スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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断章 兵器(ちから)Bパート

 〜とある銀河 宇宙〜

 

 スペースブリッジのゲートをくぐり、アイアンハイド、サンドストーム、ショックウェーブ、スカイファイヤー、ホットショット、グランドコンボイ……セイバートロン星の住民必見の錚々たるメンバーが集った。

 

 『全員、着いたな』

 

 『はい』

 

 『自分達も着いたであります』

 

 『ガーランド、スペースブリッジを閉めてくれ』

 

 『了解、次の連絡を待つ』

 

 ガーランドの通信と共に、スペースブリッジも途切れた。

 スペースブリッジの展開、行先などラチェットと二人で見てくれている。

 

 『全員、トランスフォームだ!!』

 

 グランドコンボイは呼びかけと共にトレーラーの車部分にも変形する。ついでに十年前のコンテナも持参してきた。

 

 『了解!!ホットショット、トランスフォーム!!』

 

 ホットショットはスポーツカーに変形する。

 

 『スカイファイヤー、トランスフォーム!!』

 

 スカイファイヤーはスペースシャトルに変形する。

 

 『アイアンハイド、トランスフォーム!!』

 

 アイアンハイドは戦車に変形する。

 

 『サンドストーム、トランスフォーム!!ラリホー!!』

 

 サンドストームはヘリコプターに変形する。

 

 『ショックウェーブ、トランスフォーム!!』

 

 ショックウェーブは、3隻の艦艇に変形する。

 そのまま所定の位置まで向かった。

 

 『みんな、気合入れてけよ〜』

 

 『………おう』

 

 スカイファイヤーのはつらつとした態度とは打ってかわり、デストロンのメンバーは不機嫌だった。

 

 『君達、テンション低いな〜』

 

 『…………』

 

 そして返ってきたのは、反発の声。

 

 『こんな所まで来て、サイバトロンの言う事なんざ聞けるかよ!?』

 

 『ショック……』

 

 ホットショットが説教に入った。

 

 『あのなあ、もうサイバトロンだとか、デストロンだとか、そうやっていがみ合う時代は終わったんだぞ!!』

 

 『メガトロン様のいない、サイバトロン一強なだけではないか(小声)』

 

 『……何か言ったか?』

 

 『何も言ってないぞ』

 

 『…………』

 

 移動中の雰囲気がギスギスした雰囲気へと変わっていく。

 仲裁に入ったのはスカイファイヤーだった。

 

 『ハイハイ、文句言わな〜いの。元々お前達のストレス解消としてこの作戦組んだんだからさ、もっと楽しんでけよ。ホラッホットショットも、そうカッカしなさんな』

 

 今までの行動を鑑みるに、絶対自分が一番ノリノリで楽しんでいるやつだろう……そうアイアンハイドは考えた。

 

 『……悪いな、アイアンハイド。そう簡単にうまくはいかないって分かってはいるんだが……』

 

 『……自分も、作戦に支障が出るような態度は慎むべきだった。すまん』

 

 だが、おかげで早期に雰囲気も和らいだ。

 

 『そういう話はもういいから、さっさと行こうぜぇ!!』

 

 『ショック……』

 

 一同は、改めて惑星だった場所に向かった。

 

 〜元惑星〜

 

 『着いたな』

 

 色を失った空、計測できない大気、大きくささくれ、ひび割れた地表……そこはもはや命の住む星でなくエネルゴンも存在しない、大きな岩石の塊でしかない。

 

 『ボロボロではないか……』

 

 『吸うだけ吸えばこんなもんだろーよ、むしろ原型留めてる分マシなんじゃねえのか?キーシッシ』

 

 惑星が生きていれば、命有る美しさに溢れた光景が目の前に広がっていた筈だ。

 

 『核の部分はまだ残ってるかもしれないがな……』

 

 『司令官、まさか対象がマグマまで貪ってる……なんて言いませんよね?』

 

 『可能性としてはある。寄生型の奴は自分で他の場所へは行けず、周辺のあらゆるものを食べている筈だ。であれば今ここに残っているエネルギーがあるとすれば……』

 

 マグマまで栄養として吸収できるものが存在するとは思えないが、そういう常識は宇宙では捨てなければならない。まして星の新型防衛戦力として作られたものともなれば……

 

 『なるほど……』

 

 『着いたか?』

 

 『ガーランド……ああ、今着いた所だ』

 

 『その内側に生体反応はあるが……どこにいるかは分からない、注意してくれ』

 

 ガーランドの通信は終わった。

 

 『これより、惑星内に赴き、目標に接触を開始する。接触次第順次合流だ、くれぐれも全員無茶だけはするなよ』

 

 『了解、司令官』

 

 『ラリホー!!』

 

 サンドストームは我先にと駆け出す。

 

 『よし、みんな……サンドストームに遅れは取るなよ』

 

 『はい!!司令官』

 

 『散開!!』

 

 〜一方その頃〜

 

 ガーランドは提示された資料を読み直していた。

 その様を見ていたであろうラチェットに聞かれる。

 

 『どうした?ガーランド。資料の読み忘れか?』

 

 「何回でも読み直したくなるのさwなんだこのデータ、冗談でもここまで盛らないぞ」

 

 仮想敵として組まれた犠牲者……敵として現れるか、もう既に脱皮後の皮の如く用済みとされているか……

 昆虫、人間、より大きな昆虫……とどこまで食べられるかサイズを吊り上げていっている……それから怪獣、主にパンドンと見ていい。

 そして、それまでの主力のようなエレキングとパンドン、二つの宇宙怪獣の遺伝子を合わせて作り上げた怪獣……エレパンドン。

 死刑囚に乗せた怪重機キャノングラディエーター。

 友達の同じ星の仲間が犠牲になったって訳でナナぶちギレ不可避のギガ・イノシシ

 そして、最も強大で重要な本日のメインターゲット……それは植物怪獣だった。

 ()(せい)(しん)(りょく)(しゅ) 

 個体番号QV-4093

 暴走後はカースヴァイン(仮称)と命名する事にする。

 研究開発によって産まれた、新種と言ってもいい未知の植物……

 核である顔部分以外は(つる)が手足となっている。

 植物である奴は己自身である種子を飛ばし、目標に巣食い脳の部分に根を生やして敵に取り憑く。

 取り憑かれた相手の特徴は明白だ。

 全身が血管のように細かく伸びた蔓に覆われる格好となる。

 中にいる核を潰せば取り憑かれた状態は解けるかもしれないが、その後はどうなるか分からない。脳みそに取って代わっていた部分の消失から導きだされるのは、最悪取り憑かれた後の死体だけ……

 作戦決行直前の休憩時間にラチェットの同伴でモモ・ベリア・デビルークにも話を聞いてみた……植物相手だ、てっきり手を差し伸べるものかと思ったが……

 

 『植物絡みの話、聞けば何か動くと思ったが……』

 

 『その植物?は星を食べる事を生態として覚えてしまった、そうなってしまえばそれは良くない、こっちにしておけと躾けた所でもう戻れないでしょう。友達にはできませんね』

 

 『見捨てる……と?』

 

 『今いる友達を切り捨ててまで迎え入れる訳にもいきませんから……その子は私の友達だけでなく、電脳サファリの内部まで食い尽くしかねないと判断しました』

 

 『じゃあ、仕方ねえか』

 

 『良いですか?ガーランド君、共に生きるという事は素晴らしいものなのですが、それが一方にとって大きな負担となってしまえば争いの元になるのです。決めた側にとっては最上の結論であっても、決められた方はそうではないものですからね』

 

 『……………』

 

 結果として、王妃として培ったうんちくを聞かされる羽目になった。

 だがそれは決して無意味ではない、サイバトロンとデストロンの話にも通じるものがある。

 地球人と交流を持ったトランスフォーマー以外のいわば下っ端達は平和を享受しつつも、未だ互いにわだかまりがあるのは見て分かるから……

 

 『あの星の者達は防衛のためにそれを産み出した……が、結果は聞いての通りだ。皮肉なものだな』

 

 「ラチェットが皮肉を語り出すとは、世も末だと思うが」

 

 ラチェットは、考え込む仕草を取りつつも、ガーランドに言う。

 

 『不思議だな、君は……まだ数度程しか顔を合わせてない。にも関らずまるで我らと昔からの知り合いのような言葉を述べる、誰かに似ているような……』

 

 「詮索はそこまでだ、お互いするべき事をしようぜ」

 

 『あ、ああ……』

 

 そしてガーランドとラチェットは互いの持ち場に戻った……といっても今いる位置から変わらないが

 

 『コンボイ達は、勝つだろうか?』

 

 「当たり前だろ、制御の利かない獣なんかにやられたりはしない」

 

 〜一方その頃〜

 

 トランスフォーマー達が星だった場所の地上部分を移動して三十分……

 

 『どうだ、ホットショット』

 

 『何も見つかってません』

 

 ホットショットが気落ちしているのがよく伝わってきた。

 

 『そう簡単には見つからんか……』

 

 『向こうからもっと情報があれば良かったんですが……』

 

 『データを取る所で失敗したのだろう、そこを悔やんでも仕方のない事だ』

 

 『それもそうですよね……あ』

 

 『イヤッホー!!』

 

 サンドストームは遠くで、早速地面を穿つようにビームを撃ち込んでいる。

 

 『壊していいって話だが、それにしても早すぎるな。司令官……大丈夫なんですか?あれ』

 

 『よくはな…………いや、あれで良いのかもしれん』

 

 『え?』

 

 グランドコンボイ達が注視した途端……人間の腕より細長い緑の蔓が地面を壊して伸びてきて、サンドストームを狙う。自分を脅かす敵に怯え、堪らなくなり干渉してきた──

 

 『おいでなすったな!?』

 

 サンドストームは旋回して伸びてきた蔓を避け、カウンターとしてビームをお見舞いする。

 

 『ホットショット、サンドストームを援護するぞ』

 

 『はい!!』

 

 グランドコンボイ達も蔓をビームで攻撃した。

 蔓は驚き、地下へと引っ込み始める。

 その地点には綺麗に穴ができていた。

 

 『ここを辿っていけば……!?』

 

 『ああ、いくぞ!!』

 

 グランドコンボイ達は変形し、その穴を広げつつ先に進もうとした。

 

 『ケッこっからが面白えとこだったのによ!!』

 

 サンドストームは戦いに邪魔された事に腹を立て悪態をつく。

 

 『俺達はこれの本体に挑むんだ、こんな所でかかずらってる暇はないぞ!!』

 

 『それもそうだよなぁ、待ってくれよ〜!!』

 

 結果、サンドストームもついていった。

 

 〜一方その頃〜

 

 空からカースヴァインの巣穴を探しているスカイファイヤーの元に通信が届く。

 

 『お、通信か』

 

 『スカイファイヤー、そちらの状況はどうだ?』

 

 相手はガーランドだ。

 

 『丁度今遠くに穴ぼこを発見した所だ、司令官からの連絡はどうだ?』

 

 『コンボイも穴を見つけ、サンドストームとホットショットを連れて調査するそうだ』

 

 『俺は今ショックウェーブが近くにいるから、合流しようと思ってる。あの図体だから分かりやすいよ。アイアンハイドは……近くにはいないな……わりぃ、ガーランドが連絡しといてくれ』

 

 『そうか、仕方ないな』

 

 ガーランドの通信は終わった。

 

 『よしっ』

 

 自分達より一回りサイズが大きく、たまにそれ以上に大きい気もする……とにかく目立っていて見つかりやすい。

 すぐさまショックウェーブのもとに向かった。

 

 『よう』 

 

 『ドウダッタ?』

 

 『こっち来いよ、植物の通ったような穴を見つけた。そこを中心に調べようと思う』

 

 『ワカッタ』

 

 スカイファイヤー達は、地面に開いた穴に向かった。

 

 『お前も通るなら、ちょっとは壊してかねえとなあ』

 

 『ショック……ジブンデヤル』

 

 『そうかい』

 

 ショックウェーブは、3隻の戦艦に付随したビーム砲からビームを連射、岩壁を壊していった。

 瞬く間に壊れた岩を見て、スカイファイヤーは口笛を吹いた。

 

 『ヒュ~!!相変わらず、パワーに自信ありって感じだなぁ』

 

 『パワー、メガトロンサマホメテクレタ』

 

 そのまま地下に進むと、緑色の何か細長い触手のようなものが横たわっている。

 

 『当たったみてえだな』

 

 それはスカイファイヤーの言葉に反応し、脈打つように上下する反応を見せる。

 こいつは生きている、そう確信するのに時間はいらなかった。

 

 『ショック……』

 

 『気合入れとけよ、ショックウェーブ!!』

 

 『……ダレニモノヲイッテイル?』

 

 スカイファイヤーとショックウェーブは、すぐさまそれを攻撃し始めた。

 それは大層驚き、さらに奥深くへと引っ込んでいく。

 

 『行くぜ!!』

 

 スカイファイヤー達は、さらに下の方へと走っていった。

 

 〜一方その頃〜

 

 内部はくり抜かれ、円弧状的な空洞がいたるところにできていた。

 あの細長い蔓状の触手にそこまでのパワーがある事に驚きつつも、先に進む。

 そんな中、ガーランドが通信をかけてきたので応答した。

 

 『定期連絡の時間だ』

 

 『ガーランド、他のみんなはどうなっている?』

 

 『ショックウェーブとスカイファイヤーは固まって行動している、アイアンハイドは単独での行動だ……アイアンハイドへの連絡は?』

 

 『頼む、今私が呼ぶより君に中継してもらった方が確実だ。私達はこのままさらに地下へと降りる事にする』

 

 『了解した。アイアンハイドにはそう伝えよう』

 

 ガーランドからの通信は途切れた。

 

 『よし、行こう』

 

 ロボットモードになっているグランドコンボイ達は走った。

 そして、追っていた蔓が見えた。

 それはグランドコンボイ達に気付いた後、警戒態勢となる。

 

 『各員、攻撃開始!!』

 

 グランドコンボイ達は、触手にビームを撃ち始める。

 

 『はぁっ!!』

 

 『当たれぇ!!』

 

 『ラリホー、イヤッホー、ハヒフヘホー!!』

 

 それらの攻撃は触手に命中、触手は悶え始める。

 

 『どうだ?』

 

 急に蔓状の触手が伸び、ホットショットの足に絡みつく。

 

 『うわぁっ!!』

 

 『ホットショット!!』

 

 そのままホットショットを吊るし上げ、垂れ下がったホットショットの胸に狙いを定める……だがすぐに、触手はホットショットを投げ捨てた。

 

 『え?』

 

 『たぁ!!』

 

 グランドコンボイはホットショットが触手から離れた瞬間にビームを放ち、触手を焼き切った。

 

 『大丈夫か?』

 

 『ええ……読み通りでしたね』

 

 『栄養になる部分がないと奴が分かったのだろう』

 

 無機物を食べる気はない……という事か?寄生しても旨みがなさそうと判断されたのかもしれない。

 

 『スパークを吸収できなくて良かったですよ』

 

 トランスフォーマーには、人の魂魄の如くスパークというものが内蔵されている。

 例えボディーを破壊されてもスパークが無事なら復活は可能なのだ。逆にスパークが破壊されたなら、何をしても絶望的である。

 

 『お、あいつどっかにいくぞ』

 

 焼き切られた触手の先端でない方はさらに奥の方へ引っ込む。

 

 『追いかけようぜ!!』

 

 サンドストームは我先にと駆け出す。

 

 『待て、サンドストーム!!どう考えても罠だ』

 

 『植物にんな知能ついてっかよ!?』

 

 へっ、と鼻で笑いながら歩を止めないサンドストームであったがそんなサンドストームに、突如強烈な一撃が襲いかかる。

 犠牲者と思しき怪獣達が多数現れた。

 誰も彼も、蔓がびっしり生い茂っている。

 

 『ついてたぞ、サンドストーム』

 

 『ぐぬぬ……』

 

 『直接殴る方にシフトしてきたか』

 

 『彼ら、なるべく生かして連れて帰りたいのですが……』

 

 彼らも、犠牲者である事を思えば……

 

 『期待はできないぞ』

 

 『どちらにせよ、奴を撃つには頭を撃つしかない!!』

 

 『仕方ねえな〜ああ!?』

 

 全員、怪獣の頭の部分に攻撃を仕掛けた。

 どれだけ蔓が生い茂っていても、核は頭部の脳にあるとの話だ。

 

 『ギシャーッ』

 

 怪獣達は火球を吐いたり、角をブーメランのように飛ばしたりして反撃に出る。

 

 『トランスフォーム!!』

 

 ホットショットは変形し地下を走った。

 急激にスピードを上げてかく乱する狙いだ。

 

 『俺様を忘れんなよぅ!!』

 

 サンドストームも援護で弾幕をバラまく。

 怪獣達はそちらに気が取られ、動けなくなる。

 

 『トランスフォーム!!はぁ!!』

 

 ホットショットはロボットモードに変形して一気に怪獣に近づき、怪獣の頭にビーム砲を当てて連射した。

 怪獣が倒れて動かなくなるのと同時に、蔓は綺麗さっぱりなくなった。

 

 『よくやった!!』

 

 グランドコンボイも一体、怪獣の頭にピンポイントでビームを当てて倒している。

 

 『あの話は正しかったようですね』

 

 カースヴァインは対象の頭部に寄生するというデータが残ってたおかげだった。

 

 〜数分後〜

 

 残す所、後数体……

 

 『このままいけば……』

 

 だが、追加で一体の怪獣が現れる。

 エレキングの角と尻尾と体表を持ち、パンドンの赤い凸凹の効いた体を併せ持つ怪獣だった。

 今倒している怪獣達の中でも一際大きい。

 この怪獣が、エレパンドンと見て間違いないだろう……蔓のせいで少し見づらい。

 

 『こいつが向こうの切り札のようだな……』

 

 『来ます!!』

 

 『ガガァッ』

 

 『キー!!』

 

 二つの怪獣の折り重なった鳴き声が地下にこだまする。

 

 〜一方その頃〜

 

 『こ、こいつは!?』

 

 アイアンハイドは、地下への入口付近にいたイノシシに狙われていた。

 攻撃してもびくともせず、突進でこちらをふっ飛ばそうとする勢いだ。

 

 『アイアンハイド、状況は……悪そうだな』

 

 ガーランドからの通信、しかしそれどころではない。

 

 『おお、ガーランドか……』

 

 『救援がいるならコンボイ達を呼ぶが』

 

 藁にもすがりたくなる状況で食いつきそうになったが、作戦の進行に支障が出る事を恐れたアイアンハイドはそれを呑み込んだ。

 

 『ええい、今更奴らの力なんぞ借りれるか!?他の奴らはともかく、サンドストームが引き返してまで来るとは思わん』

 

 『いいのか?』

 

 『とにかく、ここで隊列を乱す訳にはいかん!!奴らが奥深くにいるのなら、そこを片付けるのが先だ』

 

 『頑固者め……死ぬなよ』

 

 ガーランドの通信は途切れた。

 

 『自分とて、このような暴れ猪なんぞに倒されるつもりはないわ』

 

 とは言ったものの……状況は(かんば)しくない。

 

 『ハァッ!!』

 

 アイアンハイドは猪にビームを撃ち、攻撃を仕掛ける。

 だが、猪には効く様子がない。

 

 「ブゥゥ……」

 

 アイアンハイドは猪に豪快に吹っ飛ばされ、

 

 『ぬわぁぁぁぁぁ!!』

 

 地面に激突する。

 

 『くっ』

 

 猪は前脚で土を払いのけるポーズを取る。

 再び突進を仕掛ける気だ。

 

 『これまでか……サーチ、お前がいてくれれば……いいや、言うまい。戦士として、私はここに来たのだ』

 

 その時、2発のビームがイノシシに襲いかかる。

 その2発はイノシシの関節に命中、イノシシは膝を崩しダウンする。 

 

 『誰だ?』

 

 目の前に現れたのは銀色の車だった。

 

 『トランスフォーム!!』

 

 銀色の車体が変形し、空色のロボットが現れた。

 

 『おお、シルバーボルトではないか?助かった。どうしたのだ?』

 

 シルバーボルト、サイバトロンの仲間である。グランドコンボイ達とは別行動を取っていた。

 

 『司令官達の反応をキャッチしたから来てみたが……訳アリみたいだな』

 

 『手を貸してくれるのか?』

 

 『任せておけ、久しぶりに腕を振るうとしよう』

 

 シルバーボルトは狙撃の名手だ。

 デストロンとして敵対したアイアンハイド達も苦汁を舐めさせられた。

 

 『おそらくこの穴の向こうに敵がいるのだ』

 

 『なるほどな……ところで、こいつはどうする?』

 

 猪はダウンしているが、しばらくすればまた目の前にいるアイアンハイド達を攻撃するために動き出すだろう。

 

 『とりあえず、頭に寄生している奴がいるそうだからそいつを倒してから行こうではないか』

 

 『大丈夫か?』

 

 〜一方その頃〜

 

 『オーリャリャリャリャ!!』

 

 『はあっ!!』

 

 サンドストーム達は、手持ちの火器からビームを連射して怪獣達に攻撃した。

 

 『ピシャー!!』

 

 エレパンドンはカウンターとして放電を放つ。

 

 『くっ!!』

 

 『うぉっ!!』

 

 ホットショットとサンドストームは、それぞれ違う方向に飛んで避けた。

 

 『トランスフォーム!!』

 

 そのままホットショットはスポーツカーに変形、エレパンドンに体当たりを仕掛けようとする。

 

 『ガガァッ!!』

 

 エレパンドンはホットショットに蹴りを入れてきた。

 

 『うわあ!!』

 

 『ホットショット!!』

 

 『大丈夫です!!俺はまだやれます』

 

 『トランスフォーム、ラリホー!!』

 

 サンドストームはヘリコプターに変形し、ビームを連射した。

 エレパンドンは両腕で顔を覆いガードしつつカウンターとしてひっぱたいてきた。

 サンドストームはさらなる地下に落ちる。

 

 『ヤロー!!』

 

 サンドストームはロボットモードに変形して鉱物に隠れて様子を見る。

 

 『流石に3人じゃ厳しいか……』

 

 そんな時、岩壁の派手に壊れる音が鳴り響く。

 

 『なんだ?』

 

 現れるのは、四人の仲間達。

 

 『司令官!!お待たせしました!!』

 

 『スカイファイヤー、ショックウェーブ!!』

 

 『アイアンハイド……それに、シルバーボルトもか!!お前が来るなんて聞いてないぞ』

 

 『なに、ちょっとな』

 

 『再会を喜びたいが、今は任務の最中だ』

 

 『ああ』

 

 怪獣の一体が尻尾で岩盤を割り、もう一体が角で突進を仕掛ける。

 

 『ショック!!』

 

 ショックウェーブがロボットモードに変形して盾となる。

 

 『ショックウェーブ!!』

 

 ショックウェーブの堅牢なボディーには傷一つつかない。

 

 『キカン』

 

 そのまま反撃としてビームを撃ち、怪獣達を圧倒する。

 

 『流石、味方の時は頼もしいな』

 

 『追撃は自分に任せておけ』

 

 アイアンハイドが五指からビームを連射する。

 だが、まだ足りないようだ……

 

 『コンテナを展開する』

 

 そのコンテナはただのコンテナではない。

 昔のコンボイのスーパーモードの脚部になっていたものであり、変形の仕方によっては簡易的な前線基地になれた。

 

 『行くぞ!!』

 

 グランドコンボイは怪獣達に多種多様な砲撃を浴びせる。

 その攻撃で怪獣達は殆ど倒れ、残りはエレパンドンだけとなる。

 

 『このまま押せばいけるぜ〜!!』

 

 『スカイファイヤー、シルバーボルト!!』

 

 『了解!!』

 

 『任せろ!!』

 

 スカイファイヤーは軽く準備運動をし、シルバーボルトは銃を構えた。

 

 『いっくぜ─────!!』

 

 スカイファイヤーはエレパンドンに直接攻撃を仕掛け、ガードをガラ空きにさせる。

 

 『お前で最後だ!!』

 

 一発に力を込め、エレパンドンの頭部を貫く。

 ビームに貫かれたカースヴァインの蔓は、断末魔などを発する事もなくただ静かに溶けていった。

 

 『やりましたね、司令官』

 

 ホットショット達が駆け寄ってきた。

 

 『ああ』

 

 ガーランドからも通信が入る。

 

 『かすかにあった周囲の生体反応も無し、奴らは全滅したと見ていいだろう』

 

 それは……この星の有機生命体、すなわちそこにいる怪獣達が生きてはいない事を意味する。

 

 『やっぱりダメだったか……』

 

 ここまで撃てば当然ではあるが、操られたもの達を生かして帰す事はできなかったようだ。

 

 『そうだな……』

 

 スカイファイヤーが、ホットショットの肩をバシッと叩いてきた。

 

 『スカイファイヤー?』

 

 『………………始まる前に終わってたもん悔やんでもしょうがねえ、みんな生きてミッションコンプリートなんだからもう少し喜んでこうぜ』

 

 『スカイファイヤー……』

 

 『だな』

 

 シルバーボルトもそれを肯定した。

 

 『それより……楽勝……とは言えないが、俺達良い連携だった気がするよなぁ』

 

 『ショック?』

 

 『ちょっと作戦一緒にしたぐらいで味方面とは、気の早え連中だぜ。キーシッシ』

 

 『……………』

 

 『まだまだ、道のりは長そうだな』

 

 『気長にいくしかないか……』

 

 グランドコンボイ達は、去り際に一瞥する。

 

 『すまない……』

 

 もはや誰からも必要とされず、こうして自分達に撃たれるか、寄生する先も無くなるしか道のなかった怪獣に対する、哀悼の気持ちを込めて。

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