スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
今回はちょっとバーニングPTっぽい事やったり色々する話です。


第17話 おもちゃ屋へGO!! Aパート

 次の日、子供の送り迎えを済ませたすずの案内のもと、イチゴは美柑達と共におもちゃ屋コウロギに行った。一晩寝たぐらいの時間で、驚く程肌のツヤが増しているすずが少し不気味だった。

 美柑達は少し呆れ気味だったが……

 

 「君がイチゴくんね?とっても刺激的!!」

 

 嬉しそうに出迎えてきたのは露出度の比較的高めな作業着を着た女性、ものづくりに長じた一族、香炉木家の一人らしい。

 〇〇アルとか、〇〇ヨとか、〇〇ネとか言いそうな団子型に丸めたツインテールで、ピンクの髪を見てるとナナを思い出す。

 田舎町一つに対して祓忍の、しかも名のある家が3つあるという事実、まるで「目的があってそうなった」感を感じる。王や巫女がいると説明されたせいか余計にそう思えた。

 

 「ご注文は?」

 

 「最近変な奴らに絡まれてるので護身用に何か欲しいんですけど」

 

 「話は聞いてますよ、朱雀に桃太郎、いずれも王という枠を超えた力を持った方々……戦いに備えて護身用に一つ持っておくのも良いかもしれませんね」

 

 万能工具(ツール)では、そういう戦いに向いてないかもしれない。

 注文としては……

 消耗品じゃないもの

 目立たないもの

 

 「イチゴ君は祓忍でないので、装束での対策は難しい……と、目立たない奴なら……」

 

 指し示してくれたのは、かの土佐弁と北辰一刀流と日本の夜明けで有名なあの人の傍らで動いていた炎魔忍軍の忍者が使っていたとされる、由緒正しい紐らしい。

 

 「国宝級じゃないですか」

 

 「何も知らなければ目立たないかと」

 

 かと言ってそのままではただのおもちゃだ。

 鞭にできる程しなりはせず、細くもない。

 コマ?

 昔ながらのコマに使いそうな……

 

 「まさか……」

 

 イチゴは紐を手に取り、先端を放り投げる。

 恋緒に紐を絡め、回す。

 

 忍法独楽廻し!!

 

 「あ~れ~!!」

 

 「イチゴ様、おやめください」

 

 カウンターで恋緒から投げキッス、ヒカルから羽交い締めをくらう。

 直接だったらどうなっていたのか……

 

 「どっかで見た光景……まあ、まだマシか」

 

 美柑は呆れつつも、値段を確認する。美柑が買ってくれる流れになっていた。

 

 「え?」

 

 億を越える値段のため、美柑はドン引きする。

 

 「高っあの……香炉木さん?これ……人に売る値段じゃ……」

 

 「説明文が本当の事であれば大変歴史的価値の高い逸品ですからね、私もなんでここにあるんだろうって疑問に思います。博物館に寄贈した方が良いのかな」

 

 「イチゴ、別のにしよう。わざわざこれにする必要ないよ」

 

 ちょっと高速過ぎて面白かったが、脱線しすぎた。

 

 「そうだね」

 

 「普段お使いのものはありますか?」

 

 「これです」

 

 万能工具(ツール)を恋緒に見せた。

 

 「これを加工するだけならこのぐらいお安くできるのですが……」

 

 ロボットのおもちゃを1体買うより安いような値段となった。

 

 「あ、これなら……イチゴ、これにする?」

 

 「うん」

 

 「ヒカル、これ買えない額ではないと思うのですが」

 

 ノノは、紐を指さして言う。

 

 「業物ならまだしも、あの紐を我が家か王様の財産を使ってまで買うメリットないですよ、ノノ様」

 

 「うーん、では仕方ありませんね……」

 

 「おや、何を悩んでるんだい?」

 

 巫女の衣装を着た女性を連れた若い男が一人、話し掛けてきた。芸術系の人だとなんとなく分かるようなベレー帽と作務衣が、ミスマッチを思わせる。

 

 「誰?」

 

 「歌川画楽っていう……有名な絵師だよ」

 

 「展覧会、あの御方個人のために開いてるぐらいだ」

 

 美柑とヒカルの説明により、記憶の底にあるものをうっすらと思い出した。

 

 「ああ……じいちゃんの家に飾ってあった絵の、て……若っ」

 

 目の前の男はどう高く見積もっても20代後半がせいぜい、昔イチゴがニュースで見た時と見た目が一切何も変わってない。

 

 「……ひょっとして妖?」

 

 「ちょっと、イチゴ……」

 

 美柑に服の裾を引っ張られる、確かに慣れ親しんでいるとはいえすぐ妖怪扱いは言いがかりになるのかもしれない。

 

 「寿命の長い宇宙人かもしれないじゃないですか」

 

 「ヒカル君そっちじゃないから」

 

 「そろそろ付け髭でもしとかないと怪しまれるかな〜」

 

 肯定とも、否定ともとれない……が、違うのならはっきり違うと言うだろうに言わないのは、言外に肯定していると受け取れる。

 

 「それはさておき、君には僕が渡した村正があるじゃないか」

 

 「村正?」

 

 イチゴが首を傾げていると、ヒカルが説明を始めた。

 

 「妖刀の一種です、まあそう呼ばれる前はすごいブランドみたいな立ち位置で、斬れ味、強度、どれをとっても非の打ち所のない性能の高さにて実戦で愛用されてきたのですが、刃の威容、そして何かと徳川にまつわる凶事に関わってきたとかで、災いをもたらす刀と謳われるようになったとか」

 

 「お、詳しいね〜〜〜」

 

 「祖父に影響され、覚えました」

 

 「そんな経緯もありますので、幕府の息のかかった私達では取り扱ってないですね」

 

 「まあとにかく、出そうと思えば出せる筈だ」

 

 持ち主の妖力に感応し、自由に出し入れ可能。

 稀代の天才絵師と謳われた歌川画楽は、書き上げたものをついには紙面という枠組みを越え、創造するに至ったと示す事のできる傑作。

 

 「絵を描きあってボルテージが上がった状態だったから描けたのさ、いわゆる黒閃を放った後みたいなね」

 

 絵を描きあう……やはりそんな事をした覚えはない。

 

 「あの……」

 

 美柑は手を上げた。

 

 「それって本当にイチゴですか?」

 

 「おかしいな〜イチゴ君のドッペルゲンガーみたいなのがもうとっくにそちらに行ったものと……」

 

 「私の施した結界内にはいませんでしたよ」

 

 「なるほどね〜〜〜」

 

 歌川は、当のイチゴ達をよそに全てを知り一人納得したように頷く。

 

 「人違いだった、すまない」

 

 「いえいえ」

 

 「(やはり……イチゴ様と同じ姿の輩がいたんだ)」

 

 「うわ、本当に同じ顔だ」

 

 巫女の衣装を着た女性は、イチゴに顔をずいと近づけた。

 

 「あのー、近いんですけど」

 

 「紹介が遅れたかな、助手の命依だよ」

 

 歌川から紹介を受けるも、端正な顔のその下から感じる圧の方が気になってしまう。そこはかとなく感じる圧迫感、目を瞑っていても存在感を拭いきれない。少々離れてもらいたい。

 

 「イチゴ、どこ見てるの?」

 

 「え?嫌……」

 

 特に何も無いが、あたふたしてしまう。

 

 「(イチゴはああいうのが好みなんだ、ふ~ん)」

 

 美柑からの怪しい視線を感じ、すぐに距離を取った。

 

 「ところで、イチゴくんのそっくりさんに村正を与えた理由は?」

 

 本当なら、得体の知れない相手に、力を与えた事になる。

 

 「あはは……絵の挑戦を受けるなんて何十年振りだったからかな、嬉しくてついね〜〜〜」

 

 「なるほど……」

 

 ヒカルは、どこからか紙と鉛筆を持ち出した。

 

 「そういう挑戦はいつでも受け付けるのか……ハーッハッハッハッハ!!ならば、貴方をギャフンと言わせ、美術キングの称号をいただくとしよう!!」

 

 「いいとも!!」

 

 ヒカルが歌川に絵画で勝負という無謀な勝負を挑んでいるところ、恋緒は話を続けた。

 

 「今日、歌川さん達にも来てもらったのは他でもありません」

 

 「ああ……そうだったね、書きながら聞くから続けて」

 

 前回出現した謎のロボットの解析が終わったらしい。

 胴体の部分はいつの間にか消えていたが、イチゴが腕を切り飛ばした事で、調べる事ができたそうだ。

 

 「結果はそうですね……あれはオモカゲです、しかもダイダラボッチみたいに大きく調整してある訳でもないからリソースも少なくて済むようです」

 

 「なるほど」

 

 「オモカゲ…………って何?」

 

 美柑は質問した。

 早い話が、分身だそうだ。それも影分身に近い。

 

 「問題は、魄力の解析結果です。すずさんと同じ反応、つまり妖巫女の力が使われている可能性が極めて高いと判明しました」

 

 その言葉に、すずが一番驚いた。

 

 「え?私あんなもの出した覚えないよ?」

 

 「そうですね、確かに他の力もブレンドされていました、でも間違いなくすずさんと同じような魄力の波動がそこにがあったんですよね」

 

 「そうなんだ……」

 

 「ていうかこのロボット、私この前も見たよ……ねえ、画楽君」

 

 「そうだね、あれは召喚するものらしいね」

 

 「誰かが呼んでたんですか?」

 

 「十六夜九衛門と自分で名乗っていたよ」

 

 その言葉で恋緒が驚いていた。

 

 「十六夜九衛門……」

 

 マンガの知識レベルでは知っている、祓忍の名門、伊賀崎家に弟子入りし、その後出奔した奴だそうだ。

 聞くところによると、当時の伊賀崎家の後継ぎと比べて出来がよく……と言えば語弊があるが忍者としての才能に溢れ、彼を知る誰もが将来の活躍を信じて疑わなかったとか。

 

 「話は聞いています、十六夜九衛門……今は伊賀崎家改めニンニンジャーと敵対しているとか」

 

 シンケンジャーみたいな名称に聞こえる……流行っているのだろうか?

 

 「さらに彼は自身の身を人でないものへと換えていたみたいだ」

 

 「接触があったならどうして言ってくれなかったんですか?」

 

 「忙しかったからね〜〜〜色々と」

 

 「すず、後で見せたいものがあるんだけど」

 

 「うん、分かった」

 

 すずと命依が会話している所を見ると、造形に微妙な差異がある筈なのに、双子の姉妹を見ている気分になる。

 

 「私、その九衛門って人に会いに行く」

 

 待ってくださいと恋緒は引き止めた。

 

 「すずさんは妖の王ですから、自分の領地でどっしり構えておくのが良いと思います」

 

 「そっか」

 

 妖の王……桃太郎の顔を思い出す。

 

 『ワーハッハッハ!!』

 

 傍若無人さ、思わず引っ張られそうなカリスマ性……The・王様というイメージがある。すずには悪いが、王様感は向こうが上だ。

 

 「長期戦を想定するとなると、ああいうロボットを相手にするには火力が足りませんね……イチゴくん、お願いがあります」

 

 「はい」

 

 「そういう訳です。ニンニンジャーの元へ赴き、この件の報連相、可能ならば彼らをサポートしてください」

 

 「そんな重要そうな………外部の人間であるイチゴ様に頼む理由は?」

 

 ヒカルは猫の絵を描きながら、会話には参加していたようだ。

 

 「ロボットを自前で持っている点……私達祓忍はその手のロボットは未だ開発途中でありまして……旋風神などあるにはあるのですが組織的なものではなく個人個人の所有になってですね……」

 

 「なるほど、猫の手も借りたいと……猫、描けました」

 

 「どれどれ……脚の伸びがもう少しかな〜〜〜」

 

 「後イチゴくんは我々の関係者ですよ」

 

 「どういう事?イチゴ」

 

 「お母様には申し訳ないのですが、イチゴくんの預かり先は祓忍が担当しておりまして」

 

 「え、そうなの?」

 

 美柑は雷が落ちるほど驚いた。

 

 「らしいね」

 

 オカルト関連に適正の高いイチゴが、目を付けられたという事になる。だが週1で血を取られたり、体力測定とか何かしら調べられたり、苦いものを飲まされたり、後継者の技のサンドバッグになったりぐらいしか、らしい事はしていない。ナナシ連中に深手を負わされた時点で何も身に付いていない事になるか……

 その家の後継者に優しくしてもらっても相手は忍者である、演技かもしれないという先入観でいつまでも心を開けず、検査の一環で飼育された黒い人魂の群れに連れてかれ、放置された事をきっかけに出ていってそれっきりになる。

 

 「そんな事が…………」

 

 「え!?ああ……それはこちらの認識不足で……精査しますのでちょっと待っててください」

 

 「まあ忍者だし、後遺症残ってないだけマシなんじゃない?」

 

 怪異専門とはいえ、忍者は忍者……きな臭い事案があってもそういうものと受けとめるしかない。

 

 「まずどうしてお兄様がどこぞへ預けられなきゃいけないのですか?(小声)」

 

 「色々あったんですよ色々(小声)」

 

 「あー、今の話が本当であれば先程の話は忘れていただいても……」

 

 「イチゴ……どうする?」

 

 ただイチゴには、魅力的な選択肢だった。少なくとも美柑達と今日のように行動を共にするよりは……

 

 「オレ……いくよ」

 

 イチゴがそう言うと、すずが苦言を呈してきた。

 

 「イチゴ君……ダメだよ。確かに君はあいつ等を相手にできるぐらい強かった、でも苦戦してたじゃん、そんなんで行ってたらお母さんが心配するよ」

 

 「すずさん、ありがとう……」

 

 美柑が下を向いている。

 不安だろうか?何が不安なのだろうか?望みを叶え、みんなそれを受け入れざるを得ない状況にあるというのに……そこから先を考えると、頭が痛くなる。

 

 「母さん、ごめん……でも、無理しない範囲でオレを必要としてくれるなら……それをやり遂げたいんだ」

 

 シンケンジャーの黒子でいる時、危険かそうでないかの線引はできている……小狼(シャオラン)達が来た時ぐらいにやっとではあるが。

 

 「了解しました。イチゴくんがそう言うのであれば……では、ちょっとテストを行いますね……」

 

 ショッピングモールのゲームセンターで見かけるような、ゲームマシンがある。

 

 「これをこうして…………どうぞ〜」

 

 恋緒があれこれスイッチを押すと、画面が変化していき……

 絡繰機人・測型が複数出現した。

 金属製の光沢を持つずんぐりしたロボットが出てきた。

 メタリックな下駄を見ていると移動しにくそうに見える。カイの方がモチモチして動きやすそうだ。

 

 「なんです?これ」

 

 「私が開発したロボを基にして考案したものです、ですが絡繰木人と比べ必要経費が高く、重要度も低くお蔵入りに……データはできましたのでこのようにシミュレーターで利用できます」

 

 「面白そうですね、後で私がやっても?」

 

 ヒカルが食いついてきた。

 

 「良いですよ」

 

 「チュートリアルにしてもいいですか?」

 

 「あー確かにそうですね……」

 

 カイのように性能が高い訳ではないが、動かし方は画面にいつでも表示してある。これなら動かせそうだ。

 

 武装は…………

 

 格闘

 手裏剣

 ロケットパンチ

 

 格闘は言わずもがな、殴る。

 手裏剣は腹部にあるものを射出するようだ。

 ロケットパンチはワイヤー式で動かすようで、隙ができるがボタン長押しで元に戻るらしい。バネで跳ねないだけマシか……

 

 「だいたい分かりました、いきます」

 

 「よーい、はじめ!!」

 

 画面でも始まりの合図を告げる。

 ほぼゲームをやっている気分だ。




 いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
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