スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちは(こんばんは)
思ったより長くなりそうだったので分割して前半部分だけになりました。あのおでん合体はもう少し待っててください……


第3話 惑星(ほし)からの使者 Aパート

 「傷は癒えたようだな」

 

 イチゴは傷が治った事を丈瑠に報告した、口頭であれこれの報告であるため、頭巾は外している。

 

 「はい、もう大丈夫です」

 

 丈瑠は少し嬉しそうに笑う、1年ぐらい彼の顔を見てたから大体分かる。彦馬とか、彼にもし長年の親友がいたら確実に分かるだろう。

 

 「そうか、なら下がれ……そろそろ時間だ」

 

 「はい」

 

 「イチゴ」

 

 イチゴが立ち去ろうとすると丈瑠は引き留める。まだ言い足りない部分があるようだ。

 

 「あのロボットがいるとはいえ、お前は俺達より格段に弱い。だから……これからは戦えるだなんて思うなよ」

 

 会釈だけしてイチゴはその場を去った。

 廊下を伝って移動していると、初めて会う人達と出くわす。

 いずれも若い人達ばかりで、見慣れない顔だ。

 他の黒子に教えてもらったおかげで名前と特徴は一致したが、療養もあって会うのは今日が初めてだ。

 

 「君がナナシ連中を、傷を負いながらも倒した事は耳にした。よくやってくれた!!我々も負けていられんな」

 

 「イチゴ君、だったっけ……思ったより若いのに大変ね」

 

 「ご苦労さん、戦うのは俺達に任せなよ」

 

 「んーと、これからよろしくな」

 

 軽く自己紹介をしてもらった。

 

 「それで皆さんは何を?」

 

 「モヂカラの練習だ、この紙に各々が受け継いできた文字を書いてだな………あ、殿ぉ!!おはようございます!!」

 

 丈瑠が現れた。

 

 「じゃあ始めるか」

 

 「はい!!」

 

 そしてイチゴは頭巾を被って、彼らの修行を見守った。

 

 「わっ」

 

 流ノ介の書く水の文字が紙を濡らし、ことはの書く土のパラパラとしたものがサーッと流れて土煙となる。

 茉子は風の塊……台風のミニチュアのようなものができていた。

 千明は……

 

 「あれ?っかしーな……」

 

 失敗しているようだ、書いた木の文字からは何も、出ない。

 しかし何か違和感がある……書き方……もっと言えば、書き順……思わず、頭巾を外して呟いた。

 

 「書き順……」

 

 「……………………………………」

 

 「おい」

 

 丈瑠はイチゴに指示を出す。

 

 「漢字練習帳を持ってこい」

 

 イチゴはそれを聞き、すぐに飛び出した。

 

 「役に立たない奴は必要ないからな」

 

 「なにぃ!?」

 

 そのまま、丈瑠と千明の睨み合いが始まる……

 

 数分は経ったまま時間が経過していったが……

 

 「持ってきました」

 

 しば たける いちねんせい

 

 とイチゴが書いてある物を持ってきたのだ。

 彦馬があちゃーと額を手で押さえ、丈瑠はすぐさま、イチゴの持っているそれを奪い、ショドウフォンで穴と書いた後にできた空間に勢い良く放り投げた。

 

 「あれしかないのか?」

 

 イチゴは頭巾を外して答えた。

 

 「はい」

 

 「新しいのを買ってこい」

 

 イチゴは頷き、格好の付かなさで一人隅っこでほくそ笑む千明に近づいた。

 

 「これから覚えよう、それしかない」

 

 「うるせえなあ……………ちょっとお前書いてみろよ」

 

 「………………………」

 

 イチゴは千明のショドウフォンを借り、試しに氷と書いてみた。

 空を切るばかりで、丈瑠がよくやるように文字が浮かび上がらなかった。

 

 「やっぱダメか……」

 

 千明は落ち込み気味に肩を落とす。

 

 「千明もモヂカラが無い人間が書けばこうなると分かったろう?ほれ、キリキリ練習せんか」

 

 「へーいへい」

 

 「なんだその返事は!?」

 

 彦馬は怒り、千明をどやそうとする。それを見て千明はすぐさま逃げ出した。

 

 ~三途の川~

 

 今日も薄皮太夫の三味線が六門船に妖しく響く。この音色を気に入っている血祭ドウコクは地上へと足を踏み入れられない憂さが多少癒え、健やかに眠れるのだ。

 

 「ん……おお………」

 

 「おお、ドウコク……おはようさん。朗報だよ」

 

 「んあ……なんだ……俺様ぁ起き抜けに喉渇いたんだ、酒飲んでっからそれで良いなら続けな、シタリ」

 

 体中の水分をそれで満たすかの勢いで、ドウコクは酒をかっくらう。

 

 「そうさねえ……過去の記録を覗いてみたんだ、するとさ、人間界で何か戦乱とか災害とか、何かしらの不幸が起こると三途の川の水が増える傾向にあるみたいな事が書いてあったんだ……最近だと人間界で牙鬼(なにかし)が暴れまくった時とか、幕末?云々で、妖巫女(あやかしみこ)ってのが死んでからあたしどもみたいな奴らが特定の地域で暴れまくったりとか……それ以前の日照りと飢饉、水害とか……色々あるね」

 

 とにかく、人や生き物を不幸な目に遭わせると三途の川の水が増す…ようだ

 

 「三途の川の水が満ちれば、人間界も沈められて、あたし等も気兼ねなく活動できるさね」

 

 「ほう…………そいつぁ良い情報だ……よし、俺達が災害(それ)になるのも悪かぁねえなぁ……オオツムジ!!」

 

 「は!!」

 

 ムカデが纏わりついたような怪人が現れた。

 

 「人間界に行って、恐怖の悲鳴を上げさせてこい!!」

 

 「よーし!!」

 

 オオツムジは六門船から三途の川にダイブするように飛び出した。

 

 舞台は市街地に戻る。

 

 イチゴは漢字練習帳を買うために外へ出る準備をしていた。

 するとことはが近づいてきた。

 

 「イチゴ……で良かった?うち、剣の練習がしたいんねんけど、でも都会に出るの初めてやし」

 

 そんなもの、いつも稽古をする場所で良いじゃないかと思いかけたが

 

 「………………いつもの所じゃ……ダメか………」

 

 秘密の特訓というものは、いつもする場所じゃダメなのだ。

 

 「じゃあ……」

 

 色々な所をうろついて案内する。

 

 「ここなら良いんじゃない?」

 

 公園というには木々が生い茂っているが、今は人が使って遊ぶ時間帯じゃない。

 

 「ありがとうな」

 

 ことはが木刀で練習を始めた、いわゆる業務用のスマホという奴で丈瑠と連絡をとる。

 

 「殿様」

 

 『どうした』

 

 「かくかくしかじか……」

 

 『分かった、ことはが迷わないように残れ。練習帳は後でも買えるだろう』

 

 「了解、では失礼します」

 

 イチゴは報告を終え、電話を切った。

 

 「……………」

 

 しばらく彼女の稽古を見る事にした。

 

 「なんでそんなに必死なの?」

 

 イチゴは不意に、疑問を呟いた。腹違いの妹と重なってしまうような、手足もまだ伸びしろのありそうな年頃の女の子が何故そんなに必死に練習するのか……?必死になって練習する事自体に否定するべき要素はないが、鬼気迫るというか少し勢いが強すぎる。

 

 「(木刀で素振りしながら)うち、シンケンジャー(これ)しかできる事ないねん……勉強も、家の仕事も苦手やし……笛吹くのは得意ねんけど、人に聞かせるようなもんやないし……でも、初めてシンケンジャーになって外道衆倒した時な……思った。うちでもできる事はあったんや、人様の役に立てたんやって。それまでうち、シンケンジャーやれるかどうか分からんかった。本当はな、うちのお姉ちゃんがシンケンイエローやる事になってんねん、でも病気でできひんくなって、代わりにやる事になって……できる事の少ないうちに務まるんか不安やった……だから、シンケンジャー頑張りたいねん、殿様とも一緒に」

 

 「そう」

 

 すごいと思った、そんなに淀みなく自分の運命を突き進める事が

 イチゴなりに感じ入っているとガサゴソと、遠くから音がした。

 

 見てみると、丈瑠とことは以外の侍達全員がいた。

 

 「皆さん?どうしてここに……?」

 

 「実は……」

 

 なんと、丈瑠に連絡するのと入れ違いで流ノ介達がことはが急にいなくなったと思って探しだしていたのであった。そこでイチゴが報告した際、丈瑠伝いで流ノ介達に伝わったようだ。

 

 「本当はよ……ことはが練習きつくなって逃げ出したんじゃないかって不安なっててさ、実際そんな事なかった訳だけど(小声)」

 

 「……それよりもだ、なんと、なんと……立派な…………」

 

 流ノ介は現場を見て……感動のあまり泣き出しそうになっていた。

 茉子もことはを抱きしめ、よしよしと頭を撫でる。

 

 「ここまで洗脳されてんのかわいそすぎんだろ、ほい……ちょっと冷めてるけど」

 

 千明はことはにおでんを渡す。

 

 「グス…………ことはの健気さを、千明も見習った方が良いぞ、なあ……イチゴ君」

 

 「…………ああ、うん……」

 

 ちょっと千明寄りの考えになってしまうイチゴには、答えづらい部分があった。

 

 「なんだか要領を得ない返事だな…………」

 

 「侍の心構え云々とかこいつに聞くのは酷じゃね?俺達ぐらいの若い黒子ちゃんだったし………ずっと仕えてきました的な黒子の家系とかなら別だけど、イチゴだったっけ?その辺どうよ」

 

 「あ……それ私も聞きたい」

 

 茉子も話に加わってきたので、大多数が聞きたそうにしていると思い、話す事にした。

 

 「まあ確かに侍の事をあまり知ってる訳じゃないよ……そういう家系には産まれてないし」

 

 イチゴの祖父、祖母は孫がたくさんいるとはいえまだまだ現役の漫画家とアトリエの社長、父親は他の星の王様、母親はその星の宮廷のコックといった所だ。

 その事を話すと、千明の目の色が変わった。え……マジかよと目が訴えていた。

 

 「(……何か勘づいたか?)」

 

 「じゃあ何故君は黒子に?」

 

 「家出してた時に拾ってもらったんだ、彦馬さんに……それ以来雇ってもらってる、一応高校卒業はしてたし問題はないはずだよ」

 

 「そうか…………嫌、それでは親御様が心配してらっしゃるのでは?」

 

 「ま……まあ、家族っつっても色々あるしよ、そのぐらいにしとこうぜ………なあ」

 

 「…………そうね」

 

 「あ…………ああ………」

 

 千明と茉子に言いくるめられ、流ノ介は釈然としない顔のまま。

 

 「もう……戻ろう、それとありがとな。探してくれて」

 

 「当然!!俺達ゃ一緒に外道衆倒す仲間だしよ……丈瑠がなんていうか分かんねーけど」

 

 「呼び捨てにするなせめて殿と呼べ」

 

 すぐに志葉の屋敷に戻れという通達が出てきた。

 戻ると他の黒子が侍達を送るよう戦いの準備をしている。

 隙間センサーが反応したそうだ。

 それは外道衆が人間界に干渉してきた事を意味する。

 

 「深入りはするなよ、いいな」

 

 現地へ運ぶ籠に入る直前に丈瑠はイチゴにそう言った。

 そこまで心配されるいわれはないと思ったが、イチゴは頷いた。

 とりあえず……サポートのために現場に向かう。サポートに留めれば問題はない……その時イチゴはそう思っていた。

 

 ~住宅街~

 

 そこには、ムカデが纏わりついたような怪人が。

 得物は鎌のような刃が1、2、3……とにかくたくさんついた大剣だ。

 素直に鎌と呼べればありがたいが柄の部分が鎌と呼ぶには短すぎる。両手で握ればそれだけで埋まりそうだ。

 言うまでもなく、殺傷力は高いだろう。

 

 「じっくりと追い詰めろ……一気に殺さず、いたぶって恐怖を引きずり出してやるのだ!!」

 

 その破壊活動は、廃墟を生み出すレベルにまで及ぶ……

 

 「この武器はなあ……そのためにあるんだよ」

 

 人間達に向かってオオツムジは武器を振り回す。

 鎌の刃がたくさんある影響か、空気が乱れ風の刃が飛び出し……辺りの人間達を傷つける。

 

 「怖いか、怖いよなぁ……もっとわめけ、もっとだ、もっと、もっと泣き叫べー!!」

 

 その時……

 ホラ貝と太鼓が鳴り響く、これも黒子の仕事なのだ。

 

 「そこまでだ、外道衆」

 

 「ああああん?」

 

 ~例のBGM~

 

 「ショドウフォン!!」

 

 「「「「「一筆奏上!!」」」」」

 

 「破ぁ!!」

 

 ショドウフォンで文字を書きそれを反転させ、各々のモヂカラによって形成させたスーツに身を包み、5人はシンケンジャーとなる。

 

 「シンケンレッド、志葉丈瑠」

 

 「同じくブルー、池波流ノ介」

 

 「同じくピンク、白石茉子」

 

 「同じくグリーン、谷千明」

 

 「同じくイエロー、花織ことは」

 

 「天下御免の侍戦隊」

 

 全員「シンケンジャー、参る!!」

 

 「出たなシンケンジャー、来い」

 

 ナナシ連中もぞろぞろと出て、皆それぞれ、戦い始めた。

 流石というべきか、一分もしない内にナナシ連中は倒れていく。

 そろそろオオツムジの番になってきた……

 

 「ランドスライサー!!」

 

 シンケンイエローが専用武器を投げようとした時………

 

 「きゃ」

 

 そこらの瓦礫がシンケンイエローの足に当たり、こけた。

 

 「あ」

 

 ランドスライサーはうまく飛ばずにシンケンレッドまで飛んでいく……

 

 「殿様!?」

 

 シンケンレッドは突如殺気を感じ、シンケンマルを構えて、ランドスライサーを弾き返してしまった。

 

 「ん?」

 

 ランドスライサーが地面に激突し、シンケンレッドは近かったのと落としてしまったのとでそれを拾おうとした時だった

 

 「隙を見せたな?」

 

 オオツムジはレッド目掛けて風圧による真空の刃で攻撃をした。

 シンケンピンクにも似たような事ができそうだが、彼女にはない荒々しさが詰まっているその技は危険に溢れていた。

 

 「!?」

 

 4人は、シンケンレッドの前に出る。

 

 「く!?」

 

 「ぐはぁ!?」

 

 そして変身を解除させられた、それだけのダメージを負わせられたという事か?

 

 「!!」

 

 顔と声には出せないだろうが、おそらく丈瑠は焦っているように見えた。

 

 「……………カイ、来い!!」

 

 『ロボ使いが荒いですね』

 

 カイ・バトル形態(フォーム)!!

 

 イチゴはカイを纏って、シンケンジャーの前に姿を現した。

 

 「何しにきた!?」

 

 シンケンレッドの、丈瑠の叱声が聞こえてきた。

 

 「戦えると思うなって言った筈だ!!」

 

 「でも、見てるだけって訳には!!」

 

 イチゴは徒手空拳ぐらいなら、父親の妻の一人のおかげで多少の覚えはある……剣は振り回すレベルだが。

 それでも、イチゴより遥かに人に必要とされている彼らのピンチは見ていられない。

 

 「たぁ、はぁ!!」

 

 オオツムジに数発攻撃。

 

 「ほう……」

 

 オオツムジは武器を振るう、真空の刃が吹き荒れだす。

 

 「行こう、カイ!!」

 

 翼の機能を使って加速し、上空に飛んで避けた。

 

 「せや!!」

 

 万能工具(ツール)を変形させ、剣にしてオオツムジに攻撃。

 

 「甘い!!」

 

 オオツムジは武器の鎌の刃がたくさんある部分でイチゴの攻撃を受け止めた。鎌による突起がたくさんあるせいで攻撃範囲も広く、防御もできるのか?

 

 「…………」

 

 ほぼほぼ素人が戦っているのだ、いささか頼りないかもしれないがあの4人が態勢を立て直すまで保てばいいとイチゴは思っていた。

 

 「そこだ!!」

 

 カイを纏った状態で一発、ぶん殴ろうとした…………がしかし

 

 「……………?」

 

 何か、力が抜けていくような感覚がした。

 

 『あ、充電切れです』

 

 コスチューム・ロボットのカイは、充電が切れると脱げるそうだ。

 

 「………………は?」

 

 『ウィング使ってバッテリーの調子が狂いました』

 

 驚きを隠せなかったが、時間が経つほど溶けるようにカイが脱げていくのでそうも言ってられなくなった。

 

 「………………クッ」

 

 カイが全部脱げて無防備になった。両腕で受け身を取っても、オオツムジの攻撃は防ぎきれない。

 

 「威勢の良さもそこまでか……消えろ」

 

 オオツムジは、武器をイチゴ目掛けて振り下ろす。

 

 「うぉぉ!!」

 

 シンケンレッドは、イチゴとオオツムジの間に入り、オオツムジを攻撃する。

 

 「……………………」

 

 「さっきカイ纏ってた時に見つけたんですが」

 

 人がいる事を伝えた。

 

 「………………分かった、行け」

 

 いつもより機嫌の悪そうな丈瑠から放たれる言葉、そこには何かしらの重みがあった。

 

 「ハッ」

 

 イチゴは、がれきに向かってダッシュした。

 

 「お前達、立てるな?立てるなら、立て!!言った筈だ、外道衆を倒すか、負けて死ぬかって」

 

 4人はシンケンレッドの発言を受け、立ち上がろうとした。

 

 立ち上がろうとして、もう一度崩れ落ちることは。

 

 「ことは!!」

 

 自分のミスだと思ったのか、ことはは他の3人より一歩前に出ていた。そのせいかダメージを割高でくらったのだろう……

 流ノ介達はことはに駆け寄る。

 

 「ほっとけ!!ここで参る奴が、この先やっていけるとは思えないからな」

 

 「見捨てろってのかよ!!」

 

 「しかし、ことはは一生懸命に頑張っていました!!」

 

 「一生懸命だけで、侍が務まるもんか!!」

 

 「!!」

 

 シンケンレッドは、流ノ介の言葉を一蹴し、オオツムジに向かう。

 

 「あんな……あんな………」

 

 「黙って聞いてりゃ偉っそうに言いやがって」

 

 「言われた通り、ほっときましょう……ただし、ほっとくのは丈瑠の方」

 

 流ノ介ですら、その囁きに乗っかりかけていた。 

 だが……そんな中、彼を肯定する人間もいた。

 

 「でも、殿様の言う事は正しいわ」

 

 今、一番動けない、シンケンレッドにほうっておくよう言われたことはだった。

 ことはは、皆に注目してもらうようにシンケンレッドを指差す。

 

 「強くなかったら、なんもできひん。」

 

 丈瑠はオオツムジの攻撃を、イチゴとイチゴが助けようとしている子供に当たらないように捌いていた。

 

 「ここで弱音吐いても外道衆は止まってくれん、そのためにうちらがいる。そんなうちらが音ぇ上げてたら誰かを守ろう、役に立とうなんて、夢のまた夢や」

 

 「あいつ……そういう事かよ」

 

 「侍たる者に下手な馴れ合いは不要か、突き進むべき使命は外道衆を倒す事にある……そういう事ですか?殿ォ!!」

 

 「そして人々を守る……ことは、やれる?」

 

 「うん!!」

 

 「行こう、皆!!」

 

 4人は、再びシンケンジャーに変身する。

 

 「………………………………お前達、やれるんだな?」

 

 全員肯定し、イチゴも子供を連れて走り去った。

 

 「なら、タイミングを合わせろ!!」

 

 各々、モヂカラをシンケンマルに纏わせ……一斉に飛びかかる。

 

 「シンケンマル、螺旋の太刀!!」

 

 レッドから順に、シンケンマルでオオツムジを連続で切り裂く。

 

 「ぐわー!!」

 

 オオツムジは爆発四散した。

 一つ目の命、終了……

 

 ~一方その頃~

 

 「ガヤ、ガヤ」

 

 ナナシ連中の一体は、少女に近づいて、接触しようとしていた。少女は顔を隠しているが、仰々しい兜のせいか否応なく目立つ。

 

 「………………そこ、どいてくださいませんか?」

 

 「グワ?」

 

 ナナシは少女に向かって武器を振り下ろそうとした。

 

 「武器を振り回して何かしようとする相手なら遠慮はいりませんね」

 

 少女は、ナナシ連中に一発の殴打をお見舞いする。

 

 「私は、力はお姉様、お母様に及びません。メカを作る力はお母様の方が凄くて、友達を作る力は伯母様方に従姉妹殿の方が上です。ですが、それでも、私の中にもお爺様……ギド・ルシオン・デビルークの血が流れています。その血に誓って、あなた方に負けはしません!!」

 

 ナナシは、自分の背に届かないはずの小娘に倒された事に納得いかないまま、吹っ飛ばされ、爆発した。

 

 「もっとも、ローカルな化け物っぽいあなた方はお爺様の凄さなんて聞く事もないでしょうから……これだけは一つ、私の百倍は強いです」

 

 お見事と拍手する黒子が目に入ると、少女はその黒子に近づいた。

 

 「黒子さん、黒子さん」

 

 「私をあなたの主の住む屋敷に連れてってもらえませんか?」

 

 「………………(迷子?と聞くジェスチャー)」

 

 「オッホン、もう一度言います。あなたの主の住む屋敷に連れて行ってもらえませんか?探している人がいるのです」

 

 黒子は、少女の頼みを聞いて、屋敷まで案内した。

 

 入れ違いでうろうろする人あり、少女の星の王室親衛隊隊長、ザスティンである。

 

 「……………ノノ様はここではないのか?彦馬殿の所に戻るか………ええい、邪魔だ!!」

 

 ザスティンは手持ちの武器、イマジンソードの一振りで、ナナシ連中をなぎ払う。ナナシ連中は一斉に爆発し、その様を見届けるまでもないとザスティンは場を後にする。




いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
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