スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
これから十数行ぐらいスパロボZのネタバレが含まれておりますのでご注意ください。


第11話 輝くイチバンボシ Cパート

 俺達は嘘つきその3

 

 「嘘つきの印の最後の繰り手である僕、アサキム・ドーウィンの番か……乞われたなら、道化でも何でもやり遂げよう」

 

 アドヴェント「確かに君なら存在自体が嘘であり、シュロウガの選んだ偶像であるから良い具合に動けるだろう……新たな役割を見つけた瞬間を見られて真に喜ばしい限りだ」

 

 「僕が……偶像……」

 

 己が何者か……それに目を向けなかった……あるいは向けられなかったから、「知りたがる山羊」があっても応える事はなかったのか……

 

 「もっとも……私が君を推す理由など何もないが」

 

 「アドヴェント……少々、その傲慢な口を閉ざす必要があるな」

 

 「事実しか口にしていないよ、私は……籠の中で利用される事しかできない矮小な小鳥に対してね」

 

 火花が生じる……

 

 「キャ──────みんな、こっち、イケメンが二人、睨み合ってる……イケメン過ぎて顔だけで映えそう!!」

 

 気づけば、女性がたくさん群がってきた。

 

 「ビジュアル系の人かな?」

 

 「光と闇のイケメン……」

 

 女性達が二人を囲み、黄色い叫びを挙げている。

 

 「興が削がれた……決着はまたの機会にしよう(CVミラーナイト)」

 

 「ああ……そうだな(CV我は究極生命体、アブソリューティアンの戦士、アブソリュートタルタロス)」

 

 「声も良い……」

 

 本編開始……

 

 「♪」

 

 社長のスマホから電話がなった……

 

 「え?」

 

 彼はすぐ応対に入る。

 

 「すいません、今ちょっとゴタゴタが……あ……はい、分かりました……」

 

 しばらく、そういう会話を続けた後、社長は電話を終えた。

 

 「無茶言うぜ、全くよー」

 

 聞こえなくなったのを良いことに愚痴を吐いた、次の公演の話だろうか?

 

 「スケジュール厳守だってよ、アイが襲われたっていうのに」

 

 移動とか色々ある。一旦解散し、社長が迎えの車を用意して彼らを迎える事になった。

 侍戦隊とて……四六時中アイドルとべったりという訳にはいかない。半分以上、男なのだから……

 

 「では、気をつけて」

 

 もうすっかり暗くなっていた。ライトなしだとキツい……という程ではないが、あるといい……ぐらい。

 

 「ありがと〜じゃあね〜」

 

 全員帽子を被ったり、アクアはフードを被ったりなどして変装した。

 

 「かけるもの変えっかな……」

 

 「社長はもうサングラス外した方が変装になりやすいと思うが」

 

 「それもそうだ……」

 

 「大丈夫か?俺達…………アイと一緒で」

 

 変装込みとはいえ、それでもアイドルと一緒に行動しているのだ。見つかって問題になったら……

 

 「弟達と一緒に帰る(事にしとく)から、問題ナシ!!(えっへん)」

 

 アイは胸をグーで叩き、大丈夫そうに言った。

 

 「(自信満々なアイかわいい)」

 

 「モコナもついてるから、問題ナシ!!(えっへん)」

 

 モコナもアイの肩に乗って、多分胸の部分をマスコットキャラ特有のよく分からない腕、多分グーで叩いた。

 

 「アイがそう言ってるんだから大丈夫大丈夫…………って、えー!?」

 

 「いつからだ?てかなんでそこにいる……?」

 

 「モコナが〜いた方が良いと思ったから!!」

 

 侍達がモヂカラなるものを用い、モコナを基点にワープする事になったらしい。

 

 「へーじゃあモコちゃんよろしくね〜〜〜」

 

 「おー」

 

 「よし、いこうぜ」

 

 社長が仕切って武道館を出ると、その先でカガミツキが待ち構えていた。

 

 「あら〜」

 

 防衛本能か、アクア達は息をしやすいようにマスクを外した。

 

 「どうやってここに」

 

 「人間とは机にロッカー、自動ドアという素敵なものを作ってくれるからな……隙間探しに事欠かなかったよ」

 

 「サインが欲しいなら並んでね……って聞く訳ないか」

 

 「モコナ……今だ、呼べ」

 

 モコナが口を開け、力を溜めるもうまくいっていない。

 

 「異なる力を使って空間を繋ぐから時間がかかるみたい」

 

 「マジか、じゃあ早めにな」

 

 挨拶して今まで、10分あるかないか……

 仮にもワープ穴を1から作るのなら、時間がかかると言われれば仕方ない気もする……

 

 「どこでもドアみたいにうまくいかないの?」

 

 「当たり前だ、あれは道具として手段も理論も確立しているからポンポン使える訳で……」

 

 「お兄ちゃん!!説明してくれてる所悪いけど……アイが危ない」

 

 カガミツキが……アイに近づく。

 

 「アイから離れろ!!」

 

 社長が、カガミツキに突っ込むも……

 

 「邪魔だ!!」

 

 「あー!!」

 

 斎藤社長は、星になった。

 

 「ちょっ迎えに行ってくるわ」

 

 ミヤコはその場を去った。

 

 「社長!!私、あなたの事、忘れないから……」

 

 「勝手に◯すな〜(遠くからの声)」

 

 「アイ!!」

 

 「逃げて!!」

 

 アクアとルビーは、モコナを渡された後、建物の中に押し込まれた。

 

 「あいつの狙いは私!!」

 

 「くらえ!!」

 

 「きゃあっ『私ガード』!!」

 

 アイは、自身の抱き枕(Yシャツと下着で構成されているもの)を盾にしてやり過ごした。

 

 「何ぃ!?」

 

 「あ、ビリビリにされた……やめて、私にひどい事する気でしょ?◯ロ同人みたいに、エ◯同人みたいに!!」

 

 「本人にしか使えない高級な手段じゃないか!?しかしあたふたするアイが良い!!」

 

 武道館内でアイが言われた事、今の情報を集計するに、この怪人はアイを推している……?

 

 「ルビー、ひょっとしてあいつ……」

 

 「あんな奴でも推してるんだね、やはりアイは最強!!」

 

 ある意味、同じ推しを推しているものとして、どこ向きかは分からないが鏡を見せられているように思える。

 

 「以降の接近は禁止だがな」

 

 だが……だからこそ、アイドルを推す者はある種の節度を備えていなければならない……それがアイドルへの礼儀だ。

 

 「私達で殺っちゃう?」

 

 「無理だ……パワーが桁違いすぎる」

 

 「冗談だよ、冗談……全速力であの人達呼ぼう?」

 

 「そうだな……」

 

 アクアは、ルビーとその場を引き返そうとする。

 

 「丸聞こえだ」

 

 ナナシ連中が、別の隙間から先回りして封じ込めようとしてきた。

 これでは彼らのところに行けない。

 多少入り組んでいるから時間がかかるというのに……

 

 「くそっ」

 

 最悪の光景が脳裏によぎる。

 腹部を貫かれ、血を吐き、倒れるアイ。

 何故思い浮かぶ風景がドアの前かはどうでもいい……

 元医者としての知識を活かせず、救えなかった……その場を見た訳でない筈なのに、そのイメージが湧いてくる。

 

 「あ……」

 

 徐々にアイに歩み寄るカガミツキが、衝撃の言葉を放つ。

 

 「◯んでくれアイ、人の母でなく、アイドルとして」

 

 「っどうしてそれを!?」

 

 アイのうっかりやミヤコの育児疲れによる情報のリーク未遂など色々綱渡り的ではあったが、アイが子供を産み、育てている事は秘密にして……できていた筈だ。ノーマークだった小狼(シャオラン)には見破られたが、彼らが敵対している存在にアイドルの個人情報を教えるメリットは存在しない。

 

 「お兄ちゃん!?」

 

 ルビーに口を塞がれた…………確かに今の慌て方では社長の事を何も言えない。

 

 「俺の体は特別でな……見ろ」

 

 途切れ途切れで見にくいが、カガミツキの体に、おそらくアイが赤ん坊のアクア達を育てている頃であろう姿が映っていた。

 

 「俺の体は全てを映す力を持っている、三途の川は今の事しか見れないようだが、俺は過去も映せるのだ」

 

 「(外道衆ってのがどういう奴かは知らないが、こいつが……嫌、こいつだけが今回の頭らしいな……こいつだけで本当に良かった……)」

 

 カガミツキは、おそらく誰かと組んで事を構える方が活躍する……どんな情報だってどこよりも早く知る事のできるその能力は、メディアなどが喉から手が出る程欲しがるだろう。

 鏡で見て、弱点を探られるような戦法を取られるような事はなくて良かった……

 だが、今絶望的な状況に変わりはない……

 

 「ステージの上で、人間に笑顔を振り撒くお前はキラキラしていた……子供と戯れているお前もとてもキラキラしていた……きっと、決して抱いた事のない感情に触れたからに違いないのだ……とても素敵だ、壊したい」

 

 外道と呼ばれていただけはあり、狂っている……普通なら推す理由を、そのままアイの命を狙う理由としてきている……

 

 「全てを晒してアイドルとしてのアイを殺すのもいいがしかぁーし、それでは三途の川の増え方がよろしくない。だからここで◯ね、清く美しい、人間の大好きな偶像のまま!!」

 

 「……」

 

 さすがのアイも後ずさりを始めた。

 

 「(今、アイは自分だけを見ている……良い……その、笑顔慣れしすぎて、本当は恐ろしくて仕方ないところなのについ出ましたというひきつった笑顔……とても良い……初めての感情だろう?これはぁ)」

 

 よからぬ事を考えているであろうカガミツキの注意を引きつけようと、アクアは石を投げた。

 

 「邪魔すんなよ〜」

 

 カガミツキには通じず、手で払い落とされた。そして、手下に抑え込まれる。

 

 「お前達も後を追わせてやるから」

 

 アクアにとって、自分の命はどうだって良かった、アイが生きていれば……だが、ルビーもここにいる。滅多な事はできない。

 

 「誰か……」

 

 「誰でもいいから、アイを助けて!!」

 

 その言葉に呼応し、小狼(シャオラン)と丈瑠が、モコナの口から飛び出てきた、そして、カガミツキの攻撃を止める。

 

 「なんとか間に合った……殿様!!」

 

 「任せろ、小狼(シャオラン)。はぁ!!」

 

 アクア達の周りにいるナナシ連中を蹴散らした丈瑠は、専用の携帯を耳にかけた。

 

 「流ノ介、場所は近くの交差点だ」

 

 『はっもう扉のモヂカラが尽きたので、走ってそこへ参ります!!』

 

 「分かった」

 

 「こちらへ」

 

 アクアより少し下の少年が、アイに避難を促していた。

 

 「貴様……非力な人間が何故アイを庇う」

 

 「人が人を助けるのに……それ以上の理由はいらない」

 

 「何……?アイドルだぞ!?アイドル……もう少し他に何かないのか?」

 

 「え………ないですけど」

 

 「ないのー!!」

 

 ルビーがツッコミを入れた。

 

 「コラ、アイの命の恩人だぞ」

 

 「強いて言えば、アイさんに何かあれば、家族が悲しみますから」

 

 「家族……アイドルには不要なものだ!!」

 

 「いいえ、アイドルだって人です……人がやってるんだ、人に必要なものは全部アイドルに必要だ」

 

 彼の物言いは、彼がアイを特別な星でなく、一人の人間……言い方をもっとひどくすれば、一般人と同じ優先順位である事を悟らせた。

 

 「では問おう、家族とは?」

 

 そしてそれ以上余計な事を言うなとアクアは考えた。アクア達の事は世間的にはアイの弟と妹で通しているが、小狼(シャオラン)は勢いで本当の事を言いそうに思えた。近くで聞いている奴はいない……だがもし、聞かれていたら?

 

 「母か?父か?それとも……」

 

 カガミツキが聞く度に、知らない人間の顔が映った。そういえば、アイの両親については調べる必要もないから調べておらず、知らない事だらけ……プロフィール的な部分しか述べられない。

 そして、彼は答えを述べる。

 

 「プロデューサーの人です」

 

 意外!!挙げたのは、斎藤社長。

 

 「ふん……一番売れるアイドルを、看板として起用してるに過ぎん」

 

 「さっき見て感じました……例え看板でも、アイさんが歌えるよう四苦八苦して……アイさんの活躍に泣いたり笑ったりして……それって家族じゃないですか!?」

 

 ドラマでありそうな解釈だ……

 

 「おれはこの世界で探さなければならないものがあります……大切な人の、大切なものです、だから、あなたが誰かの大切なものを奪うというなら、容赦はしません」

 

 小狼(シャオラン)は刀を振り下ろす。語った決意を示すように、その太刀筋は力強く、まっすぐだった。

 

 「はあああ!!」

 

 「があああああ!!」

 

 カガミツキの体にヒビが入った。切り口からパラパラと漏れ出た破片は名前の通り、割れた鏡のようだ。

 

 「やった!!」

 

 急に破片が、跳ね返ってくる。

 今さっきの砂粒のような大きさではなく、握り拳程の大きさを持つそれは容易に凶器になりうる。

 

 「鏡はな……衝撃を与えれば、飛び散るんだよ!!」

 

 流石に対応しきれないのか、彼の動きは止まっている……このままでは危ない。

 

 「閃竜・飛光撃」

 

 龍を模った気弾が飛び、飛び散る鏡を薙ぎ払う。

 

 「怪我はねえか!?」

 

 黒鋼達が到着したようだ……

 

 「はい、ありがとうございます」

 

 「後はもうこいつだけだ」

 

 「早く終わらせましょう」

 

 「敵の特性は今さっき見せた通りです」

 

 攻撃に対して、受ける事によって自分の破片でカウンターを放つ。

 

 「後は俺達がやる、下がれ!!」

 

 丈瑠は巨大な武器を、銃のように構える。

 

 「烈火大斬刀・大筒モード」

 

 同じような格好をした四人は、彼の後ろで跪く。そしてオレンジ色のディスクをセットした。

 

 「兜・五輪弾!!」

 

 飛び散るガラスごと吹っ飛ばすような巨大な一撃が放たれる。

 カガミツキに命中した。

 

 「推しよ、お前は偉大だった……」

 

 カガミツキは爆発した。

 気を抜いてはいられない、今までのシンケンジャーの活躍のパターンから見て……奴らは巨大化する。

 

 「おお……推しがアリのようだ……潰すか」

 

 「いきます!!」

 

 小狼(シャオラン)は、多分ほのおタイプのロボットを呼び出しカガミツキを妨害した。

 

 「俺達もいくぜ」

 

 「りょーかーい」

 

 みずタイプ、そして緑のロボットが出てきた。

 

 「小狼(シャオラン)君……頑張って」

 

 サクラは小狼(シャオラン)の無事を祈るようにエールを送る。

 彼が何故、アイをただのアイとして見れたのか……その理由が、理解できた気がする。

 

 「うん!!」

 

 ほのおタイプのロボットは、剣を持ち、構えた。

 

 「折神大変化」

 

 侍達は、各々の式神を呼び出す。

 

 「侍合体」

 

 そして……合体した。

 

 「シンケンオー、天下統一!!」

 

 夜の中、巨大な武者達が揃った。

 ナナシ連中も、ビルからぬるりと増える。

 

 「こういうのなら……やりようはある」

 

 アイはスマホで誰かと連絡を取る。

 

 「準備はどう?」

 

 終わってるようで、アイはコクリと頷く。

 

 「二人とも……行ってきます」

 

 アイはアクア達に手を振った。

 

 「いってらっしゃーい」

 

 「あんまり無理するなよ」

 

 戦闘機が3機、こちらに向かってきた。

 

 「とう!!」

 

 アイはアイドル衣装になり、3機の戦闘機の内1機に乗った。

 

 「いっくよ~みんな!!」

 

 戦闘機が3機、アイの機体を前に一つずつ連結していく。

 

 「チェンジゲッター1!!」

 

 連結した戦闘機は、ロボットに変化した。

 名前は……アイがアクア達を出産してから拾って以降懐いてくるので、ゲットしたロボ……ゲッターロボとなる。

 どういう存在なのかは分かったものではない。

 ただ、そのロボットは、何故かアイだけが動かせる……アイにだけ体を預けている……それもアイの魅力という事だろう(思考停止)

 一風変えたパフォーマンスをする時に便利だった。

 

 「おまたせ、今から野外ライブの時間だよ!!」

 

 アイの声がロボットから聞こえる。

 

 「音響は任せて!!」

 

 「振り落とさないように慎重に行くよ!!」

 

 「ありがと〜〜〜!!私の歌を聞け〜!!」

 

 そしてアイは一曲歌い始める。

 

 「この歌声……」

 

 聞くとテンションが上がってくる。

 普段からアイを推している者には当たり前だが、そうでない相手にもアイの歌は人の心を元気づける。

 

 「アイの生歌だと!?聞かねば!!」

 

 ただしカガミツキも元気付いているので、ダメージを与えるのは小狼(シャオラン)達になんとかしてもらわなければならない。

 

 「ルビー、やるか」

 

 「うん、お兄ちゃん」

 

 二人はアイに捧げる、ヲタ芸を始めた。

 

 「モコナもやる〜」

 

 モコナも添えて

 

 「こいつは………」

 

 「気分もりもりやわ」

 

 「(うちの子きゃわー)」

 

 「はいはい、見とれてないで……いくよ」

 

 「はーい」

 

 アイの熱唱が聞こえる……夜とはいえ、まだ人が寝静まるような時間帯ではない。ギリギリ行けるからヨシ!!

 

 「アイ、楽しそうだね」

 

 モコナはヲタ芸を行いながら、呟いた。

 

 「昔はこうはいかなかったのよ」

 

 ミヤコが社長を雑に背負ってやってきて、モコナに昔の事を語った。

 

 「あ、お疲れ」

 

 昔はグループでやっていた。

 だが、アイのアイドルとしての才能は誰よりもずば抜けていた。

 百人に聞いて、一人アイ以外を挙げれば奇跡というぐらい……アイドルとして完璧だった程だ。

 それはユニットを組んでいた当時のメンバー達からすれば地獄のような環境と言ってもいい。

 どんなに気合を入れて歌っても、踊っても、誰も自分に注目してくれず、喝采を浴びるのは近くのアイばかり。嫉妬もするし、劣等感も湧く。

 

 「まあ、私だってするぐらいだもの……近くにいた()達からすれば……ね?」

 

 そしてその暗い炎が燃え広がっている事に気が付かないまま、アイへのいじめ、嫌がらせが横行し始めていく。

 

 「あの子は何も言わずに、笑っていたから気づかなかったわ……」

 

 辞めるのも時間の問題かもしれなかった時……

 そんな時、救いのヒーローが現れた。

 

 『ええい……ダメだダメだ、そんなものを抱えて誰かの推しになろうなど、天が許しても俺が許さん!!』

 

 突如現れたヒーローのコスプレを着た誰か……強いて言えば桃太郎もどきが、B小町のメンバー全員をどこかに連れていった。

 半日程で帰ってきたが、全員何かしらボロボロだった。だが妙にスッキリして、全員のアイドルというキラキラした仮面の奥底から時折漏れていたものが無くなったのが見えて、何も聞く事ができなかった。

 その日を境に、B小町のメンバーはアイを除いて全員アイドルを辞めた……

 

 「アイにやってた事もさんざん聞かされた時はドン引きよドン引き、夫も腹を立ててたし……でもあの娘達も本気ですまなそうにしてたから、引っ込めざるを得なかったけどね」

 

 そしてある意味開き直った境地に近いメンバーが去り際に言ったのは……

 

 「もうアイ一人で良くないですか?」

 

 セット売りでも、アイに目がいってどうせ他のメンバーが埋もれるくらいなら……

 また誰かが、アイに嫉妬してひどい態度を取るくらいなら……

 アイのアイドル力でゴリ押しした方が良いと。

 

 「そうなんだ……」

 

 「その話、ムカつくからやめてって言ったじゃん」

 

 ルビーがムカつくのは、最後には収まるとしてもアイがやられてる話になるからだ、アクアもキツい。

 

 「まあ……桃太郎もどきがいなかったら、もっと拗れてたかもしれないし……桃太郎もどきには感謝よ感謝」

 

 そのメンバーの内一人は、裏方、今アイが乗ってるロボの中にいる。

 どの面下げて……とは思うが、反省しているのは見てとれたのでそれ以上の追及はしなかった。

 

 「音響調節……いけるよ」

 

 今度は別の歌を歌い始めた。

 

 「さっきとは別種の力が!!」

 

 黒鋼は、一瞬でナナシ連中をなぎ倒していく。

 

 「いつもより力が出やすいな」

 

 「じゃあ、オレはあいつを縛っとくね」

 

 ファイの乗るロボが風を起こし、カガミツキの動きを縛った。

 

 「あの場にいたから見せてもらったよ、これでしばらくは鏡が飛び散る事は無い……殿様、やっちゃって」

 

 「殿!!一気に決めましょう!!」

 

 丈瑠はシンケンマルに兜ディスクをセットした。

 

 「ああ……兜折神!!」

 

 兜折神とシンケンオーが合体する。

 

 「カブトシンケンオー、天下武装!!」

 

 カブトシンケンオーとなったシンケンオーは、早速必殺技でやっつける気だ。

 

 「兜大回転砲!!」

 

 新しく装着したカブトの部分から、大量のビームが発射された。

 

 「お兄ちゃん、あいつって鏡なんでしょ?聞くの?」

 

 「当たり前だ……鏡じゃない部分だってたくさんあるし……」

 

 「葬式の曲は、決まった……」

 

 カガミツキよ、永遠に……!!

 

 「またね〜〜〜!!(キメポーズ)」

 

 「これにて……一件落着!!」

 

 その日はもう遅いので、事務所に連れていって休んでもらった。

 全員、色々あってぐっすり眠り込んだ……

 

 〜明朝〜

 

 「ちょっと良いか?」

 

 シンケンジャー達が帰る前に、アクアは小狼(シャオラン)に聞いた。

 

 「助けてもらった礼がしたい、探してるのは羽根だったな、SNSで聞くとか……」

 

 「いいえ……大丈夫です」

 

 サクラの羽根の話をみんなに聞いて回るという事は、サクラの羽根の起こした奇跡をみんなに知らせる事になるそうだ。

 

 「自分が取ろうってなるのは可能な限り避けたいからね~」

 

 「チケットみたいに奪い合いは良くないよね」

 

 「そうだな…………忘れてくれ」

 

 確かにアイの所属してる事務所……苺プロダクションのコネを使って呼びかけも混じえて探すのは、なんでもいいからアイと接点を持とうとする人達が虚言を言って撹乱する可能性もある。

 モコナが近づかなければ分からない以上、一つ一つの真偽を見極めるのは時間がかかる上に徒労になりうるのはわかり切った話となる。

 

 「また外道衆が来た場合は、駆けつけますので……これ……近くに置いといてください」

 

 隙間センサーの端末をもらった、外道衆襲来の際に役立つそうだ。

 

 「何から何までありがとうございます」

 

 「それじゃあ元気でね」

 

 「またね~~~~!!」

 

 モコナ達は、アクア達に向かって大きく手を振った。

 

 「またね~!!」

 

 ルビーも喜んでいた、アイにまとわりつく、男よりも有害な奴を撃破できた事が大きい。

 

 「社長」

 

 「ん?」

 

 「お父さんって呼んでいい?」

 

 「んーいいぞ、娘扱いするにはこっちが世話になりっぱなしだけどな」

 

 社長は声を出して笑った。

 

 「ミヤコはお母さん」

 

 「やめてよ、一気に老けた気になる」

 

 ミヤコは少々狼狽えた。

 

 「そうだ、アクアはあの子の顔見た?」

 

 アイはアクアに聞いてきた、おそらく小狼(シャオラン)の事だろう。

 

 「人を疑う事を知らなさそうだったな」

 

 だからこそ、そのままでいてほしいとも思う……

 

 「私が思ったのはね………………あの子は私を推す事はなさそうかなって」

 

 何かを言いかけて、別の話題に切り替えた。それが何かを聞くには、無理筋になる程完璧に。

 

 「うそん、未来の顧客が一人減った」

 

 「まあ……あんなかわいい娘が隣にいれば仕方ないわ(近くにいる人達ね、狙い目は)」

 

 「は?なにそれ……ちょっととっ捕まえてアイの素晴らしさについて語ってくる」

 

 「やめとけ……今回ばかりは、それでいい……学校に行く準備始めるか」

 

 アイに言わせるぐらい、特に小狼(シャオラン)の心にアイという星の光は届かなかった。好感度を稼ぎたいなんて、微塵も考えなかったに違いない。

 一種の敗北感と、納得感が湧いてきた。

 彼らだから……アイを守ってもらう事に不安を感じなかった。

 損得を抜きにして、危険を顧みず誰かを助ける。

 アクアは知っている。嘘のない感情で動く、嘘のような存在。

 それをヒーローと呼ぶ。

 アクアは眼を瞑った、幼少の時に見た、その極致と言えるものが鮮やかに脳裏に蘇る。

 

 『ワ〜ハッハッハ!!お前とも縁ができたな!!』




いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
この世界線のゲッターロボは高千穂の特級呪物という事で……
前世の記憶と虚憶を両方インストールさせられるのってキツそう(小並感)

アイのポジションは……

  • ゲッター!!
  • 俺の歌を聞けぇ!!
  • ザフトの歌姫(パフォーマンスが派手な方)
  • 星野アイは欲張りなんだ(全部)
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