スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
このパートは通信越しの会話が多いので、スキット感覚で見てもらえると幸いです。
「さあ、解剖の時間だよ〜!!」
その言葉と共に、謎のトランスフォーマーは手や脚の部分だけでなく、体の隅々まで解剖された。
それらをどう活用するかは、ユカ達のみぞ知る。謎のトランスフォーマー達には、どうする事もできない。
〜????〜
一体のトランスフォーマーが、体を得る。
『ぞーりゃっさー!!ぞーりゃっさー!!』
そして、彼は産まれたての赤子のように叫んだ。そう……このトランスフォーマーは、再びこの世に生を受けてきたのだ。
『気分はどうだ?』
親とも呼ぶべきものか、主と仰ぐべきものか……………それは産まれたばかりのトランスフォーマーに問いかける。
『はっ!!すこぶる快調でございます!!』
それを聞いて『よろしい』と喜び、かと思えば屈託もなく『やった~やった~』と喜ぶなど、人格が複数あるような振る舞いを取る。
『お前の名は……メガザラックだ』
『恐悦至極にございます!!』
名前を受け取り、メガザラックは喜んでいた。
『我が望みを叶えるため、お前にも動いて欲しい』
『しかと承りました!!』
メガザラックはそう言って、その場を後にする。
『待て、メガザラック。行く前にこれを渡そう』
『これは……』
映像が見える球体だった。
それは、この中で朽ちた一体のトランスフォーマーが映っている。
『ほう……』
〜数時間後〜
長き時間を経て、ショックウェーブはある地点に運ばれる。そこには一隻の船が待ち構えていた。
『ショック……ショック?』
宇宙船の主と思しき声が、ショックウェーブに呼びかける。
『ショックウェーブ、貴殿を迎えに来た。貴殿の助けを必要としているのだ』
そのまま、宇宙船の中に案内された。
案内された先に、トランスフォーマーがいた。
『キサマカ?ショックウェーブニタスケ、モトメルノハ』
『いいえ、助けを請うているのは私ではない』
『ダレダ?』
『貴殿のよく知る御方だ』
『!!マサカ……』
『そのまさかである!!』
メガザラックは、先程主にもらった球体を見せる。その球体に映るトランスフォーマーを見て、ショックウェーブは目の色を変える。
『オオ……メガトロンサマ、メガトロンサマ……』
『彼を解放するため、貴殿の力を必要としているのだ』
『……ナニヲスレバイイ?』
メガザラックは内心笑みを浮かべつつ、ショックウェーブの質問に答える。
『そのためにはサイバトロンの持っている大量のエネルゴンが必要となる』
『ショック!!ショックウェーブ、メガトロンサマノタメ、ガンバル!!』
〜宇宙〜
謎のトランスフォーマーの始末をサイバトロンシティの科学者達に任せ、イチゴはカイに乗ってヤミ達の乗るルナティーク号に付き添っていた。
そのついでに、モニター越しの談義につき合わされていた。
『ていう訳だ。トランスフォーマーは十年前の事件以降、地球周辺の各星に足を伸ばしている』
ユニクロンを退けた(倒したとは言ってない)トランスフォーマー達は、サイバトロンとデストロンで争う事もなくなった。
「最初の数年間分はオレも王宮でちょろちょろっと聞いてるんだけどね」
少年達は成長して、何人か先日見かけている……仲間と肩を並べられるよう、頑張ったんだとガーランドは付け加えた。
『その間……トランスフォーマー達の作ったシティはこんな感じだな』
オーシャンシティ……太平洋付近に建造した場所、ガーランド達が活動してた場所。
ジャングルシティ……南米の遺跡の外観を壊さないように頑張った。
デザートシティ……砂漠地帯に建設したサイバトロンシティ……ピラミッドが見えるが、道路や昔使用された通路の形跡のない所を選んで建設した為、休暇の際観光に行こうとは思えないぐらい遠く離れている。
プレーンシティ……誰もいない古城を改築した草原と海の見えるのどかな場所、何故かインフェルノが誰もいない事を保証している。
その他、太陽系に位置する各星に一つずつ……他にも、地球の環境整備も兼ねて鋭意建設中だそうだ。
『セブンガーの件がうまくいってりゃ、あの辺にもなんか建設してたんじゃねえかな……』
「トランスフォーマー様々じゃんか、他の所は何やってんの?」
それはヤミが説明してくれた。
『……そうですね。私が地球に来て数十年の間の出来事ですが、未開な星のさらに未開な部分を発見した結果……対応は主に二つでした』
一つ、関わらない事。
もう一つ、支配する事。
『点在程度の規模ではありましたが、そういう地域は後者の選択を取った組織に蹂躙され……労働力へと変えられました』
「ええ……」
『それらを銀河警察が摘発し、捕まえたのが地球に署を作り根を下ろしたきっかけです、結城リトがデビルーク星の王になった事で宇宙と地球との距離が近づき、星と星……人と人との交流が増えました。ですが……交流が増えるという事は、犯罪の手口も増えるという結果に繋がります』
「それで地球各国の総意って形で銀河警察の管轄内に入るのに同意したんだっけね」
『そうなりますね』
「交流が増えるのも良いことばかりじゃないか……」
『ん〜でも、時間の問題だったんじゃないかな〜?』
間鈴が意味深な風に会話に混ざってきた。
「どういう事?」
『銀河戦争がきっかけで地球に不時着した宇宙人達は多いみたいだし、行方不明者を探す件で銀河警察は地球に来てたと思うよ』
『行方不明者って……どうなったの?間鈴』
芽亜も娘に聞いてきた。
『それは分かんない、でも……地球の妖怪や化け物に分類されるリストの中にそれっぽい特徴のがチラホラあるんだよね……』
「化け物ってそれ……今の話に関係ある?」
『何言ってるの?イチゴお兄ちゃん、宇宙人達が地球に不時着してから現地の人に化け物扱いを受けて果ては殺されたかもしれないんだよ。絶対面白……関係あるでしょ』
「あ」
日本の……特に江戸時代の妖怪ものの話に出てくるような妖怪のルーツは外道衆だそうだ。奴らの不気味な姿を目撃した人達の風聞などからそれらは練り上げられる。
ならば他の国における妖怪、精霊のルーツがあって……そのうちの一つ二つ、それ以上が宇宙人という説もありうる?明らかに体型も体色も違う(青とか鱗肌とか)のもいるからなくはなさそうだ。
『待ってください、それを言いだすとキリがありません』
ヤミがストップをかけてきた。
『それもそうだね……』
『ちぇーっ』
『まあ、可能性としては面白かったよな』
突如ルナティーク号宛に通信が届く。
『お、なんだ?カルロス』
「誰?」
知らない人の通信で、イチゴは身構えた。
『サイバトロンシティでガーランドとよく遊んでる子だよ、ルナティーク号の回線も教えてたの』
『ガーランド、今そっちは……ああ……家族と一緒か……相変わらずキレーなねーちゃん達に囲まれてて羨ましいぜ』
『そう
ガーランドがそう零した途端、ルナティーク号側から吹き出すような笑い声と二人分の諌める声が聞こえてきた。
『……ゴホン、脱線しちゃったな……今そっちはどこにいるんだ?』
『今は太陽系内……木星付近だ、そっちのステーションでも俺達の様子は見れると思うが……』
ちょっと待っててくれという言葉を挟みつつ、パネルを弄くる音が聞こえる。
『確かに……』
『何か探して欲しいのか?デビルークへ帰るまでの道中でいいなら探してやるよ』
『ありがとう。実はこっちでショックウェーブを探してるんだけど、見つからないんだ』
『ショックウェーブのあの図体で見つからないだと?』
ガーランドは食い入るように画面に顔を近づける。
『見つからなさすぎて、あのトランスフォーマー達に食われたんじゃないか……って思ってきた所なんだ』
「そんなにおっきいの?」
『特空機や怪重機って程じゃあねえが、トランスフォーマー達の中だとバカデカい方だな』
その分鉄壁の防御力、戦艦由来の多数の砲門による攻撃力はイカトンボが直接登用する程だったとガーランドは話す。
『デビルーク軍内部でも、スラストの策云々は聞かない方達が多数でしたが彼の人事の手腕に至っては皆さん一目置いていました。彼が直に目を付けたのであれば……相当な実力でしょうね』
最近は碌に戦う機会がないためか、デビルーク人であるという種族的な能力の高さに誇りを持っているのか、あぐらをかいてるのか……はさておき、デビルーク軍の兵士達は策は重視してない傾向にある。
『そうそう。俺もコンボイ達があいつに手を焼いてたのを目の当たりにしてたから、簡単にやられたなんて思いたくないんだけど……』
『銀河警察が何か情報持ってるんじゃない?活動範囲いっぱいあるしさ〜』
『そうは言っても……銀河警察の包囲網にも穴はあります、あるいは……開けられたのかも……』
「そこまでされるのなら、銀河警察はなんで動かないの?まだそこまでされてないかもしれないけど」
『向こうは最悪のシナリオも想定してるのかもしれないな……そうなると下手に動けなくなる』
『ガーランド、それってまさか……』
ヤミは固唾を飲んだ。
「何?最悪のシナリオって……」
『前にも言ったろ。サイバトロンとデストロン、戦いを止めた両陣営が再び争うってさ』
カルロスが台を叩いて叫びだす。
『そんな!!コンボイとメガトロンが手を取り合って掴んだ平和を、無かった事にしようだなんて』
『ありえない訳ではなさそうだよね』
芽亜が話に入ってきた。
『たまに宇宙のあちこちでトランスフォーマー見るんだけど、コンボイ達みたいな上の意識の高いのと違って下に行くほどそうじゃなかったりする。サイバトロンとデストロンが一緒に行動してるとケンカスレスレになったりね』
『……………そんな事が……』
カルロスは、申し訳なさそうに呟いた。
『君達にはコンボイ達が付いているから、知らなくても仕方ないよ。決めた側に遠慮なく文句言えるのはそうそういないし』
『長年いがみ合ってきた勢力間の軋轢は、一緒に行動するぐらいでは解決しないとデビルーク軍の方達より聞きました。長年培ってきた敵意で相手を見てしまうのをやめられない、そして相手にもそれが伝わるからケンカ腰になってしまう……と』
『ママの言ってる事もそうだが、当のメガトロンを失ったのも痛いよな……口ではサイバトロンもデストロンもないとは言うが、コンボイしかいない今、デストロンの肩身は俺達が思うより狭くなってる……ずっとこう思ってる筈だぜ、メガトロン様がいれば……ってなぁ。メガトロンを騙る馬鹿がまだいないだけで、もしいたらすぐ恭順する奴がいるだろう……カルロスが今探してる、ショックウェーブがその筆頭だ』
『メガトロンがいたら……か、それはそれで不安だよなあ。コンボイと仲良くしてくれるイメージねえし』
『ユニクロン戦時のあれですね』
ユニクロンと戦っていた時、最終局面において、何を思ったのか、コンボイとメガトロンは決闘をしていたのだ。ヤミと芽亜は内部に向かおうとした時にマイクロンに止められ……そのいきさつは知らない。
『うーん、あれはあれで仲良しだからできるものなんじゃないの?』
だが……ユニクロンの外に出てまで繰り広げられたそれの時の言動は、外にいた者達全てが聞いていた。脱出の兼ね合いもあるので最後まで聞けはしなかったが、そこに怒りや憎しみは無かった……と見た者は語る。
『あのノリでまたみんなを率いて戦われても困るんだけどな……』
『どちらにせよ、今の状況では色々と噴火しかねない感じなので、早い所不和の芽を摘んだ方が良いでしょうね。地球で例のトランスフォーマーを解剖してるので、今の所は結果次第ですが』
『そうなるか……』
疑念が尽きない中、カルロスは話を聞いてありがとうと礼を述べて通信を切った。
『さ〜て、ショックウェーブ見つかると良いよね』
『だね』
〜数時間後 中間地点〜
ショックウェーブの手がかりは見つかりそうになかったが、デビルークに近い所まできていた。
「そろそろ良いのかな?」
『ええ、この辺りで』
『結局ショックウェーブ見つかんなかったね〜』
『ありのままを言うしかないと思う』
『しかし……本当に電池切れしないんですね』
「胸にある球様々だよね」
イチゴが乗ってるカイの胸には、スフィアという球がくっついていて……これにより電池切れになって溶けだすような事は起きなくなった。
『ですが、それで命を狙われるようではいただけませんが』
「気を付けまーす」
『頼みますよ……カイがいるとはいえ、イチゴが危険に首を突っ込んでばかりではどうにもなりませんから』
「あ……あはは……」
『まあ、何かあったら言ってくれよ』
「うん」
『では』
ルナティーク号は出発し、改めて別れた。
「さあ、帰ろっか」
『はい』
地球付近まで帰って来た時の事……
「さーて、そろそろ大気圏かな……」
青い海と雲が視界いっぱいに広がってきた。
『大気圏ですので、一応動かないでじっとしていてくださいね』
「うん」
地球に降下しようとする時だった。
『ぞーりゃっさー!!』
3隻の戦艦級の宇宙船と、一機の緑色の戦闘機が突っ込んできた。
カイを認識して、3隻の宇宙船はロボットに合体する。その形に見覚えがあった……
「あれはショックウェーブ……それと……」
どう見ても敵を率いてる指揮官クラスのやつだった……例の敵トランスフォーマーを率いている以上、隣にいるショックウェーブも敵という認識でいいのか……?
『ショック?ダレダ?』
『邪魔だ、どくがよい』
『では……お言葉に甘えて』
カイは謎の戦闘機の言葉に甘え、その場を離れようとした。
「ちょっと待って」
『イチゴ様?……!?』
その後ろで謎のトランスフォーマー達はカイにビーム砲を向けてきて、そのまま照射してきた。
『!!』
ビームによる爆発がカイの周りで発生する。
『………………』
『よく防いだな』
『ショック……』
星々の決定でトランスフォーマー達とは戦ってはならない……と決定づけられているらしい。
先日はヤミやスカイファイヤーが言い含めてくれたそうだが……指揮官クラスが出た時は、どう対応すればいい?
『逃げましょう、イチゴ様』
「………………」
一旦、そうしようか迷っていた。
本当なら、すぐにでも戦ってボコボコにしたい所だったが……
『トランスフォーム!!』
考えあぐねている間に蠍に変形し、尻尾をカイに突き刺してきた。
『悪いな、目撃者をそのままにはしておけん』
「くぅ!?」
『きゃあああああああ!!』