スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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スーパーロボット大戦Z!!byグランドコンボイ


第27話 襲来!!新たな敵 Bパート

 〜会場〜

 

 上空から飛来してくる謎の敵にリアルで会場に参加してきた人達はパニックになっていた。

 

 「きゃー!!」

 

 「うわー!!」

 

 こんな事になるなんて、想定外だった。

 そういう悲鳴で溢れかえっている。

 

 「こっちです!!」

 

 「慌てないでね〜〜〜」

 

 「逃げてください!!」

 

 「落ち着いてください、パニックになるのが一番良くないですから」

 

 リト達、そしてヨーコ達とアレクサは避難誘導に入った。

 その最中にアレクサは考えた、敵のフォルムやサイズ感、それはどう見ても……

 

 「(あの形……まさか、トランスフォーマー?なんで?)」

 

 反応から見てコンボイ達は奴らの存在を知らないだろう、多分……アイアンハイド達デストロンも。なら、あれは一体?だがそれを考えるより先に、今は……とアレクサは考えた。

 他の星の王族達は……

 

 「ミミ様達は大人しくしていてくださいよ」

 

 「そうは言ってられないよ、ヒカル」

 

 ミミはそう言うと、走って敵の方に向かっていく。

 

 「あ……」

 

 「ヒカル。言えばよく聞くような、そのような大人しい御方達ではないのは知っている筈だ」

 

 「確かに」

 

 「ただし何かあってからでは遅い、親衛隊として遅れは取るなよ」

 

 「はい!!行きましょう、皆さんも」

 

 「はっ」

 

 ヒカル達親衛隊も武器を構え、応戦に入る。

 

 「私達もいくぞ!!」

 

 「お前達、みんなの避難を頼む」

 

 『シューッ』

 

 ナナとロロは己の友達をデダイヤルから呼び出し、人々の救護にあてる。

 

 「じゃあ、僕たんも……」

 

 「服を溶かすイロガーマは正直邪魔なんで、大人しくしててください」

 

 「しゅん……」

 

 「男らしく、僕も行かねば」

 

 「レン、リト君を困らせちゃダメだよ?(ゴゴゴゴゴゴ)」

 

 「あ……はい(汗)」

 

 「グランドコンボイ、待っててくれ……こんな事もあろうかと用意してたものがあるのだ」

 

 ジョーンズ博士はただ一人、別の方に走っていた。

 

 『こいつら、一体何なんだ!?』

 

 ハルキは、セブンガーで格闘を繰り出す。

 敵のロボット達に当たりはしないものの、関心が人々でなくこちらに向けばいい……と思って繰り広げている。

 

 『私にも分からない……だが、人々を襲う以上、やる事は一つだ』

 

 『その通りっす……押忍!!』

 

 グランドコンボイは、セブンガーを援護する形で銃を構えて発射する。

 謎のロボット達は遠距離からグランドコンボイにカウンターを入れつつも、グランドコンボイではなくその周囲にビームを撃ち込み被害を拡大させようとする。

 

 『こちらなど眼中にないという事か!?』

 

 そのままだと周囲に被害が出てしまう……

 人々の悲鳴が、これから起きる事への予見を込め大きくなっていく。

 

 『させるか!!』

 

 ジェットパックを勢いよく噴射させたセブンガーが盾となり、ビームの雨あられから人々を庇った。

 

 「危なかったー!!」

 

 「た、助けてくれた!?」

 

 「セブンガーが、守ってくれたのか」

 

 『大丈夫っす!!ここにいるみんなには、指一本触れさせないっすよー!!』

 

 「地球人、ブラボー!!」

 

 「ハルキた〜ん、ありがとね〜ん」

 

 『反撃開始っす!!.』

 

 ユカはハルキに通信を入れる。

 

 「ハルキ、複数の敵相手に硬芯鉄拳弾撃ったってジリ貧になるだけだからね。気を付けて」

 

 『押忍。ありがとうございます、ユカさん』

 

 セブンガーは前に出て、敵に体当たりを仕掛ける。

 

 『この!!』

 

 豹型のロボット達は後ろに避け、攻撃を避ける。

 

 『フシュルルルル……』

 

 もう一方を陣取っていた豹型のロボットがセブンガーに飛びかかる。

 

 『そこだ!!』

 

 グランドコンボイの攻撃が豹型のロボットの一体を撃ち貫く。

 

 『まだだ!!』

 

 『助かったっす』

 

 一体二体と撃ち落とすのに成功するも、桁違いの数で陸と空を埋めていく。

 鳥型のロボットと並走して空を走って移動していく豹型のロボット……重力に逆らっているような意味の分からない光景だった。

 

 『敵は……何体いるんだ!?』

 

 疑問を叫ぶグランドコンボイの所にヒカルが飛んできた。

 

 「総司令官、観客を全員、司令官が会場内に設置していただいたシェルターの中に避難させるのに成功しました」

 

 『助かった、ヒカル』

 

 ヒカルは謎のロボット達の繰り出すビームを武器で払う。

 

 「私も来たよ」

 

 ミミも謎のロボット達を攻撃しつつヒカルの近くに来た。

 

 「ミミ様、もう少しこう……御身を大切になさってください。私達もシェルターに行きますよ」

 

 「大丈夫だよ、ヒカルが守ってくれるし」

 

 満面の笑顔でそう言うミミの顔を見てヒカルは赤面しつつも、敵の方に目を向けた。

 

 「……ならば期待に沿えるようにしませんとね」

 

 「うん!!」

 

 避難場所には数える程……しかも攻撃する様子は見当たらない……がしかし、セブンガー相手には今にも(たか)ろうとしている。

 

 『もしかして、セブンガーを狙ってるのか?だったら!!』

 

 ハルキはコックピットのレバーを動かし、人の集まっている所から離れ始めた。

 

 『ハルキ……そういう事か』

 

 グランドコンボイはセブンガーの周りに照準を向ける。

 やがて集まってきた謎のロボット達に発砲する。

 一、二体撃墜。

 

 『よし!!』

 

 「やった!!」

 

 だがすぐに……それらを上回る過剰な数で囲んできた。

 

 「そんな……」

 

 『多すぎるな……』

 

 謎のロボットはセブンガーに攻撃、特に豹型のはセブンガーに直に齧りつき始める。

 

 『うわ!!』

 

 ハルキの乗るセブンガーは腕をバタバタさせて振り払おうとするも、尚も喰らいつく。

 

 『この!!』

 

 「ビームでどうにかしないと……」

 

 「お待ちください、この数でそれは悪手です」

 

 デビルーク人の尻尾からはビームを放出できるが、それはエネルギーの消費が激しく、デビルーク人の特性上子供に戻ってしまう。

 

 『せい!!』

 

 セブンガーの拳が謎の豹型ロボット一体に当たり、爆発する。

 

 「セブンガーから離れろ!!」

 

 ヨーコは何かあった時用に置いていたライフルを持ちだし謎のロボット達に向かって発砲する。

 だが、ダメージにはならない。

 

 『ハルキ!!脱出するんだ!!』

 

 グランドコンボイが叫ぶも、脱出する気配はない。

 

 『ちょっと……厳しそうっす』

 

 グランドコンボイも謎のロボット達を攻撃しセブンガーからどけようとするが数には勝てずセブンガーは機能停止となり、膝を崩して倒れるのが見えた。

 

 「そんな……」

 

 『ハルキー!!』

 

 ハルキの身を案じ、グランドコンボイは絶叫する。

 爆発する気配はないのだけが救いだった。

 

 「嘘、だろ……」

 

 「ハルキたーん!!」

 

 「地球人……お前の事は忘れはしない……」

 

 その様子を見ていた者は、セブンガーと……中にいるハルキの惨状に涙する。

 

 〜一方その頃〜

 

 セブンガーの中でハルキはゼットライザーを用意した。

 

 「ゼットさん、こうなったらウルトラマンでいくしか」

 

 『ああ、嫌待てハルキ……どうやら大丈夫みたいだ』

 

 「……どういう事すか?」

 

 セブンガーの電気がつかなくなったため、モニターなど一切何も見えなくなっていた。

 

 『応援が来るみたいでございます』

 

 「ゼットさん……それって……」

 

 ハルキはそれがなんなのか分からずじまいだった。

 

 〜会場〜

 

 「やあ!!」

 

 ミミは持ち前の怪力で豹型のロボットを殴り、ボディーを凹ませる。

 

 「せい!!」

 

 ヒカルは武器でそれらを両断する。

 

 「この数……流石にキリがないですね」

 

 「確かに、ちょっと疲れてきたかも……」

 

 『今からでも君達は撤退するべきだ』

 

 「セブンガーに乗ってる人、まだ助かるかもしれないから」

 

 「言い出したら聞かない姫君なのです」

 

 『そうか……頑張ってくれ』

 

 そして……またもや黒い物体が飛来している。

 今度は一機のみだが、とても大きいのは分かる。

 

 「何か、見覚えがある……」

 

 「ア〜ハッハッハッ……私もです」

 

 その黒い巨体は、空から雷のように飛んでくる。

 

 『ハァッ!!』

 

 その段階で、正体は掴めた。

 

 「まさか……」

 

 黒い巨体は……カイだった。

 滑空し、地面にスレスレでホバリングを入れた後に豹型ロボットの一体をパーで押し潰し爆発させる。

 爆発を掌で封殺した後、手をブンブンと振る態勢を取る。

 

 「あれは!?」

 

 リトは見た。

 息子(イチゴ)が乗っていると思しきロボ、カイが空を舞い、敵に攻撃する所を……

 

 「………リト……」

 

 「リトさん……」

 

 「あいつか?」

 

 「ああ……」

 

 『君は!?』

 

 グランドコンボイも驚く。

 以前一緒に戦った……ガーランドの弟であろう人物が来たようだと。

 

 『ニュースを見て、居ても立っても居られずに来ました』

 

 当のイチゴはカイの変声機能で声を誤魔化していた。

 

 「あれって……」

 

 ミミは、自分の弟を思い浮かべ、ヒカルに目配せする。

 

 「味方です、私達の」

 

 誰に聞かれるか分からないのでそう言うしかない、デビルーク関係からのイチゴという人名は禁句になっている。

 

 「うん、そっか……頑張れ〜!!」

 

 「隊長、以前見た……あれじゃないですか」

 

 「ああ、あれだな……王妃特製のロボってやつか」

 

 その光景はストレイジの簡易作戦場でも話題となる。

 

 「見た事あるフォルムなんだな〜」

 

 「デビルークのものか?助かった」

 

 「一体誰が……?」

 

 他の星の王達もその姿を目に焼き付ける。

 乗り手が何者か、気付くまで喝采は続くであろう……

 

 「俺達も来たぜ!!」

 

 シュリケンジンドラゴが現れ、火球を吐き謎の鳥型ロボットに攻撃する。

 鳥型ロボットは数体、撃墜。

 

 「見境なしに攻撃してくるあいつらは敵でやすね!!」

 

 バイソンキングも現れ、銃で謎の豹型ロボットを攻撃する。

 銃弾で散開した所に拳を入れたり、銃弾を直接命中させたりして少しずつ倒していく。

 

 『あ』

 

 鳥型のロボットが何体か、室内に入り込んできた。

 それを追うようにもう一つ、爆速で何かが突っ込んでくる。

 見覚えのあるドレス、イチゴだけでなくミミ達も見覚えのある顔。

 

 『レイア!!』

 

 「あ、レイアだ!!」

 

 ミミ達が手を振ると、レイアも手を振り返す。

 

 「嫁にでもどうです?可愛がりますよ」

 

 変な声も聞こえ、引きつつも笑って誤魔化す。

 

 「い、今は緊急事態なので……(汗)ごめんなさい!!」

 

 そのままスルーするように建物の中に入っていった。

 その内に小狼(シャオラン)達も各々レイアース達に乗って現れる。

 

 「モコナ達もとうちゃーく!!」

 

 敵を見つけ噛み付いてくる謎の豹型のロボットの牙をレイアースの盾で防ぎ、押し出した。

 

 「これって……一体なんなんですか?」

 

 「多分、全員同じ命令でここに来たんじゃないかと思う……」

 

 ファイはウィンダムの剣で鳥型のロボットを突き刺していく。

 

 「サクラちゃんの言う通りかもね〜、みんなおんなじ姿みたいだし」

 

 「群れた魔物みてえなもんだろ、楽勝だ」

 

 黒鋼の乗るセレスは刀を掲げ、群がる謎のロボット達を細切れにする。

 

 『ありがたい、この調子なら押し切れるぞ』

 

 グランドコンボイは引き続き一発一発を謎のロボットに当てて撃ち落としていった。

 

 「セブンガーが倒れて、パイロットを助けたいの。力を貸して!!」

 

 イチゴは急に異母姉にあたる人から頼られるのに困惑半分、嬉しさ半分だった。

 

 『ならこの戦いを早く終わらせて、セブンガーのパイロットを救出しよう』

 

 「よし!!」

 

 イチゴ達を加えて、戦いは再開となる。

 

 『はああああああああ!!』

 

 イチゴの駆るカイは突進し、万能工具(ツール)で豹、鳥、構わず斬り裂いていく。

 

 「弾切れになるまでやってやりやすよ!!」

 

 バイソンキングの銃が火を噴き、謎の豹型ロボット達を破壊。

 

 「多数相手なら、シュリケンジンドラゴの方が良い!!」

 

 引き続きブレスを多方面に浴びせ、謎の鳥型ロボットを撃墜する。

 

 「はぁ!!」

 

 「行け〜小狼(シャオラン)、ぶぅーん!!」

 

 小狼(シャオラン)はレイアースの掌から炎の集まりを3つ程練りだし、それらを豹型の謎のロボット達に投げつける。

 豹型の謎のロボットは炎に焼かれ、何体か壊れる。

 

 「これを〜こうやって〜」

 

 ファイはウィンダムの風の力を使い、謎の豹型のロボット達を拘束する。

 

 「黒たん、どうぞ」

 

 「よしきた」

 

 拘束した分の敵をセレスは順に切り裂いていく。

 

 「次だ!!」

 

 〜建物 地下〜

 

 「何、これ……」

 

 謎のロボット達はトランスフォーマーが運ぶようなサイズの大きなコンテナを食い破っている。それらを食べ終わった謎のロボット達はなにかパーツが盛り上がる、そしてレイアを認識すると次の獲物を認識したように叫びをあげ襲いかかる。

 

 「よく分かんないけど……これでもう、終わりにしてよ」

 

 風で室内に槍を織り上げ、圧力をかけ発射する。

 それらは謎のロボット達に刺さり、貫通し、撃墜する。

 

 「ロック!!」

 

 謎のロボットの周りを風で覆い、爆発は防いだ。

 

 『最後!!』

 

 カイの万能工具(ツール)で、謎の鳥型のロボットを両断した。

 そして見える範囲で敵は全滅した。

 

 「これで全部か」

 

 『周囲に残った敵はいないよ』

 

 「忍ばず〜」

 

 「わっしょーい」

 

 『ヴイ!!』

 

 「今日もビューンと、お悩み解決!!」

 

 レイアも外に出て、決めポーズを取る。

 

 戦闘終了……

 戦いが終わった後にゲッターロボが現れた。

 

 「あれあれ?みんなやっつけちゃった?撤収撤収」

 

 そして何事もなかったように帰っていった。

 多分、アイだろう。

 

 〜会場〜

 

 敵が片付いた後、グランドコンボイはラチェットに連絡を入れた。

 天晴達は、引き続き警戒態勢を取り各々出撃したままだ。

 

 『ラチェット、敵はこれで全部か?』

 

 『火星で確認できた数は今司令官達が倒した分の半分……といった所でしょうか』

 

 『何!?』

 

 丁度、スカイファイヤー達がスペースブリッジをくぐって現れた。

 

 『司令官!!』

 

 『来たか、スカイファイヤー』

 

 『どうやら出遅れてたみたいっすね』

 

 『頼もしい味方が大勢いたからな、彼らの働きあっての事だ。それに……まだ終わりではない』

 

 『……マジすか』

 

 『おそらく、次の狙いは……』

 

 〜一方その頃〜

 

 来場客の殆どは帰ってしまった。謎のロボット達に襲われた時点でセブンガーを観てもらうこの話は事実上のお開きとなっている……

 

 「ハルキー生きてるかー?」

 

 ヨーコ達はセブンガーのコックピットを無理矢理開け、ハルキを救出した。

 

 「押忍、ヨーコ先輩、助かりました!!」

 

 中にいたハルキは気絶していたという風でもなく、閉じ込められたままの環境にいたにしては意外に元気そうだった。

 

 「まあ、よくやったぞ……お疲れさん」

 

 どこかから大声でハルキの無事を喜ぶ声が聞こえた。

 

 「ハルキたん、生きてて良かったんだな〜」

 

 どこかの星の王族らしい。

 

 「そちらの(かた)も、助かって良かったっす!!」

 

 「助けた方に死なれると、助けられた方が辛いってやつだ。ハルキが一番覚えとくべきだな」

 

 「せ……責任重大っすね、隊長」

 

 その場を見て、ミミ達は胸を撫で下ろす。

 

 「無事も確認できたし、戻ろっか」

 

 「ええ」

 

 そして、自分の家族のいる場に向かった。

 謎のロボット達の爆発した跡がたくさんあった。

 

 「今回はお母様達のおかげで特にやる事もなくて済みましたよ」

 

 「俺はそうでもなかったな……」

 

 「あなたは私と比べて今ここで使える方々が多いですからね……ロロ」

 

 機械仕掛けのものでさえ、虫ならば友達になれるロロだった。ナナも動物であればそうだが。

 

 「お前の新しい友達は強い虫なんだな、安心したぜ!!」

 

 「母上にそう言われると安心します」

 

 「そういえば、カイと中の人に声をかけなくてもいいの?」

 

 ミミはモモの方を見た。

 

 「ええ、何も言ってやらない方が良いという場合もあると思いますから……」

 

 『…………………』

 

 瓦礫をどけ終えたイチゴは、何も言わずにその場を去ろうとした。デビルークやメモルゼなどある程度見知った顔だけならまだしも、ここには他の星の王族もいる。

 

 「お疲れ様ー!!」

 

 カイの前にレイアが立つ。

 

 『レイア、お疲れ様』

 

 「降りて話そうよ、イ……」

 

 イチゴはカイに手をかざしてもらい、制止のポーズを取る。

 

 『……そういう訳にもいかないよ、後……今ここでオレの名前を呼ぶのは止して』

 

 「……うん、分かった……」

 

 『ホッ……』

 

 イチゴの反応で、ただならぬ事情を察したレイア。しかも……ここで聞ける話でもないよう。

 

 「レイアちゃーん、そこにいるの〜?」

 

 「あ、ルンさん。今行きま〜す」

 

 『双子の男も今いると思うよ、ていうかそっちがいて然るべきか』

 

 雌雄二つの人格を持って産まれた彼らメモルゼ星人は、どちらか一方の人格しか表層に出られず、肉体も人格に引っ張られる。

 その特性上、双子の産まれる時刻でどちらが兄になるか姉になるかという差はない。

 

 「そうなんだ、教えてくれてありがとー」

 

 そう言いながら手を大きく振り、レイアはルンのいる方に向かっていった。

 

 「聞いてたぞ」

 

 建物の別のフロアから、レン・エルシ・ジュエリアが現れた。

 笑いで誤魔化すしかない。

 

 『あ、あはは……レンさん久しぶりですね……』

 

 「そうだな。久しぶりで悪いが……女の子に求められて顔も出さないなんて、男らしい行いではないと思わないのか?」

 

 『それを……レンさんが、言うんですか?オレを知る奴らが、オレを見てなんて言い出すか……知ってる癖に』

 

 カイの中からイチゴが出る所を見れば、先程の喝采も叫喚と罵声へと変わるだろう。

 それを分かって……顔を出せと言うのか?とイチゴはカイ越しにレンを見つめた。

 

 「…………………」

 

 イチゴの言葉でレンは思い出した。

 イチゴが宇宙で、デビルークで、どういう立ち位置でいたのかを……

 

 「すまん、男らしくない真似をしたのは僕の方だ……」

 

 『じゃあ、オレは見回り行ってきます』

 

 イチゴはカイに外回りをしてもらった。

 

 「あいつ……色々あるんだな」

 

 「妹の事といい、デビルークの関係者でしょうね……」

 

 「かもね……」

 

 「お兄ちゃん、あんまり聞き耳立てるのもまずいと思うの」

 

 そして、動かないセブンガーをあれこれするようになった。

 

 「派手にやられたなー」

 

 「さっきまで動いてたセブンガーが、こんな事に……」

 

 長官もまた胃を痛めている。

 

 「す……すいません。始末書、どのぐらいになるんすかね……」

 

 「今回はそういっぱいにはならんとは思うが……見てみろ」

 

 ハルキがビームを受けるなどしてセブンガーを酷使した分黒く煤ができているが、腕や足がちぎれた訳でなく表面的な修理で済みそうだった。

 

 「人的被害はなし……建物はトランスフォーマー側と応相談ってところか。ただし……今のコックピットと約一カ所を除いてな」

 

 「あ〜タンクぶっ壊されて、せっかく精製してもらったエネルゴンがカラッカラじゃん」

 

 タンク辺りを調べていたユカが、不満げに呟いている。

 エネルゴンを貯めておく部分だけが噛みつかれている……もはや、エネルゴン一滴すら残っていない。

 トランスフォーマー達が用意してくれた分も(ことごと)く無くなっていて、ユカがエネルゴンを調べる機会すら無くなっていた。

 

 「そうなんすよ〜、攻撃受ける度にみるみる残量が減っていって……」

 

 セブンガーが動かないのは、そういう燃料としてあてがったエネルゴンをごっそり取られたのが原因だというのは一目で分かる……問題は……

 

 「おい……なんでタンクの部分だけ執拗に壊されてる?」

 

 『タンクだけじゃなか』

 

 『今日こっちに持ってきた分全て持ってかれてるでごわす』

 

 オムニコン達も、そうこぼしている。

 

 「あ……」

 

 持っていった連中はどうなったのかはさておき……

 

 「まさか、あのロボット達の狙いは……」

 

 エネルゴン……

 

 「じゃあ、奴らが他に狙うのは……」

 

 地球上で最もエネルゴンが潤沢にある場所……それはトランスフォーマーと人間の交流の盛んな場所。

 

 「オーシャンシティーだろうな」

 

 「まずい……あそこには、ジュニア達がいる!!」

 

 ジョーンズ博士が息切れしながら現れた。

 

 「あの時の子?大きくなってそうですね」

 

 近くにいたリトが感慨深そうに呟く。

 

 「ええ、それはもう反抗期真っ盛りで……いえいえ、今はそのような話をしてる場合では……ガーランド君もそちらにいると思います」

 

 「あ」

 

 「ここにいないと思ったら……」

 

 「ひょっとして、間鈴もいるんじゃねーかな?」

 

 ナナが言った黒咲()(すず)とは……黒咲芽亜の子。

 オーシャンシティーに入り浸っていたりいなかったりする……

 

 「って事は、あいつらが危ない!!」

 

 リトの悲鳴にも近い叫びが響き渡る。

 

 『私達も同じ結論になった、私達はこれよりオーシャンシティーに向かおうと思う』

 

 グランドコンボイ達がスカイファイヤー達大勢を連れて姿を見せる。

 

 『おお……こないだの御方と、似たような顔がいっぱいだな』

 

 ロードバスターは、モモとその家族と思しき集まりを見て呟いた。

 

 「ああ……あなたは」

 

 「モモたん……知り合いなんだな?」

 

 「セイバートロン星でお見かけした方ですね」

 

 『自分は、セイバートロン星士官候補生のロードバスターと申します!!いずれはグランドコンボイ総司令官の指揮下に入りたい……そう思っています!!』

 

 「押忍、ナツカワ・ハルキっす!!ストレイジのパイロットやってます。どうか、よろしくっす!!」

 

 こいつらノリが同じすぎないか?と片方をよく知る周りの人間は思った。

 

 『ああ!!って……お前地球人か?初めて見るなあ』

 

 「俺も総司令官さんと副司令さん以外は初めてっす」

 

 『あ〜これ以上は長いやつだな、おしまいにしようぜ』

 

 スカイファイヤーは強引に話を畳んだ。

 

 「グランドコンボイ、ちょうど良かった。君に渡したいものがある、ストレイジの皆さんも少し手伝って欲しい」

 

 グランドコンボイはその話に頷き、ジョーンズ博士の指示に従う。

 

 「セブンガーは動けねえ、ハルキ……分かってるな?」

 

 もし動けたとしても、群れ相手ではセブンガーは無力と痛感したばかりだった。

 

 「お……押忍……でも、そのオーシャンシティーにも、まだ人がいるんじゃないんでしょうか……?」

 

 『そういう人達は、既に私の部下が救助してくれているだろう。心配はいらない』

 

 「………お……押忍」

 

 『そういうのがいるならオレが行くよ』

 

 名乗り出たのはイチゴだった。

 

 「やってくれるのか?」

 

 リトはイチゴに問う。

 

 『うん』

 

 『そう言うなら構わねえけど……しかし、良いのか?』

 

 「一人ぐらい向こう行ったって構わねえだろ?」

 

 「敵が今更ここに来るメリットもないしな」

 

 「敵の姿形は覚えた。近くに来た奴は斬りゃ良いんだろ」

 

 天晴達の言葉でイチゴは行く決意を固めた。

 数分後……

 

 「これでよし」

 

 『ありがとう』

 

 グランドコンボイのビークルモードのコンテナ部分が新調された。

 中身は……グランドコンボイしか聞いていない。

 

 「これで大多数との戦闘にもバッチリ対応できるぞ、壊れたらいつでも言ってくれ」

 

 『ああ、頼りにしているとも』

 

 「頑張ってね〜」

 

 『うん』

 

 「気を付けてくれよ」

 

 「やはり、デビルークの関係者か……」

 

 そしてグランドコンボイ達は、横一列に並んだ。

 

 『お前達、行くぞ!!』

 

 『ホットショット殿のいるオーシャンシティーへ!!』

 

 『いよいよ俺達も奴らと対面だな!!』

 

 『地球に戦火を加えるなら、容赦はしない』

 

 『『『『トランスフォーム!!』』』』

 

 『行くよ!!』

 

 イチゴとカイを加えて、グランドコンボイ達はスペースブリッジの向こうへと向かった。

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