した。

 

 「ハァー」

 

 ナナシ連中はあらかたいなくなった……

 

 「助けてくれてありがとう」

 

 「構わない、お前の…うんうん…貴方の着ているコスチュームロボットの下の顔を見せていただければ……見たがっている御方がいるのです」

 

 下手にごまかそうとすればする程まずい展開になると察した。

 

 「それと……ここはどこです?」

 

 どうやら彼は道に迷ったようだ、彼の父親もそうらしい。だが、唐突な気がしたのでイチゴは少しずっこけてしまった。

 

 「……………………ごほん…ほら、あの人に聞いて」

 

 辺りを巡回する黒子を指差した。

 

 「ああ、待ってくれ……………」

 

 「じゃあ」

 

 そして一目散にその場を去る。カイにある翼の機能を用いれば、追ってこられないはずだ。例え彼の種族に尾てい骨の辺りに尻尾が生えていたとしても……翼が有る訳ではない。

 

 「ハア……」

 

 天条院ヒカル……イチゴにとって昔馴染みといった間柄だ。そういう間柄の人間とできるだけ関わりたくなかったのだ……

 

 「まあ良い、殿様を探そう」

 

 建物……と言っても廃工場の辺りで丈瑠は家老ポジションの人、日下部彦馬と何やら喋っている。

 そのままだと聞き取りづらいので思い切って近づいてみた。

 

 「誰だ?」

 

 「はて……その珍妙な顔と体型は………」

 

 珍妙と言われ、反射的に水たまりからイチゴは自分を見たが、うずまきおめめや等身も低くいのもありマスコットキャラクターが一体そこにいるように見える。珍妙と言えなくもない。

 

 「珍妙…………かもしれませんね」

 

 「その声、お前……イチゴか?」

 

 「イチゴですな………」

 

 「バレましたか」

 

 「無事で何よりだ……ていうかなんでそんな格好を」

 

 「身の危険を振り払うためというか……」

 

 イチゴは状況を説明した。

 

 「そうか……ご苦労であった、だがこのようなことは努めて繰り返さないようにせねば……イチゴ、お前にも頼みたい事がある」

 

 かねてより考えていた予定だったと言いたげに頼みたい事という言葉が雄弁になっていた、その頼みたい事がどれほど重要なのかはなんとなくだが予想がつく。

 

 「一体何を……?」

 

 「そうだな」

 

 躊躇いか、何か含みのある表情を浮かべる丈瑠そっちのけで彦馬はある予定を述べた。

 早い話、家臣の家系にある人達を招集するそうだ。

 ああ……そういう事かとイチゴは思った。以前から口うるさく丈瑠に進言して、その度に丈瑠が同じような顔をしていたのを思い出す。

 

 「それは……確かにその方が良いかと……」

 

 思うと言おうとした所でイチゴは倒れてしまった、傷を負った状態で動き回ったのが祟ったらしい。

 

 「イチゴ!!」

 

 「イチゴ!!しっかりせんか!?」

 

 丈瑠と彦馬が自分の名前を呼んでいるような気がするが、真偽を確かめられないままイチゴは気絶した。

 

 ~一方その頃~

 

 ~宇宙船 内部~

 

 「それで……顔は分からなかったの?」

 

 ヒカルは、長袖に薄い手袋、レギンスとスカート、長い桃色の髪をたなびかせるもヘルメットのように兜で顔を隠している、言うなれば完全武装の出で立ちの女性に報告していた。

 

 「ええ、王妃様のコスチュームロボット、ペケと同じ顔しか見ることは叶いませんでした」

 

 「…………それでも親子揃って地形を覚えるのに疎いから、一人で帰ってこれた分良く頑張りましたと誉めねばなりませんね、ご苦労様。これでだいたいの位置は掴めました、後は自分で行って確かめてきます」

 

 「姫様」

 

 「なあに?」

 

 「奴の事は無闇に突っつくなと王様、王妃様に言われていたはずですが……」

 

 ヒカルに言われ、姫と呼ばれた女性はぶーっと意地を張るように頬を膨らます。膨らませているのが見える訳ではないが、彼女の被る兜が頬の部分を中心にはちきれそうになっていた。

 

 「お黙りヒカル、私の夫に選ぶ方は私の顔、そして肌を見てケダモノにならないのが良いとお婆様も仰っていました。そのようなお方はお爺様、お父様、その他にはイチゴお兄様しかいないのですから。確かにお兄様の事になるとお姉様達みんなだんまりになりますけど……」

 

 「姫様は地球の年月にて御年12、まだそういうのを決めるのは早すぎると思いますが……」

 

 「ああ……イチゴお兄様……待っていてくださいね(うっとり)……私が今、参ります……」

 

 「聞いちゃいねえし」




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