スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
〜デビルーク 宮殿内〜
そこは宮殿内の一室、さしずめ通信用エリアといった所。
そこでガーランドはグランドコンボイに状況を聞いていた。
キッカーの彼女含め、施設の中にいた人は全員無事、救護に向かったキッカーも無事、人間だけで言えば犠牲なしで終わった最良の結果だろう。
こちら側のトランスフォーマーは何名も倒れていったのを除いてだが……
「そいつは災難だったな……敵は何か言ってたか?」
『ガーランド、その件に関して……確証を得るまで口外しないと誓えるだろうか?』
グランドコンボイにしては珍しい、勿体を付けた言い方だった。ガーランドは周囲を見渡す、ここは要人と会話する場所でもあるため、防音も効いているのだ。人がガーランド以外いないこの場なら、誰にも話を聞かれはしない。
「俺はパパや他の誰にも、何も言わない……これで良いのか?」
グランドコンボイは、ガーランドの言葉を聞いて
『もしかしたら……この件、ユニクロンが深く関わっている可能性がある』
「!?なんだって?」
ユニクロン……マイクロンの創造主にして、トランスフォーマーを争わせた原因……もちろんトランスフォーマー達の敵だった。星々を食い荒らしているから、当然他の連中にも危険視されている。
『ショックウェーブはメガトロン復活と言っていた、だがメガトロンはあの時去っていくユニクロンの中に吸い込まれていった筈だ。だからメガトロンが今いるとすれば、ユニクロンの中だろう……奴達の言う事をまともに信じるのならな』
「はん、復活?どうやるんだか……喰らったもん消化する前に吐き出すのとはレベルが違う」
『君にも分からないか』
「ああ……俺だって分からない事だらけだ、付き合った女子の好みなんかは特にな」
その話は今するべき時ではないだろうと、叱りの言葉がくるものかと思っていた。
『そこはガーランド、真心を忘れないのが肝心だ。言葉と信頼を損ねたらダメだぞ』
普通に助言が返ってきたから、ガーランドは話を切り上げた。
「ハハ……アドバイスすまないな。それはそうと、ショックウェーブがユニクロンの場所を掴んでいる可能性もあるのか……」
『イチゴや我々と相対した時はまだ、そこまでには至ってないだろうがな……』
「だな……まだ相手の出方を待つしかないか」
『私はこの機にサイバトロンシティに防衛設備を増強しようと思う、地球人目線で何か意見はないか?』
そう聞かれたので、当たり障りのない事を言ってみた。
「設置型のトラップは俺達も踏むかもしれないから考慮してくれると助かる」
『ありがとう、参考にしよう』
「よ~し、じゃあまた何かあったら連絡するよ」
『分かった。ああそうだ、スラストにも協力の礼を伝えて欲しい、君のおかげで助かった……と、ではまたな』
グランドコンボイは通信を切った。
「ユニクロンか……」
確かに、それを伝えれば大問題になる。
10年前の戦いでその威容に恐れ、または欲した連中は数知れず……口に出しただけで、宇宙中がパニックになるかもしれない。
母であるヤミを兵器にしたがった奴達がいつ再び産声を上げないとも限らない。
ふと、ガーランドは誰かの気配を感じる。
だが辺りを見回しても、誰もいない。
「気の所為か……」
ガーランドは考えを振り払い、自室に戻った。
『………………』
影に潜む暗黒、身の回りにいるであろう、ユニクロンの存在を知れば食いついてきそうな存在に気付かずに……
〜????〜
特徴的な角が目印の惑星だった。
外にはメガザラックの部下達が整列して溜め込んだエネルゴンをその惑星に落としている。
『マダカ?』
『もう少し待たれよ』
メガザラックは、ショックウェーブに主君のいる場所へと案内する。
『ここだ』
メガザラックは土壁を指差す。
消化されたように土塊とぐちゃぐちゃになっている……だが、剥き出しになった上半身は紛れもなくそれはメガトロンだった。
ショックウェーブはメガトロンに駆け寄る。
『オオ……メガトロンサマ、メガトロンサマ!!』
ショックウェーブは喜びの叫びをあげる。
『お分かりいただけただろうか、これで貴殿の助けが必要だと……よく理解いただけたであろう』
『スグニシュッパツスルゾ』
ショックウェーブは走ってその場を後にした。
〜数分後〜
『奴は行ったか』
メガザラックの主が現れた。
『アルファQ様、ご機嫌麗しゅう』
ライトグリーンの体、無数の触手、複数の面からなる複数の人格……
メガザラックは、主人に傅く。
『肝を冷やしたぞ……銀河警察が核心に触れてきおって』
『目聡い奴らがいるのも困りものですなぁ!!』
メガザラックは笑った、ショックウェーブに聞こえないぐらいには音量を抑えてだが……
『しかし、このままでは破壊大帝の証が必要となりましょう』
異文化でいう、印籠の如き品が……持っているだけで、メガトロンの名代と成りうる証が……
『私もそう思っていた。少し待っていろ、今からいいものを作る』
『こいつを使ってな』
『覗かないでね〜』
メガトロンの左胸に点在するスパークは光輝く……
〜デカベース 周辺〜
「あ〜終わった〜」
1時間以上、状況説明をさせられた。
一部始終別媒体で見ていただろうにわざわざ口頭で言う必要ないだろ!!と思わざるを得ないイチゴである。
「お疲れ様です、近くまで送っていきますよ」
「オレだけにかかずらってる場合じゃないでしょう、銀河警察としてやる事色々あるんじゃないんですか?」
「そうは言ってもですね……こちらとしても何度か協力していただいてる身ですし」
ノノと一緒にいた時、惑星グラスの一件、そして今回……
「まあ……色々ありましたね」
「自戒を促す意味もあります、ただでさえイチゴ君は狙われやすいのですから」
テツの言葉でイチゴが一応王族の括りにいる事を思い出した。
「そういえばそうでしたね。ああ、思い出したくなかった……」
自分が王族だと考えると、ひどく気分が落ち込んでくる。そこにいていい出自でないと思わずにはいられないからだ……
「思い出さなくてもいいですけど、健やかに生きるんですよ。アリエナイザーに身を汚す事も、事件に巻き込まれる事もないよう」
「……オレも、テツさん達に討たれたくはないですからね」
そこからは無言のまま歩き続けた。
イチゴは、自分の末路を考えだす。彼ら銀河警察といると……頭の中で考えを止められない。彼らは、幾人もの人々の終わりをその目で見てきただろうから……
自分は人間として終われるのか?アリエナイザーとして終わってしまうのか?はたまた……確実に言えるのは、デビルークに関わり続けると、碌な目にはならないという事。|イチゴの中に他の王族を殺さなければならないという衝動がある限り《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》……
「ここまででいいでしょう……では」
「じゃあ」
イチゴはテツと別れた。
空はは夕日が照り映えている。
「もう夕方か……」
イチゴはご飯の準備をどうしようか、考えた。
歌川達にはメッセージを入れている……ニンニンジャー達にも……だから、1人分で良いとは思うが自分1人だけの分となると気が乗らない。
隠れてたカイに話しかけられる。
『そこら辺で何か買っていきますか?』
「いいね、プリンと茶碗蒸しでも買ってこう」
『……………ほとんど一緒じゃないですか………イチゴ様はもっと量を摂るべきだと思います、後炭水化物』
「茶碗蒸しで海鮮摂るから良いでしょ?」
『イチゴ様……数口で食べ終わるものを食事と呼ぶのはいかがなものかと』
「うーん……」
悩んでいるところ……丁度良く、寿司屋の屋台を見つけた。
「寿司か……」
『ご飯のある分マシですね……それにしましょう』
「ゴールド寿司」なる奇抜な看板を訝しむ余裕もないイチゴは、すぐにのれんをくぐる。
「すいません、たまご二つください」
くぐった先でイチゴは青年と出会う。
「おう、好きなところに座ってくれよ」
頭に鉢巻を巻き、見るからに寿司屋という出で立ちの青年で、察するに屋台の主のようだ。
「お客さん、うちを選ぶたあ御目が高いね〜」
「いや~それほどでも〜」
勢いのまま来てしまったとは口が裂けても言えない。
「ちょっと待っててくれよ〜」
寿司屋は目の前で卵を焼き始める。
〜数分後〜
「へいお待ち!!」
目の前にたまごの寿司二つが現れた。
酢飯の爽やかな香りと出汁の香りが目と口と手を臨戦態勢にさせる。
「いただきま〜す!!」
イチゴは拭いた手を合わせて、寿司を口に運んだ。
出汁は甘め、たまごの旨みから醤油の利いたたまごといったところ。だが濃ゆい訳でなく、酢飯の甘みも感じられる余地がある程度に調整されていた。
「おいしい!!」
「おお、やったぜ!!」
寿司屋はガッツポーズを取る。
「え……そんなに喜ぶ……?」
もしかして開店初日?
「いや~食べてもらうのはいいけど『普通だな』ばっかりでよ〜そういう言葉が聞きたかったんだよなあ」
「そうなんだ……」
普通と言われれば普通かもしれないが、うまければオールオッケーと思うイチゴであった。
イチゴが二つ食べ終わるのと同時に寿司屋の方から着信音が鳴る。
「わりぃ、外せねえ用事ができた。おかわりは勘弁な!!」
寿司屋は屋台を担いでどこかへ向かった。
「あ」
代金を渡す前に寿司屋と別れてしまった。
「追いかけよう」
『はい』
イチゴは寿司屋の後を追いかける。
〜戦場〜
「ああ!!」
向かった先ではナナシ連中が大小問わず現れ、暴れている。
丈瑠達も既にシンケンジャーに変わり、折神を繰り出しつつも戦っていた。
「ナナシ連中!?」
イチゴは万能
「すまねえ、みんな」
「遅いぞ、源太!!」
「わりいわりい」
流ノ介が知り合いの如く寿司屋に怒っていた。
「じゃあ、始めるとしますか!!」
源太なる寿司屋は、自作っぽい白いケータイを構える。そして見覚えのあるディスクを用意し、聞き覚えのある効果音を立ててケータイにディスクをセットし、寿司の形に仕立てる。
「一貫献上!!」
寿司屋は光の文字を身に纏い、変身する。
「シンケンゴールド、梅森源太」
「 」
あまりの出来事に、開いた口が塞がらなくなりそうだった。
知らない寿司屋がシンケンジャーに変身して、当然のように丈瑠達と戦っているのだ。
「サカナマル!!」
シンケンゴールドはナナシ連中に近づき、手に持った刀を抜く。
「おりゃあ!!」
目に止まらない剣捌きで、ナナシ連中を次々に卸し倒していく。
「すごい……なんて包丁捌きだ」
最近戦う事が多くなって目が慣れてきた筈のイチゴにも、その動きは分からなかった。
そして黒鋼の一撃が別のナナシ連中を両断する。
「殿様、もうここにいる連中は片付いた」
「よし、侍合体」
丈瑠達は折神をシンケンオーに合体させる。
「シンケンオー、天下統一」
シンケンオーは刀を持ち、ナナシ連中に攻撃する。
「よ~し。行くぜ、イカちゃん」
シンケンゴールドは折神を呼び出す。
『────!!』
彦馬は話に聞いた事がある……かつて志葉家の所有していた折神、烏賊折神という。
察するに彼が持っていたようだ……
烏賊折神は墨を吐き出し、ナナシ連中の動きを止める。
「丈ちゃん、行こうぜ!!」
「ああ、侍武装」
烏賊折神はシンケンオーの盾と武器……後背中のオブジェに変化する。
「イカシンケンオー、天下武装」
シンケンオーが新たな形態となる。
「はぁ!!」
イカシンケンオーは右腕を突き出し、パイルバンカーの勢いで烏賊の先端部分を動かしてナナシ連中を攻撃する。
「よ~し!!」
盾に増築した部分から、
「決めるぞ、槍烏賊一閃!!」
オブジェ部分に電気を溜めて、烏賊の先端部分集めて一閃を放つ。
ナナシ連中は全滅した。
「………………これにて……一件落着」
「勝利の一本締めだ!!ぃよーう」
シンケンジャーが1人増え、壮観という他ない。
「あはは……」
ちょっと見ぬ間に世界が変わった……と言う他に言葉が思いつかなかった。
「あ、イチゴ。久しぶり〜」
モコナ達の声だと分かり、イチゴは声の方に振り返った。
「モコナ、久しぶり〜」