スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
時は遡る……
アクアは、パソコンを使ってルビーの現在位置と音声を調べた。スマホでやるよりいざ何か逆襲される段階に入ってから高いイメージのおかげか調べられにくい。
『ファイさん?』
『そうだよ、久しぶり〜』
おどけた風に振る舞う演技……確かにファイだ。
嘘つきを日々推して、役者としての道をかじっているアクアには分かる、この男は常日頃嘘を付いて……演技をしている。なんのために?それに意図があるとすれば……隠したがってる秘密がある……とか、決して触れられたくない一面がある……とか、そんな所だろう。その内容は……やめた、秘密にしたい事ならアクアにだってある。
それより……ファイがいるという事は、モコナや
「モコナ達と一緒か……なら危ない目には遭わないだろうな」
安心して、一息ついた所にインターホンが鳴る。
出ると知らない女の子が立っていた。
伸ばした金髪を後ろで束ね、オレンジ色の光を放つ眼を持つ、よく日焼けした女の子。
「はい」
「アークアくーん、来たよー」
「ん?」
声は黒川あかねそのもの、ただし見た目は全くの別人……
アクアの目が点になる。
「え、えーっと……」
「もう、私だよ。黒川あかね……あー、これじゃあ分かりづらいか」
あかねを名乗る人は、頬の皮を引っ張りビリビリに破く。
するとそこから、見知ったあかねの顔が出てきた。
「!?すごい……」
髪の長さや、目の大きさも色も違っていた。
心なしか、耳の形まで違うように見えた。
「……………ハッ」
我に返り、アクアはドアを開けてあかねを迎える。
「いらっしゃい」
「おじゃまします」
「迎えにいくのを拒否してたがこういう事か……劇団ララライってそんなものまで教えるのか?」
「プライベート用に独自に修行を積んだって感じかな……どう、似合ってた?」
一目見ただけでは誰だか分からなかった、いずれスパイ役でも勤められそうに思えるぐらいに。
「どれだけキレイな変装だろうが、お前自身には敵わないぞ」
「嬉しい、じゃあ……行こう?」
「ああ」
ルビー出発後のアイは見送れなかった事を残念がりながら化粧を落としていた。
「♪」
「じゃあ、アイ……行ってくる」
いつも見せる笑顔で送り出す。
「いってらっしゃ~い」
アクアはあかねとショッピングモールまで出発した。
「(パソコンの電源を切らずに行ってしまったが……まあ、放っておけばスリープになるしいいか)」
それから、スリープするかしないかのすれすれの時間が経つ……
「?」
アイはアクアのパソコンから音声が漏れているのに気がつく。
「ははーん、さてはまたアクア、ルビーの動向探ってたな~?アクアったら心配性なんだから〜ママも聞いちゃおっと」
アイは、まだ息子の温もりが残っているヘッドフォンをセットする。
何が聞けるか、楽しみにしていた所……
『探して欲しい人がいるの〜!!』
ルビーが声を大きくして願いを告げたのが聞こえてきた。
アイ以外に対しては、最上級のねだり方だ。
「え?」
探したい人がいる……今までルビーは母であるアイにそんな素振りを見せた事はなかった。
まあ、ルビーも高校生、アイの後を追ってアイドルを目指しているとはいえ、好きな人の一人はいていいお年頃……一体誰を探して欲しいのだろう……?好奇心に従い、そのままアイは聴き続けた。
そして、一連の話を聞く。
ルビーが探して欲しいのは、ゴローという人……アイも会った覚えのある人と、名前が同じである。
「ゴローってひょっとして……」
話を聞いていく内に、アイの知っているゴローの輪郭と、ルビーの好きな人らしきゴローの特徴が一致していく。
だが、ゴローという人はルビーが産まれる前に行方不明になっている。それが何故?とアイが疑問に思っていると……ルビーの口から前世の記憶があるという話、その全てを知る事になる………
「嘘………」
数時間後………
聞かれていた事もつゆ知らず……ルビーは帰宅した。
「ただいま〜思ったより早く帰れちゃった」
家に帰ってきたルビーは脱いだ靴を揃え、手を洗う。
「おかえり〜」
笑顔で出迎えるアイ、だがその笑顔の裏で何か言いたそうに浮ついた雰囲気を感じる。
「どうしたの?ママ」
ルビーが問うと、アイは意を決したかのように言う。
「ルビー、ちょっとママとお話しよっか」
「う、うん……」
あらたまった話があるように見え、ルビーは固唾を呑んだ。
そして、アルバムのある部屋に連れてかれる。ルビー達が赤ちゃんの頃に撮った一冊ではなく、その奥にあるもの……
「はい」
アイの自撮り写真の中にある1枚の写真を見せられる……そこにはドヤ顔で撮影するアイと、一人の男性が写っていた。
「わぁぁ」
知っている男性の顔を見てルビーは喜びの声を挙げる。
「せんせだ!!」
「喜んでくれて良かった」
アイも嬉しそうに笑う。
「でも……どうしてママがせんせと?」
「昔……ママがあなた達を出産しようとして行った病院の先生でね、まあ……いざあなた達を産もうって時になって急にいなくなったんだけど」
「何それせんせチキってんの?」
だがもし、予定通りゴローがルビー達の出産を担当したら……………
『せんせ〜さりな、転生しちゃった♡』
『うぉぉぉぉぉぉぉ!!(歓喜)』
運命の再会になっていたかもしれないと、ルビーの夢が膨らむ。例え一回東京に連れて帰られたとしても、喋れる能力を全力で用い、戻ってもらうよう頼んでた筈だ。
「あはは……分かんない。でもあの人には感謝してるんだよ。私の言った事、社長みたいに反対しなかったし……今振り返るとこう……安心させられたって言うのかな?そう、多分、安心させられた。あなた達を産みたいとは思ってても、産んで良いんだっていう気持ちには思えなかったから……あの人が、そう思わせてくれた」
プライベートでは自分の感情をどう表すか出力に困るような態度を見せる事のあるアイだけに、それだけ当時の感情を反芻し、人としてそれなりの好意を抱いているのが分かった。それが、ファンもしくはヲタにとってどれだけの幸せか、ただの人間には分からないだろう。
「え〜ママにそんな風に思われてたってせんせに知られたら、私勝てないよー」
思わずさりなとしての感情が出てしまった。
「大丈夫、ルビーの大事な人を取ったりしないよ」
ルビーは安堵しつつ、何故それを知っているのか疑問が湧いた。思い当たるルートはただ一つ。
「ていうかどうしてそれを……ハッまさか、あんのバカ兄貴〜!!」
ルビーはアクアの部屋に行こうとする、きっと……動かぬ証拠がそこにある。
しかし、進もうとするルビーをアイは抱きとめる。
そして、アイはある言葉を呟く。
「さりなちゃんって言うんだ……」
その名前を囁かれた時、どこに溜め込んでいたのか……分からないような涙が溢れ出した。
「生きてけたら、ママと同じ年だったんだよ……でも、ダメだった……病気で、歩けなくて、苦しくて、つらかった……」
どんな病名だったかは、名称が長すぎて覚えていない。
だが、それがどれだけの痛みだったかを示す記憶は、生まれ変わっても烙印のようにこびりついている。
「だからちっちゃい時、踏み出すのを躊躇してたんだね?でも、克服できた……すごいよ、ルビー」
「ありがとう……」
「ありがとうは私が言いたいよ、ルビー……ママの子供に産まれてくれて………生まれ変わってもママを推してくれて」
その言葉で、ルビーとアイの心の距離を隔てる、最後の壁が崩れた気がした。
「ママ〜!!」
自分を受け入れられた気がして、ルビーはアイの胸に飛び込んだ。
「よしよし……」
「うわーん!!」
いつもみたいに……いつも以上に……ルビーは赤ちゃんに戻った挙動を取った。
〜数時間経過〜
「ただいま……どうした?」
ファッション用の衣装の入ったポリ袋を大量に抱え、アクアは帰ってきた。
「お兄ちゃんに言う事なんかないもん、このストーカーめ!!」
ルビーがそう言うと、アクアは心外とでもいう風に弁護する。
「目を離すとすぐ変なのに絡まれるからだろ!?自分のかわいさをもう少し自覚しろ!!」
「そういうお兄ちゃんは彼女とデートしてた癖に!!」
「あれは……その……」
口喧嘩に発展しそうな二人をなだめ、アイは
「アクアもおいで?」
とアクアも誘った。
「あ、ああ……」
アイに誘われるまま、アクアもアイに抱きしめられた。10代後半で母親に抱きしめられている事に恥ずかしがっているようだ……
「よしよし……私の推しの子供達」
子供を慈しむ、母親の抱擁……ルビーとして生きるようになってから、何度もらってきたのだろう……
「(幸せ……)」
前世からの推しであり、アイドルとして自分を追いかけてくれるのを楽しみにしてくれる優しい母親。
素で接する時は口が悪く、今日のように裏で色々仕掛けてくるものの、自分を気にかけてくれる事はよく伝わる兄。
なんだかんだ面倒を見てくれるミヤえもん夫妻。
でも、まだ……足りない。
後一人、いてほしい人間がいない。
その人がいなければ、アイドルとしての道を行く甲斐がないと思う程………焦がれる人は、未だ見つからない。
だが……いつかは、星をたぐり寄せるように難しくともいつかは、見つけたい。
そう思った夜、ルビーは不思議な夢を見た。
『ルビー!!』
アクアが叫んでいる。
『お願い、戻って来て!!』
アイが泣いている。
『ルビー、自分が何をしようとしてるか、分かってんの!?』
ミヤえもんが、ルビーが産まれてから一度も見たことのないレベルの怒りを見せている。
『あんた、馬鹿な真似はやめなさい!!』
先輩まで呼び止めている。
『そうだよ、こんな事もうやめようよ!!』
memちょも困っているみたいだ。
『ルビーちゃん!!』
あかねもいるような……………
そして……………
『私は──────────』
そしてそう言いながら、母の命を救った恩人にとって、大事な人のツバサをむしろうとするルビーがいた。縋りつくように愚かで、浅ましく、獰猛に……何かを求めながら……手を動かすのをやめない。
〜翌朝〜
「ハッ」
ルビーは布団から跳ね起きる。
「………………」
夢の後味の悪さのせいで、アイに全てを受け入れられた喜びの余韻に浸りきれなかった。そういう場合は、もっと良い夢になるものと相場は決まっているのに……
もう一度寝直すかと、ルビーは二度寝に入った。
寝られない、それもその筈、鳥が鳴いている……つまり、もう朝だ。
その証拠にアクアがドアを勢いよく開ける。
「ご飯できたぞ」
今日のご飯はアクアが担当している。
3人分のお皿の上にトマトとレタスのサラダにスクランブルエッグが乗っかって、その横にパンが添えられていた。
「わぁ……お兄ちゃん、いつもより気合い入ってる〜」
朝アイがいない時はルビーの分しか作らない。
「久しぶりにアイが朝ゆっくりできるんだ、このくらいなんて事ない」
「ありがと〜じゃあ、食べよっか」
「いただきまーす」
「いただきます」
夢の事で不安になったので、ルビーはもう一度伊賀崎の道場に行く事にした。
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
アイのポジションは……
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ゲッター!!
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俺の歌を聞けぇ!!
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ザフトの歌姫(パフォーマンスが派手な方)
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星野アイは欲張りなんだ(全部)