スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
勢力が増えた結果三つ巴で済まなくなったって感じであります。
「ドウコク、大変だよ!!」
古い書物を片手に、シタリは慌てていた。
「あん?どうしたぁ?」
「ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ」
シタリが全部話し終えると……
「なあにぃー!!」
シタリが驚き、書物を落とす程に……ドウコクは怒り狂った。
「志葉の当主……」
ドウコクは一度息を吸い、叫びと共に吐き出す。
「志葉の当主──────!!」
爆音が、三途の川でこだまする。
〜東京〜
今日は敵の数が異様に多い。
70〜80程の数のナナシ連中が襲いかかってきている。
なんとか倒して、それらが全て巨大化している。
これまでを振り返れば「未曾有の大災害」と言っても過言ではない。
半分なら、
それと今回は、シンケンオーを中心に狙われているのではと思う程、シンケンオーが狙われている。
「まだ……いけるな?」
「はい!!」
「たりめぇだ!!」
「当然!!」
「まだまだ行けます!!」
「せや、まだいける」
「私も、弱音は吐いてられないか」
「とはいえ、そろそろ一息入れたいね」
ファイだけ別方向の言葉だったが、心のどこかでそう思っていたみんなは、その言葉を咎める事はできなかった。
その時……
「みんな〜お待たせ〜」
アイがゲッターロボに乗って現れた。
「アイさん!?」
「それだけじゃないよ、ほら」
「殿様方、暴れるならあっしも混ぜてくだせえ」
「熱いな〜これ」
「僕もいきましょう」
「私達ストレイジも手伝います!!」
ニンニンジャー達の駆るオトモ忍とデカバイクロボ、そしてセブンガーが合流してきた。
「………助かる」
「そのオトモ忍は?」
星のようなサングラスをかけた浅葱色のロボがいる。
以前は見かけなかったオトモ忍である。
オトモ忍とは、伊賀崎好天の作ったものらしい。
「よくぞ聞いてくれやした!!これはラストニンジャ、伊賀崎好天様のこれを元に作り上げたオトモ忍なので〜ございやす。名を、ロデオマル」
キンジは一冊の雑誌をコックピット上から見せてきた。
そこには英語で「私はラストニンジャ」と題されたタイトルの下に洋装の好天が載っている。
「あ、懐かしい〜あれの日本語版アクアに買った事あるよ。『材料と組み立てる手間と出来上がったものを詰め込むスペースを考えたら現実的じゃない』って諦めてたけど」
「え……そ、そうですか……」
突如不特定多数の前で情報を開示されたアクアが不憫である。
「てことはよ、折神自分で作ったみたいなもんか……すごくね?」
「すごいな、ウチにはできへんわ」
「そんな芸当ができる奴がいれば、天才だと称えるしかないだろう」
「そして、同じく作ったバギーをこう、合体させやしてて……」
バギーが変形し、その上にロデオマルが乗っかり手裏剣でサンドする。
「バイソンキング、でございやす!!」
やはりというべきか……天晴達と同じようなオトモ忍の合体巨人となって現れた。
「イーハー!!」
バイソンキングは銃を乱射する。
ナナシ連中に命中、ダメージを受けたのかたじろぐ。
「〆させてぇいただきやす、バイソンアラクレバスター」
その勢いのままバイソンキングの銃から、さらに多数の雨あられが飛ぶ。
「シュリケンジン・アッパレ斬り」
シュリケンジンの右腕、搭乗したシノビマルの右腕に持った二刀を一気に振るう。
「ソードトルネード!!」
デカバイクロボは竜巻の如く回転し、ナナシ連中を切り裂く。
「甲芯鉄拳弾!!いっけー!!」
セブンガーの腕から先が外れ、集まったナナシ連中に放たれる。
「ドッキュン♡」
ゲッターロボがウィンクをし、♡の形を作った指から光線が放たれる。
ナナシ連中を透過し……ナナシ連中の一体はゲッターロボに魅了されて、倒れる。
「負けてられないな、行くぞ!!侍合体」
丈瑠は兜、舵木、虎、三体の折神をダイテンクウに合体させる。
「はぁっ」
ダイテンクウからビームを照射し、ナナシ連中に浴びせる。
ナナシ連中、全て一掃できた。
「終わったな……」
「流石に今回は俺達だけじゃ危なかった……礼を言う」
「同じ人々を守る職にいる方からの御言葉、光栄です」
「じゃあ、いっちょ決めようぜ!!忍ばずーワッショイ!!」
「ワッショイ!!」
アイもノリよく乗っかっていた。
「これにて……一件落着」
丈瑠がダイテンクウから降りたその時……背後からナナシ連中が襲いかかってきた。
「!?」
とはいえそこは丈瑠、気配を感じすぐさまノールックで対応する。
「殿!!」
「問題ない、一気に決めるぞ……誰か、刀を貸してくれ」
「はい、殿様」
ことはがシンケンマルを貸した。
「はぁっ!!」
火炎雷電之舞と銘打った攻撃を展開して、雷と炎の連続攻撃を繰り出す。
その攻撃を受け、ナナシ連中は倒れた。
だが………ナナシ連中はすぐに立ち上がる……
「!?」
「丈瑠!!」
「まだやる気かよ!!」
『シンケンレッド……志葉の当主……』
呪いのこもるような、低く、そして地獄の底から湧くがごとき声が響く。
そう言い残し、ナナシ連中は灰となって消滅した。
「今のは」
「もしや……血祭ドウコク!?」
「あれが……殿様達、シンケンジャーの敵……」
姿形は分からなかったものの、声だけで只者ではないと分かった。
屋敷に戻って以降、彦馬の動きが慌ただしい。
丈瑠を狙った
「殿…………今回の血祭ドウコクの行動、もしや……気づいたのやも知れませぬな」
「ああ」
「何に気づいたんですか?」
「今から話す……座っておれ」
「お前達は知らなくて良い、これは俺達の問題だ……下がってくれ」
丈瑠は
「しかしですなあ……外道衆が知ってて、彼らに知るなと言うのも酷な話ですぞ……殿」
言葉に詰まり、丈瑠はそれ以上追い払おうとするのはやめた。
「仕方ない、続けてくれ」
志葉家当主には代々、伝えられてきた文字がある。
『封印の文字』と言って、その名の通り封印するためのモヂカラである。
なんでも、先代シンケンレッドがこの封印の文字を用いてドウコクを封印したとか……
だが、先代は封印の文字を極められず不完全だった。それで今、ドウコクは復活している。否、極められたものはどの志葉家当主にもいない。
「聞いてねえよ、んなこと」
「お前達の家には言っておらんかった……極秘事項という奴でな」
家臣の中でも、家老などの重鎮レベルしか知らない事らしい。
秘技中の秘技だから……か。
〜数十分後〜
修行でよく使う庭で封印の文字について話す事になった。
稽古の時間と、先ほどの封印の文字について聞かされた事で自然とそうなっていった。
「先代もマスターしきれなかったんだろ?難しそうだな」
「殿様やったら使えはるわ、きっと」
どこからか
「あるある」
「うちも先代の時そう思ってたもん」
「みんな俺達の仕えてる殿様ならいけると思うんだよなぁ」
と思ってそうなオーラが厨房から流れてくるような気がした。
「そうだ、それまでなんとしても殿をお守りするんだ。我々が家臣として育てられてきた意味がようやく分かった。殿をお守りする事が即ちこの世を守る事、我々が殿の盾となって!!」
障子の勢いよく開く音が鳴る。
「あ、殿」
丈瑠が現れた、肩の力の入りようからして……流ノ介の言葉が聞こえていたのだろう。
「そんなのは良い、自分の身は自分で守る」
「はっしかし、この戦いで殿が切り札であると分かったからには……この池波流ノ介及び我ら家臣一同、これまで以上に殿の御役に」
「却って足手まといだ」
そう吐き捨てられ、一同固まった。
「ハーイ、殿様
ファイが挙手する。
「なんだ?」
「素朴な疑問だけどさ〜封印の文字の修行ってどんな事するの?」
「………それは……」
「む……確かに、特別な文字になるから、そのための修行も特別なものになるかもか……」
「…………………………」
「……………………」
「………………秘密だ」
全員ズッコケた。
「マジかよ」
「殿様ったら、恥ずかしがり屋なんだから〜」
モコナは丈瑠の肩をバシバシと叩く。
「違うぞ」
彼らが話してる中彦馬は、一つだけ残っている志葉家の具足を見つめる。
「ドウコクが気づいたここからが正念場……命をかけたこの一策……どうか最後まで見守って……」
〜三途の川〜
ドウコクは封印の文字の話を知り、暴れまくって、深酒しまくりで一寝入りしている。
ドウコクの苛立ちに呼応して、ミノムシの如く糸でぶら下がったススコダマが降りてきてばかりいる。
「どうにか落ち着いたね……」
「そんな古そうな書物、どうして調べた?」
「十臓の言葉が気になったからね。こうして調べてみたら……という訳だ。あたしゃーてっきり力ずくでどうこうしたもんかと思ってたんだがねぇ」
だが知ってしまったからには、話は変わる。
「太夫、お前さん……以前シンケンジャーと戦ったけどどうだい?使えそうかい?」
「使えないね、できればとっくにやってるだろう」
「そうか、ならつまり……今が叩き時って事だね」
数時間後、一人のアヤカシが現れる。
その名をウシロブシ。
「呼んだか?」
「来たね、よしよし……」
シタリはウシロブシに事情を説明する。
「そういう訳だ、シンケンレッドの腕を使えなくするだけでも充分だからね」
普段文字を描く腕が使えなくなれば、文字など練れなくなる。
「腕だけでもいいが……別に、シンケンレッドを殺してしまっても構わんのだろう?」
「おお、やってくれるんだね!!ウシロブシ」
「後でうまい酒をたらふく飲ませろ」
ウシロブシは三途の川から出発した。
「ウシロブシなら安心さね、ドウコク……」
「……………………」
「まだ寝てたか」
〜十数年前〜
ある夜の出来事……
志葉家の屋敷を探り当てたドウコクは、大量の手下を率いて出陣した。
『出てこい、志葉の当主────!!』
一人、また一人、薙ぎ払っていった。
ドウコクの前では、シンケンジャーとはいえ家臣達では吹き乱れる木の葉の一枚一枚程度でしかなく……瞬く間に彼らの変身が解け、倒れていった。
わざわざトドメを刺す必要もない、全員意識が途切れ、虫の息であった……放っといてもいずれ事切れる。
そんな行脚を繰り返し、ついにはシンケンレッドすらドウコクは地に伏せさせた。だが、さほどの感慨もない。自分が出れば、力を付けたとはいえ人間に負ける事などないと分かりきっていたからだ。
振り返れば、数百年に及ぶ長い因縁だった……
江戸の世から始まり、実に二百と幾年……飢饉に人と人の戦など、勝手に三途の川の水が増える筈だった時もなんだかんだ邪魔をされた。
それももう終わる。
『この長え間、散々邪魔をしてくれたテメェらも、今日で根絶やしって訳だ。見ろ』
ドウコクはシンケンレッドに周りを見るよう促す。
『屋敷は燃え』
ナナシ連中の手によって、火の手が上がっていた。
『手下は倒れ』
家臣達はもはや動けない。
『残るお前も虫の息』
変身は解けていないものの、シンケンマルを支えになんとか立ってるといった模様……
『この勝負、テメェらの……負けだ』
勝ち誇った次の瞬間、シンケンレッドは何かを仕掛ける。
『!?』
それを浴びた瞬間、ドウコクは意識が薄れ体が硬直していく。
そしてそのまま、術と代償のようにシンケンレッドはその場で息を引き取ったのをドウコクは見れなかった。そのままドウコクは、宿敵の死に様を拝めずに手下達によって三途の川へと運び込まれるのだった……
何を以てそうなったかを知ってさえいれば、代替わりしたシンケンジャーに対して、こうも悠長な振る舞いはしなかった。目覚めたドウコクはそう考えるだろう……
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。