スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
スパロボZで十二と言えば……
〜????〜
ある地に女がいた。
女は夢を見ている。
それは太陽の夢。
どこかの世界、どこかの太陽の夢。
太陽が、死を迎える夢。
その太陽は、人の手で神となった。
そこまではよくある話、天照、アポロン、スーリヤ、etc……挙げればキリがない程、人はどこの国でも、太陽に神を見る。
だが、その太陽は違う。
人には起こしきれない、奇跡というものを起こせる神に……太陽は文字通り作り替えられた。実体を持った、人造神へと。
だが……やがて太陽は、自我というものを得る。そして「好奇心」に駆られ、知ってしまった……自身を崇める人間達が、何をしてきたのか……自分達と同じ領域、もしくはそれ以上に至れる可能性のある者達を滅ぼしてまわっていった事……微塵も気に留めないどころか良い事をしたかのように捉える傲慢さ、そして、彼らの所業に、求められるまま己も加担した事に太陽は「怒り」「悲し」んだ……その太陽を作った人間達の醜さを「愛」せる程、神として……嫌、人の手から産まれ、感情を得たそれはもはや人と違いはなく……人としてできていなかった……だから、太陽は「抵抗」として、「死」を選んだ。その時、痛みのあまり、「叫ぶ」。そうしなければならないと思いつつも、生きたいという「欲望」を孕みつつあったからだ。だがそれを「偽り」、律し、「意志」の通りに実行する。これをきっかけに少しでも反省してくれれば良しという希望を持って……そんなものは「夢」物語だと断じつつ、願わずにいられない「矛盾」した気持ちを抱えて……
程なくして、太陽の骸から、12個、何かがこぼれ落ちる。それらは、流れ星のように、宇宙を漂いながら……やがて一つ、この地球に落下していって…………
「…………様」
女官が女を起こしに来た。
「
女官は日々の業務をこなすように淡々と頭を下げる。
「あまり寝覚めは良くなさそうでしたが」
「あの異邦人が来たからか……久しぶりに、変な夢を見た」
緑の大きな球に触れてから、何度か見た夢………
太陽の欠片が地球に落ちる夢……
緑の球は、現世で生活していた頃見つけたもので、兵達に命じて広間に安置させた。緑の球に目を離せず、安置させていた。
夢は何かのメッセージなのか?
先日、見知らぬ子供がやってきた事で、再び見た事……何の関係があるのだろうか?
「あの者は迷い込んできたのか……それとも」
「熟慮せずとも、お調べになればよろしいのでは?」
「それもそうか……
白虎の眼を以て善人であれば、改めて処遇を検討し、悪人であれば、その場で白虎に処刑させる。
「はい、分かりました」
女官は、その言葉を伝えるため、その場を後にする。
他の女官を呼び、着替えなければ……
(視点切り替えのSE)
唐突だが……イチゴは、牢屋に入れられていた。
檻の一部分は木造、他は岩でできたものであるためか、時代がかった雰囲気を感じられる。
今、手枷を付けられたので、何もできない。
「何故こうなったかと言うと……」
〜先日〜
前回、イチゴは朱雀に知らない場所へ連れてかれて、戦った。
朱雀が満足してどこかに行ったのは良いものの、イチゴはそのまま置き去りにされたため、どうしようかと悩んでいる。
目を凝らすと、ギリギリ建造物の集まりが見えたのでそこに向かった。
建造物があるという事は、そこに人がいるという事だから…………しかも、傍目に見てボロくはないので、徒労に終わる可能性は低い。
………………………………
ろくに人の通りもないのか、道中誰とも遭遇していない。道もそれっぽく色の違う土が盛られているだけで、あまり整備されていない気もする。この光景をデビルークの兵士にでも見られたら
『まじかよ、地球遅れすぎだな……田舎通り越して過疎地かw』
と、なじられるイメージが浮かぶ、なら整備を手伝ってくれ、地球は色々と落差が激しいんだよと言えれば良いが……
この移動で、足裏に擦り傷ができた。靴、足を守るものは大事。
………………………………
別の時代の、別の国のようだった。
2000年は遡りそうな勢いがある。
建物を埋め尽くす赤の割合の多さ、瓦葺きの屋根……オリエンタル系か?朱雀に関係しているからか、余計にそのように思える。
第1印象を聞かれれば、無性に寂しいと答えたくなる。
時の流れから切り離されているような……周りがどんどん新しい建築物になっていく中、未だにそのままの様相のままでいる駄菓子屋を見ているような……そんな哀愁を感じる。
門の先はそれなりに賑わっている……というか、門の内と外で活気が違い過ぎた。まるでRPGみたい……
外交とか大丈夫なのかなと、他人事ながら心配にもなってくる。
後数歩という所まで近づいて、いざ、門の先へ…………………と思ったが、やめた。
もしかしたら、門の内側にまで入ると作動する結界とかがあるかもしれない。
後は……入った時点で侵入者を探知してくる何かとか?
念のため隠形の術を唱えた(知り合いの家で覚えた)、テキストを覚えているだけの一般人に過ぎないイチゴなので、姿形を消せる訳ではないが、結界をごまかせればそれで良し。
狙うなら、一点突破だ。
一番大きな建物が、一番情報を握っているといっても過言ではない。
「ちょっと、カイ」
首飾りに変形したカイに、イチゴは呼びかけた。睡眠を邪魔されて、不機嫌そうだ。
『はい、まさか…………』
「そのまさか、一旦充電をやめてもらって……」
自身を包んで、建造物まで飛んでいってもらう。
「やってくれる?」
『まったく……ロボ使いが荒いというか』
と口うるさく言うが、やってくれる気はあるようだ。後でゆっくり寝かせなければ……
「ちょっとあの建物まで飛べば、そこからは寝てていいよ」
『へいへい……いきます!!』
カイは、いつもの形態に変身し、己のサイズを上げて、イチゴを包みこんだ。
「よし、行こう」
建造物の、ちょっと上を飛んで、目立たないように飛んだ。
白に近い階段が見える、続く道も同じ色。
朱雀に連れていってもらった事があるような、ないような記憶が蘇ってきた。
直接仲間達の場所まで連れていかれて、見回りとかは全くできなかったが……
『これ以上は無理です、水たまりが近いので……そこでなんとか』
充電を途中で止めさせたからか、減りも早い。
円形で遠目にも広い気がするが、着地する場所にうってつけの場所は他にはなさそうだ。
「そっか……ありがとう」
変身が解け、カイが首飾りに変形した後、遠くに投げ込んだ。結界や探知が人の中の霊的な力を探知している事に賭けて……当たれば、カイは安全圏に行ける、外れれば、まあそうそう壊れる事はないだろう。
落ちる、翼が無くなり、重力に身を任せる。
こういう事をすると、決まって両親に王妃、他の妻やその他諸々から叱責を受けた。
どうして?……とイチゴは度々思う、感情論を抜きにして、イチゴはデビルークにいてはいけない存在だというのに。
だが、今回は違う。助かる算段をつけての降下だ、迷いはない。
着地に成功、水が衝撃を吸収してくれた。
ただ、誤算があるとすれば……
水たまりかと思えば、そこは水浴び場だった。確かに池とか水たまりにしては広いとはいえ、湯気が無いから気づかなかった。
冷たい水、急に入った事による苦しさ……呼吸をしなければ……と思った。
息をするために、顔を上げるとそこには
「きゃあー!!」
タオル1枚、他何も着ていない(ここ重要)で体を洗おうとしている女子達がいた。
人の形をしているが……人かといえば違う。
生き生きとした様相もある、可憐さも備えた容姿の少女……だが、直感で人形を連想してしまった。
「痴れ者!!」
もう一人の女性は、刺すようにイチゴを激しく睨む。
さっきのがカワイイ方なら、こっちはキレイな方……自我は、こちらの方が、おそらく強い。
「ああ……ごめんなさい」
イチゴは、見ても何も感じないとはいえ、向こうはそうでもないだろう。
リトが昔女子とやらかしてた時とも違う、顔見知り以上には関係性を構築した状態……からのハプニング!!とは違い、急に知らないガキが、自分達が全く警戒していない、肌を露わにした状態の時に急に接近してきた訳だ、困惑より、恐怖が勝つ。
回れ右をして立ち去りたい所だが、どこに逃げたものだか?
逡巡している間に、縄が飛んで、捕らえられた。
鳥に連れられ、外につまみ出される。
牢屋に連れてかれる前に、兵士にこう言われた。
「けっおなごの風呂を覗くだけじゃ飽き足らず、暴くたぁ太え野郎だ!!」
後はまあ、お察しの通り……
そんな訳で、イチゴは牢屋に入れられました。
「そりゃあ、一気に行き過ぎた、女子の水浴びの現場を見た、オレが10割悪いよね」
「そこ、うるさいぞ!!」
門番に叱責された……ナレーションしていただけだが、従った方が良さそうだ……
「…………………ごめんなさい」
する事がない、寝ていようか?
だが、そうも言ってられない。足音が近づいてくる、誰も動いていないと敏感になってしまうようだ。
さっきの女子……カワイイ方がやってきた、女子は女官のようで、高そうな衣装を着ている………
檻の外から
「申し開きがあったら、今ここで聞いときますけど」
「実は朱雀のお姉様に連れてこられてここまでやってきました(意訳)」と言っても信じてもらえない。
「あのお方は、スタイルの良い女子にしか興味を示さないのです!!ましてやあなたのような覇気の一片も感じられないお方なぞ、とてもとても……嘘つかないでいただけます?」
覇気のない……自覚はある、だがどうしろというのだろうか?
朱雀に連れてかれた以外、言える事はないし……他の理由でごまかすとしても、ごまかしきれるだけの情報の手札が少ない。下手な事を言えば、矛盾点を突かれ、余計悪印象という意味で不利になるだけだ。
それっきり何も言わないでいると、女官は
「では、これにて……」
と言い残し、去っていった。
牢屋に入れられる前、着替えた女官に手首と、足の傷(素足だったから擦り傷ができた)を手当てしてもらった分、あり得ない程破格の温情を受けていると見るべきか?格好(御門邸からそのまんま)と足の傷で、どこかから逃げてきたと勘違いされているのかもしれない……
牢屋が使われていないようにキレイな分、ここでそういうのを捕まえるのはほとんどないのかもしれない。
「オレってこれからどうなるの?」
「追って沙汰を待て」
当然ではあるか……
カイは………充電をたっぷりしてもらった後にでも呼び出すとしよう。
「ていうか……ここ、どこなの?」
「人間は知らないかもしれないが、ここは
「ええ……」
人間にとっては、そこはあるかもしれないと思いつつも、見ることもない故に縁のない領域である。
もしかしたら、桃太郎と目が合った時に連れてかれるフィールドもそうなのだろうか?
朱雀も、またとんでもない所に連れてきたようだ。
この街っぽいのが、変な印象なのも合点がいく。
また、別の誰かがやってきた。見張り番の交代とかだろうか?
「来い」
言われるがまま、連れてかれたのは広場。
一際目を引くのは、緑の球と、床。
床には広く、ふんだんに面積を取って描かれた方陣が組まれており、おそらく何かを呼んで、それにイチゴをやらせる気満々らしい。
「急々如律令」
術師達が複数いて、色々と唱えている。
何を言っているかは、急々如律令以外はあまり耳に残らない、入ってこない。
「
やっと聞こえたのは、この言葉。
その言葉が最後の文か、方陣から巨大な虎が出てきた。
『オオオオオオオオオ!!』
白と黒のしましま模様……白虎と呼ぶに相応しい。そして、装飾として、金。
「ああ……そういう事…」
「白虎様」
さっきの雄叫びが嘘のように、気さくに白虎は道士に答える。
『そうかしこまる必要はない、どんな奴が相手かは分からんが、俺は俺の最善を尽くすだけだ……それで、相手はどいつだ?』
「はっこちらです」
術師達は、イチゴを指し示した。
「…………………」
『何!?』
イチゴと白虎、両者の目線が交わる時、昔の記憶が蘇る。懐かしい、知己との記憶……
『侵入者とは君の事か?イチゴ君』
「そういう事になりますね……
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
至高神の死んだ時の夢に違和感感じたらごめんなさい。
イチゴ君のように、ろくに調べもせず勢いで突撃すると碌な事にならないと思うので気をつけてください。