スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

44 / 105
皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
太夫の起こした花嫁攫う事件って、夜明けのヴァンさん絶許案件じゃないか……そして過去知ったら複雑な顔になってそう(それはそれとして手加減はしなさそう)


第12話 ブライド・エマージェンシー Aパート

 結婚式場………

 まだまだ一番定番の月には至っていないものの、新郎新婦が集う場所。

 

 「えー汝、健やかなる時も、病める時も、愛し合う事を誓いますか?」

 

 「はい」

 

 「誓います」

 

 神父の前で……丈瑠と茉子が、二人、白い衣装を着て共に並んだ。

 

 「殿……ご立派になられて……」

 

 彦馬の目にも涙。

 

 「この神聖な空気……なんだかこう……目にくるものがあるな」

 

 「キレイ……」

 

 「サクラちゃんなら、ウェディングドレスきっと似合うわ」

 

 「そんな結婚式も、神父があれじゃあな……」

 

 神父役は、モコナだった。

 ここまでは良い感じには喋っているように聞こえるが、おふざけをどこかで発動するのが見える見える。

 

 「では最後に、誓いのキスをお願いします……ブチューっと!!」

 

 これである。

 しかし、結婚式というイベントの中で、一番重要なのは、新郎新婦のキスである。これを避けるのは、結婚式やる意味あるの?となりかねない。

 

 「…………」

 

 行くか、行かないか……

 見つめあっている、二人の顔と顔……口元と口元が近づいていくごとに全員、息を呑む。

 言い切れない緊張感が、辺りを包む。

 

 「ゴクッ」

 

 誰のとも知れない、唾の飲み込む音が鳴り響く。一人か……複数か……だが、注意する人はいなかった。その場にいる皆、見ている先が全員同じだったからに違いない。

 その時……黒子が伝令にやってきた。

 

 「何だ」

 

 緊張から解放され安堵感を抱く者、何邪魔してんだよと思う者……それぞれがおろそかになっていた呼吸を整えた。それはさておき……

 

 「何!?」

 

 黒子の語る知らせは、ここでの行動は無意味と語るもの……

 ナナシ連中が、別の場所で現れたのだ。

 

 〜屋敷〜

 

 ある日、デカレンジャーからの要請があった。

 最近、結婚式を挙げる最中に、花嫁が攫われる事件が多発しているので協力して欲しいとの事。

 だがただの人攫いというだけでは、シンケンジャーに協力を要請される事態にはならない。それには理由があった。

 監視カメラからの映像などを見るに、花嫁が連れ去られる現場にナナシ連中が写っていたのである。それは外道衆の仕業であると結論づけるのに充分だった。

 シンケンジャーもシンケンジャーで、最近幾度となく花嫁を連れ去るナナシ連中を追っていたが、何度も逃げられてしまう……花嫁を連れ去れば、もう用はないとでもいう風にいなくなってしまうのである……潜入が必要だった、敵に攫われるふりをし、敵の陣地の中枢に入り、救出する……だが、複数ある中で一つだけピンポイントで狙われるのは奇跡に近い。

 そういう訳で、合同で捜査をする事になった。

 屋敷に戻って作戦を練り直す。

 

 「外しちゃったね」

 

 デカレンジャーも、そうらしい。

 

 「そうだな」

 

 「ついてねえな」

 

 今回の場所を選んだのは……

 

 「繋げてったら星になるのでは?」

 

 流ノ介はこれまでの騒動を基に、攫われた場所を繋いでいくと五芒星のようになるのではないかと言う……しかしその案は真っ先にファイに否定された。

 

 「それはないかな〜位置に目的があるなら、土地自体に何かしら魔力があるか、隈なく探せば花嫁が見つかったり……とにかくそれっぽい楔になるものが近辺にあるはずなんだよ、でも、調べに同行させてもらった時、それは無かった」

 

 ファイの言葉に、流ノ介は舌を巻く。

 

 「……さすが、本職の方に言われると説得力が違いますね」

 

 ファイは滅多に力を使う事はないが、元々いた国では名のある魔術師(ウィザード)だったようだ……だから、魔力の探知や、構造について詳しい。

 

 「体系とかは違うけどね〜ある程度共通する所はあるからそこは任せてよ」

 

 「じゃあここじゃないかもって事で……」

 

 そんなこんなで、話し合った結果、今の形となる……結論、当てずっぽうに近い。

 

 「流ノ介が言ってた所でも無かったよな」

 

 「何を言う、千明ィ……だいたいあの場所を選んだのはお前じゃないか」

 

 二人は睨み合った。

 

 「どうどう……仕方ないよ、これと言った手がかりもないまんまだし」

 

 デカレンジャーの方も、その手の捜索のスペシャリストいるが育休中なのでしばらく捜査に入れず、難航しているらしい。

 

 「どこに連れてかれはったんやろ……もし三途の川やったら」

 

 「嫌……」

 

 生きた人間は、三途の川へは通れない。

 

 「別の場所へ連れてかれたのであろう」

 

 とりあえず、次の陣を張る場所について作戦を練る事にした。

 

 「次は………じい」

 

 「こちらですな」

 

 彦馬の声に応じ黒子が持ってきたのは、明日に行われるこの辺りの結婚式の予定表だった。

 

 「うわ」

 

 「ハァッ?」

 

 「マジか……」

 

 「多すぎるわ」

 

 絶望感……とまではいかないものの、表が1ページ丸ごと埋め尽くされる程式場を使う予定がいっぱいあり、若干目眩を覚えた。この中から、外道衆が襲うのは一つか二つ……

 

 「この中から……大変ですね」

 

 「侑子に聞いてみる?」

 

 「誰だよそいつ」

 

 モコナの言葉に千明は疑問をぶつけた。

 

 「おれ達の旅に力を貸してくれる人です」

 

 「願いを叶えてくれるミセの主人だってさ」

 

 「願いを叶える腕は確かだ、ただし対価をとってくるがな」

 

 「おお……そうだな、流ノ介達も気を付けておくが良いぞ。わしらなぞ、志葉家代々に伝わる具足を持ってかれたからなぁ……」

 

 彦馬の語る体験談……一体何を願えば、そのような対価になるのかは気になる所ではある。

 

 「モコナ、侑子には願わない……まだ願うより前にする事があるからな」

 

 丈瑠は彦馬を呼び寄せる。

 何やら話し込んだ。

 

 「という訳だ、頼む」

 

 「はっ」

 

 〜????〜

 

 部屋と成る程の大きな繭の中。

 明かりのないなか、花嫁となるはずだった人間達の、すすり泣く声が聞こえる。

 

 「助けて……」

 

 すがるように延々と繰り返される嘆きに、えも言われぬ恍惚を感じる太夫であった。

 嗜虐心が満たされていく……心が、かの時に舞い戻るかのよう……

 

 「そう、そうやって無様に泣くが良い……それがお前の仕事さ」

 

 「……誰か……」

 

 多少異なる星の人間も混ざっており、外見だけ……でいうなら人間より自分達に近そうな者もいる。

 

 「心地よい悲鳴だ、これならわちきに相応しい仕上がりになる」

 

 そう言って、花嫁達を留め置く場を後にしようとした時、別種の話し声が聞こえた。

 

 「みんな、大丈夫。私の仲間が助けに来るから……元気を出して」

 

 攫ってきた花嫁の一人が、よくわからないが曲を歌い始めた。

 

 「ぼーくらは」

 

 太夫の耳に馴染まない、おそらく明治以降の曲だろう。

 ふんわりした声質も相まって、希望に溢れるような、そんな感じの歌に聞こえた。

 ここに来て絶望していない女を見て、太夫は疑問が湧いた。

 

 「貴様……わちき達が怖くないのか?」

 

 「怖いよ……でも、人間はあんた達になんて負けないんだから!!」

 

 「よくもまあ、そこまで吠えられるもんだね……特等席に連れて行け」

 

 ナナシ連中に言いつけ、その女だけ繭のない別の部屋に移動させた。

 苦しめたくて攫ったのに、元気づけられては意味がない。繭の糸も絶望以外の感情が加わり、仕上がりが悪くなる、この女だけは隔離させておくに限る。

 

 「あいつを攫ったのは誰だい?」

 

 「ガヤッ」

 

 「次は攫う花嫁を選ぶ事だね」

 

 太夫は別の場に向かった。

 そこには打掛が、一着かけてある。

 

 「────────」

 

 打掛に、その人の肌の型を留めた頬で、ゆっくりと転がすように撫でる。

 

 「これでわちきも、昔のように」

 

 昔のように……

 

 「薄雪……」

 

 「新さん……」

 

 〜三途の川〜

 

 「なぁにぃ?花嫁の絶望から紡いだ絹糸で、打掛を作るってぇ?」

 

 「ああ……目ん玉が飛び出るようなもんを作るらしい」

 

 ドウコクは、酒を飲みながらシタリの質問に答えた。

 

 「そりゃあ、幸せで幸せで幸せの絶頂の時を狙って不幸に突き落とすんだ、上等な絶望にはなるだろうけどねぇ……打掛とは、未練じゃないか……昔を忘れられないんだろうねえ」

 

 「まあ、良いじゃねえか、好きにさせておけ、三途の川の足しにはなるんだ」

 

 「お前さん、太夫に甘いねぇー」

 

 「フッ」

 

 上機嫌、もしくは自認しているようで、シタリの言葉に反論、もしくは癇癪も起こさない。

 

 「そういえばね……この前見たんだよ、はぐれものの十蔵が」

 

 「あいつか」

 

 人から外道に至ったものは、総じてはぐれ外道と呼ばれる。

 その場合、殆どが外道の重みに耐えきれずにすぐに消滅する……がしかし稀に、幾星霜を経ても命の灯火は消える事を知らない者もいる。

 十蔵と、太夫のように。

 

 「良い獲物でも見つかったのか?」

 

 「どちらにせよ、めんどくさい事になるねきっと」

 

 〜とある河原〜

 

 「感じるか?裏正……百年、癒える事の無かった渇きを満たしてくれる奴が現れた……」

 

 「シンケンジャーの中にいる……」

 

 丈瑠は、何かに見られた気がして挙動が素早くなる。

 

 「殿様、どうしました?」

 

 小狼(シャオラン)が声をかけてきた。

 だが、感じたのは彼の視線ではない……興味のある対象を物色する視線だった。

 

 「嫌……なんでもない……夜更かしはするなよ」

 

 「はい」

 

 〜明朝〜

 

 朝ご飯を食べ終わり、鍛錬を始めているところで黒子がやってきた。

 

 「話はうまくいったようだ」

 

 話を終えた丈瑠は、皆を呼び寄せた。

 

 「これは……」

 

 例のリストの殆どの欄に、黒線が引いてある。

 

 「殿の指示で、絞り込んでみた……と言っても、デカレンジャーの方も同じ考えに至った者がいるようでな」

 

 「逆立ちして思いついたのかな?」

 

 「そんな変な癖の人はいねえって多分」

 

 各方面に中止の要請を送ったそうだ。

 そして、二組を除いてその通りになった。

 ひとえに昨今の花嫁の事件の話が広まっているのが大きい。

 

 「ここまで絞れるとは思ってなかったがな」

 

 その人達の今後のスケジュールの調整などの問題は、今気にしている場合ではない。

 

 「さて……もう一度お嫁に行きますか」

 

 「お婿様、いってらっしゃ~い」

 

 モコナが手を振った。

 

 「気をつけとけよ……」

 

 「今度はうちが行こか?」

 

 「やめとけやめとけ……殿様がほぼ同じタイミングで別の女と結婚するみてーな絵面になるぞ」

 

 「………………確かに」

 

 「まあ俺達がそっち行って、サクサクっとやっつけてくるからさ」

 

 「千明……この愚か者めが!!」

 

 千明は彦馬に後頭部のタンコブを作られた。

 

 「いってーなにすんだよ」

 

 「もう勝った気でおるとは、外道衆はまだ何をしてくるのか分からんのだぞ」

 

 「じいの言う通りだ」

 

 丈瑠まで乗っかってきて千明はムッとする。

 

 「外道衆もただ罠にかかるとは思えないからな……手はなるべく多く打っておきたい」

 

 丈瑠はある作戦を伝えた。

 

 「いけるか?」

 

 「黒々には難しいだろうね」

 

 ファイは恒例行事のように黒鋼を茶化した。

 だが、今回の秘策は体型、黒鋼では少し無理がある……のかもしれない。

 

 「お前には聞いてねー!!」

 

 「多少不得手ではありますが……そうも言ってられなさそうですね!!」

 

 「残る一組はデカレンジャーが話をつけるそうだ……」

 

 止めさせるか……護衛に回るか……いずれにしろ、現場に向かうのに変わりはない……

 

 「場所は聞いてある、行くか?」

 

 迷う理由はない、小狼(シャオラン)はすぐに返事をした。

 

 「はい!!」

 

 羽根探しもかねて、GO!!




いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。

アイのポジションは……

  • ゲッター!!
  • 俺の歌を聞けぇ!!
  • ザフトの歌姫(パフォーマンスが派手な方)
  • 星野アイは欲張りなんだ(全部)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。