スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
まだ黒蛇刀も引っさげてないし、今回の雀王機もとい朱雀さんは遊んでいるだけです。
前半はガーランドのターン


第12話 朱雀、来たる Bパート

 〜御門邸〜

 

 最初にお見舞いに来たのは、ルン・エルシ・ジュエリアだった。

 ミドルネームがある事から、何かしら高貴な身分であるのは想像がつくだろう、話が長くなるので割愛するが、彼女はある星の王女である。そして、大人気アイドル……RUN……だった。今は女優に転身して活躍してるとさ……

 人間の身分制度は、トランスフォーマー達より、ずっと複雑だ……

 

 「それで?あなた、イチゴ君が出ていくのは全く見ていなかったんだーふーん」

 

 ガーランドは、御門邸に来たルンに対して、必死に弁明した。

 ルンは来た時にかけていたサングラスを指で回転させ、その行為が余計に重圧を放っている。

 

 「イチゴは俺が寝るまではここにいたんだ……流石に、寝落ちした後の事なんか追及されてもですねえ、まあ紅茶でも飲んで落ち着いて」

 

 ガーランドは、ティーカップに紅茶を注いで彼女の責めから逃れようとする。

 

 「ありがと…………」

 

 ルンは出されたティーカップを手に取り、口元まで運んだ。

 

 「冷たいわね……次はせめて茶葉使っときなさいよ」

 

 「はーい(口だけ)」

 

 「お兄様……どこ?」

 

 ノノはメソメソとなりながら、イチゴを探しに辺りをうろちょろする。

 

 「心配ねぇ、よしよし(棒読み)」

 

 「トップバッターがよりによってルンちゃん……人選ミスか?俺がイチゴなら、看病されるなら春菜さんの方が良いんだが」

 

 〜ホワンホワンホワンホワン〜

 

 「はい、ガーランド君……あーん」

 

 すりおろしたリンゴを、ガーランドの口に運んでいく春菜。

 

 「ありがとう」

 

 リトは早く良くなって欲しいという労りと、妻のあ~んをガーランドが今独り占めしている事への羨みを混じえた目線を向ける……

 

 「ガーランド、たい焼きはどうですか?食べられますか?」

 

 ヤミも参戦、たい焼きを食べさせようと手を伸ばしてくる。

 

 「ガーランド、食べたらこの薬ね……痛み止め、それと保冷剤の替え」

 

 とアンに薬とその他を準備される。

 と考えていると、ルンにその妄想を破られた。

 

 「私も混ぜなさいよー」

 

 「嫌だよ、ルンちゃんからは父さん以外に対してイヤイヤ感が漂うんだ!!」

 

 まあ、夫と他の女がイチャついてる場面があれば面白くないのも分かる……

 

 「ケチね、私だってもっとリトくんとイチャイチャしたいのよ!!」

 

 「本人とこ行ってやっときゃ良いだろ」

 

 「他人の妄想の中でもよ!!……分かるでしょう?」

 

 分かる気はしなくもないが……

 

 「弟か妹か両方か分かんないけど、いたら助けてくれ……君達のお母さんだぞー」

 

 「あら残念ね、子供達は来てないわよ」

 

 「ショック」

 

 「そもそも、春菜ちゃん期待するなら風夏ちゃん忘れちゃダメじゃない」

 

 風夏とは、西蓮寺春菜とリトの娘だ。

 知り合いの幽霊が春菜の子供として産まれ変わってきたとネタにされるような容姿で、小学校の教師である。

 

 「それもそうだ」

 

 相槌を打っていると、インターホンが鳴った、それはさながら、談笑や授業などヒートアップしてきた頃、鶴の一声でそれを終わらせる学校のチャイムのように。

 

 「さーて、誰だ」

 

 「私が出るよ、顔面全体に包帯してる子より良いでしょ」

 

 と言ってルンが玄関の前に出た。

 

 「どうぞ」

 

 「こんにちは」

 

 「あら、美柑ちゃんじゃない、久しぶり……」

 

 やって来たのはどうやら美柑(みかん)らしい。

 

 「こんにちは、ガーランド君……………顔、大丈夫?」

 

 いつもパイナップルの葉みたいな結び方をした頭部に目が行きがちになる。それでいて髪を長く伸ばしているためか、生え際は見えない。

 

 「久しぶり、美柑おばさん……まだ腫れてるんだよなあ」

 

 買い物帰りの如く、両手にぶら下げたポリ袋にギチギチに詰め込まれた食材を見るに……何か作ってくれると見ていい。

 

 「やった、たい焼きとインスタント食品だけじゃつらかったんだ……」

 

 「イチゴは……どこ?」

 

 とはいえ、ポリ袋には卵も多い……プリンが大好きな息子が気がかりでやってきたのだろう。実の息子、彼女の罪の証、(リト)との子供。となれば、先程の言葉は冗談という体に留めておいた方が良さそうだ。

 

 「実は今……」

 

 ガーランドは、美柑にイチゴの事を説明した。

 

 「嘘……」

 

 「………………本当、対応、そこまで間違えた筈は無かったんだが」

 

 「お兄様、いなくなってしまいました……どこ……でしょうか?」

 

 美柑とノノがならんでいると、似たような髪型させているなとガーランドは考えた。悪くはないが、イチゴが見てどう思うか……

 

 「凛さんに聞いた時、前より明るくなったって言ってた……だから、大丈夫って思ったのに」

 

 「まあ……人間、生きてるんだからテンションの上げ下げが激しい時だってあるだろ」

 

 今は楽しくても、ふとした拍子に気分を悪くしているかもしれないのが人生というものだ。

 

 「まあカイがここにいないからある程度は大丈夫だと思うが」

 

 「まあ、そうね」

 

 赤い翼、ゆるキャラ然としたフォルムと大きさ(ゲーム機を長くなるように立てた時ぐらい)、黒いボディーに白いうずまき模様の目とその見た目は完全にペケの同型機だが、実際は色々と別物だ。

 コスチューム的な技術を応用し、装着した対象、持ち主と見なした対象の生命活動を守る用に作られた。コスチュームというより、まんまパワードスーツのようなものだ。見た目の丸さに反して、硬度はオリハルコン以上に硬く……温度差のあるところにも対応可能……後主導権はカイの方が上だ、カイが拒否すればイチゴの行動は阻害される。ついでに解析機能を弄くって、風景一帯をスキャン、それらと同じ色にチェンジさせる事で周囲に擬態するステルス機能もあったりする。巨大なロボットを相手に生き残るため、巨大化する機能を持たされてもいる。

 後、シリアス100%で設計されたらしい………他の兄弟機と違うのはそこだ。ララが作ったのになんでだと思うだろう、ガーランドも思った。

 超かいつまんで話すと、イチゴのせいという事になるが……

 そんなカイが、家から消えていた。

 おそらくイチゴの所に行ったであろうから、イチゴの無事は保証されている……だろう。

 

 「探しに行かなきゃ」

 

 美柑は来てそうそう、御門邸を出ようとした。

 

 「あんまりオススメはできないな、おばさんがこっちに来るまでに気づかなかったのなら尚更」

 

 ここにいるのが嫌で逃げたのかもしれない……

 だとすれば、時間が経てば経つ程遠くに行っているのかも……

 探すには、乗り物に乗る必要がある。

 

 「モモさんから貸してもらった宇宙船あるから、それで行こう」

 

 それにしても、ティアーユ・ルナティークの水着写真がテーブルにあった時は焦った。バレる前に処理できて事なきは得たが……

 

 「ティアーユさん以外は許してやるよ……ハッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 と悪魔の笑いを見せるイチゴの顔が思い浮かぶ。

 変な気を起こすとイチゴが殺す勢いで迫ってくるのは重々承知しているが、あえて言うなら変な気だけで留めるためのものなのでコレクションするぐらいは許して欲しい。

 

 「じゃあ、怪我人はお留守番しときなさいよ」

 

 ガーランドは、ひざまずく体勢を取る。

 

 「分かりました、念のため、各方面に連絡を取る……なんかも良いと思います」

 

 女性陣が御門邸を出る中、ガーランドはガラスを見た。

 

 「俺達みたいなお偉方の親族もたまに来るってんで、特注の奴頼んでたのに、チーズみたいに裂かれてる……」

 

 裂いた分しか割れていないから、あまり散らばってないのだけは幸いした……

 破壊の痕跡が、外まで続いている。おかげでルンが来てその事でもうるさかった。だが、途中でそれも収まっており、元をたどる事はできていない。

 腫れが引いたら修理に出かけた方が良いかもしれない。

 

 〜視点切り替えのSE〜

 

 〜謎の空間〜

 

 『良い躯体だね、纏う相手を決して死なせないという強い意志を感じる』

 

 朱雀はカイの事を褒めているようだ。

 

 『作ったのは女性?しかも、はち切れんばかりの胸と、今もなお崩れないであろう美貌と瑞々しさ……そして純粋さを兼ね備えている……良いね、実に良い。素晴らしいよ。そして艶の良い尻尾……へえ、この星の人間ではないんだ……まあ、そんなのは大した問題じゃない』

 

 朱雀は、カイを見て、作り主の特徴を看破しているようだ……背筋に悪寒がした、次に朱雀のいう事が読めたから。

 

 『僕の元にくれば、その美しさにさらに磨きをかける事ができるだろう』

 

 やはり……

 

 「その人はもう、好きな男と結婚してるんだ……そっとしておいて欲しいんだけど」

 

 『いいや、あんな特上の女人を、このまま老い朽ちさせる事は世界の、嫌……宇宙の損失だ!!』

 

 目の前の鳥は、夫婦の仲を(物理的に)引き裂く気満々のようだ。

 

 「させるか!!」

 

 イチゴはレバーを動かし、カイを動かす。

 

 「……当たれ!!」

 

 飛び蹴りをくらわせようと、カイの足を突き出す。

 

 『丸腰とは、舐められたものだね』

 

 朱雀は足で防御する、鳥の脚の形で、長くはないがカイの蹴りを的確に受け流す。

 

 『雀王火焔』

 

 さっきは様子見だったとでも言わんばかりに、広範囲に渡って炎を、しかも絶え間なく吐き出してくる。

 

 「くっ」

 

 イチゴはすぐさま攻撃をやめて、カイの翼を大きく動かし、旋回させて炎を避ける事にした。

 

 「…………………」

 

 飛べるというのは、便利なものだ……

 高度を調節すれば、これこの通り炎を縦横無尽に動いて避ける事ができる。

 かと言って、誰かが言う程そこに自由は感じない。カイが……だが、できる事の範疇になるからだ、飛んで何かができるという事は、飛んで何かをしなければならなくなるという事になる、現に、今こうしてカイを酷使して炎を避けなければならない。

 文句を言って、なら飛べなければ良いのか?それも違う、飛べなければ……走って炎から逃げただろう。そして、その時やはり空を飛べれば良いなと考えるだろう。

 逆に、鳥とか、空を飛ぶ生き物は、翼を無くせば、短い足で地べたを這いずるか、もしくは這いずる事もできずに亡くなるかのどちらかだろう。その時に、大地を踏みしめる、強靭な足が欲しいと願うだろう。

 ないものねだりというものだろうか?自分ができない事の先に、自由はあるように見える……………………かくいうイチゴにとっての自由は、なんだろうか?

 

 「空で迎え討つ、ドッグファイトだ!!」

 

 『ラジャー!!』

 

 距離を取って、炎が途切れたタイミングで、再び空を飛んで、腕を伸ばして朱雀に向かって突撃……

 

 『僕も得意なんだよね、それ』

 

 朱雀も負けじと、翼を思いっきり広げ、全身に炎を纏う。

 

 「はあああああああ!!」

 

 『フェニックススラッシュ!!』

 

 両者、激突。

 

 「!!」

 

 イチゴとカイが、押し負けた。

 

 「クッ」

 

 イチゴはカイの腕を地に向けて、受け身を取った。

 損傷は、していない。ツルツルしたままだ。

 

 「!?これで無事なのか、さすがにすごいな……」

 

 王妃(ララ)特製……の割にここまでガチな性能を見せつけてくるのは……少々引く、だが……だからこそイチゴでも戦える。

 

 『あ………充電、ヤバいです』

 

 「!!」

 

 見たところ、バッテリー残量を表示するメーターが赤くなってきている。確かにヤバそうだ。

 

 「どうするか……?」

 

 攻めているが、カイが充電切れになるまでに、勝利が手に届くイメージがない。

 勝利とは?朱雀を行動不能にまで追い込む事だ……ララの事を諦めてもらう事もそう……

 そう定義すると、やはりできなさそうな気がしてきた……

 

 『こないなら、僕から行くよ』

 

 朱雀は、今度は翼をたたみ、回転しながら突っ込んできた。

 避けようかと思った、しかし、そうすれば追尾してくるとなんとなくだが分かる。

 

 「どうする……?」

 

 さすがに、ろくな武器もないカイで挑むのは無謀だったのかもしれない。

 剣が使えれば、見様見真似である程度の技(エフェクトなし)を出す事ができるが……

 今、できる手段は…………?

 不意に、丈瑠の言葉が脳裏に浮かぶ。

 

 『お前に足りないのは……………………………守りだ』

 

 守り……

 イチゴはカイを使って構える体勢を取る。

 守りに必要なのは、ダメージを減らす事、相手の動きを見切る事。そして何より、それを可能にする冷静さ……むしろ、今必要なのはそれだ……

 相手の動きをよく見て……朱雀もやれていた、こちらの方がリーチも長いからいけるはず……

 そう考えている内に、朱雀と、イチゴの乗るカイは、再び衝突する。

 衝撃が来る……カイを信じて、耐えるしかない。

 …………………………

 

 『………ハァ』

 

 カイは動かない、しばらくそのままのため、朱雀はため息をつく。

 そう油断させておいて……カイの腕を、大きく伸ばす。

 

 『ほう!?』

 

 「そこだ!!」

 

 背中のよく伸びた羽毛を掴んだ。

 

 『!!』

 

 「いっけぇ!!」

 

 今度はこちらが攻める、そう思い、朱雀を地面に叩きつけた。

 ビリビリと強い衝撃が、カイ越しに伝わってくる。

 

 『…………………』

 

 流石に教え一つ実践できてどうこうなる程、朱雀という名前も存在もヤワではないらしい。妙に動きも機敏になっている……

 

 『お仕置きだ!!』

 

 くちばしで突っつかれ、姿勢を保てなくなり倒れた。

 その様は、尻もちをついたようで、幼く滑稽に見えた事だろう。

 

 『くらいつく程度には持っているみたいだね、良いよ……寛大な心を持って認めよう』

 

 何を……と聞く前に、朱雀はさっさと飛び立っていった。

 

 『脱出させます、ちょっと荒っぽくいきますけど……容赦してくださいね』

 

 タイムオーバーというわけか、強制的に脱出させられた。

 

 「くっ」

 

 やはりというか……色々とレベルが違っていた。王妃に関しては、別の星にいるから、流石においそれとちょっかいは出せないとは思うが……

 

 「くそ…………」

 

 王妃を、変な事に巻き込むかもしれない……そう思うと申し訳なさでいっぱいになってくる。

 

 「………………!!」

 

 自責のあまり、床を手で叩きたい衝動に駆られる……も、カイに押さえられるかもしれないから、やめた。

 

 『すみません、休みます』

 

 カイは、元の首飾りの状態に戻った。

 

 「ああ……ありがとう」

 

 一度引っ込めた衝動は、なかなかぶり返しはしないようだ。

 ついでにここがどこかも分かっていない。桃太郎に連れてこられた異空間的な何かのような気もするが……

 これからどうするか?




いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
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