スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
イチゴから見た四獣(人間態)達
・白虎……優しいパツキンのお兄さん、青龍の彼氏
・朱雀……ハレンチな奴
・青龍……薬作りが趣味の優しいお姉さん、白虎の彼女
・玄武……色々な事を「善哉」と肯定してくれるおじいちゃん
時は遡る……
朱雀と遭遇して、背に乗せられたイチゴは、蚩尤城の地下にある空洞まで連れてかれた。
『やっと帰ってきたか』
『役目に背き、己の在り方に殉ずる……それも善哉……とは言えぬのう』
『今のところは何もない……心配しすぎなんだよ……それに君達がいるんだから、大丈夫だろう?それよりこの子を君達に紹介したい』
朱雀は、イチゴを他の四獣達の元に送り出した。どれも、メカのような光沢と、建物などゆうに超えた大きさの、堅牢そうな外見だった。
イチゴを見てか彼らは驚き、人の姿に変化した。
『そんな、ごまかさなくていいよ……でも、僕もこっちの方が好みだからね……』
朱雀も、人に変わるため、変化の術をかける。
「君達がそうするなら、僕もそうするよ」
一段落付きそうなタイミングを見計らい、イチゴは挨拶を交わす。
「イチゴです…………よろしくお願いします」
「よろしくね、私は青龍……この姿の時は
そう言った青龍の人間態は、名前負けしない青い髪と民族衣装、そして多分朱雀好みの体が特徴的だった。
青龍という名前だったが、日本からアジアで見かけるような、蛇のように長い長い胴体を持つあれではなく、翼もある、西洋で見かける方のドラゴンだった。符術が得意で、敵の頭上に山を落としてくるのは朝飯前だそう。
「俺は白虎の
拳法着を着ていた男性は、白虎。金髪なのは疑問だが、言わぬが花だ。
白虎は、その名前の通りしましま模様の虎で、金の装甲がメカっぽさを思わせる。一番素早いそうだ。
「儂は玄武の泰北、よろしくのう」
黒い亀は玄武、若い男女の姿を取った三人と違い、眼帯を身につけ、混じり気のない白髪、そして服が一部隠れる程顎髭を蓄えた、ザ・仙人と言うべき風体を持っていた。玄武は亀だからか、硬そう(小並感)、嫌、硬いらしい。
朱雀は四獣の中で一番苛烈で攻撃的らしい(ついで)
都を守護するために産まれた4体の獣達、欲求全開の朱雀とは違い、善性の強いオーラを放っていた。玄武は、中庸とでもいうか、落ち着いた感じも見え……でも、悪い奴はこの中にはいないと思った。
「しかし……どういう事だ」
白虎が朱雀に質問する。
「どういう事だ……ってどういう事だよ」
「まだ子供じゃないか!!しかも男の子」
「夏喃が己の嗜好とかけ離れた者を見初めるか……それもまた善哉」
「好き放題言いやがって……僕をなんだと思ってるんだい?」
「色情魔」
「手のかかる弟子」
「誰彼構わず声をかけるの、良くないですよ……イチゴ君、朱雀さんのような大人になっちゃダメだからね」
朱雀は全員から集中砲火を受けていた。事実、彩南高校で朱雀は、その姿が見えない事を良い事に、
「青龍、君もか…………………この子の持つ牙は、飼い慣らせばいずれ僕らの役に立つと思ったまでさ。有用なものを見抜く公平な眼は持ち合わせているつもりだよ」
「……………すまない、てっきり、『
「そんな訳ないじゃないか(怒)、僕が一つや二つの失敗で諦めると思ったら大間違いさ……」
「それはそうと、この子を引き入れようとするなら、主を呼んで話し合わなければならないと思うが……」
「今、いないならしょうがないだろ……今更、人間の世界……捨てた故郷が懐かしくなって戻るなんて、面倒なものだよ、元とはいえ……人間って奴は」
込み入った話になってきたので、玄武が指さした方向へイチゴは向かった。それから、玄武の肩を叩いたり、青龍から飲み物をもらって意識をトバしたり、白虎と
それから、夕刻程になって、家族が心配するという旨を伝えると……引き留めようとする朱雀に代わって今度は青龍におぶって帰る事になった。
〜現在〜
「白虎様?」
『朱雀が連れてきたというのは本当のようだ……』
道士達は皆驚いていた。
『昔、お前達の留守番をしていた時、遊んだ事がある……善人ではあるが、危険なものを持っているのもまた事実だ』
「それでは……」
『だが、主のみ……み、水浴びの場に入ったのはダメだ。朱雀のようにならないよう、お灸を据えておく必要がある』
白虎は、水浴びの部分でキョドッていた。青龍というスタイルの良く、優しそうな彼女がいるんだから、そこまで免疫の無さげな反応するんじゃないよとツッコミたくもある。
「そんなつもりじゃなかった……とは言ってもダメそうだな……来い、カイ」
そろそろ、充電も満タンになってきて良い頃だ……
その呼び声に応じ……全力でイチゴに突っ込んでくる、カイがいた。
『はー!!』
カイは、イチゴのお腹に頭突きをしてきた。
「うわっ」
よろけつつも、こけずに済んだ。
『いやー、流石に放り投げるのはひどいって言うか』
「ごめん……充電終わった?」
『フルです』
「よし、じゃあ巨大化一丁」
ギガント
『いきますよー!!』
〜ぐんぐんカット〜
カイは巨大化した、それを見て術師の格好をしている者達も驚く。
これでやっと白虎達とトントンの大きさだから、イチゴも驚いている。
「なんだあれは」
「超機人ではなさそうだ……が、我らの力に、世界が追いついたか!?」
宇宙の遠い星の王妃様特製だが、伏せておこう
「丸いな……」
「かわいい」
その隙に、悠々とイチゴはカイに乗り込んだ。
「相手をするのは、あの虎だけで良いからね…………!?」
視線が、急に緑の球の方へ行く。
釘付けになっていく、何故そうなのかは分からない……呼んでいる?何が?
『あの球が、お前の気に反応している……場所を変えるぞ』
白虎は、カイの手に噛みつき、その場を後にした。大きくなったカイと、白虎……2体と術師達を見ているとサイズ感がバグを抱えそうだった。
「白虎様」
『こいつは俺に任せろ!!お前達はこの場を任せる』
「はっ」
また、外に連れ出された……しかもまた、山ばかり……
『勝負!!』
「ああ……もう、名うての妖達はいちいち戦わなきゃ気が済まないのかな!?」
カイを動かし、構えを取った。
「こっちは体しか使えないんだ!!」
そして、少しずつ、すり足で近づく。
『体が使えるなら、相手を倒すのに何の不足もない!!ウォォォォォォ!!』
白虎は、大声で雄叫びを放つ。その衝撃は、イチゴが頭を抱え耳を塞ぎ、カイの中のコックピットが少しの間ショートする程だった。
『はっイチゴ様!?』
「カイ、白虎は?」
『そうでした……映します』
白虎が、一気に距離を詰めて来ている。
虎含めネコ科の生き物の武器は大体決まってる、その太い腕の先に鋭く伸びた爪、そして口元の牙……
距離を取れば良い、一旦取らねば
「バックだ!!」
カイを後ろにバックさせた。
翼だけだと、あまり距離が取れないで、キツい。
すぐさま白虎は、飛んできて腕を振り回す。
「くっ」
カイを動かし、回し蹴りを放つ……
当たって、衝撃で距離を取れれば……
『身分身の術!!』
なんと、白虎は数体分、自分を増やした。
「えっ?」
カイを動かしての蹴りは、当たらずすり抜ける。
『修行が足りないな!!』
白虎から、キツいアッパー、そして分身から一体で一発分殴られる。
『おっ重い!!』
こちらの攻撃はすり抜け、向こうの攻撃は当てる……その分身なんでもありすぎるだろとツッコみたい所。
「これ以上は……」
いくらカイが頑丈っぽいとはいえ、朱雀との戦いの後メンテもせず、壊れないか心配になってきた所だ。桃太郎にやられた時の不思議ボディ状態だったらなと考えなくもない。
『こんな所か……』
「仕方ない」
イチゴはカイ越しに白旗を挙げた。
朱雀と違って、抗わなきゃいけない理由はない。
『すまんな……もう、朱雀のような真似はするなよ』
「反省はしてます……朱雀はどこか……」
『その話は聞いた、探したいなら手伝おう』
「ありがとうございます」
『気にするな…………?ッ失礼』
白虎は片耳を塞ぎ、人が電話を取るような体勢を取った。
『何、妖獣だと!?』
「妖獣?」
白虎は、通信を終えると、おそらく手のひらをパーにして、イチゴに向けてきた。
おそらく……何か用ができたのだろう
『説明は後だ、君はここから動かないでくれ……狙われているのは……あの里だ。ここでじっとしてれば、危険は低い』
そう言って、白虎はその場を去る……速すぎて、全く見えない。
「バッテリー、どのくらい?」
『右下の吹き出しに表示されています』
「どれどれ……」
67%……巨大化するのはやはり減りが早い。
これが解ければ一晩……どれだけ早くても4時間は丸腰になる……その間、あの場所は?
白虎がいるとはいえ、大丈夫だろうか?
白虎が出張らなければならない案件だ、多分危険なものになる。
「カイ、今からあそこまで、行ける?」
『まあ……移動のログを見ればなんとか』
あの場所に住む人達は?片方の指で数えられる数しか知らない……が、顔を思い出すと、無性に無事でいて欲しいと思えてくる。
「行こう」
イチゴが生き残るための選択肢を取るなら、渋々でもリト達は認めてくれるだろう。
『ちょっ待ってくださいよ、危険だからじっとしてろって』
だが……
「それでも行くんだ!!オレはオレをこれ以上嫌いになりたくない!!」
他人だろうが、誰かの危機であるなら、それを分かっていながら見過ごす訳にはいかない……見過ごすイチゴを、イチゴは責め続けるだろう……
〜蚩尤城 城下町〜
ここ数年、隠世の各地に出没して、破壊活動を行っている出自不明の厄災、妖獣……蚩尤城にまで出没した……
フォルム自体は二足歩行のトカゲに近い、だが禍々しい見た目、声を持っていて……尻尾から凶悪なチャクラムで切りつけてくる。
しかも……城壁並みにでかい。
主たる女……部下の道士達は、神気兵を繰り出し、戦いに応じるも……
「キツいわね……」
「符に込める気が……もう!!」
「練度が足りないんじゃなくて?」
「この20分でもう十体以上は召喚したんです、勘弁してください」
戦法も間違えた。
強力なのを召喚して、倒すやり方が良かったのかもしれないが、いつもの
「住民達の避難は?」
「城内にて、完了しております」
「分かったわ、じゃあ街への被害は目をつむります、行きましょう」
壊れても、後で補填すればなんとかなる。
物質でできている訳でないから、魄を注げば……
『ファング・ミサイル!!』
白虎が現れ、自分の牙からミサイルを発射……妖獣に当てた。
追撃とばかりに近づいていき、爪で引き裂いて、妖獣を一体破壊。
「白虎様!!」
『みんな、待たせたな』
白虎は、道士達と合流する。
「遅いわよ!!」
『すみません』
「……いいわ、朱雀と違って反応が素直だもの」
『あ……そうだ!!朱雀、来てるんだろう?お前も手伝え!!』
白虎がそう言うと、朱雀は空から舞い降りた。
「マジか」
「召喚する必要ないのか、助かった」
『ああ……請われば、承らないとね』
『俺もお前もこのために産まれたんだ、調子に乗るな』
『そうかい、雀王火焔』
朱雀は、火焔を吐き出し、妖獣に当てた。
20秒当て続ける事によって、妖獣一体を撃破。
「性格はあれだけど、やはり強い」
「そうね、使わせてもらうわ、その力……ところで、どこから見てたの?」
『天』
空高くを指しているようだ……
「そう……」
『白虎、君のせいであれを見失ったじゃないか』
『文句は後だ、行くぞ』
何体か倒していると……
今度は、一回り大きく、角が生えている個体が走ってきた。
『角付きか、厄介だね』
風の噂によると妖獣のより強い個体らしく、攻撃を弾く得体の知れない力を秘めている。一度出てきた時は、神気兵のビームを、いとも簡単に無効化してみせた……らしい。
『いかん、道士達……青龍か玄武を呼べ!!合体しなければ、まずい』
「はっ」
「ヒソヒソ(白虎と朱雀はできないんだったっけ)」
「ヒソヒソ(白虎と青龍が夫婦になってしまった以上、仕方ないというかなんというか……そもそもの相性の問題もある……朱雀様はあれだから、白虎様に対して尊大、傲慢、高圧的に接して白虎様が反発する。青龍様に対してはせくはら?待ったなしの態度であり……なんだかんだ、のらりくらりと相手をいなしてくれる玄武様が一番朱雀様を御せるのだ)」
「無駄話はなし、私も加わるから、疾く持ち場に付け」
主である女性も、召喚の陣に足を踏み入れる。
急を要するので、詠唱を唱える人間が多ければ多い程良い。
『何分いる?』
「3分……嫌、2分は欲しい所です」
『分かった』
1
今まで攻め入ってきたのと別方向から、妖獣が走ってきた。
『別方向からだと!?』
「
「なっ!?」
妖獣が、主の服の裾を口で摘まむ。
頭目が誰かを察し、そこを攻める戦術を取った。戦いでの勘が鋭い。
『危ない!!』
白虎は前に進んで戦う以上、正面の敵にしか相手取れない。
朱雀も一方にしか注意を向けておらず、急旋回に秒程のラグが発生する。
「……ッ」
死を覚悟した目で、白虎達の主は妖獣を見据えた。別に初めてくぐる恐怖ではなく、もう慣れたというぐらいは味わっている。
だが、単なる人間なら一度で済む痛み、苦しい思いを何度も味わうのは……辟易する。
「殺すなら……殺せ……輪廻が絶てるかどうか……試すか?」
その言葉を聞き、皆は一瞬手を止めた。体を弄った以上、危険性はある……が、この絶望的な状況では、逃げるという意味では、それが一番の策になる。
無警戒の状態から踏み込んで、助けてくれる誰かがいれば……ないものねだりをするべきではない……が……
その時……
「行くよ!!」
それは黒い砲弾か……黒く、大きなものが降ってきて、城の床を抉る。
「えっ?」
先程の黒い機動兵器だった。
少年はそれをカイと呼んでいたが、そのカイが妖獣の腹部を殴り、悶絶させた。
そして吐き出された白虎達の主を、手のひらでキャッチして救出、ゆっくりと地面に降ろす。
「この調子じゃ後数分、経年劣化疑った方が良いのかな?」
『じゃあ、絶対ララ様の所に生きて戻りましょうね』
「白虎様……」
「あれは…………」
『イチゴ君!?』
『ほう……』
イチゴの乗るカイは、構えを取った。
「こんなに大きくて、凶暴なの……放ってはおけないじゃないか!!」
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。