スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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司令官やホットショットより先で良いのだろうか?byランページ


第16話 伝説の続き・若き新兵 Bパート

『すぐにスペースブリッジの行先を調べろ!!』

 

 『オーケー司令官!!』

 

 スカイファイヤーは、グランドコンボイの指示のまま、急いで装置を弄る。

 

 『無事でいてくれっロードバスター』

 

 グランドコンボイは、部下の無事を祈るように呟いた。

 

 〜一方その頃〜

 

 『ここは……どこだ?』

 

 スペースブリッジが不調を起こして、ロードバスターは知らない地に立っていた。

 ホットショットのいるであろう、オーシャンシティではない。確認もせずに適当にスイッチを押したロードバスターに非はあるが。

 うっそうと生い茂る森、ろくに整備されてない、通る車のタイヤだけが耕したような車道。

 駆動音もあまりない、のどかな光景だった。

 

 『地上か?』

 

 ロードバスターは道なりに進んでみる。

 

 『こういうのを、田舎って言うんだろうな』

 

 セイバートロン星では、あまり見ない光景だった。

 建造物や荒野はあれど、緑に関してはなかなかお目にかかれるものではない。

 だからこそ、他の惑星の緑のある映像を見るとカルチャーショックを受ける。

 そのうち、トランスフォーマーでは出入りできないが、地球人程度なら余裕で出入りできそうな建物を見つけた。

 

 『おーい、誰かー!!』

 

 ロードバスターは呼びかけるも、反応はない。

 

 『誰もいないか』

 

 気落ちしながら、外壁をぐるりと一周する。

 何かするためという程、意義のある行為ではなく、特に考えはない。

 そのうちにポツンと佇んでいる、四輪駆動を見た。

 迷彩柄で……上の部分に主砲があって、戦闘向きである。

 

 『でっかい車だな〜』

 

 ロードバスターはふと、自分がこんな所に来てしまった理由を思い出した。

 それは、自分がトランスフォームする乗り物を見つけるという目的のためだった。

 

 『よっしゃ、これにするぜ』

 

 ロードバスターは、目の前の車をスキャンした。

 体が、それまでのものと違ってその車を基準にして変化していくのが分かる。

 今ならできると思い、ロードバスターは叫んだ。

 

 『トランスフォーム・ロードバスター』

 

 色違いとはいえ、目の前の四輪駆動と同じ形となった。

 変形したり、戻ったりを繰り返してみた。

 その時、青いワニの頭をした男が話しかけてくる。

 

 「よ〜う、でっかいあんちゃん。誰の許可をもらってそんな事してんの?」

 

 いつの間にか現れた事よりも、やっと人に会えたという喜びで、ロードバスターは内心飛び上がりそうだった。

 

 『これは……持ち主の方でしたか。気付きませんでした……姿をお借りしましたが、問題なく動くと思います。以降の迷惑はかけないのでどうかお目こぼしをいただければ』

 

 「スクラップにして、体で払ってもらわねえと」

 

 だが、その喜びを台無しにされるように……突如、レーザーの雨あられが飛んできた。

 

 『うわ!!』

 

 「そーらそらそらそらそら」

 

 ロードバスターは驚き、塀などの遮蔽物に隠れた。

 

 『相手が小さすぎて、反撃していいか分かんないぜ』

 

 もし反撃し、相手にもしもの事があれば……

 

 『士官候補生ロードバスター、君は我がサイバトロン軍の栄誉ある士官候補生でありながら、無闇に命を奪った……大変許しがたい事態だ、よって君を除隊とする』

 

 と言われるかもしれない。

 

 『まずい事になるな……』

 

 遮蔽物に隠れつつ、様子を伺う。

 すると、ワニ男は……四輪駆動に乗り込み、主砲で照準を付けてきた。

 

 『ど、どうする……?』

 

 考えている内に遮蔽物が破壊された。

 

 『マジか!!』

 

 「じゃあ、俺様の財産になってくれ」

 

 『間に合うか!?』

 

 ロードバスターは、自分の頭を調整し、ワニ男に照準を向ける。

 

 「!?」

 

 同じ武器を持つのだ、同じ事ができない訳がない。

 両者向き合い、緊張が走る。

 その時、黒いスポーツカーが到着し、ワニが乗る車を攻撃。

 

 「誰だ!!」

 

 『トランスフォーム!!』

 

 そして黒いスポーツカーは変形する。

 驚くべき事に、傷ついたサイバトロンマークを持つ、トランスフォーマーだった。

 

 『あの御方は……まさか』

 

 傷のあるサイバトロンマークの持ち主には該当者が一人だけいる。

 その名はランページ。

 ホットショット……当時はホットロッドと呼ばれていたが、彼の親友であったそうだ。

 サイバトロンだったが、とある事故をきっかけにデストロンに陣営を変えたらしい。ホットショットは、その事故で彼を助ける事ができなかったと。

 そういう訳でホットショットと因縁はあるが、それはそれとして友情が消えた訳ではない……というのが広報からの情報だ。

 歴史に載るようなレジェンドに遭遇したようなもので、ロードバスターの胸は躍った。

 

 『あの!!ひょっとして……ランページ殿でありましょうか?』

 

 たまらず、そのトランスフォーマーに話しかける。

 

 『懐かしい名だな……だが、そいつは10年前に消えた……俺はただの銀河警察の犬だ』

 

 やんわりと、否定される。

 

 『え?そうでありますか……自分はてっきり……』

 

 『フフッ真に受けるか』

 

 『?』

 

 『まあ、そんなはぐれものの事など気にするな……それよりあのワニ頭だ』

 

 四輪駆動の上の主砲で、照準を定めている。

 

 「フハハハ!!何人来ようが一緒だぜ」

 

 ビームが飛んできて、ロードバスターは驚きつつも避ける。

 

 『うおおっ』

 

 『そいつはどうかな?』

 

 冷静さを崩さないトランスフォーマーは、剣を持ち出して、四輪駆動を切り裂く。

 

 「近接もいけるのか、こいつ!!」

 

 『残念だが、お前の商売道具はもうお役御免だな』

 

 ワニ男は四輪駆動から脱出する。

 

 「こうなったら……来い、キャノングラディエーター」

 

 剣と盾を装備した甲冑という、前時代的なデザインのロボットが現れる。棘もそこかしこについていて、力を誇示していそうなデザインだ。

 

 『アリエナイザーめ、奥の手まで引っ張りだすか』

 

 『アリエナイザー……って……あ』

 

 他星に来て、犯罪をする奴らの事。

 組織だった犯罪である事は稀で、ほとんどは特定個人の犯行によるものらしい。

 

 『あいつはベスカ星人リゲータ。他星に移り住んだトランスフォーマー達を襲い、スクラップにしてボディをどこぞの市場で売りつけるという犯罪を侵している……ちょうどここは奴のアジトだったって訳だ……危なかったな』

 

 『まさか、悪党の乗り物だったとは』

 

 ロードバスターは悲しくなり、震える拳を握りしめた。

 同じ形状のビークル、事情を察したトランスフォーマーは、ロードバスターに声をかけた。

 

 『…………乗り物に意思なぞない、動かす奴らが悪い奴だったというだけの話だ』

 

 『それは……そうですが……』

 

 『その姿を借り受けたお前が、正しくいればいい。それができるお前だと、今俺は見ているよ』

 

 『よーし、俺……頑張ります!!』

 

 『良い返事だ、始めるぞ』

 

 二人は建造物の壁に隠れる。

 そして武器を用意し、キャノングラディエーターにビームを撃ちまくる。

 だが、容易に傷がつかない。

 

 『流石に堅いな』

 

 甲冑姿である事が、余計にそう思わせた。

 

 『弱点を狙えれば早いがな』

 

 『弱点……?』

 

 『見た目通りなら、装甲と装甲の隙間だな』

 

 『……………あれか?』

 

 肩部のアーマーの下に、腕を通すための隙間がある。

 

 『でも、あれはかなり踏み込まないと狙えませんよ』

 

 『そうだな……まあ、気長に行くさ……』

 

 「来ないなら、こっちから攻める番だ」

 

 キャノングラディエーターからミサイルが飛んでくる。

 

 「くらえ!!」

 

 『流石に自分の居住地を狙いはしないだろうが……』

 

 だが、トランスフォーマーの言葉も空しく……居住地に点火、爆発する。

 

 『マジかよ!!こいつ、自分の家を!!』

 

 「そろそろボロくなったと思ってた所だ……損害の分は売れろよ」

 

 怪獣機は近づいてきた。

 

 『逃げろ、君!!』

 

 大振りのサーベルが迫ってくる。

 

 『俺が盾になります』

 

 『止せ!!』

 

 トランスフォーマーの静止をよそに、ロードバスターは構えた。

 

 『受け止めてみせる!!』

 

 「少しパーツを無駄にするが、それはそれ〜!!」

 

 サーベルが迫り、ロードバスターはそれを二の腕で阻んだ。

 

 『うぉぉぉぉぉぉぉ!!司令官の方が何倍も強かったぜー!!』

 

 ロードバスターは叫ぶ、実際、グランドコンボイの動きは今のような大振りではなく、最低限の動きで圧倒してきて手足もでなかった。質量だけの攻撃が、彼の攻撃に勝る道理はない。

 

 『これならいける!!』

 

 ロードバスターは、自分の倍以上の身長差のある怪獣機の攻撃を受け止めきった。

 

 「マジか!?」

 

 『今です!!』

 

 『うむ……分かった』

 

 トランスフォーマーは、ロードバスターが攻撃を凌いでいる間。装甲と装甲の間に銃を乱射する。

 狙いは当たったようで……怪獣機は崩れ落ち、ワニ男はまろび出てきた。

 

 『倒したか……しかし、無茶をする奴だ』

 

 『ゼェ……自分は……まだただの候補生です、だから無茶しかできませんでした』

 

 『そうか……』

 

 『トドメはどうなさるおつもりで?』

 

 『倒す(デリート)だけなら簡単だがな、市場をなんとかするために捕獲が必要だそうだ』

 

 「ヒィ!?」

 

 『なるほど、作戦があるのですか……ならば自分も参加しても?』

 

 『ダメだ、今までは巻き込まれたという形で済ませられるが、これ以上はそうはいかん。離脱した方がお前のためだ』

 

 『ハッ、では帰り道を探そうと思います』

 

 『それでいい……そこをまっすぐに行けば、人里に出る……そうすれば、どこかでパトロールしている奴が相談に乗ってくれるさ』

 

 『ありがとうございます、では!!』

 

 ロードバスターは変形し、その場を去った。

 

 『頑張れよ』

 

 ランページは、聞こえてるかどうかはさておき、そう呟いた。

 若い、素直な芽だった。そんな新たな芽が、育ってきている事が嬉しくなって、ついこぼれ出た言葉だった……

 

 〜数分後〜

 

 『さあ、大人しくしていろ……6つの星にやってきた俺達の仲間を◯に追いやり、加えて残ったボディを売り払おうとした罪……デリートは一時保留でしかない事を忘れないでもらいたい』

 

 「クソ!!」

 

 リゲータを電子縄でふん縛っているランページの前に現れたのはグランドコンボイ。

 

 『ランページか……久しぶりだな』

 

 『これはこれは、総司令官殿。ホットショットは元気でしょうか?』

 

 「げっこいつ歴戦の勇士かよ!!」

 

 グランドコンボイは、逃げようとするリゲータを押さえつける。その間に拘束を一通り終えた。

 

 『これでいいか?』

 

 『すみません、お手を煩わせて』

 

 『何……構わん。それより元気だよ……心配なら、戻って来る気はないか?もはや、サイバトロンとデストロンで争う時代ではない』

 

 『そうはいきません、これはサイバトロンを離れ、デストロンに加わる意義を失くした私のけじめでもありますから』

 

 元々サイバトロンであったランページは、デストロンへと移った。だがそれは、昔自分の命を助けてくれたメガトロンに仕えるためであって、デストロンがどうこうというわけではない。

 そしてそのメガトロンはもういない。メガトロンがいない以上、デストロンにいる理由もない。かといって、サイバトロンに戻るには虫が良すぎる。サイバトロンとデストロンが争いを止めたのは良いが、純粋なトランスフォーマーはサイバトロンとデストロンのどちらかでしかない。マイクロンは身長、特性、共に違う。今や、ランページはどこに行っても鼻つまみ者である。

 

 『…………そうか、踏み込んだ事を聞いた。それはそうと、部下にする予定の士官候補生が迷ってきてないだろうか?ロードバスターという名前だが』

 

 『なるほど、事情は分かりました。そのロードバスターとやらには、縁があってあちらに向かうよう指示を入れています……そろそろ連絡を入れねば』

 

 『そうか、礼を言う……トランスフォーム!!』

 

 グランドコンボイは、変形して走り去った。




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