スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちは(こんばんは)
お待たせしました(待ってなくても言う)
シンケンジャーの話は半ば頃からです。
スーパーリンクなアイアンハイドの活躍みたい方は巨大戦までスクロール、頼みます!!


第二話 侍戦隊初陣(さむらいせんたいういじん!!)

 「うん………そろそろ生姜の出番か」

 

 イチゴは黒子の衣装ではなく、包帯を体中に巻いてもらった状態で他の黒子に料理を教えていた、いつも被っている頭巾を取っているからか涼しい。

 いつもは当番の時に好評だったから専ら料理を振る舞う側だった、だがナナシ連中に背中を斬られてその痛みでおたまを使いにくくなってしまった、だからしばらく他の黒子に代替わりをしてもらうための調理法を教えている所だ。今まで本腰を入れて誰かに料理を教えた事はなかった、だがその道の職人という訳でもないから変なプライドは持ち合わせてはいないつもりだ、そうと決めたからには教える所は教えたいし多少自分の作ったのと違っても別に構わない。

 余談だが、彦馬の選ぶ献立は煮物とか漬け物とか、和食が多めだから洋食の作り方の記憶が曖昧になりかけている……気はする。なので自炊のターンになった時は洋食を作って忘れないようにしている。

 

 「………(そういえばなんであんなに料理が上手いの?という疑問をジェスチャーで表す)」

 

 イチゴは黒子の質問に答えた。

 

 「別に大した事じゃないよ、教えてくれた人が上手かっただけだから……その辺のシェフよりかは上手いって褒めてくれる人もいるんだ」

 

 「……………………(はえ~お母さん?というジェスチャー)」

 

 いつもはその話題を出されるとイチゴはムッとしてしまうがそのジェスチャーをあまり見てなかったため、あまりそうはならなかった。

 

 「でも、男選びが致命的なんだ……見る目じゃないよ、そいつは他の人も惚れるような人間だったらしいし……ああ、君には関係ない話か……もう2分かき混ぜといて、そしたら完成する……だからオレはしばらく部屋で横になってる、そろそろきつい」

 

 我ながら余計な事を喋り過ぎたとイチゴは反省した。せっかく親元を離れて得ている平穏だ、それを自分から蒸し返して壊す必要はない。

 

 「……………(お大事に……というジェスチャー)」

 

 ~志葉家 黒子の部屋~

 

 黒子だって人間だ、休みも必要であってそのための部屋もある。

 

 「さて……」

 

 うつぶせになりながら、辺りを見る。カイは自分の部屋に安置していて……

 

 「どうしたもんか……」

 

 昔住んでいた遠い星の宮殿では、カイをどう扱っていたのか……?と記憶を揺り起こそうとしてみた。何のことかと言えば充電の事である、同じ型のコスチュームロボットとして王妃の衣服になっていたペケは、充電が切れるとすぐ溶けたようになり、王妃の柔肌を周囲に晒してしまう事がままあったり、下に着込んでた事で無かったりするのだ。

 

 「プラグ差しときゃ良いかな………?」

 

 『そんな事なさらなくても結構ですよ』

 

 カイは先ほどまで機能停止していたかのように急に動き出した。

 

 『私もペケちゃんと同じように、寝てれば充電できますので』

 

 まさかのプラグ要らずだったとは……

 

 『よろしければ、イチゴ様がお休みになる間抱き枕にでもなりましょうか』

 

 「じゃあ、よろしく」

 

 イチゴは横になってごろりと布団に寝転んだ後、カイにその隣に乗って寝転んでもらった。

 悪くない、餅を抱いているようで心地いい。

 それにしても今ごろ、殿様(たける)は家臣の家系の人達に挨拶をしている頃か?

 その人達もそれまでの生活があっただろう、なにかの職に就いてただろうか?

 これからは戦いが終わるまで、その生活から目を背けなければならない、具体的に言うと、職も辞めなければならない。

 なまじ才能があって、実力もあって、華々しい道を歩もうとしていた人間には酷だろう。

 やっとの思いでつかんだ夢を、手放すという選択をするのだ、つらくない筈はない。

 そんな選択をするのは、それまでの生活と縁を切る事で、人々を巻き込まないためだと彦馬や丈瑠は言う。

 けど、決めるのは彼らだ。それまでに訓練も積んだだろうし、覚悟ならイチゴよりも決めているだろう。もし躊躇するのならイチゴの知ってる丈瑠は辞めさせようとするだろう。

 それにしても家臣の家柄の人達……どんな人達なのだろうか……?

 

 「…………スー」

 

 なんて言って、眠れそうにはない。だがカイが気持ち良いし、しばらくこのままでいようとイチゴは考える。

 

 ~三途の川~

 

 そこは、三途の川と呼ばれる、血のように赤い川の水とで満たされた地獄のような場所……

 そこには一隻の船がある、名を六門船。

 琵琶の音が辺りを染めている。

 その六門船で、主が長い長い眠りから目覚めようとしていた。

 

 血祭ドウコク……全身が赤く、目が六つある六門船の大将である。

 

 「おお……目が覚めたかい?ドウコク」

 

 イカの形をした頭で、錫杖のような杖を持った老人……名前を骨のシタリ……

 音色の主は、薄皮太夫と言って唇の辺りだけは人間風で、そこ以外は魔物のよう……

 

 「……………ああ?シタリか」

 

 「気分はどうだい?何せずっとそのままだったからさ」

 

 「最悪だったぜ……シンケンジャーに体をバラバラにされてこうして十数年眠らなきゃいけなかったんだ、だが奴らは全員くたばってる……この勝負……俺様の勝ちだ」

 

 「嫌……それがさ……ドウコク」

 

 シタリは歯切れの悪そうに言う、シンケンジャーには世継ぎがいて、そいつが今、シンケンレッドとして活動していると………

 

 「何ぃぃぃぃい!?」

 

 衝撃の事実に、琵琶を爪弾く太夫の手も止まる。

 

 数十分後………

 

 カゲカムロという、アヤカシの一人がやってきた。鎧兜のような姿で、人にとっての下半身の部分がだるまのような顔となっているのが印象的である。

 

 「何だ何だ、せっかく大将が復活したからってぇ聞いたから祝いにこれ持って来てみりゃ、まるで葬式じゃねえか。陰気臭え」

 

 カゲカムロは酒入りのひょうたんをアピールさせ、ふたを開けて自分で飲もうとする。

 

 「うるせえ!!」

 

 突如ドウコクの叫びが辺りを埋め尽くす、カゲカムロはひょうたんの中身をこぼさないよう、姿勢維持を試みた。

 

 「シンケンジャー……俺の体をこんなにまでして根絶やしにした筈の一族は実は代替わりして生きていたんだよ、するってぇとあれか?俺はやられ損だったと……こんな胸糞悪い話があるかぁぁぁ!?」

 

 「ドウコク!?ほら、落ち着いて……せっかくお酒もらったんだからさ……」

 

 シタリはドウコクをなだめつつ、カゲカムロに言う。

 

 「ほら、お前さんも悪いけどさ……ちょっと向こうに行って人間に悲鳴あげさせてきな……」

 

 「はーん……大将の憂さ晴らしって訳か……面白い……引き受けた!!」

 

 カゲカムロは、現れた時と同じスピードで船の外へと駆け出した。

 そして外道衆の現世へと渡る常套手段を用いて、人間界に赴く。

 

 ~街中~

 

 各方面から、4人の若者達が集められた。その手には、各々に向けて放たれた矢文を握りしめ。

 

 「で?誰が志葉家の殿様なんだよ」

 

 谷千明、近々卒業予定の高校生。

 

 「貴方が殿様!?」

 

 白石茉子、幼稚園のアルバイトである。

 

 「いえ、私ではありません」

 

 池波流ノ介、歌舞伎役者である。

 

 「でも派手な服着てはるし殿様ちゃうん?」

 

 花織ことは、家業の竹細工を手伝っている。

 

 「私のこの格好は歌舞伎衣装であって………」

 

 折り同じくして、白馬に乗って4人に近づく者あり。

 名を、志葉丈瑠。

 

 「あなたは……」

 

 「おおお……まさしく志葉家十八代目当主に相応しい貫禄、凄まじい……あの、殿とお呼びしても良いでしょうか?」

 

 勢い良く近づく流ノ介に対し、丈瑠の乗る白馬は落ち着けと言わんばかりに前足を口元に押し付ける。

 

 「あ、すいません」

 

 流ノ介は後ろに下がる。

 

 「最初に言っておく……この道の先を進めば、もう元の道には引き返せない……

 外道衆を倒すか、負けて死ぬかだ!」

 

 辺りに緊迫した空気が立ち込めた。

 

 「それでも戦うって決めてる奴にはこれを渡す」

 

 丈瑠が言うと、黒子は包みを取り出し、床に置いて中にある物を並べる。ショドウフォン×四である。

 

 「ただし付け加えておく……家臣とか忠義とかそんな事で決めるなよ、そんな時代錯誤なもので決めるのは俺はごめんだ。だから、覚悟で決めろ!!」

 

 彼らの答えは、既に決まっていた。

 

 「殿、覚悟などとっくに、決まっております!!」

 

 「ええ、昔からそのつもり」

 

 「えーと……うち、一生懸命頑張ります」

 

 「そう身構える必要なんかないって、ちゃちゃっと片付ければ良いって事だろ?殿様」

 

 「お前達の覚悟は分かった。その命、これより俺が預かる」

 

 その時、矢文が届く。緊急の外道衆が来たという合図だ。

 

 ~市街地~

 

 「泣く奴はいねーかあ~いたら返事しろよー倍にして泣かして仇なすからなー」

 

 カゲカムロはナナシ連中を率いて辺りを蹂躙する、住民の恐怖を引き出すように……

 

 「そこのお前」

 

 カゲカムロは男性に声をかける。

 

 「な……なんでしょう」

 

 「にらめっこをするぞ、にらめっこしましょー笑うと死ぬぞーあっぷっぷ」

 

 カゲカムロは下の顔で、赤面しつつ涙を流し、笑っていた。

 

 「ぶふっ」

 

 それを見て、瞳をキラリと輝かせたカゲカムロは、得物を男性に向けた。

 

 「……仇なしてやるから覚悟しとけよ」

 

 「ひぃいい……」

 

 「そこまでだ、外道衆」

 

 黒子の役割の一つに、彼らに着物の着付けを行うのも含まれている。

 志葉家の家紋入りの陣幕や旗を張って前を隠して、脱がせた衣類を回収し、もたつかずに手際良く着替えさせるのは至難の技だ。

 イチゴも丈瑠相手に数回やってみたが、5分以上かかるなどもたもたしてしまい……

 

 「おいおい……」

 

 呆れられてしまった。

 

 「何奴!?」

 

 「今、教えてやる」

 

 「ん、その紋所はまさか……」

 

 ~例のBGM~

 

 「ショドウフォン!!」

 

 「「「「「一筆奏上!!」」」」」

 

 「破ぁ!!」

 

 ショドウフォンで各々が代々受け継いできた力、「モヂカラ」に対応する文字を書きそれを反転させ、モヂカラによって形成させたスーツに身を包み、5人はシンケンジャーとなる。

 

 「シンケンレッド、志葉…丈瑠」

 

 火のモヂカラを扱う。

 

 「同じくブルー、池波流ノ介」

 

 水のモヂカラを扱う。

 

 「同じくピンク、白石茉子」

 

 天のモヂカラを扱う。

 

 「同じくグリーン、谷千明」

 

 木のモヂカラを扱う。

 

 「同じくイエロー、花織ことは」

 

 土のモヂカラを扱う。

 

 「天下御免の侍戦隊」

 

 全員「シンケンジャー、参る!!」

 

 「ほう………こいつ達が大将の言っていた志葉家御一行様の後継か、者共かかれぇい!!」

 

 カゲカムロが号令を放つと、大量のナナシ連中がシンケンジャーに襲いかかった。

 

 「シンケンマル!!」

 

 五人は腰に差してある各々の刀、シンケンマルで戦う。

 

 「はぁ!!」

 

 「たっ」

 

 「やっ」

 

 「些か数が多すぎます、殿ぉ!!」

 

 あまりの敵の多さにシンケンブルーがレッドの元に駆け寄る。

 

 「俺一人で良い、自分の身だけを守ってろ」

 

 「分かりました」

 

 シンケンジャーには、秘伝ディスクという一文字のモヂカラを集約させたディスクがある。

 シンケンマルに装填して、回転させると様々な特殊能力を発揮するのだ。

 志葉家の家紋付きの黒いディスクだと……個人個人の専用武器になる。

 

 「ウォーターアロー!!」

 

 ブルーは弓型の武器から強力な水の一撃を放ち、ナナシ連中を数体倒す。

 

 「ヘブンファン!!」

 

 ピンクは扇から風を巻き起こし、ナナシ連中を吹き飛ばす。

 

 「ウッドスピアー!!」

 

 グリーンは吹き飛ばされたナナシ連中の残りを突き刺そうとする……が一体はうまくいっても二体目三体目には当たらずじまい

 

 「あら?しまったな……」

 

 ウッドスピアーを回転させ、木の葉を舞わせ、ナナシ連中が木の葉を払いのけている最中にプスプス刺して倒す。

 

 「ランドスライサー!!」

 

 イエローはシンケンマルを手裏剣に変えて投げる。かの風魔手裏剣程ではないが大型のそれは、当たると痛い。

 

 そうして次々と、カゲカムロの手勢はやられていった。

 

 「ほう………やるな、だが俺はそうはいかんぞ」

 

 カゲカムロは数体のナナシ連中と共にシンケンレッドに向かっていく。

 

 待ってましたとばかりに丈瑠は秘伝ディスクをセットする。

 

 シンケンレッドのシンケンマルは、巨大な赤い大刀に変化する。

 

 「烈火大斬刀!!」

 

 烈火大斬刀と読んだそれを、シンケンレッドは振り回す。

 ただ振り回すだけではない、確実にナナシ連中に一撃を浴びせ、全て致命傷を負わせている。

 そしてカゲカムロの手勢は、次々と倒されていった。

 

 「何ぃ!?」

 

 「流石です、殿ぉ!!」

 

 「殿様の援護はいらなさそうね」

 

 「殿様、やるねぇ……俺ももう少し真面目に練習しとくんだった……(泣)」

 

 「すごいわ、うちもあんな風にやれるかな……?」

 

 「………仇なすに相応しい相手だ!!うぉぉぉぉお!!」

 

 一度はうろたえたカゲカムロ、しかし奮起しシンケンレッドに向かって突っ込む。

 

 「ふん」

 

 シンケンレッドは、獅子が描かれた秘伝ディスクをシンケンマルに装填し、回す。

 今度は獅子の絵柄の動きが一体ずつ違うので、動くように見えるのだ。

 

 「シンケンマル、火炎の舞!!」

 

 炎を纏った連続攻撃を、カゲカムロに浴びせた。

 

 「ぐわ……がぴー!!」

 

 カゲカムロは爆発四散した。

 だが、これで終わりじゃない。

 彼らは知っている。

 

 「再び出でて、仇ぁ!!為して、やるぜ!!」

 

 「出たか、二の目」

 

 外道衆のアヤカシは一の目、二の目と言って、二つの命を持っており、二の目の番となるとアヤカシは巨大化する

 

 「全員、分かっているな?」

 

 一同、肯定する。それを皮きりに各々懐から自分を覆っているモヂカラと同じ字の描かれたエンブレムをを手にとる。折神といって式神の一種である。

 

 「「折神大変化!!」」

 

 ショドウフォンで「大」の文字を書き、変形させると、動物を模した巨大な折神となるのです。

 

 レッド→獅子(五角形のエンブレム)

 ブルー→龍(六角形のエンブレム)

 ピンク→亀(丸いエンブレム)

 グリーン→熊(四角のエンブレム)

 イエロー→猿(三角のエンブレム)

 

 を担当しています。

 ちなみにシンケンマルを操縦桿として台座に刺して、それで動かしています。

 

 「仇ぁなすには数がいるなあ……出てこい」

 

 カゲカムロの手勢もまた、巨大化して現れた。

 

 「配下、総動員という訳か……」

 

 その時、ライトグリーンの色が特徴的な戦車が現れ……ナナシ一体にビームの弾幕を浴びせた。

 

 『トランスフォーム!!』

 

 そして戦車は眼帯を巻いた軍人風のロボットとなった。

 

 『あ~こちらアイアンハイド……オホン、今日は非番だが立ち入った縁により助力致す……日本とやらでの前口上はこれで合ってるんだろうか?スカイファイヤー』

 

 『ああ、こういうのは気持ちが大事だ。手伝いたいって気持ちを前に出せればそれで良い』

 

 「手伝ってくれるのか……ありがたい!!」

 

 「当てにするのは程々にな」

 

 「分かりました、殿!!」

 

 そして、戦いは始まる…………

 

 「やぁ!!」

 

 シンケンイエローの乗る猿折神は手のひらをジャンプ台にしてキックを放つ。

 

 「とう!!」

 

 龍折神はその長い首を伸ばしてナナシに体当たり。

 

 「ふっ」

 

 シンケンレッドの駆る獅子折神はナナシにビンタする。

 

 「よいしょぉ!!」

 

 熊折神は尻の部分で攻撃する。

 

 「いって!!」

 

 亀折神は回転し、鋭い手足でナナシに近づき、当てて切る。

 

 『はぁ!!』

 

 アイアンハイドは、ビームの弾を指先から連射する。

 

 『いくぞ、サーチ。エボリューションだ!!』

 

 アイアンハイドが呼びかけて、だが何の進展もないのでシーンと静まり返る。

 

 『そうだった、奴は別の惑星に旅立ったのだったな……』

 

 アイアンハイドは、哀愁を漂わせながらカゲカムロ及びナナシ連中に指部分からビームの弾幕を放つ。

 ナナシ連中は避けたり、カゲカムロは受けたりするが足は止まっている。

 

 『今だ、いけ、いくのだぁ!!』

 

 「丁度五体だ、俺は奴を叩く、お前達はその周りだ」

 

 「あんたが仕切るのかよ」

 

 「当然だ、俺がやった方が確実だからな」

 

 「そうかいそうかい、じゃあ一番にナナシ倒してやるよ」

 

 シンケングリーンの乗る熊折神はナナシ連中に突っ込んでいった。

 

 「おい………仕方ない」

 

 龍折神から水流が放たれ、ナナシを蹴散らす。

 

 「……サンキュ、オラァ!!」

 

 シンケングリーンは熊折神の前足で殴る。

 

 「ギャワー!!」

 

 亀折神は回転して手足の鋭い部分でナナシを倒し、猿折神は爪で引っ掻きナナシを倒した。

 

 「残りはお前か」

 

 シンケンレッドはシンケンマルに秘伝ディスクをセットして回す。

 すると獅子折神は、炎を纏ってカゲカムロに突撃。

 

 「五角大火炎!!」

 

 轟音が鳴り止む頃、攻撃は終わり、カゲカムロの土手っ腹には、風穴が開いた。

 

 「これまでか………次があれば、あの世から仇なしてやる……」

 

 これで、二の目も潰えた。完全勝利。

 

 「これにて………一件落着」

 

 ~街中~

 

 戦いの終わった丈瑠達は既に変身を解除している。

 

 『終わったか……では、またな』

 

 そしてアイアンハイドが去ろうとすると、子供達がやって来てアイアンハイドに寄り付く。

 

 「アイアンハイドー」

 

 「アイアンハイドー」

 

 「かっこいいー!!」

 

 『な…………そんなに寄られたら歩きにくいし何よりトランスフォームできないではないか?』

 

 「ねえ、サインちょーだい」

 

 『ぬぬぬ……どうすれば良いのだ、スカイファイヤー』

 

 アイアンハイドは再び無線で助けを求める。

 

 『良いじゃないか、サインぐらい書いてやれよw』

 

 『ええい、分かった分かった……デストロン印の判子とやらを押すから……』

 

 「すごい人気やな」

 

 「仕方ねえよ、ガキってああいうの好きじゃん?俺もちっちゃい頃そうだったし、みんなはどうよ?」

 

 「私はあまりああいうのは……」

 

 「私も」

 

 「あんまりああいうの馴染みなかったからなぁ、ごめんな、千明」

 

 千明は自分の好きだったものがみんなにとってそうでなかったため落ち込む。

 

 「んだよ……殿様は?」

 

 丈瑠はぷいと目を逸らす。本当は好きではあったが、それを言う気は起きなかった。

 

 「…………………がーん」

 

 「帰るぞ、戦いは始まったばかりだ……」

 

 ~宇宙船 内部~

 

 ヒカル達の乗っていた宇宙船の中に、ヒカルの父親、ザスティンそしてその愉快な部下達が乗り込んできた。

 

 「やはり来たか……」

 

 「ヒカル、本当なの?お兄様に会う前に帰らされるの?」

 

 『そこの子供達、止まりなさい』

 

 「そんな……」

 

 「行ってください」

 

 「ヒカル!?」

 

 「姫様はここまで来て途中で帰るのも不満になりませんか?俺はなります」

 

 姫様と呼ばれた少女はコクリとうなずき、走った。

 

 「ヒカル、あなたの犠牲は無駄にはしません!!」

 

 ヒカルが姫様と呼ぶ少女は、走ってモニタールームから脱出した。

 

 「殺さないで欲しいかな……」

 

 非常時に備えての脱出艇もあるのだ。

 

 「父様……」

 

 「大変だな、子供の我が儘の付き添いというものは……」

 

 ザスティンはイマジンソードという彼専用の仰々しい見た目をしたレーザーブレードを持っていた。ヒカルは確信した、父親は自分より実力は上である。抵抗するだけ無駄だと……

 

 「ノノ様はどこだ?」

 

 「もう脱出した……」

 

 「それでヒカルは……」

 

 ザスティンはイマジンソードを構える。

 

 「降参です(白旗)」

 

 ヒカルは白旗を掲げ、正座する。ザスティンはそれを見て頭を軽くはたくのとなでる両方行った。

 

 「人に仕える者として生きていくにはもう少し主に仇なすものに対して立ち向かう姿勢が欲しいものだ」 

 

 「相手が父様だからというのもあるか……姫様の逃亡の手伝い……どんな量刑になるんです?」

 

 「まず無断外出だ……2人とも帰ったら家で覚悟しておけ……とリト殿も言っている、ノノ様に何かあれば話は別だが……何、地球……どの銀河の中で日本は比較的安全な所だ……かの地獄の番犬もそこにいる」

 

 地獄の番犬……ドギー・クルーガーの事だ、アヌビス星出身の、銀河一刀流の免許皆伝者で、間違いなく銀河警察のトップレベルの実力者。

 

 「それで……見たのか?」

 

 「ああ、あのコスチュームロボットが王妃様が設定した対象以外にまとわりつく筈が無い、そしてカイを持たせているのはイチゴ……そういう事ですよね?」

 

 「ある組織と、彦馬殿のご厚意に甘える形とはなったがお互いに距離を置くのが最善とリト殿も仰っていたのに……」

 

 「いずれ来るその時のために初恋の人を捕まえてキープしておきたいって感じだな、あれ」

 

 姫となれば、いずれ突き当たる問題……婚約者を決める話。まだ12歳故に、地球(いせい)人の父親の常識的な観念もあって決めようとはしていないがいざ決めようとすれば彼女の体質の事もあってなかなか決まらないだろう。

 体質………種族的なものだが、世の異性達が彼女の素顔を見れば魅力的に見えてしまうのだ。見えすぎて我を忘れるぐらいには………

 ここにいるみながみな、その素顔を見れば襲いかかるのは明白。だからこその顔を覆う兜なのだが……とにかく、彼女の体質を以てメロメロにさせきれない相手が彼女の夫には相応しい事にはなる。せっかく結ばれるのだ、誰だって安心感を得られる人が良いに決まっている。イチゴが彼女の種族の体質は効かないと認知される辺りでリトはイチゴを遠方に移させたのだ。

 

 「はて…………リト殿と距離を置く原因となったのは………あ」

 

 ザスティンは何か思い至った事がある様子ではっと見上げた。

 

 「あ」

 

 ヒカルも同じ事に思い至って、紙と筆を用意し始めた。

 

 「拝啓 沙姫(かあ)様 ザスティン(とう)様」

 

 「ブワッツ!!マウル!!すぐに地球にて、ノノ様を追う!!ドゥギーにも連絡を!!ええい、ヒカル、反省文(そんなもの)は後で良い。まずどこに向かおうとしてたのか教えて欲しい」

 

 「黒子のお兄ちゃんが助けてくれたと小さな女の子も言っていたし彦馬殿とやらではないでしょうか?」

 

 「彦馬殿の所か、よし……連絡しよう」

 

 ノノを説得し、デビルークに帰ってもらわねば……このまま首尾よくイチゴと会えたとしても、拒絶され、先ほどの王女……ノノが傷つく恐れがある。




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