スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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 電子機器を見る時は、部屋を明るくして、画面から離れて見てくれよ。byグランドコンボイ総司令官


第27話 襲来!!新たな敵 Aパート

 今日は、エネルゴンを積んだセブンガーをお披露目する日だった。

 エネルゴン……それはトランスフォーマーが教えてくれた、宇宙での新たなクリーンエネルギーとして注目されているもの、人類とトランスフォーマーを繋ぐものとして注目されている。

 

 『進め、進め、シュッポッポ』

 

 『運べ、運べ、ドドンガガン』

 

 環境の適応によりエネルゴンを扱えるトランスフォーマー……オムニコン達、そして地球の技術者達が所狭しと動いている。

 そして……ただでさえ人間と比べ図体のでかいグランドコンボイ達は、その場で立っているのみだった……修理やメンテナンスぐらいならグランドコンボイ達にもできるが、仲間といえる地球人達の仕事を取る訳にもいかない。駐車場で駄弁る感覚で時間を潰していた。

 

 『知ってますか?司令官、ランページが参加する作戦の日取りが決まったらしいっすよ』

 

 『私も聞いている、銀河警察の決めた作戦だろう?成功するといいな』

 

 ドギー・クルーガー、ランページ、その他実力者達……それらが集まり、アリエナイザーがトランスフォーマーの体をスクラップにして取り扱う際の流通ルートを叩くらしい。

 叩けば埃がいくらでも出るだろうと予測できる。

 その話をしている最中、コンボイ達を呼ぶ声がした。

 

 「コンボ〜イ」

 

 紫のスーツを着た女性が現れた。

 隊服を着た人間に囲まれたこの場では少々目立つ感はある。

 

 「コンボイ、スカイファイヤー、久しぶりね」

 

 『そうだな、アレクサ』

 

 『見ない間にまたおっきくなってんな〜俺越されちゃうか?』

 

 「残念、もう伸びるだけ伸びちゃったわよ!!」

 

 アレクサ、その昔……コンボイ達と交流を深めた少年少女の一人であり、成長して政府の広報官となる。

 

 「いよいよね……コンボイ」

 

 いよいよ、地球で本格的にエネルゴンの有用性を証明する時が来た。セブンガーの起動に成功すれば、発電施設などのエネルギーにもいずれ使う事になるであろう。

 

 『そうだな、アレクサは緊張してないか?』

 

 「してない訳じゃないけど……こういうのは慣れなくちゃね」

 

 今回はアレクサ達外国の人だけじゃない、セブンガーを見に他の星の偉い人達も来ている。大統領になるという事は、いずれ彼らと討論を重ねなければならない時が来るという事……

 

 「じゃ、私はそろそろ行かなくちゃ……」

 

 地球側の人間として、来訪した他の星の人達を所定の場所まで案内するようだ。

 

 『頑張れよ!!』

 

 「ええ!!」

 

 アレクサは建物の中に入っていく。

 

 『そういえば銀河警察の中にもトランスフォーマーっているらしいんですよ』

 

 『いるだろうな、そちらに転属するのを決めたのは私だ』

 

 『それがコンボイ司令官が決めるより昔からいた奴もいるらしいんすよね……』

 

 『……本当か?』

 

 『ラッド……じゃねえや、リッド……ルッド?にジェラートを付け足したような名前だったような……』

 

 リッド……ジェラート?ルッドジェラート?絶対に違うのは分かる。

 

 『分からないなら後で私が調べてみよう』

 

 『頼みます、司令官』

 

 正解は……

 

 〜とある銀河〜

 

 『ヘクシ!!』

 

 トランスフォーマーは、モニターを見つめながらくしゃみをする。

 

 「レッドアラート、風邪?トランスフォーマーでも引くんだ」

 

 同ルームの女の子に心配された。

 

 『おっかしーな、どこも不調はない筈なんだけど……』

 

 「休んできたら?」

 

 『大丈夫!!オイラまだまだやれるからさ、イヴリンちゃんこそ気を付けなよ。姉妹に移しちゃ大変だろ?』

 

 「はーい」

 

 〜会場〜

 

 元気の良さそうな青年が話しかけてきた。

 

 「そ……そちらの青い御方がトランスフォーマーの総司令官っすか!?」

 

 隊服を着ているから、当然今回一緒に協力していく隊員である。

 

 『ああ……君がセブンガーのパイロットを務めるナツカワ・ハルキかな?』

 

 顔写真は一通り目を通していた。

 

 「押忍!!ナツカワ・ハルキっす。覚えてもらって、光栄です!!」

 

 ハルキは機敏に頭を下げた。

 

 『ハッハッハ……元気が良いな!!』

 

 「ありがとうございます!!」

 

 隣で立ちっぱなしのスカイファイヤーも話に入る。

 

 『なあ、俺の事は知ってるか?』

 

 ハルキは顔をしかめるなどして考える仕草を取った後、おそるおそる答えた……というより、分からないのか聞いてきた。

 

 「……………どなたっすか?」

 

 『ハハハ……正直な奴だ。俺はスカイファイヤー、副司令ってやつだ。よろしくな』

 

 「ふ……副司令って、偉い方じゃないすか。スカイファイヤーさん、失礼しました!!」

 

 さっきと同じ勢いで頭を下げてきた。

 

 「ハルキ〜、コックピットの調整するからこっち来て〜!!」

 

 「分かったっす、では……お二人共、失礼します!!」

 

 『またなー!!』

 

 ハルキはその場を去った。

 

 『こないだの士官候補生みたいでしたね、司令官』

 

 『ロードバスターの事か?』

 

 『ええ、あいつは今頃大人しくしてんでしょうかね……』

 

 〜セイバートロン星〜

 

 『ぶぇっくしゅん!!』

 

 ロードバスターはくしゃみをした。

 

 『おいおい、何事だよ』

 

 『俺にも分からん……』

 

 『お前が風邪引くとか、砂漠が雪原になるぜ〜』

 

 『おいおい、俺をなんだと思ってるんだよ〜』

 

 〜アステロイドシティー〜

 

 『ショック……ウェーブ』

 

 ショックウェーブは火星の上空を見あげていた。今日も割り振られた警備の仕事をしていたのだ。

 

 『いよう、ショックウェーブ』

 

 『今頃地球で司令官達も』

 

 『は〜デストロンは相変わらず愛想が悪いな』

 

 『警備なんてする時代でもないってのに』

 

 『…………』

 

 他のトランスフォーマー達がそうこぼそうが、関係ない。またゲネガーグのようなものが現れないとも限らないからだ。

 

 『行こうぜ』

 

 『!!』

 

 空に浮かぶは無数の機影。

 ビームの雨あられが降ってくる。

 

 『ショック!?』

 

 『うわぁ!!』

 

 数々の爆発がアステロイドシティーを襲いだす。

 

 〜一方その頃〜

 

 その日は、イチゴにとって他愛のない1日になる筈だった。

 朝は歌川達のアトリエに行ってご飯を作って、道場に行って稽古に励む。

 昼の休憩時間……突如、インターホンが鳴る。

 

 「はーい」

 

 一番近くにいたイチゴが応対に出た。

 

 『結城イチゴ様は、いらっしゃいますか?』

 

 「え、嘘……オレかよ(小声)」

 

 『いるのは調査済みだ、さっさと出せ』

 

 『ちょっとルイス、そんな態度じゃお互いに溝にしかならないって!!』

 

 声の主は女性……二人いる。

 ゆるゆるのツインテールに纏めた金髪をお持ちの褐色肌のお姉さんと、青いサイドテールをお持ちのクールビューティーっぽさそうなお姉さん。

 体全体の動きから、言葉遣いがキツめなのが青いお姉さんでそれを嗜めてるのが金髪のお姉さんだろう。

 両方固めのパンツスーツの柄に若干の既視感を感じながらも、イチゴは応じた。

 

 「今行きます」

 

 イチゴはドアを開けた。

 

 「お兄様!!」

 

 仮面で顔を隠しているが、二人の間からノノが突っ込んできた。

 気付いたらイチゴは倒され、ノノが馬乗りになっている。

 

 「──────(絶句)」

 

 それはそうと、道場にいるみんなに紹介する流れになった。

 

 「妹のノノです」

 

 「デビルーク星から来たノノです、よろしくお願いします」

 

 「ああ、君がそうなんだ」

 

 「話は殿様達から聞いてます」

 

 「イチゴ……お前、宇宙人だったのか。熱いな〜これ」

 

 「どうだろう、オレ血縁で言ったら地球人一色なんだよね」

 

 だからノノが超羨ましい……とイチゴは言う事はないが思っている。

 

 「お、おう」

 

 「よろしくな〜」

 

 「あなたが、話に聞いたモコナですね」

 

 ノノとモコナは握手を交わした。

 

 「仮面が気になるのは分かるけど素顔は見ないようにね、美しさのあまりキャラ崩壊起こすんだって」

 

 「へー」

 

 「見たらダメだってよ、お兄ちゃん」

 

 「おう」

 

 「そしてそちらは……」

 

 「ヒルダです」

 

 「ルイスだ」

 

 二人の女性も軽く頭を下げた。

 

 「この人達は?」

 

 「軍からの護衛役だそうです」

 

 「王妃達から話は伺っている」

 

 確かに、女性の兵士はこんな格好をしてたのを思い出す。

 

 「女性であれば、チャーム人の能力は効かないという判断の元、護衛役に私達が選ばれたのでございます」

 

 「………」

 

 黒鋼は疑いの目を向けている。

 

 「黒りん?」

 

 「女だろうが、結びつきが強い奴らを俺は知ってるからな」

 

 黒鋼は、己の主君とその従者を思い出していた。

 

 「じゃあ、兄妹同士積もる話もあるって事で」

 

 ノノ達をイチゴの部屋に案内する事になった。

 今回のノノは前回より口数が少なめだった……

 部屋に付いた途端、ノノは

 

 「お兄様は……嫌な事とか、されたんですか?」

 

 いきなりの質問に、イチゴは固まった。

 

 「……………どうしてそんな事聞くの?」

 

 「だって、カイの中であんな事呟いてましたもの」

 

 『慣れてるし』

 

 妖に処されそうになった後にカイの中で言った言葉が聞かれていた。

 なんだかバツが悪い。

 

 「………あ、ノノも聞いてたんだ」

 

 「ええ……お兄様がそのような目に遭ったなんて、初耳で……心配になったんです。一体何があったんですか?」

 

 「どうして気になるの?」

 

 「好きな人の事を心配するのに、それ以上の理由はいらないって叔母様が言ってましたから!!」

 

 「……………」

 

 仮面から笑顔が漏れ出ている……気がする。

 眩しくて見ていられない。

 

 「ノノは知らなくて良いと思う」

 

 「そういう訳にはいきません、私のお兄様の問題ですもの」

 

 「ノノに何ができるの?」

 

 「相談に乗りますよ!!」

 

 洗いざらい言ってしまおうか……いや

 

 「……………大丈夫大丈夫、ここだとそんな目に遭ってないから………もう大丈夫だよ」

 

 流石に

 

 「産まれの件で臣下や民衆である人達に蔑まれてきました」

 

 だなんて中学にも入らないような子に言える訳もなく……

 

 「そ、そうですか……」

 

 言えば、楽になるのはイチゴだけ……代わりに気を重くするのは、ノノだ……

 

 『言ってしまえよ、ノノにも無関係じゃないんだから』

 

 どこかから声が聞こえるが、イチゴは無視に努めた。

 

 「なら良いのですが……」

 

 「それより、なんか食べてく?護衛の人達も……」

 

 「良いんですか?」

 

 「はい」

 

 部屋を去るイチゴの後ろで……ノノは思った。

 

 「………(妹、だからなのでしょうか……踏み込ませるには、力不足と思われているのでしょうか……何か、悔しい……)」

 

 仮面の下で俯くノノに、護衛達は声をかけた。

 

 「ノノ様……」

 

 「そう気に病む必要はない、こういうものは押しかけて早々とはいかないようだからな」

 

 護衛達がその横で何か言っているのがイチゴにも聞こえ……冷や汗が出た。

 

 〜台所〜

 

 「はいどうぞ」

 

 部屋に置いてた材料で作ったホットケーキ(別口で砂糖を煮詰めたカラメルソース)を焼いて振る舞った。

 

 「いただきま〜す!!」

 

 天晴と小狼(シャオラン)達6人以上も加わる。

 

 「いただきま〜す!!」

 

 「え……天晴達も食うの?」

 

 「悪いな、うまそうな匂いだしよ」

 

 「英国紳士としては紅茶も淹れに参上するべきだろうと思ってな、どうぞ」

 

 「ありがとう」

 

 「うちの台所使ってるんだから私達も良いでしょ?」

 

 「え~い、いっぱい焼くしかないか」

 

 引き続き、台所に齧りついた。

 

 「王子様とその仲間からご馳走になるなんて、役得ですね」

 

 「姫様、口元に気を付けて。唇だけでも男には目の毒だと聞いている」

 

 「はーい、ホットケーキおいし~い」

 

 ホットケーキを食べている間は、ただただ可愛い妹だな……そうイチゴは思ってしまった。

 

 「フッ」

 

 「イチゴさんの分もキープしてますから!!」

 

 「白饅頭には気を付けとけよ、食うぞ」

 

 「やだな〜モコナそんなにケチじゃないからイチゴにもあげるの。はい、あ~ん」

 

 モコナがイチゴの口元にホットケーキを運んできた。

 

 「あ~ん」

 

 モコナが運んだホットケーキをイチゴは今作っている分にかからないように食べた。モチモチした食感と焦げた砂糖のなんとも言えない苦みが疲れを取っていくようだ。

 

 「あ!!お兄様、私も差し上げますのであ~んしてください」

 

 ノノも皿とフォークを持ちホットケーキをイチゴの所まで運んできた。

 

 「待っへ!!」

 

 ハムスターのように咀嚼するスピードを上げながらイチゴは手を前に出した。

 

 「あ……早すぎましたか」

 

 「ハーッ気を付けてよね」

 

 イチゴはノノにホットケーキを食べさせてもらった。

 食べてもらったのが嬉しかったのか、ノノは満悦な身振りで席に戻った。

 

 「そうだ、そろそろ時間ですね」

 

 ヒルダはノノの言葉を聞きテレビのチャンネルを変えた。

 どこかの会場の中継らしい。

 

 「この向こうに、お父様達がいますよ!!」

 

 「そうなの?」

 

 「王様と王妃様、ミミ様とココ様とロロ様、後親衛隊がそれぞれあちらの会場に向かっております。王妃様の口振りではおそらく他の王と会うのを面倒がっておられる事でしょう」

 

 まず、ララ達が嫌がる王の筆頭として挙げられるのはおそらくラコスポっていうガーマ星の王だろう。リトと結婚した後も

 

 「ララた〜ん」

 

 と言い寄っていた姿をイチゴも見ている。なんであれで王になれるのかが分からない。

 

 「ノノは参加しなかったの?」

 

 「定員……オーバーでした……」

 

 「……マジか……」

 

 「確か今日は、セブンガーを新エネルギーで動かすんだったよね」

 

 「へー凪君知ってたんだ」

 

 地球に生息する怪獣や他の星の連中が個人で所有してる怪重機などが出る以上、地球側も巨大なロボットを持とうとするのは当然の帰結になる。

 巨大戦力持ちにも今まで頑張っている人達はいるが……

 デカレンジャーなどの警察と防衛軍では話が変わるし、シンケンジャーは外道衆との戦いなど戦う相手が限定され(あくまで優先順位というだけで外道衆達が出てくる範囲内で別種の敵が出たらそいつらとも戦う)、ニンニンジャーなど祓忍達はまあ……忍ばない彼ら以外は隠れて戦ってるのでノータッチ。

 軍という組織に持たせる事に意味があるのかもしれない……そうすれば忍者達よりかはおおっぴらにできるというものだ。

 

 「うまくいくといいね」

 

 一緒に戦った事のある機体がパワーアップしていくのは、イチゴにとっても感慨深くなる。

 とはいえ、血液をそっくりそのまま別物に入れ替えるようなものだから油断はできない……

 

 「そろそろみたいだな」

 

 いよいよ、背中に新たなタンクを積んだセブンガーが動き出そうとしている……

 

 「…………」

 

 パイロットも緊張しているのか、動作もゆっくりかつ噴射も激しい。

 

 「どうなるんだろうね〜」

 

 見守る事数分……寝かせておくために曲げた足は完全に直立となる。

 無事、立ち上がったのだ。

 

 〜東京 某所〜

 

 アイの自宅での出来事……

 

 「なんか世紀の大発表って感じだけどさ、司会(かお)がいまいちだよね~。ママにやってもらうべきだったっていうか」

 

 「私はルビーに出てもらいたかったな〜」

 

 「キャー」

 

 アイ達は母娘二人でキャッキャしていた。

 

 「俺は今回アイが出なくて良かったんじゃねーかとは思うが」

 

 「むぅ……その心は?お兄ちゃん」

 

 「このショーは外国どころか他の星のお偉方も集まる。地球の防衛戦力とエネルゴンがどれぐらい役に立つか探りたいだろうからな……政治的な意味合いも含まれてるあの場にアイが巻き込まれなくて良かったって所だ」

 

 「ああ……なる……ほど?」

 

 「へ〜心配してくれるんだー」

 

 〜寿商会〜

 

 「お、セブンガーじゃん」

 

 お店の備品のテレビに映る映像をアキラは見ていた。

 

 「防衛軍の特別空挺機構の第1号じゃな、エネルギー問題が解決するかもしれん」

 

 「へ〜よく知ってんな」

 

 「昔取った杵柄って奴じゃよ」

 

 「そうかい、あんたの腕はすげえって思うがとてもそうは見えねえよなあ。たまに失敗するし」

 

 藤兵衛はやれやれ、と言わんばかりに両手を小さく伸ばす。

 

 〜広場〜

 

 「動いた!!」

 

 これで……予定時刻より長く動けば実験は完了となる……

 

 「動いた、やったぁ!!」

 

 「バコさん達みんなの働きがあったんです、当然ですよ」

 

 「フーッうまくいった……良かった……トホホ……」

 

 ストレイジのみんなも喜んでいた。

 

 『よしっ!!やりましたね、司令官』

 

 『ああ、オムニコン達もよくやった。まずは第一段階のクリアだ』

 

 喜びあっていると、ラチェットから通信が来る。

 

 『司令官、至急セイバートロン星にお戻りいただきたい』

 

 口調は普段の彼らしく礼儀正しいものだが、焦りがあるのか早口になっている。

 

 『……何かあったのか?』

 

 『詳しくは、こちらに来ていただければ』

 

 『俺が行きます、俺ならともかく、ここには司令官がいなきゃまずいでしょう』

 

 グランドコンボイは、エネルゴンを取り扱う責任者としての立ち位置があった。今取り仕切る場を勝手に離れられない。

 

 『という訳だ、すまない』

 

 『そう言われればそうでしたな』

 

 『ラチェット、スペースブリッジを開いてくれ』

 

 『了解、スペースブリッジを展開する』

 

 スペースブリッジを用意してもらった。

 

 『何かあったらすぐに向かう』

 

 『まあそう言わず、ゆっくりしててくださいよっと。トランスフォーム!!』

 

 スカイファイヤーはスペースシャトルに変形し、スペースブリッジをくぐっていった。

 

 〜セイバートロン星〜

 

 スカイファイヤーはラチェットのいる作戦室に向かった。

 

 『スカイファイヤーか』

 

 『司令官じゃなくて残念だったな……何があったんだ?』

 

 『まずはこれを見てほしい』

 

 ラチェットはモニターの画像を切り替える。

 

 『こいつは……』

 

 見た事のないトランスフォーマーが、大軍で火星に設営したトランスフォーマーの基地を攻めてきている。

 

 『何だ?こいつは……』

 

 丁度その時、火星周辺にあるステーションから連絡が入ってきた。

 地球人の中では宇宙飛行士になったカルロスだった……

 

 『お、カルロスか。どうした』

 

 『スカイファイヤー、敵だ。見た事もないトランスフォーマーが火星のサイバトロンシティーを攻撃している!!』

 

 『なんだって!?』

 

 『水星でも被害が報告されてるんだって』

 

 『マジか』

 

 『うん、大マジ』

 

 『だからこそ……コンボイ司令官の力がいるのだ』

 

 『だよなあ!!……』

 

 だが、すぐにある可能性に思い至る。

 

 『嫌待て、地球に来ないとも限らねえし……』

 

 『あ……』

 

 『しゃーねえ、とりあえず生存者がいねえか確かめてくるとするか!!今からでも出撃可能な奴はどいつだ?』

 

 『私が出よう』

 

 赤いボディーを持つトランスフォーマーが買って出た。

 

 『お前なら安心だ……インフェルノ、よろしくな』

 

 名はインフェルノ、消防車由来の長い銃を腕に装着しており、その見た目通り狙撃が上手い。

 

 『よしっじゃあ行くかぁ』

 

 『待ってくれー!!』

 

 ロードバスターが走ってやってきた。

 

 『自分も……自分も連れて行ってください』

 

 だが、スカイファイヤーはそれを止める。

 

 『士官候補生君、今は緊急指令ってやつだ。経験の浅い奴に任せとける程、楽な任務じゃないぞ〜』

 

 『スカイファイヤー、言い争ってる時間が惜しい』

 

 スカイファイヤーはラチェットの言葉で渋々了承する。

 

 『しゃーねえ、敵がいないとも限らねえから離れるんじゃねえぞ』

 

 『はい!!……しゃあ!!』

 

 ロードバスターはガッツポーズを取る。

 

 『ラチェット、火星にスペースブリッジを展開してくれ』

 

 『了解、発進準備に入る』

 

 各々、ビークルモードに変形する。

 

 『月に出たらすぐ呼んでくれよ、ラチェット』

 

 『ああ、グランドコンボイ総司令官にも掛け合ってみよう』

 

 『じゃあ……行きますかね。お前達、出動だぁ!!』

 

 己の体にエンジンをかけ、スペースブリッジの輪の中に飛んでいった。

 

 〜火星〜

 

 壊れた街、居住区、トランスフォーマー達の残骸……

 仲間の反応が何一つない。

 

 『残骸しか残っていない……』

 

 『こりゃあひでえや……』

 

 『おーい、誰かいないのか!?』

 

 その叫びも、虚しくこだまするばかり。

 

 『生存反応は見つかっていない』

 

 『そんな……』

 

 一行はエネルゴンの採掘場後まで足を運ぶ。

 

 『採掘途中か……』

 

 『!?待て』

 

 採掘途中なら、有る筈のエネルゴンが無くなっていて不自然な程スペースが開いている。

 

 『エネルゴンが……ない』

 

 『もぬけの殻です、副司令』

 

 『!!』

 

 『まさか……敵の狙いは』

 

 エネルゴン!!

 

 『とりあえず、司令官に報告するべきでは?』

 

 『そうだな』

 

 スカイファイヤーは通信を入れた。

 

 『司令官、実は……』

 

 『スカイファイヤー、話は聞いたが、こちらもだ……敵なら……既にここまで来ている!!』

 

 『なんだって!?もうかよ』

 

 〜伊賀崎道場〜

 

 生中継の中、突如爆発音と叫び声が聞こえてきた。

 鳥と豹のフォルムっぽいな……という型のそれらが、セブンガーや建物に群がり始めている。

 

 『周囲の人達は避難を!!』

 

 グランドコンボイの叫びと共に画面がニュースに切り替わる。

 

 「場所はあそこで良いよな?」

 

 「多分」

 

 「よーし、行こうぜ!!」

 

 「うん!!」

 

 「では、私は天条院の屋敷に行ってます」

 

 「姫様は必ず連れて帰ります」

 

 「ご武運を」

 

 「お願い」

 

 全員道場の外に出て出撃した。

 

 「だが……私も出撃するべきだったか」

 

 「ルイス……あれだけいれば大丈夫じゃないかな……」

 




スーパーロボット大戦Z!!byイチゴ
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