スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
〜志葉家 屋敷〜
「おめぇが話に聞いたイチゴってやつか、そっかそっか。俺は梅森源太ってんだ、よろしくな!!」
源太はイチゴの名前を知った途端、大声で挨拶してきた。
イチゴは彼に圧倒されつつも、寿司の代金を渡す。
「……はい、寿司の代金」
「おう、すまねえな」
イチゴはすぐに後ろにいた千明に話を聞いた。
「どゆこと?千明」
「新しくうちに迎えた、六人目の侍……ってとこ」
「なん……だと……」
源太はイチゴが驚いてる隣で笑顔でサムズアップする。
「だよなあ、俺も今でもびっくり」
「あの人、殿様の幼なじみなんやって」
「………へえ、幼なじみ……いたんだ、殿様」
「実はいたみてえだな」
「お前達は俺をなんだと思ってるんだ?俺にだっているぞ」
「イチゴさん、本当は道場に帰ってきたら話す予定だったんですが……」
「先にこっち来ちゃったからね、まあ言うより見てもらって早かったかも」
「あ〜確かに」
確かに、丈瑠の幼なじみの寿司屋がシンケンジャーの六人目になったと言われても情報量が多すぎて眉唾物だったろう。
「詳しく話を聞きたいな」
「あれはね〜」
モコナはその時の事を思い返した。
〜志葉家 屋敷〜
イチゴがトランスフォーマー関連で動いている間、シンケンジャーは外道衆達と戦い続けていた。
今日も今日とて、隙間センサーの示した方に向かう。その日は
だが……
「いない……」
おかしい。
隙間センサーはしっかりと反応していた。だが襲われた形跡も、逃げ惑っている人々も、何もない……無論何もなければそれに越した事はないが……
ふと、丈瑠を狙うように突風が吹く。
「!?」
少しだけ、どこかをむしられるような痛みが走る。
「殿!!」
「なんでもない……少し散策していくぞ」
丈瑠達は辺りを探った……
「おいしそうなお寿司屋さん発見!!」
モコナは寿司屋の屋台によじ登っていった。
「へい、そこのにーちゃん。寿司一丁!!」
モコナは屋台の台をバンバン叩く。
「お、いきの良い掛け声だねえ、そこにかけやがれってんだ!!」
丈瑠は寿司屋の屋台に近づく。
「行くぞ、モコナ」
「あ、もうお寿司頼んじゃった」
テヘヘと笑うモコナの前に、四貫分の寿司が並んだ。
ファイは寿司……特に酢の利いたご飯というものがダメらしくファイは頼んでいない。
黒鋼は好みの寿司が無かったので、心なしか残念そうにしている。
もう食べるしかなく、丈瑠はため息をついた。
「仕方ない……食べたらだな」
「わ~い!!」
屋台の店主は、モコナ達が寿司を食べている裏でその後ろにいる者に気付きそっぽを向いて冷や汗をかいていた。
「まじい、まだ準備ができる前だぜ~(泣)」
「?」
丈瑠は、寿司屋に一歩二歩と詰め寄る。
そこで、思いがけないものをみた。
「待て……そこにあるのは……
「あ」
寿司屋の男は、水槽の中にいるものを見られてさらにたじろいでいた。
寿司屋……烏賊折神……
「まさかお前……源太か!?」
丈瑠は目の前の寿司屋にあの頃の記憶を思い出す。
〜十年以上前〜
少年二人は外の公園でキャッチボールをしていた。
「あ~あ、俺も侍になれたら一緒に戦えるのに」
1人は丈瑠、もう1人は近所の寿司屋の息子……源太。
「なったらいいよ、その時は俺が教えるから」
「本当?じゃあ、俺は寿司教える」
遊んだ日の終わり際、丈瑠は屋敷の折神の内一体を源太に見せる。
「これが……折神?」
「うん、これなら源太にピッタリだ。源太にあげるよ」
「本当か!!ありがとな」
源太は嬉しそうだった。
「決めた、俺大きくなったら丈ちゃんの家臣になる!!」
「うん!!」
そして源太は家に帰っていった、その日以降……源太とは会えなくなる。
今思えば、できる筈もなかった夢を語った、そんな話……
〜ゴールド寿司〜
「丈ちゃん〜!!覚えていてくれてたのかよー!!」
源太と呼ばれた男は丈瑠に飛びついた。
「丈……ちゃん?」
「ど……どういう事!?」
収穫もないため、その日の調査はお開きとなる。
〜志葉家 屋敷〜
「なんと……源太が」
彦馬は大層驚きつつも、喜んでいた。
「知ってるんですか?」
彦馬は語る。
梅森源太……ここ志葉家の屋敷の近所、寿司屋の子供で、小さい頃の丈瑠とよく遊んでいたそうだ。
「殿とは幼なじみという間柄になるな」
親交ができたのは、丈瑠がシンケンレッドに選ばれてからだった。
彼の明るさには、父を亡くし、シンケンレッドになる修練を積み始めたばかりだった丈瑠にとってどれだけの支えになったか計り知れない。
丈瑠は彼に烏賊折神を渡してしまった。以降それっきり、返そうにも返しきれない事情ができてしまったようで、会えなくなったが……
「当然、わしとしても雷を落とさねばならなくてな……ハッハッハ」
「じいさん、目が笑ってないぜ……」
家宝にも等しいものを、侍でもない普通の子供に渡す事などあってはならないと叱り飛ばしたと彦馬は思い返す。
「殿にそのような御方が……」
「へ〜丈瑠、そういう人いたんだ」
「うち、良いと思います」
「見ろよ、丈瑠のやつこっち向いてねえのにめっちゃ嬉しそうじゃん」
「殿様、案外小さい頃のオレ達より交友関係広いのかもね〜黒りん」
「まあ俺も友達って間柄の繋がりはなかったかもしれないが……てっ、勝手に決めつけてんじゃねえ!!」
「わ〜黒りんが怒った〜」
丈瑠は青空を見ながら考えた。
色々とあったようだが、無事寿司屋の道を進んでいるようだ。
それで良い……侍になられて危険な目に遭わせるよりは……
「あいつが寿司屋を心置き無くやれるよう、俺も頑張んなきゃな」
外道衆との戦いに巻き込まれないよう、全力で守る。それが今丈瑠が源太にできる事だと思って……
「ところで、烏賊折神を見つけたのであれば、今後のために回収しておくべきだったのでは?」
「あ」
丈瑠は源太との再会で胸がいっぱいとなり、烏賊折神の存在を忘れていた。
その場に沈黙が流れた。
「すまん、じい」
「殿……」
彦馬は苦笑いを浮かべる。
「まあまあ……次会った時でいいでしょ彦馬さん。せっかくの再会の後なんだし」
〜一方その頃〜
「待ってろよシンケンジャー、待ってろよ丈ちゃん!!あの日の約束、果たしに行くからな!!」
源太は弓矢をつがえた。
〜志葉家屋敷〜
千明の傍の壁に矢が突き刺さる。
「あー!!」
「千明!!」
先端には吸盤が付着されており、殺傷能力自体はなさそうだった。それでも直撃すれば痛いだろう……
文が付いており、すぐに矢を回収し付いている文を広げる。
そこには「近日見参」と書かれていた……
「何じゃこりゃ……」
一同は「近日見参」と書かれた紙について相談しあった。
意味はどう見ても、「近いうち会いに行くから、よろしくな!!」という感じだろう。
「達筆やな……」
「仮にこれが外道衆の仕業なら、とんでもない大胆な奴だ……」
「それはなかろう、外道衆はモヂカラの結界で守られておるここには手出しできん。当然外道衆の力による攻撃もな」
屋敷周辺には結界が張られているらしい。
「この矢は外道衆による攻撃じゃねえって訳か」
「京都に詳しい人達いるみたいだし、調べてもらった方が良いんじゃないかな?」
矢に込められた念を辿って、放った相手を探る。呪いや念の扱いは忍者やこちらより上……かもしれない。
「外道衆の仕業じゃないなら、そう神経質になる必要ないだろ」
丈瑠はいつもより、あちこちを向いている。
動きもリラックスした状態でなく、受け身を取れるようなそれに近い。
「……丈瑠が一番神経質になってるじゃない」
「そ……そうか……そうだな……」
丈瑠は自分の座布団に座った。
「仮にこれが、ここを狙って撃ったものなら……撃った人は志葉家の位置を知ってる人になりますね」
〜その夜〜
誰かに、見られている…………
さっきみんなで集まった時も、稽古の時も、食事の時も……流石に風呂で湯船に浸かっている時は視線も薄まったが……
しかも……天井から見られていた気もするし、床下から見られていた気もする。
黒子?屋敷の見取り図から見て、人が覗けるスペースはない……
こうも縦横無尽に見られてる感覚があると……流石に人間の仕業と見ていい「近日見参」の件とは関係なさそうに思えてくる。
というかそもそも……源太と書道で遊んだ時にもあんな感じの文字を書いてたような気がする……と、源太と再会したおかげで思い出した。
源太が飛ばしてきたなら、そこは気にするところではない。目立ちたがりの源太だ……聞かなくてもその内本人がここが良いと思ったタイミングで現れて説明してくるだろう。
襖をノックする音が聞こえた。
「誰だ?」
「殿様〜」
襖を開けたのはモコナだった。
「モコナか、どうした?」
「殿様、今日は神経質になってるからモコナが一緒に寝てあげるの」
4人共一つ屋根の下だから、モコナと別行動でも良いという。
「すまないな」
「良いってことよ〜」
丈瑠はモコナを抱き枕のように抱っこして寝た。
ウサギを抱えてるようで、だがソレよりモチモチしてて、結構良いと思った。
〜翌朝〜
早い話……寿司屋の屋台に書かれていた文字と、近日見参の筆跡……達筆さ加減が似ていた。
「それは本当か?
「ちらっと見ただけですけど……」
「ここで悩んでても隙間センサーの手がかりは掴めないし、そっちに行ってみよっか」
丈瑠を除いた一行は源太のいる場へやってきた。
ゴールド寿司の屋台を見つめる。
文字の力の入り方、払い方に例の文の特徴が現れていた。
「
「そうやな……」
「殿の御友人を疑いたくはないが、やむを得まい」
「何のつもりかぐらいははっきりさせとかねえとな」
「行きましょう」
一行は屋台に乗り込む。
「お、いらっしゃ……あ」
「これ」
茉子は源太に「近日見参」の文を見せる。
「あんたがやった……って事で良いのかしら?」
「貴様、殿に何の用だ!!」
「殿様と何して遊んではったん?」
「近日見参って、どういう意味なんですか?」
「烏賊折神ってやつを渡してもらうぞ」
多数で詰め寄られ、源太は困惑する。
「ち、違う……こういうのじゃねえんだよ……」
だが、すぐに落ち着きを取り戻す。
「よ~し、よしよしよし、分かった分かった。まあまずはこれを食ってからにしてくんな!!」
源太は、魚と酢飯にあるものを挟み振る舞う。
見た目は何の変哲もないマグロの寿司……酢飯の苦手な一部除き食べる事にした。
「いただきま〜す」
しかし、黒鋼は見た。
ネタとシャリの間に、通には必須だがそれにしては過剰なほどにベットリと塗りたくられている黄緑色のアレを……
「おい、お前達。待て!!」
黒鋼が言うのも間に合わず、寿司が口の中に入っていく。
その瞬間全員、顔を赤くして悶絶する。
「辛〜!!」
「ゲホッゲホッ」
「み……水」
「この寿司……あ」
寿司の中に大量のわさびが混入されていた。
「見たか、俺様特製わさび寿司だ!!そいつはタダにしといてやるぜ!!あばよ!!」
源太は屋台ごと逃げていった。
「待てー!!」
「駄目だ、わさびが辛くて体が動かん……!!」
流ノ介達はダウンする。
「モコナ、全部いただきま〜す!!」
モコナは残った寿司を平らげる事にした。
「おいし~い、でもやっぱり辛〜い!!」
その間……ファイと黒鋼が先行して源太を追いかける。
「なんで追ってきてんだよ!!」
「悪いね、君の寿司食べてないんだ」
「そこは食ってくれよ〜!!あ、そういえばあんた酢飯苦手だったっけか。そいつはすまねえな」
「あんなわさびの塊なんか食えるか!!」
黒鋼は跳躍し源太に掴みかかる。
「危ね、速すぎるぜ」
〜一方その頃〜
丈瑠は散歩をしていた。
どこかから視線を感じる、敵だろうか、多少開けた場所に行って確かめてみたい。
茉子達はどこかへ向かっているようだ。
彦馬にどこへ行ったか聞いても
「さあ……」
と濁されるばかり。
確かめるのに一人になるのは好都合だが、釈然としない……
うまく人気のない広場に辿り着く。
丈瑠に向けての、刺すような視線……
やはり、見られている……
窓ガラスの向こうでもなく、噴水の奥でもなく、多方向から一気にという訳でもない…
どこからなのか?隙間からではないのは確かだが、それにしては……
歩いた先にいつぞやの男と再会する。
「お前は……」
十臓……とアヤカシは言った。
数度、刃を交わした事のある男……
「奇遇だな……嫌、僥倖というべきか」
十臓は、裏正と呼んでいた刀を抜く。
「シンケンレッド、勝負だ」
「ああ」
二人は変身し剣を交えつつ、彼方へと跳躍する。
〜三途の川〜
六門船の中で、シタリと新しく呼び寄せたアヤカシ、イサギツネは話している。
「十臓の奴、ドウコクに痛めつけられて大人しくしてたと思えば、何やってんだい……」
シタリの言いつけによりイサギツネはシンケンレッド……丈瑠を監視していた。
「ふむ、(術)使う?(術)使う?」
「まあ削ってくれる分にはドウコクは何も言わなさそうだしね……そっとしとこうよ。お前さんの術でどこにいようが見れるんだからね」
「お任せを、我が術中にいるもの……何人たりとも逃れられはしません」
あらかじめシンケンレッドの体の一部(髪の毛)を採取、そしてそれを媒介にシンケンレッドの動向を探っていた。
「頼むよ、あたしゃ知りたいんだ……ドウコクを封印するという文字がどういうものか!!」
イサギツネは鏡に映る、丈瑠達を見つめる……
〜戦場〜
「はあ!!」
丈瑠は十臓に一閃を繰り出す。
「ふっ!!」
十臓は丈瑠の攻撃をいなす。
「せい!!」
両者譲らない剣戟戦が繰り広げられる。
だが、丈瑠は先日からの視線のせいか周りに気を配るよう視野を広げて戦っていた……他の誰かを意識した戦い方になっていたのだ。
「いつになく周りの目を気にしているな……」
「そんな話、今は関係ないだろ!!」
「ある」
十臓は丈瑠の顔の近くまで近づく。
「!?」
「────────────」
「お前……」
「今日は日が悪いようだな」
そう言い残し、裏正を収めた十臓は去っていった。
〜道〜
「どこだー!!」
流ノ介達は逃げた源太を追いかけていた……だが彼は見つからなかった。
「口を治すのに時間がかかり過ぎたなぁ」
「黒鋼殿達を当てにするしかないか」
急に着信音が鳴る、茉子はショドウフォンを手に取った。
「みんな、彦馬さんから伝言。丈瑠が清浄之谷に向かってるって」
そこは池波家が代々祀っている泉がある場所だそうだ。
「お、なんか手がかり見つかったって感じだね」
「
「はい」
「場所分かんの?」
「あ……」
千明の言葉に、
「だったら誰か案内せなあかんな」
「私の折神を貸そう、代々池波家の守りし地……こいつはよく分かっている」
「ありがとうございます」
森の中で黒鋼達がいた。
「黒鋼さん!!実はかくかくしかじかで……」
「よし、行くか……こいつはどうする?」
源太は黒鋼に抑え込まれ、手をドンドン叩いていた。
「外道衆のアタリを付けた以上放っとくしかなさそうだよねえ」
「なあ。あんたら……俺もそっち、連れてってくれよ」
「ダメだ、関係ない人間を巻き込ませられるか」
「でも、今までの行動力を考えると、ほったらかしにする方が危険だと思う……」
「近日見参」の件、わさび寿司の件……
サクラ達の言葉に黒鋼達は、納得するしかなかった……
〜清浄之谷〜
十臓の言葉を思い出す。
「お前……遠見の方は知っているか?」
「!?」
「相手の念を掴み、例えどんなに離れていようがそれを観る……収めている者は様々だがそんな真似をお前にするのがどういう奴らかは推して知るべし……だろう?」
外道衆がやっている……それならやりようはある。
気取られぬよう、歩くスピードを変えないよう心がけて……
丈瑠はショドウフォンを構える。
〜三途の川 六門船〜
「おお、来るよ!!」
「みたいですな」
こんな人気の無い場所に来て、封印の文字とやらの修行でもする気か……と浮き足立つ。
丈瑠はショドウフォンで字を描き始めた。
だが、煙が立ちこめていくばかりで何も見えない……
「見えないね」
「見えませんね」
時間経過で煙は晴れたが、肝心のシンケンレッドはいない。
「いないね」
「むぅっ」
「お前さんの妖術は誰も逃れられないんじゃないのかい?」
「ええい、そんな……確かめてきます!!」
イサギツネは三途の川から現世に飛び出す。
〜清浄之谷〜
「どこだ!?志葉家当主!!」
イサギツネは丈瑠を探す。
どこにも気配が見つからない。
「おかしい……」
イサギツネは鏡を見た。
「これに映っておらず、どこにも見つからないとなると……」
そこに獅子折神が飛んできた。
「!?」
そしてイサギツネの腕に噛み付いて持ってる鏡を盗み、投げ込む。
「はあ!!」
泉の中からシンケンレッドが飛び出し、鏡を両断する。
「シ……シンケンレッド!!」
「覗きとは良い趣味だな」
「どうして分かった……!!」
「気配だけは気付いていた……どこからかは分からなかったがな」
十臓の言葉で、外道衆の仕業である事に確信はつく……そうだと仮定すれば、風呂の時に少しその気配が弱まったのも頷ける。
「だから少し罠を張らせてもらった……この世の水と三途の川の水は相反するからな、お前の妖術の効果を打ち消せると考えた。ましてやここは聖地と呼ばれている場所だ」
「水の中でやり過ごしていた……と」
「獅子折神に俺のモヂカラを纏わせてお前に噛ませた、もう前回のように隠れられないぞ」
「私をこけにしおって……もう良い、私の術を味わえ!!」
イサギツネは激昂し、戦闘体勢に入る。
「狐つむじの術!!」
イサギツネの武器から風が吹く。
「!!」
吹き飛ばされそうだが……前に見たイチゴを助けた女の子の吹かせた風を考えれば、マシな方だった。
「はあ!!」
丈瑠は風に一太刀入れ、その流れを斬り裂く。
「狐つぶての術!!」
その瞬間、爆発が起こる。
「くっ!!」
丈瑠はシンケンマルを手に防御する。
「狐つむじ、狐つむじ、狐つむじ、狐つむじ!!」
突風が連続で吹き、丈瑠を責め立てる。
「そう何度も受ければ、慣れてくる」
丈瑠は突撃を敢行しようとする。
だが目眩がし、不意に膝を付く。
「私の妖術を長い時間受けたのだ……心身共に消耗しようというもの」
イサギツネは丈瑠ににじり寄る……
だが、4人の足音でそれを止めた。
「殿!!」
「丈瑠、来たよ!!」
「お待たせ!!」
「他のみんなは後で来るわ」
「よし、早い所決めるぞ」
〜例のBGM~
「ショドウフォン!!」
「「「「一筆奏上!!」」」」
「破ぁ!!」
ショドウフォンで文字を書きそれを反転させ、各々のモヂカラによって形成させたスーツに身を包み、5人はシンケンジャーとなる。
「シンケンレッド、志葉丈瑠」
「同じくブルー、池波流ノ介」
「同じくピンク、白石茉子」
「同じくグリーン、谷千明」
「同じくイエロー、花織ことは」
「天下御免の侍戦隊」
全員「シンケンジャー、参る!!」
「お前達、向こうは術のエキスパートのようだ……気を抜くな」
いつもより丈瑠の息が上がっている。
只者の外道衆ではないらしい。
「分かった」
「はい!!」
「疲れたんなら休んでも良いんだぜ?」
「馬鹿を言うな、千明」
「5人揃おうが一緒。狐火の術!!」
イサギツネが唱えると、複数の火の玉が襲いかかる。
「こいつ!!」
「なんつー広範囲だよ、モヂカラでもこんなにできねえぞ!!」
「私がなんとかするしかない、ウォーターアロー!!」
流ノ介は武器を替え、迎撃を試みる。
「嫁入りの術」
だがその瞬間、イサギツネは術を切り替える。何も無い宙空から雹混じりの氷雨が降り出した。
「痛っ」
「これでは撃ち落とすのも難しいか……」
流ノ介が1発撃つ毎に10発空を埋め尽くす勢いだった。
「千明、頼むわ」
ことはは土のモヂカラで土を盛る。
「オッケー、そい!!」
千明はウッドスピアーに木のモヂカラを張り、大木のエフェクトを作り上げた。
「これで雨を凌げるな」
さながら、木の下で雨宿りをしているかのよう……
「がら空きです。八咫烏の術!!」
イサギツネの両肩の鴉のオブジェから大量の鳥が飛び出す。
「うわあ!!」
5人は大量の烏に啄まれる。
「ヘブンファン!!」
茉子は風を起こし、烏を追い払う。
「やむを得ない、一気に行くぞ」
丈瑠達は全員で攻撃に入った。
「シンケンマル・五重之太刀!!」
イサギツネは武器を構える。
「狐技返しの術!!」
なんと、丈瑠達の術が反射される。
「真似狐の術」
そして同じ攻撃をそっくりそのまま付け加えてきた。
「くっ!!」
「うわあああああ!!」
「きゃあああああ!!」
二度、自分達の切り札を叩きつけられ……丈瑠達は変身を解除させられた。
そのままイサギツネは丈瑠の所まで歩き出す。
「百の術を扱う私の敵ではない……トドメだ、シンケンレッド!!」
「殿!!」
突如、龍の形を纏った衝撃波が飛んでくる。
「閃竜・飛光撃!!」
想定外の襲撃か、イサギツネは返さずに後退する。
「殿様……そ……そんな!!」
龍折神は流ノ介の所に帰る。
「大丈夫!?」
「大丈夫か、オメェら!!」
源太も現れた。
「シンケンレッド……先日から貴様の事はよく見ていた……「近日見参」なる文に四苦八苦していた時も、飯を食べている時も、着替えている時も、モコナなるものを抱えて寝ていた時も」
「全部丈瑠が神経質になってる時じゃない……」
「そんな所まで見られていたというのか!!」
「お主が志葉家当主の親友だという話も見ているのだ!!」
イサギツネは源太に狙いを付ける。
「逃げろ、源太!!」
丈瑠は親友の危機に思わず叫ぶ。
「とんでもねえ、こういうのを俺は待ってたんだ……」
源太はおしぼりの如き物体を投げる。
それらはイサギツネに当たり爆発、術を唱えられなかった。
「近日見参ってのはなあ……こういうこった!!」
源太はケータイを持ち出す。
「スシチェンジャー」
「!?」
そして、赤いディスクを持ち出しケータイと合体させる。
「一貫献上!!」
源太は、光のモヂカラを纏い、変身する。
「名付けて!!シンケンゴールド……俺様が、六人目のシンケンジャーだ!!」