スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
〜牙鬼城〜
九衛門は、蛾眉雷蔵を陣営に加えた晦正影に詰め寄られていた。
「嫌ですよ。前に申した筈です、これは全て私のものだと」
「なんだと……貴様、その有り余る恐れの力さえあれば、御館様の復活など容易きものとなるのに何故それをせん」
九衛門は妖巫女というものから恐れの力を摂ろうと一人出発した。
その甲斐あって手に入れた恐れの力は、牙鬼幻月を復活させて尚余る程の量があった……だが九衛門はこれを復活には回さず、別の事に使う気のようだ。
「御家老は、一度決めた事柄に口を出してくる……そういう事にございましょうか」
「ええい、見苦しい」
蛾眉雷蔵は、正影に言い含めた。
「三下が己の力のみで取ったのであれば、それは三下の手柄……以下に使おうが、義はこの三下にあるぞ?」
「…………こんな時だけ正論を吐きおって、もう良いわ!!」
腹を立てた正影は、その場を去った。
「あんな問答のために戦を預けなければならなかったのか」
蛾眉雷蔵は、ため息をつく。
「狐、此度は貴様に義があったが……本当に御館様の復活が目的か?」
「断言しておきまする……我が至上の目的は、あくまで牙鬼幻月様の復活にある……と」
そして……終わりの手裏剣。
〜セイバートロン星〜
モモは、護衛を連れつつセイバートロン星に降り立っていた。
「王とお姉様の代理で来ました、モモと申します」
『この度は御足労いただき、ありがとうございます……こちらです』
モモは、セイバートロン星の建造物に案内された。
トランスフォーマーが動かす事を前提にしているのか、その場のモニターは全て手の届かない位置の高さにある。
「あれから10年……でしたっけ?」
この惑星、セイバートロン星での戦争が終結して早10年……
それまでサイバトロンという勢力と、デストロンという勢力が争っていた。
銀河大戦なんて言葉ができる以前から戦い続けており、誰が調停しようとしても何もできなかったらしい。ギドですら、被接触地帯と認定するほどだった。
理由は3つ……一人一人が機械の体を持ち、巨人と呼ばれる程に大きな巨躯を持つから単純に強い……と言っても10mかそこらだが。
もう一つ、何万年にも及ぶ時間、骨肉の争いを繰り広げてきた彼らの禍根は大きく、戦いをやめろと言っても聞いてはくれない。
最後に彼らの戦いの場は、不思議と彼らの故郷、セイバートロン星から拡大しなかった。だから、地球でいう「触らぬ神に祟りなし」という状態にあった。
だが、そんな状況に一石が投じられた。
新種のトランスフォーマー「マイクロン」が昔地球に来訪しており休眠状態にあったが、とある地球人達との接触で一斉に目覚めた。
他のトランスフォーマーと違う点は、人間サイズ程の大きさである事……後一つあるがトランスフォーマー以外には関係ないので省く。
それに乗じて、サイバトロンとデストロン両方が地球にやってきたのだ。
銀河警察は特に危険な方の勢力……デストロン側が人命を危機に晒すまで至っていないため事態を静観するも惑星破壊兵器「ヒュドラキャノン」の出現で、地球が危機になるや本格的に他の星の勢力と共に接触を始める。そして、モモ達も駆り出された。
そして、紆余曲折を経てユニクロンという強大な敵が現れた、惑星が丸々変形するあの衝撃はきっと忘れられないだろう。
対抗すべく、サイバトロンとデストロンは手を結び、助っ人としてデビルークを含めた他の星の軍も加わり艦隊戦となる。デストロンの破壊大帝、そしてその部下と、数え切れない犠牲ができたが、セイバートロン星は平和となった。
余談だが、日本で怪獣が不時着したり、銀河警察総出の事態になりそうな事件が起きたり、ガーランドがヤミを親の仇と狙う者に襲われたり、そいつに話を聞いたりなども同時期に起こり、その年は本当に忙しかったとモモは記憶している。次の年も次の年で、イチゴに関して色々あったのを考えると余計に頭が痛くなる。
『ええ、長い間戦っていた頃に比べれば本当に一瞬ではありますが、この10年はそれらを上回る実りを得られました……全て、かけがえのない友からいただいたものです』
「素晴らしいですね」
『これからは、この10年を少しでも長く続くよう尽力していかなければなりません』
「ええ……こちらは、戦争を知らぬ身ではありますが、お互い頑張っていきましょう」
『ええ……時に、スラストの様子はいかがでしょう』
「ええ、我が軍の下で充分こき使……役立っていただいています。有能な方ではあるので助かっています」
『そうですか』
デストロン側だった者の幹部レベルは、ヒュドラキャノンの製造、管理に関わったとしてアリエナイザー認定されかけていた。しかし、グランドコンボイ達の嘆願もあってそれだけは免れた。代わりと言ってはなんだが、様々な場所に別れて警護を行ってもらっている……特にスラストはデストロンすら裏切り、ユニクロンに通じていた……奇跡的に生きて回収されたものの極刑は免れそうになかったが、王様の意向でとりなしを受け、以降はデビルークにて監視付きで働かされる羽目になる。
『もう……誰にも死んでほしくなかった』
というリトの言葉に、モモはときめいてしまい……上に立つ者としての反対はできなかった。
〜デビルークに拾われた感想について〜
『ええ、王様に王妃様、気さくな方たちばかりで……その分、あの御方達まで裏切るなら絶対◯すという圧を他の方達から感じますね……特にモモ様。ええ、流石にもうやりませんとも。軍師として頼ってくれる方々もいますし……第一どう裏切れと?(下半身が丸々ない)ここでの暮らしも悪くはないですしね』
〜セイバートロン星〜
「話は変わるのですが、あなた達で採掘を進めているエネルゴン……について話を聞いてみたいと思いまして」
トランスフォーマー達によって見つけた、新たなエネルギーである。トランスフォーマーの息のかかった場所では、発掘、加工が進められている。
『採掘場所によりますね……デビルークで発掘できれば、いずれ……という事になりますか』
「そうですか……まあ、こちらもエネルギー問題は特にありませんし、他の所にまわしていただければ」
その他、雑談がてら他の惑星の話などを行った。
トランスフォーマーは火星や月など、地球周辺にも勢力を繰り広げている。人が生きていくには厳しい環境に耐えられる体の造り故だろう。銀河警察や他の星の迷惑にならない辺りを絶妙に突いてくる。施設を建造して人間が住みやすいようにもしてくれるので助かる面もあったりする。
近辺で……ロードバスターが、叫びながら走り込みを行っていた。
『すげーぜ自分、すげーぜ自分、すげーぜ自分!!』
遠くからも聞こえてくる、特徴的なその叫びに、会話が止まった。
『すいません、我が軍の士官候補生でして……』
「いいえ、気にするようなものではありません。我が軍でもっと血の気の多い方々を見ているので……むしろ健やかで、微笑ましいぐらいです」
モモは言葉通り、微笑ましそうに笑みを浮かべる。
「あはは……」
護衛の人も、苦笑いを浮かべる。
『健やかですか……これからは皆、そのように生きて欲しいものです』
「ええ、色んな人達に……そんな風な未来が待ってますように」
〜一方その頃〜
『すげーぜ自分、すげーぜ自分、すげーぜ自分』
ロードバスターは、訓練施設辺りで走り込みを行っていた。
『張り切ってんな、ロードバスター』
『グランドコンボイ総司令官に褒められたからな、あいつなら無理もないぜ』
『おーい、そろそろ休憩しようぜー』
『もう一周したらな〜』
ロードバスターは、さっきの光景を思い出してみる。
おぼろげながら、視界にグランドコンボイが映っていた……そして、その隣にいた、ピンクの髪の人間も……
『(司令官の隣にいた人……綺麗だったな……)』
ロードバスターは我に返り、自分の頬を叩く。
『ハッいかんいかん、おそらくどこかの要人……なんと畏れ多い』
雑念を捨て去るため……走り込んだ。
『うぉぉぉぉぉぉぉ!!』
〜数分後〜
『ただいま〜みんな、何してんだ?』
戻ると、仲間達はPCを取り出していた。
『宿題だ』
『やっべ、帰ったら終わらせないと』
『ここで良いだろ?みんなでやれば早く終わるってもんだ』
『良いのかぁ?そんなんで、家に帰ってやるから宿題なんだぞ』
『帰ってからはゆったりしたいんだよ』
宿題の内容は……歴史の問題だ。
『どれどれ……』
ロードバスターは見るだけ見る事にした。
簡単なものから解く事にした。
『ここは、こうだ!!』
ロードバスターは、問題に
だが、解ききれていない、妙な違和感がある。
『おい、5000年前は領地的にそこまだデストロンだったろ?』
仲間達が
『あ……やっべ』
なんとか正解しつつも難しい問題に向き合っていく。
問題文による攻撃。
読みきれない文による精神への攻撃でダメージを受けていく。
『ぐはっ!!』
『ロードバスターのHPが!?』
『よっしゃ、俺に任せとけ』
仲間が「友情」で回復してくれた。
『よーし、まだまだいけるぜ!!』
ロードバスターは教科書を用意した。
「必中」がかかる。
〜数ターン後〜
『お、終わった……』
難問を解いた反動か、ロードバスターは息切れを起こす。
『大変だな、ロードバスターは……これ帰ってまたやるんだろ』
『そうだな……忘れないようにしとこう』
『テストじゃないんだから全員正解して問題ないだろ。気楽に行こうぜ』
『はーしっかし、10年前はこんなに勉強に訓練にってできるなんて思わなかったな』
『ずっと実戦っていうか、戦場ばっかりだったもんな』
平和を愛しつつも、力を貸したり利用されたりしてきたマイクロン。
地球という惑星の、ヒトという異なる種族。
そのヒト達と触れ合った事で目覚めたデストロンの英雄スタースクリーム。
彼らがいなければ、こんな平和はあり得なかった……らしい。
『俺も、頑張んなきゃな……コンボイ司令官の下で』
『なあ、ビークルどうする?』
『ビークル?』
仲間に聞かれ、ロードバスターは聞き返す。
『総司令官達を見てみろ、色々なビークルに変形して戦ってるじゃんか……俺達もいつかそうなるかもしれないだろ?』
『そうか……自分もいつかは、決めねばならないか』
〜次の日〜
『司令官達は地球に降りて変形対象を見繕ったと聞く……自分もそうしてみよう』
ロードバスターはこっそりとスペースブリッジを弄り、地球に行く事を試みた。
そこにスカイファイヤーが現れた。
『おい、士官候補生……素人がスペースブリッジなんていじっちゃダメだぜ』
『ハッこれは、スカイファイヤー殿……』
スカイファイヤーに目を向け、ロードバスターはボタンを押し間違えた。
『あ』
『あ』
そのせいか、スペースブリッジが意図しない挙動を起こす。
ロードバスターはスペースブリッジの向こう側に吸い込まれていった。
『壁に捕まれ!!』
スカイファイヤーの助言も空しく、ロードバスターはスペースブリッジの彼方へと吸い込まれる。
『あ~れ~』
『何事だ!!』
グランドコンボイが現れたが、時既に遅し。
『士官候補生─────!!(cv勇者王)』
『ノーン!!(終了)』
スーパーロボット大戦Z!!自分は、ロードバスターという者であります!!byロードバスター