スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
昼ごはんも終わって、稽古の時間になった丈瑠達……
「今頃イチゴ君は伊賀崎の道場に行ってる頃ですね、殿!!」
「そうだな……」
小さく答える丈瑠に、茉子は切り込んだ。
「気になる?丈瑠」
「………別に」
「千明、イチゴの事知ってるなら教えてーな、なぁ」
「……………お、教えませ〜ん(その話題は極めてセンシティブなんですけどー!?)」
〜一方その頃〜
「という訳で、小美呼市であれこれあってその対処にきた結城イチゴです」
「改めて、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「よろしくなー」
「フン」
「よろしく〜」
モコナ達一行相手だと話が早い。
まさか、彼らとまた行動を共にできるなんて思わなかった。
何故彼らとニンニンジャーが繋がっているのか?
実はサクラの羽根の手がかりは、ラストニンジャこと伊賀崎好天が持っているらしい。
手がかりを聞き出すため、牙鬼軍撲滅の協力をしているそう……
だが
『
としか言いようのなかったが。
まさか勝負の流れとはいえ、老体の心臓を狙う事になるとは……(しかもトドメを刺す所だった)
それはそうと、相手の自己紹介の番になってきた。
「よろしくな!!俺は伊賀崎天晴」
アカニンジャー、天晴。雰囲気が語っている、自他共に認めるバカである。
「……加藤・クラウド・八雲だ」
アオニンジャー、八雲。ファッション雑誌で名字の同じ人を見た気がする。
「よろしくね、松尾凪だよ」
キニンジャー、凪。潤滑油的な存在のようだ。
「よろしくー、そこのお兄ちゃんの妹です」
シロニンジャー、風花。天晴の妹らしい。兄にラブな感情はなさそうなので安心して接する事ができる。
「よろしくお願いします、百地霞です」
モモニンジャー、霞。チームのブレーンのようだ。
「九衛門の手がそこまで及んでたとは知りやせんでした、あ……あっしはキンジ・タキガワってぇしがない妖怪ハンターでございやす」
スターニンジャー、キンジ。アメリカ育ちらしい。
「この道場の道場主をやってる旋風って言います、よろしくね」
伊賀崎旋風、道場主だが、才能がないためか、祓忍としての家業は勤めるのが難しいらしい。
ラストニンジャが行方不明、次代である筈の彼がこの状態なので伊賀崎家は以前程の地位にはない……もののその次の代、ニンニンジャーで盛り返しているようだ。
話し終わって旋風は反対方向を向くと、ヒソヒソと話し始めた。
「(結城イチゴ君って、ヤバい子来ちゃったよー)」
「(そんなにヤバいの?お父さん)」
「(昨年、ある祓忍の一族の当主が急死した事件だけど、その原因候補No.1なんだって……)」
「(何が起きるか分からないから、手元に置いておきたいって事ですかね?)」
「(大丈夫?
そんな時、煙幕と共に老人が一人現れた。ファンキーな装いといい、言い切れないエネルギッシュなイメージがある。
「じいちゃん!!」
「忍者たるもの、目先の困難に怯むべからず。どんな者と組んでも最良の結果を目指す事じゃな」
そして、再びの煙幕と共に消えた。
たまらず、イチゴは質問した。
「……………いつもあんな感じ?」
「うん、そうだね」
「そっか……」
「じゃあ、まずはテストからいこう」
座学
「歴史問題か……昔取った杵柄って奴だよ」
時間内に、全て設問を埋める事ができた。
綱渡り
「えいさっほいさっ」
なんとか、渡り切る事ができそうだった。
「熱いな〜俺も負けてらんねえ!!」
一緒に動いていた天晴がヒートアップし、動きを早める。
手裏剣投げ
「うぉぉぉ!!」
「命中八割……当たりどころから見て、行き当たりばったりって所か」
水遁の術(昔ながらのやり方)
「ゴポポポポ」
「あ、助けないと」
水遁の術(ザブザブジャー)
「出ろ!!……………出ろ!!出ない……」
「貸して、えい」
風花が忍シュリケンを刀にセットし回転させると、水鉄砲が飛び出た。
「すごい……」
テスト、終わった……
「体術、座学は一通りいける……だが……」
忍術に関しては、今ひとつ……
「……仕方ないでしょ?親やご先祖様はそっち側じゃないし……」
呪詛返しとか、教えてもらったものもいくつかあるが、全部使えないと言っていい。
「ん?そうだったんだ」
「Not easyだな、そんなので俺達の戦いに加わろうなんて百年、嫌、千年早い」
「そんな………」
「他にできる事は……?」
「………料理」
「イチゴさんの料理はおいしいですよ」
「へ〜すげえな」
「でも、他の人にだってできる事だよ」
ニンニンジャー達のような事ができる方が特別感があっていいとは思う。
「別に良いじゃねえか、誰にできたってよ」
「ちょっと、お兄ちゃん」
「今、あんたが自分の口でできるって胸を張って言えたのが一番だろ?」
「………………」
天晴に対して、認識を改める必要がある。
彼はバカかもしれないが、誰かの良い所を見つけ出せる良いバカに見えた。
ほんの少しだが、自分が認められたような高揚感が湧いた。
「そんでさ……ピーマン克服に力貸して欲しいんだけど」
「…………ピーマンの肉詰めって食べられる?」
「肉入りか?燃えてきたー!!」
「それかパプリカって手もあるんだけど」
「おう、なんでもきやがれ」
「あっしのステーキとどっちがうまいか勝負していいでやすか?」
「競うもんじゃないとは思うけど……」
イチゴ達が話している横で……
「話してみると、噂程じゃなさそうだね」
凪は感想を述べた。
「まあ、今度獅子丸さんの所に話を聞いてみよう」
一通り話が終わった後、
「という事があってさ」
「それは大変でしたね……」
異世界行って帰ってきた……というより、ハイラルと闇の世界を行き来するぐらいの手軽さではあった。
そして、天照に該当するものと会って、戦って……今に至る。
「アマテラスか……」
「何か?」
「俺の国の女王も天照つってな、有事の際には馬に乗ってどこにでも駆けつけてくんだ。お付きに蘇摩っていうくノ一を侍らせててな……こいつがまた小言がうるさく」
「天照って、色々いるんだね……」
唯一無二を謳う紫外線の化身のようなのもいれば、すずのような快食快眠の塊もいる。
〜一方その頃〜
「クシュン!?」
「お母さん、風邪?」
「………熱はないよ、ありがとうね、明里」
すずは娘の頭をなでなでした。
「夜ずっとお父さんと裸んぼでいるからだよ」
モブのおばさんA「あらあら」
モブのおばさんB「すずちゃん、仲良しねえ」
「キャーッ(大声でかき消す)、シーッシーッ」
〜戻る〜
「その時に取ったって言うの……もしかしてスフィア?」
「え?何……モコナ知ってるの?あれ」
「うん。スフィアって言って、すごいパワーがあって知り合いが狙ってるんだって」
「アサキム・ドーウィンと言う人です。サクラの羽根を探す旅の中で何度か会いました」
「良い人ではあると思います……でもそれ以上に悪い事も笑いながらできてしまう人です」
「うわ……」
「あいつ、魔女の力なしで次元を渡ってるんだって、すごいよね」
「いけ好かねえ野郎だったな、言葉がいちいち回りくどいんだよ」
「この格好の人とこんな形のロボに気を付けて」
モコナが似顔絵を書いて渡してきた。
黒い衣を羽織った、絶対悪目立ちする衣装の若い男と、翼の生えた黒いロボットの絵だった。そして、そのロボットは鳥に変形できるようだ。
「そっか……ありがとう」
九衛門との戦い、十臓があちらにも来ていた事……
「それでアイさんって人と知り合ったんです」
「ああ、あのアイか」
「イチゴさんはアイさんの事知ってますか?」
「週刊雑誌で見るよ……でもそれだけ。芸能界とは関わりたくないし」
記事にされれば、面倒になる。
「関わろうと思えば関われるって言ってるみたいだな」
「実際コネはある……でも、弟達に迷惑はかけられない」
「イチゴの弟、アイドルなの?」
モコナが聞いてきた。
「妹だね、もう分裂済みか、まだか……その妹達のお母さんが元アイドルなんだ」
「ルビー達とおんなじだね」
「ふうん……じゃあ、キャラ被りだけは避けたいよね。スタンスの被りは人気の分化、ファン層もどちらかにしか流れつかないだろうし」
「言うほどか?」
「言うほどだよ、より洗練された、より魅力的だと思った方をファンは選ぶ……それに世間が、同じ属性のアイドルを対決させようって流れを作るんだからさ」
「争って欲しくないんだ?」
ファイが聞いてきた。ファイとイチゴに何か近いものがあるのか、ズボシメシ戦から聞いてくる言葉がいちいち鋭い。心に領域という境界線があるとすれば、間違いなくそのラインを一番踏み込まれてる気さえする。それを指摘するのは簡単だが、簡単に軋轢ができるのが分かる分何も言えない。
「まあ、そうなるか……なかなか難しいかもしれないけど」
〜一方その頃〜
「ただいま〜」
ルビーは疲労感からか、ギャグ的に等身が低くなって帰ってきた。
「おかえり〜」
ルビーの帰宅に合わせて、アイは手を広げる。
「ママー!!」
ルビーはアイの姿が見えるやいなや、飛びついた。
「よしよし、無事に帰れて良かったね、ルビー」
「えへへ〜」
「ルビー、どうした?朝みたいな元気がないぞ」
「お兄ちゃんには関係ありませーん、あーあ……忍者ってもう少し頼りになると思ってたのにな〜」
「昨日気合いれて何を準備してたのかと思えば……そんな所に行ってたのか、何しにいったかは知らんが、どんな凄腕の忍者でもそんな短期間で何かをするのは流石に難しいぞ。プラン練ったり実行したり」
「今欲しいのは正論じゃなくて共感でござる(泣)」
「ていうか忍者に頼りたい事があるならまず俺を頼れよ」
「やっ、お兄ちゃんは知らなくていいの」
「真面目に悪い虫の予感がする……!?」
「ガルルルル………」
兄妹で争う予感のしたアイは止めに入る。
「どうどう……ルビー、そうだ。これ来たよ」
B小町の次のコンサートの打ち合わせだった。
「コンサートの打ち合わせの話、やったー」
ルビーは元気を取り戻し、大はしゃぎする。
アクアは二人が情報の見落としをしてないか、くまなく資料に目を通す。
「待て……その日って確か」
母親同様、ソロデビューして破竹の勢いでファンを増やしていっているアイドル……マイ。
彼女のコンサートの日でもある。
時間も前後になっていて………そう
全面対決!!
言わずもがなアイと、その少し前にブレイクして結婚を機に引退したRUN。
時代を築いたアイドル二人の後を継ぐ者同士の勝負という構図になる。
「今回は……かなり強敵だぞ」
〜一方その頃〜
「ラーララ」
園児のユキが、マイクのおもちゃを手に取り踊っていた。
男性陣は手拍子をさせられているようだ。
部屋一つ分離れてアキラは一人、放心していた。
アキラが持ち帰ったアイのサイン入りの下敷きをきっかけにチビッコハウスで、アイドルブームが起きていたのだ。
流行っちまった……アイドルごっこ(滝のような汗)
プロレスラーのミサワだけじゃなくて、アイドルにハマるとは……
男たるもの、一度選んだ道を後悔する訳にはいかない、だが…………………
すまねえ……園長、うるさくて体に響いたら俺のせいだ。
妙子姉ちゃん……へそくりの溜め込める量が減ったらそれは俺のせいだ。
カオリ……うるさくなって寝られなかったら、それは全部俺のせいだ!!
「俺が、俺が悪かった──────!!!!!!」
「お兄ちゃんうるさい」
「ごめん」
松のたい焼き屋、もっと手伝うか……
そう思ってみた、アキラだった。
〜一方その頃〜
オーシャンシティー
ガーランドはバイクに乗って道を走る。
「ただいま〜」
門番を勤めているアイアンハイドと鉢合わせする。
『おお、ガーランド……戻ったのか。危なっかしい弟は見つかったか?』
「ああ」
『よし、通っていいぞ』
「ていうか、よく浮上したな……もう少し長くかかると思ったが」
『キッカーの奴が飯を食うと言って勝手に浮上してしまってな、以来このままなんだよ』
「あいつ……またか」
キッカーはここにいる科学者、ジョーンズ博士の息子で、16歳の絶賛思春期で反抗期真っ最中の少年である。
ガーランドとはバイク友達という観点から絡んだりしてる訳だが……
「といっても乗っかる俺が何か言う事もないがな」
『降りるまで気を付けるんだぞ』
「了解」
駐車スペースで一応伯母のティアーユが待ち構えていた。長く伸ばした金髪は、嫌でも目についた。
「ガーランド君、お疲れ様」
「ただいま、おばさん……身の回りは大丈夫か?」
早い話、美人だし何がとは言わないが科学者の白衣でごまかしきれない程デカいので変な虫が寄り付いてないか心配である。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
そして住居スペースに向かった。
「イチゴ君、どうだった?」
「話せはする……が、正直分からんってのが感想だ。無事を装うのは上手いからな……あいつ」
「そう……」
「おばさんが悩む事じゃないだろ」
「ヤミちゃんが気にしてるから……私も気になるのよ」
「それもそうか」
ティアーユは研究があるので、別れる事になった。
「じゃあ、またね」
「ああ」
進んでいると、噂のキッカーとすれ違う。
「お、長旅お疲れさん」
キッカーは見た目こそ髪も染めてない普通の男子高校生だが年上相手に敬語は使わないという事を思いだした。少なくとも、敬語を使うキッカーはキッカーじゃないというレベルで。
「サンキュー」
「日本行ったんだろ?なんかうまいもんねーか?」
「おう。ほらよ」
冷凍食品のたい焼きを取り出す。
海外まで行くとなると、生のたい焼きでは危険が伴う。
「サンキュー」
「レンチンは必須だぞ」
「分かってるって」
キッカーはレンチンしてからたい焼きを頬張った。
「ほふっほふっやっぱニホンって国のたい焼きはうめえな〜」
「そりゃどうも」
セイバートロン星の教科書にいつか載るであろう人間の中には、まずマイクロンと友達になった5人と、このキッカーが挙げられる。
何故か?それはキッカーがセイバートロン星に宿る神……プライマスを見つけ、力を授けられた人間だからだ。
「そういやーさ、聞いてくれよ」
「なんだ、キッカー」
「ガーランドが外に出てる間、この辺でエネルゴンを見つけたんだぜ。つい昨日なんだけどよ」
キッカーが授かった力……それは探知能力。
身に迫る危険の察知や、遠くの誰かを探したりエネルギーを探り当てるなど、できる事は多い。
「そうか……」
トランスフォーマーと各星が交流を深めるようになって以降、新たなエネルギーの存在が認知され、広まっていった。その名も「エネルゴン」
「大発見だな!!」
〜セイバートロン星〜
『いっぱい絞られました……』
ロードバスターはインフェルノに連れられて歩いていた。
『当たり前だ、スペースブリッジは軍の備品なんだぞ……それを許可なく使用して、総司令官を始め色んな奴らに心配かけたんだ。反省文と小言で済んだだけありがたく思え』
『はっしかと身に刻んだであります!!』
『返事はものすごく良いんだけどな……』
その付近の部屋でグランドコンボイは、現状を説明していた。
『と、いう訳です』
『キッカーっていう子に感謝ですね』
モニターの向こうのデビルーク王妃の妹、モモは喜んでいた。
『例の件はやはり地球で行う事になるようです』
『そうですか……』
〜ストレイジ〜
「つまり……セブンガーが今までより長く動けるって事っすか?」
「その代わり、会場を設置してみんなの前で動かす事になるけどな」
「私としては、少し分けてもらいたいんですが〜」
ユカは新エネルギーの件で不貞腐れていた。
「うまくいけば良いけど、下手すると色んな星の人達からブーイングが……痛たたた」
長官はまたまた胃を痛めている。
「でもこれって、体の良い実験台って事ですよね……」
ヨウコは訝しんだ。
バッテリーの代わりにエネルゴンを積んだ機体のテストベッドとしてセブンガーが選ばれた。
様々な星に統一された規格で作られたデカレンジャー達などのロボと違って、純粋なその星の技術で産まれた兵器であるセブンガーこそ、星の防衛力アップを狙いとしたこの計画に相応しいという触れ込みだった。
その実、精製前のエネルゴンはトランスフォーマー達には有害で、ならば精製した後でも巨大ロボットとの相性が悪いのではと各星は二の足を踏んでいた。
そんな時、トランスフォーマーとデビルークの王族と縁の強い地球にやらせようという流れになった。
丁度、日本の防衛軍の兵器にうってつけのセブンガーがあったので、白羽の矢が立つ。
エネルゴンで、兵器を動かせるのか……今回試してみようという訳だ。
「まあ、そう言ってやるな。うまくいった時の恩恵もデカい。うちの特空機の性能と有用性を宇宙の彼方まで知らしめる良い機会って訳だ……」
向こうにセブンガーという手札を晒す事になるか、それが抑止力になるかは運任せになるが……
「いけるか?バコさん……」
向こうの科学者とセブンガーの技術のすり合わせをしたり、エネルゴンをセブンガー積めるよう調整しなければならない。
「なあに、任せときな。うまくやるさ、可愛いセブンガーの晴れ舞台だ……」
バコさんはニヤリと笑った。
「ハルキ、今回操縦はお前にやってもらうが建物壊したりするなよ。今回は宇宙から集まったお偉いさんとかがいるから特に厳しいぞ」
「お、押忍!!」
〜一方その頃〜
ドギー・クルーガーは、門下生と対峙する。
真剣ではなく、あくまで稽古用の剣……
だが、百戦錬磨の強者であるドギーが持てば、相対するものにとっては脅威以外の何者でもなかった。
既に、門下生の「打ち込みにいこうとする意志」は消えている。
「ハァッ!!」
雷鳴のような一閃が放たれ、門下生の剣は払い落とされた。
「ま、参りました」
門下生の全身は冷や汗で濡れていた、そんな門下生の肩をドギーは優しく叩く。
「今見たものを、恐れるのは良い……だが、決して怯むな。怯めば、誰かを守るどころか自分の命すら危ういものになる。この場にいる全員もそうだ、いいな」
「はい!!」
「今日の所はこれでおしまいだ」
「ありがとうございました!!」
稽古を終えたドギーは、サングラスをかけて辺りを移動していた。
地球署の部下達に何か買っておこうかと思案していた時、一台の車が通りかかる。
バンパーにある、傷の入ったサイバトロンマークを見ればそれが誰かは一目瞭然だった。
「ランページか」
『教導役は順調か?』
「ああ、師匠がどれだけ偉大だったかがよく分かる……」
『他にも教える人間はいるが事実上、お前が銀河一刀流のマスターだからな』
師も死に別れ、その息子もアリエナイザーとしてデリートしたため、一番上の人間として後進を育成、指導しなければならない。教えるには他の人間がいるが、最も強い者が振るう剣を見ているものとそうでないものでは伸びが違うのだ。
そして自分が育てた弟子が、アリエナイザーに堕ちないように眼を光らせなければならない。
「銀河一刀流の流派を絶やす訳にはいかんからな……それより世間話のためにここに来た訳じゃないだろう?」
『こいつを捕まえた』
ランページは自分の車内に放り込んで捕まえたアリエナイザーをドギーに見せた。
傷はあるが電子縄を振りほどこうとした跡の擦り傷しかない、私刑に入らずにランページはきちんと仕事をやり遂げたようだ。
「よくやった、後は向こうに任せてくれ」
『ああ』
「クソっデリートするなら、早くしろよ」
「その前に、聞かせてもらう事が山程ある」
〜一方その頃〜
研修を終えて、新たな銀河警察の仲間が配属された。
「本日付で地球署に配属致しました、アサフ・アシモフと申します」
「同じくムギ・グラフトンです」
「姶良鉄幹と申します、飾らない性格なので、テツとお呼びください」
「ホージーと呼んでくれ」
「よろしく、センちゃんってみんなは呼んでるよ」
「私の事はウメコって呼んでね、この前センさんの妻となりました〜イェイ」
「しょ、職場結婚……」
「こちらが、地球署のメカニックを勤め上げているスワンさんです。失礼のないように」
「あら、テツ……そんなに言う必要はないわよ。よろしくね、二人共」
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。