スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
僕達は嘘つきその2
「アイドル……それは民の希望……民の視線を一身に集めるもの……即ち、聖王たる余のオンステージである!!」
「来たか……愛に生き、愛に散る王、ユーサー・インサラウム……だが君がアイドルを語るには、少々眩しすぎやしないかい?」
「………………言う程だろうか?」
「少なくとも、役割を終えた後ですら民は君を愛してくれるだろう……」
「そうか……だがそうなるであろう私は、嘘をつかなければいなかった……まだまだ、心はあの時の意気地なしが抜けきれていない」
「そんな君に、会わせたい人がいるんだ(拍手)……さあ、出番だよ」
「我こそはマルグリット・ピステール!!」
「シュバル・レプテールゥゥゥ!!推参!!」
「……!!マルグ……シュバル、どうした?」
「殿下、化粧で傷を誤魔化そうとしている時にアイドルなぞしている場合ではありません……実力行使でアンブローン様に診てもらいます」
「やめろ!!マルグ……私は民のために立たねばならな……あ~れ~」
「殿下ァァァア!!今はおやすみをぉぉぉおお!!この不肖シュバル・レプテール、あやつの下培った嘘で、陛下の大願の、橋渡しを勤め上げますゥゥゥ!!」
「真偽も欺けない嘘、それしか吐けない者には厳しい世界だ……第一君の顔は一般受けしないじゃないか」
1.・仇討ちのため、祖国の仇に取り入ろうとするも本音がだだ漏れ。
2.・筋骨隆々で猛々しい感じではあるも、それ故に人を選ぶ。
3・なんなら弟子の方がモテる。
「確かになァァァァァァァァァア!!」
本編、開始……
〜武道館 内部〜
だが……楽しい時間は、唐突に終わりを告げる。
「!!」
叫び声を聞き、会場内がざわめく。
通路を通って、怪人が現れた……!!
「いよう、弱い人間のみんな」
黒ずんだ肉体に、鏡のように滑らかで鋭そうな破片が、至るところに刺さっている……一目で近づくのが危険に思えた。
ザワ……ザワ……
最初の数秒は、良くできた仮装とか、何かのサプライズなどの憶測の声が大きく……しかし、向こうが地面を叩き、ヒビ割れした瞬間それらは消え去り、悲鳴に変わる。
「外道衆!?」
ファンの一人が、外道衆のアヤカシに話しかける。
「御宅はアイに何か用で?」
「アイを亡き者にする、そうすればファン達の悲しみと嘆きで水を大量に増やせるって寸法さ!!」
外道衆は、そう言ってファンに向かって己の拳を振り回す。
「ギャー!!」
そのファンは、一目散に逃げていった。
当たってはいないので怪我の心配はしなくて良さそうなのが不幸中の幸いだが。
「警備員はどうした!?」
「ああん?ほらよ」
外道衆の鏡に、倒れた警備員の姿が映っていた。
「ああ……倒れてる!?」
悲鳴が混じり、周りが何を言っているのか分からなくなってきたが、外道衆の言っている事は聞き取れた。
「アイ、今からこのカガミツキが貴様の命をもらう!!」
カガミツキと名乗るアヤカシは、アイに宣戦布告して、迫ろうとしている。
「させない!!」
人がたくさんいる、緋炎を抜いていられない。
そう思った小狼は、観客席から飛び降り、まずナナシ連中に飛び蹴りをくらわせた。
「何?わざわざ生身の人間が来るのか!?構わん、やれ!!」
「ガヤー!!」
「俺も行くぞ!!」
黒鋼も加勢しようと息巻く。
「その前に避難誘導だね……はーい、こっちだよ~」
「皆さん、逃げてください!!」
「ちっ仕方ねえな……こっちだ!!」
黒鋼は多少乗り気ではないが、周囲に避難の案内をした。
『はーい、ファンのみんな〜〜〜!!慌てないで安全を確保してね〜〜〜!!』
「みんな、アイの言う通りだ……安全に帰るぞ」
アイドルの呼びかけのおかげで、狭い通路、密集した場所でも案外スムーズに避難が進んでいく。
「人間にしてはやるじゃないか」
その間にナナシ連中は全員
トドメをさせてはいないが、しばらくは戦えない筈だ。
アイ、そして
「
突然の外道衆の襲来によって混乱に陥った警備員達の手を借り、丈瑠達は会場の中にすんなり入る事はできた、だが会場周りと会場内のド真ん中ではたどり着く時間にどうしても差ができる。
「いえ、戦いはこれからです」
「なら引け……毒を出してくるような奴もいる以上、何をするか分からん」
「…………分かりました」
狙いはおそらくアイ……
とアイに注視していたら、倒したはずのナナシ連中に攻撃されそうになる。
「しまっ」
「ハッ」
茉子の掛け声と共に、ナナシ連中は斬られた。
「皆さん!!」
「待たせたな」
「遅れてごめんな、
「我々もいるぞ」
他のシンケンジャー達も到着した。
「観念しろ……外道衆」
「待て!!」
手を伸ばし、遮った。
「アイドルのいる空間って、暑……水切れがここまで早いとは」
確かに、アイと巨大なロボだけいる筈のこの場に注ぐ天井の光、アイの熱唱、ファンの声援が集った場で熱気があるせいか……今更ながら額から汗が流れて止まらない事に気づく。
そう言って、カガミツキは水切れで去っていった。
「マジかよ」
戦いになり、怪我も多少覚悟してた分拍子抜けせざるを得ない。
「避難誘導だけか……物足りねえな」
「ですが……無事で済んだのは良い事です」
〜武道館内〜
撤退した後、シンケンジャーと
待っていたのはアイと、一組の男女。
「あの人、かわいいなぁ」
「推してる人のいっぱいいるアイドルだからね……あの人が狙われたんだ」
まず名刺を渡された。
名刺に書いてある名前は斎藤壱護と、妻のミヤコ。
心なしかミヤコから、邪念を向けられている気がする……
『はえ~男前、カワイイ、外国のイケメン、3人とも手足長っ、そしてちょっとチャラいけどむしろ善玉そうなイケメン、影があるけどイケメン、確か家の都合で突如舞台を失踪した歌舞伎役者……下手なアイドルグループよりヤバい集団じゃない……カワイイ子は隣の女の子ががっちりガード固めてるし年齢的にアウトそうだけど、それ以外なら……今まで
と聞こえてくるような何かが透けて見えた。
だが気にせずに
「アイを助けてくれてありがとうー!!嫌本当に感謝してるよ」
ギャグ風に泣きながら
「いえ、いても立ってもいられなかっただけなので」
「嫌……もうちょっと自分を誇って良いと思うぜ?俺が君ぐらいの時は……て今でも怖いよあんなの……」
「シンケンジャーの人達もありがとう!!」
「いえ、外道衆と戦うのは我々の使命ですので」
「そうですか……こんな会場の奥まで、ご苦労さまです」
ドアをノックする音がした。
「社長」
「おう、アクア、入れ」
「失礼します」
社長の声に従い、もう一組……アイにそっくりな男女が入ってきた。どちらも紺色の……別の世界で覚えた、そう、制服……らしきものを着用している。
「あなた達が侍って奴か」
「マ……アイを助けてくれてありがとう」
男の人の方がクールな雰囲気を放ち、女の人の方が逆に話しやすそうだった。
「アクア、ルビイ、怖かったよー!!」
「私も、アイが襲われたって聞いてつらかったよー!!」
「怪我がなくて良かった」
女の人の方が、アイと抱き合う。
「とまあ、そんな感じでアクアとルビイだ」
「シンケンジャーの皆さん……そして」
「
「黒鋼だ」
「オレはファイ」
「サクラです」
「モコナだよ、よろしくな〜」
モコナは全員と握手した。
こんな奴初めて見るなと男は言いつつ付け加える。
「この度はアイを助けていただいてありがとうございます」
頭も下げてきたので、
社長が話すタイミングを待ってられるかとばかりに性急に告げてきた。
「改めてお願いがあります、うちの
「俺達も、そうさせていただければと思っていた所です。あいつを倒すまでの間、しばらくよろしくお願いします」
外道衆はよほどの事がない限り、単独犯が殆ど……今回のアヤカシを倒せば、少なくともアイが率先して狙われる事はなくなるだろうと丈瑠は言った。
「殿様、おれ達にも手伝わせてください」
「……頼む」
「ありがとう……本当に」
八人と一人と一匹はアイの護衛についた。
とはいうものの……改めて何かをする訳ではないので、事情を彦馬に伝える丈瑠を除いてしばらく雑談となった。
「羽根か……知らないな」
「そうですか……」
「落ち込んじゃダメよ、他の所行って探しましょう」
茉子が励ますのを見て、斎藤社長は首を傾げた。
「つーか君達知り合い?」
「ええ……そうですね……」
「私達の先代が世話になった人の縁者という訳でして……」
流ノ介が説明してくれた。
異世界とかそういう話は混乱を招くとかで飛ばす。
「強い訳だなー納得」
「そういえば……社長もイチゴさんなんですね」
「ほう……も……という事はこの俺と同じ名前の奴がいるのか、どんな奴なんだ?イケメンか?」
「あなた……どうなんです?」
ミヤコが興味津々で聞いてきた。
「醜くはねえ……ただ、暗いな……プリン食った時以外ちっとも笑わねえ」
「えー黒さがそれ言うんだ〜〜〜」
「言うんだ〜〜〜」
「うるせえ」
いつもファイに弄られる時より声が小さい。叫んではならない場所だから、大声で叫ばないのか?
「暗い奴か……ガキか、大人か知らねえが、暗いのは良くないな……一日一回は笑わねえと……うちのアクアもなーあんまり笑わねえんだよ」
言われてみれば、確かに普段から無愛想にしてそうな雰囲気があった。
「必要があれば笑うが?」
「無くても笑うの」
「今笑ってよ〜」
「そうよアクア、あなたの笑顔をみんなが待ってるのよ!!」
「無茶振りがすぎるぞ」
「お兄ちゃん、ミヤえもんはともかくせっかくアイが頼んでるのにー!?」
「賑やかやなぁ……」
「しっかし……アクアか……」
黒鋼が呟いた。確かに今まで知り合ってきた中では響きが珍しい、日本とは違う国から来たのか?
「字で書くとこうだよ」
アイが板にペンで書き始めた。
「か、傾奇者もかくやな文字並びだな……」
黒鋼が困惑の表情を見せた。
確かに、文字一つのために大仰な使い方をしている。
「気にするなって、本人が納得してるならそれでいいだろう(小声)」
「お、おう……そうだな」
逆にファイは、褒めちぎった。
「君達の名前って宝石なんだ〜良いね、その名前は君達のお守りになる」
ファイの苗字はフローライト……蛍石という宝石から来ているらしい。
ファイの言葉に、アイが一番照れくさそうだった。
「アイ……落ち着け」
社長がアイを抑えた。
「二人はアイにそっくりですね?」
特にルビーと呼ばれた方は、同性である分アイにそっくりな部分がよく分かる。
「あ、ああ……まあな……こいつ達はアイの弟と妹でよ……3人とも俺とこいつの子供だ」
「そっくりだと、よく言われます」
年の離れた兄弟達……だが……社長とミヤコの面影はない……アイにも社長とミヤコの面影はない。
名付け方のセンスも、アイと宝石では違和感を感じる。
アイの反応からして、名付けたのはおそらくアイ……何故そうするのか?
「終わったぞ」
丈瑠が話に加わるか加わらないかの辺りで、
「てっきり、お二人はアイさんの子供かと思ったのですが」
社長は飲んでいたコーヒーを吹き、ミヤコ、アクア、ルビイは驚いた様子を見せる。
「ハッマズイマズイ」
社長は慌ててコーヒーのかかった机を拭く……そして誤魔化せないと知って肩をすぼめた。
コーヒーを吹かなければ子どもの勘違いで片付ける事ができたかもしれないがもう遅い。
「……マジ?」
「アハハ……バレちゃったか」
「この事は何卒ご内密に……お願いします」
「知られたらいけないんですか?」
「独身で通してるのに子持ちのアイドルだなんて世間に知られたら」
バッシングを受けるに決まっているそうだ。
「何故……」
千明が説明してくれた。
「ほら……彼氏彼女のいる奴をさ、推したって振り向いてくれる可能性ほぼゼロじゃん?虚しくなるらしくてさ……推す気失くすみたい、ひどい時にはそれまで収集してたもん全部ポイしたりさ」
「そんなの、ひどいじゃないですか」
「やめろ、
「お前があれこれ言って解決する問題じゃない……」
異世界から来た人間がそういう、他人の観念などに絡んで良い事はない。特に今、デリケートな部分に直面している。
「そうですね……すみません」
「安心してください……俺達があなた方の秘密を暴露するという事は決して致しません……お前達も、いいな」
「そうだぞ、千明」
「分かってんよ(重すぎて何も言えねえ)」
「そうね」
「アイドルって、大変やなぁ」
「俺……この人達の事が神々しく思えてきた」
「私も」
根掘り葉掘り聞こうとしてくるような人達とばかり接していたせいか、
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
カガミツキの字は鏡+突きでございます。
アイのポジションは……
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ゲッター!!
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俺の歌を聞けぇ!!
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ザフトの歌姫(パフォーマンスが派手な方)
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星野アイは欲張りなんだ(全部)