スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
スパロボZに欠かせないあれを入手する回です。


第13話 十二の流れ星 Cパート

 怪獣……

 妖獣を一目見た感想だった。

 巨大な体……一部が虹色の光を放っており、初めて見るような異質さがある。

 外道衆、(あやかし)、怪獣、それに加えて妖獣……こんな奴らがいる世界、大丈夫なのかと正直心配だ。

 まあ、それと反立するように、桃太郎や四獣達がいる訳だが……シンケンジャー、祓忍はあくまで人なのでカウントしない方向で。

 

 『君がかなう相手じゃない、下がってくれ』

 

 もう遅い。

 今さっきの行動で、妖獣から敵と認識された。

 例え行動がなくても、鉢合わせしただけで襲われそうな気もする。

 

 「…………」

 

 イチゴは女性に(カメラ)を向ける、助けた直後、無事かどうか……気になった。

 ピンピンしている、大丈夫、少なくとも……今は。

 

 「……謝謝(ありがとう)

 

 カイとだが、目が合うと女性は礼を述べる。水浴びを覗いてしまった負い目をかき消すように、その言葉が少しイチゴの心を軽やかにする。自分、そしてデビルークの人間達以外を見つめる時だけが、自分を人間でいさせてくれる。

 

 「………始めよっか」

 

 カイで一歩二歩、反時計回りで回り込むように動き、動く態勢を整えた。

 

 『仕方ない……せめて手伝うぞ』

 

 白虎は、今いる位置から移動し、イチゴに加勢しようとした。

 

 『まあ、見ておくと良い』

 

 だが……朱雀はそれを留める。

 

 『何!?』

 

 『嫌、もっと別の方向に何かいるかどうか探ろう、次また道士達が狙われるのもなんだし』

 

 『そういう事なら……仕方ないか』

 

 白虎は元の場所に戻り、他の方にいるか敵の気配を探り始めた。

 

 『さて、どうなるか』

 

 道士達……そして白虎達の主は、青龍を呼ぶのを再開した。

 

 「いくよ!!」

 

 一度ジャンプして、殴打。

 妖獣は後退りしつつ、頭をスウィングする。

 イチゴはカイの勢いを弱めて両手で地面を着きスウィングを避け、ボヨーンと跳ねる感覚で飛び、妖獣にキック。

 だが、妖獣の装甲は堅く、全くと言っていい程傷がついていないように見える。

 

 「ギャシャー!!」

 

 妖獣が噛みつきに来た。

 

 「させるか!!」

 

 カイの足で、妖獣の頭をけたぐる。

 白虎の時はできなかったが、今度は成功。攻撃しつつ妖獣を止め、後ろにバックする。

 距離ができた所で長めのリーチを持つ腕で殴打。

 感触は良いが、破壊までには至らず。

 そんなこんなしている間に、妖獣の3体が出現、計4体に囲まれた……

 

 『まだ十はいる、多すぎだ!!』

 

 妖獣に無数の引っ掻き傷を加えつつも、白虎は狼狽する。

 

 『色々とこう……最初に呼ぶのは青龍が適任だったね』

 

 多方面を一気に攻撃でき、イチゴとも戦わずにその場を納める可能性が高かったのは青龍だった。

 

 「今、やっているので勘弁を」

 

 「こんなもの」

 

 当初の延長で、一方に狙いを絞り、1体ずつ倒していけば……

 と思った矢先、妖獣達は飛び道具で攻撃してくる。

 

 「(尻尾を自分から切り離して、八つ裂き光輪みたいにした……切断は無意味って事か)」

 

 腕を切断などしての戦力低下は期待できない、すればするほど、数に限りはあれど手数が増えるのが予想できる。

 取るべき行動は……落とすなり払ったりしての一点突破、その後は、タイミングを見て旋回するなりなんなりすれば、三個同時にぶつかり爆破。

 といければ良かったが……

 尻尾一個を落とした途端、角の付いた個体から放たれた電撃が、カイに直撃する。

 そして斬撃が同じタイミングで、3方向からやってきて、カイを切り裂く。

 

 「なっ!?」

 

 爆発、そしてカイの体は、墜落する。

 

 『…!?………』

 

 『な……』

 

 「そん……な……………」

 

 原型こそ留め、ススが付いただけで見えている被害も少ない……が、その時を境にカイが動かなくなった事で、緊迫感が増大する。

 

 『あーあ』

 

 「朱雀!!」

 

 白虎達の主は、この状況にうろたえつつ、詠唱を中断し、朱雀に助けるよう促す。

 

 『彼が今ここで死ぬなら、それは価値のある死だ。ここを守るために戦って死ぬのだからね』

 

 だが、朱雀は助ける気はないようだ。

 イチゴがこの会話を聞いていれば、「自分で連れてきといてそりゃねーよ!!」と言うべきだと判断するだろう。

 

 「!!白虎、行きなさい!!」

 

 『分かった!!』

 

 白虎はカイに駆け寄り、凝視。

 

 『これは……躯体が壊れる事を想定して作ってないみたいだな』

 

 「それってどういう…………」

 

 『相当技術が進歩したのか、複雑な中身をしている、中を食い破っても元通りにイチゴ君を出せないみたいだ』

 

 「そんな!!」

 

 〜カイの内部〜

 

 数分、落ちていた……

 額から血が出てきている。

 衝撃で頭を打ったようだ……

 全てが暗い、動かない……

 出しゃばってしまった……かなう相手じゃないと言われていたのに、勝手に前に出た挙句、このざまだ。

 思えば、いつもそうだ。

 勝手に出てきて、丈瑠達侍の戦いの邪魔になってしまった事もある。結局許されたのかも、よく分かっていない……

 カイを用いるべきだったのは……調整もなく、DNA的には人間同士の子供であるため変身能力も使えず、だのにヤミの息子というだけで命を狙われるガーランドだった、ノノが使えば、顔を気にせず自由に行きたい所に行けるだろう。だが……イチゴのいるせいで、イチゴのものになってしまって……

 いつだって余計な存在でしかない。

 妖獣、怪獣、(あやかし)、外道衆……これらはイチゴがいなくとも、戦う人達はいる。そいつ等がいれば、世界はいつか平和になる。イチゴがいる必要はない。

 イチゴは、産まれた時から、デビルークの余計なお荷物だ……それに……

 いてもいなくてもいいどころか、いてはいけない存在だ……

 

 「ふふふ………はははははは」

 

 やっと、消える事ができる。

 それも隠世という、誰も立ち入れない場所で……

 カイも動けない、誰も気づかない場所で……

 もう……デビルークのみんなに対して、努めて平静を保つ必要は無くなる……

 

 『諦めるなよ、脱出して助けてって言えば白虎達も無碍にしないだろ』

 

 幻聴か……生きたいという本能か……

 だが、脱出するのはカイの機能ありき、それもショートしてもう……お手上げだ……

 別れの言葉も言えずじまいだが、いっその事、これでいい……

 

 『…………』

 

 「……………………」

 

 空白。

 思考をすればする程、邪魔になるものの代わりに詰め込むもの。

 嫌だと思う事を我慢するために必要なもの。

 だが、嫌と思う事だけを抑えられる程、人間の頭は、心は、都合良くできてはいない。そうしていく内に、楽しい事も、感じられなくなってくる。

 食う、寝る、遊ぶ、そして性……それらがひどく、どうでもよくなっていくのだ。そうなって初めて、大事になるがそうなってからでは遅い。

 時間が経っていくごとに、そういう感情が増えていく。

 今置かれている状況が仕方のない事だと、受容しようとすればする程、心が重くなっていく。

 その感情で増えていく先に……何かに、呼ばれた。

 はっきりと声にはならない……さっき……緑の球を見た時と、同じ?

 

 『共鳴……している?』

 

 「なんですって!?」

 

 『来たか』

 

 「これは……宝珠が!!」

 

 その場にいる、イチゴ以外の全てが驚く。

 城の広間に飾っていた宝珠が、カイの元に移動し始めた。

 

 「?」

 

 その光景を見れなかったイチゴにとって、信じられない事が起きた。

 急に、カイのバッテリー残量が満タンまで回復する。コックピット全体の照明も戻った。

 充電のための睡眠にしては、回復速度が早すぎた。予備バッテリーだとしても、ならばカイが最初から知らせているだろう。

 モニターも回復、映像もしっかり見えるようになる。そして見えたものは………

 

 「くっついた……!?」

 

 この城で見た緑の球体が、ネクタイのピンを挟む位置でカイに貼り付き、そのまま落ちずにいる。

 

 『はっイチゴ様!!』

 

 カイも、さっきまで全てがダメな雰囲気を出していたところ、そんな事が最初から無かったように元気良く喋りだす。

 

 「もしかして……」

 

 レバーを動かす。その通りにカイも動く、まだ、動ける……

 

 「この球……動力なの?」

 

 そうでなければ、くっついた途端カイの残量が回復するような事は起こらない。

 そしてまだ、妖獣達もいる……

 逃げるにも、何をするにも、突き崩すしかない。

 

 「試合続行だよ、もう……負けない」

 

 カイの能力に、HP回復(小)EN回復(中)が追加された。

 

 『イチゴ君』

 

 「大丈夫です」

 

 直感だが、これで溶ける事を気にせず戦える。ならば戦わなければならない。

 

 『そ、そうか……』

 

 「はぁ!!」

 

 全速力で走って、パンチで一撃。

 最初からフルスロットルで動いても、バッテリー残量は減る様子なし。

 連続攻撃、翼をどれだけ動かして、空中を動いてもも溶ける気配がない。

 

 「すごいな……」

 

 だが、目の前の敵を倒してしまわなければ、このパワーアップも無駄になる。

 

 「……」

 

 動いている間も出力は上昇し続け、留まる所を知らない。

 

 『うぅ……』

 

 カイが苦しそうにうめき声を出す。お腹いっぱいでもう食べられないとでも言うようなトーンで。

 

 「大丈夫?」

 

 『なんか……エネルギーがたくさん溜まって……』

 

 「そのエネルギーはビームとして発散しよう、いける?」

 

 『ラジャー!!』

 

 カイのぐるぐるお目々の、外側から何か注ぎ込んで、真ん中に到達した所から押し出していくイメージで……

 

 「照射」

 

 丁度良い所にグリップがあるのでそれを握って……

 スイッチを押し、カイの目から、ビームを放出させる。

 そのビームは、黒く、赤く、深い部分からの血の色を思わせるように暗く輝く。

 ぐるぐるお目々から繰り出されるそれは、魔○光○砲のように螺旋を描き、前進する。

 前進して、角付き以外の妖獣の群れを一気に壊していく。

 

 『君達、捕まれ!!』

 

 白虎は腕を伸ばし、主含め、術師達を衝撃から守る。

 やがて角付きも、壊れ、爆破。

 

 「終わった……」

 

 球がくっついてからの戦いは、妙にあっけなく感じた。強くなった……という事なのか?嫌、丈瑠に言われた事……守りをもう忘れていた、だから……まだまだだ。

 だが、敵はもういなくなったのは確か……

 

 「動くな」

 

 武器を持っていて、鎧姿。術師達より門番に近い。

 

 「協力してくれた事には大変感謝している……だがしかし、それは女媧様の持ち物だ。返してもらう」

 

 カイの胸にひっついた球の事だろう。

 言う事はもっともで、カイの胸の辺りを弄った。だが……取れない、元から一つだったように分ける事ができない。

 

 「……………………」

 

 「どうした」

 

 「返せない……みたいですね」

 

 と、言うしかない。だがそれで済むはずもなく……

 

 「手の空いてる者は、奴を取り押さえろ!!」

 

 人が手で数えるぐらいだが出てきて、カイごとイチゴを取り押さえようとする。

 

 「逃げるか……」

 

 カイに余計な傷を付けられる気がしてきたので、逃げる事にした。

 風圧で人が吹き飛んでいるのが見えるが、それどころでないので無視。

 

 『まあ、落ち着きなよ……』

 

 朱雀はカイではなく、門番っぽい方に止めるよう諭す。

 

 「白虎様」

 

 『すまん、今は少し調子が悪い』

 

 白虎は腕を押さえていた、さっきのビームのせいらしい。心の中で謝罪をし、イチゴは進む。

 

 「これは」

 

 何もないはずの所に、大きな亀裂ができていた。何故こうなったかを考えるにつれ、その場所がビームの範囲内だった事を思い出す。

 調べてみた方が良いかもしれない。

 

 「よし」

 

 →しらべる

 

 ワームホール、ただし見た目が捻れており、どこに繋がってるのか分からない。

 確かめる間を与えずに、台風みたいに、吸い込まれる。

 

 「あ~れ~(定型文)」

 

 イチゴ、そしてカイはその場から姿を消した。

 

 「くそっ」

 

 イチゴを、彼らは見失った。

 

 『仕方ないな…………』

 

 朱雀は空間の亀裂を調べたが何もない。

 

 『なん……だと……クソっ』

 

 朱雀のあんまりの落ち込みようで、みんなドン引きできるような何かを察し、イチゴを追いかけようとする者は誰もいなかった。

 

 『青龍です、敵はどこ?』

 

 イチゴが消えた後、やり残した宿題を終わらせるように青龍の召喚を終え、青龍は降臨する。

 

 「それが……」

 

 道士は、状況の説明をした。

 

 『皆さん、ケガはありません?』

 

 瓦礫はあるものの、大きな怪我が出たりはしなかったようだ。

 

 『良かった』

 

 主は、首を横に振った。

 

 「あの子供……私の大事な球を」

 

 瞳はうるうるとしており、泣きそうになっている。

 青龍はまあまあとなだめる。

 続いて、朱雀も流れるように状況報告をする。

 

 『僕が日本の小美呼市にいつでも遊びにいけるように作ったゲートまでぐちゃぐちゃにしやがった、ついでにそっから人間界まで脱出しやがった……』

 

 つまり……天照の化身……人間の間ですずと呼ばれる女の子にいつでも接触する算段をつけていたという事になるようだ。しかし、もうこの出入り口は使えない。

 

 『お前………まだ懲りてなかったのか?』

 

 白虎は呆れを込めて朱雀を見据えた。

 

 『娘が産まれたそうだからね……良き実りを蓄えた2人の娘だ、育つよ』

 

 『そんなんだからお前は……嫌、良い……言っても仕方ないか』

 

 「何それ私初めて聞いたわ……めでたいじゃない、菓子を用意しないと」

 

 主が朗報を聞いたように喜び始める、だが妖側の用意する菓子は……仙人は霞を食って生きるという言葉、概念がある以上、お察しくださいとしか言えないラインナップばかり。

 

 『実物をたくさん堪能してるっぽいから、仙人のように魄しかないブツを出してもダメだね、それと人格を切り離しているから、同病相憐れむ的な親近感だしても困惑されるだけだよ』

 

 「…………青龍」

 

 『………はい、分かりました』

 

 青龍は、孫悟空の頭に付いてるあれ「緊箍児」を主に差し出す。

 小美(シャオメイ)は、朱雀の頭にそれを投げつけ、朱雀を縛った。

 

 『!!』

 

 「よーし、白虎達、城に戻って情報共有をしましょう……朱雀にも聞きたい事が山程あるから、楽しみにしてちょうだいね……分かった?」

 

 『本当の事を言っただけブボワー!!』

 

 朱雀は、痛みによって頭を抱える。




いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。面白くなかったらこちらの腕不足であります、すみません。
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