スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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みなさんこんにちはもしくはこんばんは。
このパートは桃太郎の姿をした妖怪縁結びに侵蝕されていますのでそこの所よろしくお願いします。
ちなみにヒカルの声はゼロ師匠です。


第4話 あやしいやつにはごようじん Cパート

 「ワーハッハッハッハ!!」

 

 謎のBGMと謎の神輿あり。

 

 「やぁやぁやぁ!!」

 

 天女の衣を纏う乙女達が舞い、屈強な男達が神輿を担いで運ぶ。

 そして神輿の上には、プロテクターを装着し、ヘルメットの上からサングラスを付けた赤いヒーローが!!

 額の鉢巻きを見ると、桃の形をしたマークがでかでかとくっついている。古(イチゴの親の代)から続く特定の人間を対象にしたファンクラブの一員ではなさそうだ、侍のように後頭部に束ねた髪と鉢巻きに描かれた桃、日本にはその代名詞がある……腰に付けている筈のそれが無いのはさておき、その存在は……桃太郎。

 桃から産まれた、桃太郎。

 

 「祭りだぁ!!祭りだぁ!!」

 

 桃太郎は、手持ちの扇を力強く振る。

 

 「笑え、歌え!!袖振り合うも多少の縁。つまづく石も縁の端くれ、共に踊れば繋がる縁、この世は楽園!!悩みなんざ吹っ飛ばせー!!」

 

 この桃太郎、縁ばかりを叫んでいる。

 

 「ワーハッハッハッハ、はあ!!」

 

 神輿の上には一台のバイクがある。どうやらそれにまたがっているようだ。

 仰いだ扇子を彼方に放り投げた後、そのバイクにアクセルを効かせた。

 そんな桃太郎は、イチゴのいる方向、きっちり上を見て言う。

 

 「目が合ったな、これでお前とも縁ができた!!」

 

 見ていたのがバレていた事に、焦りを感じた。ロボの中に入っているのだからバレないはずだった。

 それから桃太郎は同じようにナナシ連中を見た、ナナシ連中も同じように驚いているのが分かる。

 

 「お前達ともだ!!縁ができたな!!」

 

 ナナシ連中も頭からビックリマークが生えているのが分かった。

 

 「いくぞ!!」

 

 数秒、カイの中のモニターがノイズまみれになった。

 

 「風が収まった……」

 

 「殿!!ナナシ連中と……イチゴがいません」

 

 「何!?」

 

 「いないわね……この前みたいにカイちゃんが溶けた感じじゃないのに……」

 

 「なんかうるせえ奴が叫んだ後消えてったな、主持ちのお供などいらんって」

 

 「あの桃太郎、なんなんやろ……」

 

 「一旦分離して探すぞ!!」

 

 「はっ!!」

 

 シンケンオーは、分離して折神へと変形して持ち主の動かす通りに辺りを散策し始めた。

 

 ~????~

 

 ノイズが晴れると、知らない場所に立っていた。

 どこかよく分からない場所に連れていかれたようだ。

 電脳空間のような、カラフルな障害物の多い所だ。夜をライトで彩る遊園地みたいに黒い背景と緑のレイヤーが多い分、比較的落ち着いた場所のように思う。

 

 「ここは…………どこ?」

 

 後ろを振り返った。

 紋所にはでかでかと、そして力強く「縁」という文字が書かれていた。

 即座に先ほどの桃太郎の顔が浮かぶ。

 

 「縁があったな!!ハーハッハッハッハ!!」

 

 なんと、大声で笑ってきた、思い浮かべるだけで結構心臓にくる。

 

 「ハーハッハッハッハ!!」

 

 しかも実際にいた。

 そんな桃太郎はバイクから降り、イチゴ達に近づいてきた。

 

 「ガヤ、ガヤ?」

 

 「お前達にきてもらったのは他でもない、これも縁だ!!」

 

 「え?」

 

 「ガヤ……」

 

 「縁にも色々とあるが、俺との縁は超良縁だ。信じていい」

 

 「はあ……」

 

 「得物がある、だったらやる事は一つ!!さぁ、楽しもうぜ!!」

 

 桃太郎は腰の刀というには切れ味はよくなさそうな一品を持ち出した。

 

 「待って、あんた……オレの認識通り桃太郎なら犬猿雉、きびだんごはどうしたのさ?」

 

 「出張中だ、そして、縁こそが俺のきびだんごだ!!」

 

 桃太郎はそう叫ぶと、体に力を溜める仕草を取って巨大化した。

 

 「これなら遠慮はいらんな!!」

 

 回し蹴りを一発、ナナシ連中の1人に当ててきたらしい。正直その瞬間を見る事はできなかった。

 ナナシ連中もその通りで、突然転ぶ一体を見て他が驚いていた。

 蹴られたそいつは土下座して

 

 「おっす、アニキ舎弟にしてくだせえ」

 

 と言っていそうなジェスチャーを取っていた。

 

 「うむ、良いだろう」

 

 快く引き受ける様子から少し桃太郎に気さくなイメージが付いてしまった。

 

 「ガヤ、ガヤ」

 

 「ふむふむ、どうした?何!?あいつに命を一つ消されたと、ならばその悪縁を断ち切らねばならんな……互いにな!!」

 

 いつの間にか桃太郎を間に挟んでイチゴとナナシ連中が向かい合う形になっていた。

 

 「…………………………なにこれ」

 

 「組み手だ!!お前達、組み手をしろ!!」

 

 「オレは1人だ、奴らは7人だ」

 

 だからこっちの方が不利だ。

 

 「問題はない」

 

 桃太郎はカイを切り分けるように手刀を当ててきた。

 

 「?」

 

 なんという事でしょう、イチゴとカイが増えたではありませんか。

 

 「もう一度言う、問題はない!!い゛く゛そ゛!!」

 

 桃太郎が仕切る形で、組み手らしき何かの火蓋が切られた。

 

 「…………仕方ない!!」

 

 10分後……

 

 「ハァ…………」

 

 5対2でイチゴが勝った。

 

 「勝った……」

 

 もう少し戦いに「集中」していれば良い戦績だったかもしれない、が今回桃太郎の出現に気を取られて忘れていたのがネックだった。

 

 「そこまでだ!!お前達、互いに握手を交わせ」

 

 「ガヤ!!」

 

 さっきまで派手に戦っていた相手が普通に握手を求めてきた。握り返すと、ほんのり暖かい。まるで人間みたいだった。その暖かさに触れてふと申し訳ない気持ちになる。

 

 「……ごめん、オレ………お前達の仲間を」

 

 アリを踏み潰すように、その感触を感じないままに消してしまった。

 

 「詫びる必要はない!!俺たちは歩むべき道を歩みたいように歩いた、お前も為すべき事を為した。(あやかし)とは、そういうものだ!!」

 

 「…………………………」

 

 「ガヤ、ガヤ!!」

 

 ナナシ連中は手を振ってどこかへ去った。

 

 「どこへ行ったの?」

 

 「奴らの帰るべき場所だ、人はそれを三途の川というらしいがな……最後になんと言ったか分かるか」

 

 「……………………」

 

 正直、イチゴにナナシ語は分からない。

 

 「なんて」

 

 「次は自分達が勝つ、そうだ」

 

 次…………次なんてものは自分にあるだろうか?本格的にデビルークに連れてかれるのではないのだろうか?またメレーカのような存在に狙われるのではないだろうか?何故そうならなければならないのか?

 

 「…………………………」

 

 考えるな、考えるだけ、きつい。

 

 「お前の負念……しつこいぞ!!だが、面白い!!直に剣を交えなければ意味がないか」

 

 また、カイ越しにノイズが流れた……

 

 「…………………」

 

 周りには砂場に滑り台がある、おそらくどこかの公園。元の場所に戻ったのだろうか?

 

 「あ、元に戻った」

 

 『もう……無理です』

 

 カイはイチゴを外に追い出した、ちゃんと光線で道路まで送ってもらったから助かったが……

 

 「カイ、ありがとう……しばらく休んでて」

 

 『ラジャー』

 

 カイは、溶けて元の状態に戻った。

 

 「構えろ」

 

 いつの間にか元のサイズに戻っていた桃太郎は剣をイチゴに向けた。

 

 「勝負だ」

 

 「え?……………仕方ないか」

 

 イチゴは言われた通り万能工具(ツール)を変形させた剣を持った。

 

 「行くぞ、ハッハッハァ!!」

 

 桃太郎は、イチゴに切りかかってきた。

 

 「くっ」

 

 一撃一撃が、速く、鋭く、重い。

 

 「そこだ!!」

 

 イチゴは別の方向に桃太郎の武器を押し込み、攻撃しようとした。パリィとかいうあれだ。

 

 「甘い、甘い!!」

 

 桃太郎はイチゴの行動を逆手に取ってか、回転して斬りつけてきた。

 遠心力いっぱいに繰り出すその一撃で、受け止めた万能工具(ツール)が飛んでいく。

 

 「くっ!?」

 

 「そらそらそら!!」

 

 足払いをしてきた。

 

 「…………!!」

 

 剣を受けたため少し桃太郎の素早さに順応できたのか、桃太郎の攻撃が見えるようになってきた。

 後転を繰り返し、避ける。

 

 「はぁ!!」

 

 距離を取ってから、跳び蹴りを行った。

 

 「笑止」

 

 横にズレた事で避けられ、カウンターとして頭をチョップされた。

 

 「がはっ」

 

 床に叩きつけられ、座り込んでしまった。

 イチゴはすぐさま勢いに任せ、横に転がって、距離を詰めて殴ろうとした。

 

 「がら空きだ(↑)ぞ(↓)!!」

 

 桃太郎に腹部をパンチされた、勢いに押されて、よろけつつ後退させられた。

 

 「強い……」

 

 思い浮かぶ比較対象の中に、既に地球人は外れていた。デビルークの王族、伝説の殺し屋、その妹達、運び屋、後は銀河警察とかトランスフォーマー………これより強いのは知らない……が、そうそういて欲しくはない。

 

 「18点だ」

 

 桃太郎は走ってイチゴに向かってきた。

 そして武器をイチゴの腹部に当ててきた。

 

 必殺奥義・快桃乱麻!!

 

 斬撃ではない、なにかしらのエネルギーの奔流を感じた。そしてそれは爆発する。

 

 「があああ!!」

 

 イチゴは壁に激突し、倒れた。

 

 「オレは、こんな訳も分からない奴にやられるのか?」

 

 だが、人はそういう時、いつだって訳も分からない事象に追われるはめになる、病、事故、特別な事ではない筈だ。

 

 「嫌ならば……戦え!!剣を握れ、諦めるな!!」

 

 そう言われたが、もう諦めかけていた。

 やられるだけなら、もう構わない。

 結城イチゴというちっぽけな命が、今ここで終わるだけなのだから……

 シンケンジャーやセブンガーの乗り手のような、みんなに必要な人達が死ぬ訳じゃないのだから……

 それに、死ぬ方が…………………

 

 「ここで諦めるお前は、結んだ縁に恥じないお前か!?」

 

 「!?」

 

 シンケンジャー、黒子達、彦馬、忍者達、兄弟達、その母親達、両親、王妃。どちらかというと悪縁もなくはないが……

 

 「お前が諦めても、結ばれた縁は終わらん!!」

 

 イチゴがもし死んだ時、なんとこぼすだろうか?

 悲しむだろうか?気にせずに次の戦いに身を投じるだろうか?

 

 「見ろ!!」

 

 桃太郎が空を指差す。

 亀折神が上空から見えた。

 

 「イチゴ、見つけた!!」

 

 「なんで……」

 

 「良縁だな……大事にしろ!!」

 

 大事にしろとはいうが、そのためにはこの場をどうにかしなければならない。

 このままではどうしようもない。死んでしまうのが先だ……

 だが、よく考えれば、さっきから桃太郎はイチゴを排除しようとはしていなかった。ずっと鼓舞をしてくれていたのだ……

 

 「ああ………もう、やれば良いんだろう!?」

 

 イチゴは立ち上がってダッシュした、目標は万能工具(ツール)……

 

 「その意気だ……!!」

 

 妨害は無く、万能工具(ツール)を拾った……

 

 「来い!!」

 

 「いけえ!!」

 

 桃太郎に向かって万能工具(ツール)を振るう。

 

 「踏み込みが足りん!!」

 

 桃太郎は、軽々とイチゴの攻撃を受け止めた。

 

 「さあ、どうする?」

 

 「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 イチゴは万能工具(ツール)に力を加えて、桃太郎の頑強さを利用して、折った。

 

 「今だ!!」

 

 丁度分割した形になった万能工具(ツール)を急いで回収し、Xの字を描くように振るった。

 折れた刃の部分を握ると痛みで若干力が入らなくなるが、今は手数第一だ。

 

 「ほう……」

 

 ガスンと、衝撃がした。

 初めて桃太郎相手に、何か手応えを感じる事ができた。

 

 「…………いい連撃だ、27点に上げてやる」

 

 イチゴの底力のレベルが1上がった。

 

 「まあ、こんなものか」

 

 それでも、桃太郎は余裕そうだった。

 というより、むしろ全くダメージが無いような……

 

 「見てみろ」

 

 「………………?」

 

 突然戦いを強引に終わらせられたイチゴは、今度は水たまりに案内された。

 映っている顔の、目の輝きが、いつも見ている時より増していた。

 

 「お前の負念は晴れたようだ、良い顔をしている……その心持ちを忘れるな。今までよりもっと良い縁を掴めるだろう」

 

 桃太郎はバイクにまたがる。

 

 「また縁があれば相手をしよう、ワーハッハッハッハ!!」

 

 謎の桃太郎は、その場を去った。

 

 「なんだったんだ?」

 

 疑問に思うが、考えれば考えるほど訳が分からなくなり、疑問は一旦放棄した。

 確実なのは今、不思議と心が楽になっている事だ。攻撃された箇所が未だに痛む、動き回ったり壁に当たったせいで服もボロボロだ、だが何か晴れ晴れとしている。

 

 「まあいいや、ありがとう」

 

 名前も知らない桃太郎に、無性に感謝したくなった。

 

 「ありがとう、桃太郎」

 

 この心境がいつまで続くかは分からないが、続くまでは続けていきたい。

 

 「何の話だ?」

 

 ヒカルがいつの間にかいた、迎えにきたのか?

 

 「今さっきさ、そこで桃太郎と」

 

 「失礼」

 

 ヒカルはイチゴの額を触った。

 

 「体温計、執事に持ってきてもらうか」

 

 集団下校中なのか、小学生達が寄り集まってイチゴ達を見てきた。イチゴは子供達に向かってシッシッと手で来るなというジェスチャーを送った、聞き分けが良い子供達なのかすぐにその場を去ってくれた。

 

 「…………オレ、熱は無いよ」

 

 ヒカルはイチゴをじーっと見て何かに思い至ったようでため息をつく。

 

 「…………ああ、また俺達には見えない何かの話か、そんなものが見えるなんて難儀なもんだな」

 

 「分かる」

 

 妖怪には普通の人間には見えないものもいるそうだ。向こうが見えないものを見えると言えば気味悪がられるのは仕方ないかもしれない。

 

 「それはそうとさっきお前、姫様を利用して俺達を炙り出したのか?」

 

 違うといえば違うし、そうだといえばそうだ………気持ちを押し殺すための隠れ蓑に使わせてもらったかもしれない。

 

 「そんなつもりは無かったよ、どう答えても悪く取られるかもしれないけどさ……結局オレは何も変われなかったって事になるか」

 

 「…………」

 

 「……………………………」

 

 「疑って悪かった」

 

 ヒカルはイチゴにカードを投げ渡してきた、中身は一種の招待状だった、天条院家の別邸でお茶会があるそうだ。

 

 「メレーカの件の礼だ、来るならイチゴの分のプリンも用意しよう」

 

 「凛さんいるよね………」

 

 ヒカルの母親の親友というか、執事というか色々ある、イチゴの父親の嫁の1人だ。

 それに……彼女の娘(いもうと)もいるかもしれない……

 

 「綾さんも、沙姫さんも、あんたの妹もか」

 

 「まあな……だが一人野郎が増えた所で母様は拒みはしないから安心して欲しい、それにお前なら歓迎されるかもしれない」

 

 身内の事を考えると気が重いのはどうあれ、プリンがあるなら、拒みはしない。

 

 「いいさ、プリンがあるなら顔突き出すぐらいはやってやるよ」

 

 「そうか」

 

 「……………」

 

 ビルのてっぺんに狐の面を付けた誰かが見えた。身のこなしは忍者のそれに近い。

 両肩に虎の顔のオブジェ、招き猫のような伸びた腕を生やしているから派手好きなのかもしれない。

 

 「祓忍(はらいにん)かな、あれ……」

 

 祓忍というのは忍者の中でも怪異専門みたいなスタンスらしい。全国各地に組合があって、全国に出てくる妖怪達を祓って、それで何百年か続いているそうだ。

 普通の人間には見えない(あやかし)と同じように自身を見えなくさせる衣装を着て戦っているそうだ。

 それはそうと何かと戦った後なのだろうか?

 分からないが、とりあえずおじぎする事にした。

 

 「イチゴが止まったら道が分からないのだが」

 

 「ああ………待って」

 

 イチゴはカイを抱えつつもヒカルを追いかけて走った、軽いジョギング程度の勢いだが、結構距離があるためヒカルの足の早さを痛感している。

 

 …………………

 

 狐の面を被る者、名前を十六夜九衛門という。

 

 「なんなんだよ、あれ…………吉備の御伽話と縁結びの神の習合体か?怖っ」

 

 九衛門は身震いをする、時節はまだ桜が咲くか咲かないか、寒いと言えば寒いがそれが理由ではない。馴れ馴れしく、そしてそれに関して有無を言わせぬ桃太郎が怖い。

 

 「怖いと言えばあのイチゴとか言ってた奴だ、この姿には祓忍(はらいにん)の技師に作らせた術式、それも一通り備えてるんだぞ?なんで見えるんだよ!?おじぎまでされた、あれは見えてる、絶対見えてる……忍者でも陰陽師でも妖巫女でもなさそうなのに」

 

 九衛門はため息をつく。

 

 「まあいい、ぽっと出て、ぽっと去るあの桃太郎はどうしようもないが……イチゴという奴は泳がせておけば父………牙鬼幻月様の復活に使えるかもしれない」

 

 九衛門が呟いていると、後ろから声が聞こえてきた。屋上に何者かがいる。

 

 「おい、さっきから俺を見ていたろう……縁ができたな!!」

 

 「ひぃっ」

 

 九衛門はこの後、全力疾走で逃げ出すのでした。

 

 丈瑠達がイチゴの前にやってきた。

 

 「イチゴ!!」

 

 「探したぜ……イチゴ……なんだよ、流ノ助」

 

 千明は自分が歩み寄るのを止める流ノ助に文句を述べた。

 

 「殿様……」

 

 「だいたいの話はじいから聞いた、外道衆だけ遠ざければ良いという訳じゃないんだな………悪かった」

 

 「俺から言い出した手前あれだが戻ってくるか?」

 

 「最低限、外道衆の攻撃をいなす事ができるぐらいには鍛えてやる、泣き言を言うならそれまでだが」

 

 「ありがとう……ございます」

 

 人数は少ないが、歓声が起こった。

 

 「………………」

 

 ヒカルは素早い動作でスマホを動かして丈瑠に向ける。

 

 「だそうです、姫様」

 

 『では殿様、改めてお兄様をお願いします。お兄様~声をいただければいつでも迎えに行きますからね~』

 

 ノノがスマホを通じて映像を流してきた、ビデオ通話といった所か……ノノの素顔は隠しているからみんなに見られても問題はない筈だ。

 

 「丈瑠の奴、素直にイチゴに危険な目にあって欲しくなかったって言えば良いのに……なあ、何もあんな態度を取らなくてもよ」

 

 「そこは私も同意だが、あの王女はイチゴ君についていき、イチゴ君は我々についていき、怪我をするかもしれなかった。一概に悪いとは言い切れない、侍や黒子である以上、下手に人を巻き込んではならないからな」

 

 「そういうもんかね………」

 

 「そういうものよ、だから私は子供達とお別れしたんだから」

 

 「そうだぞ、千明」

 

 「殿様、帰ってみんなで練習始めましょう」

 

 「ああ」

 

 めでたしめでたし!!(桃の判子を押す)

 

 ~例のエンディング~

 

 ~デビルーク 宮殿 夜~

 

 ノノの両親、リトとララはノノを待ち構えていた。

 

 「無事か?ノノ」

 

 リトは凄く慌てていた、証拠としては滝のように汗を流し、暑苦しくノノに詰めよって来たから。

 

 「知らない奴に嫌な事はされてないよな?よし、それなら良い。お腹空かせてないか?おやつあるぞ」

 

 汗を流しているリト、そしておいでと言わんばかりに腕を広げるララ、ノノはそれを見てララに向かって飛び込んだ。

 

 「はい、無事です。ノノ・ナベリス・デビルーク、ただいま戻りました」

 

 「良かった~」

 

 ララはノノの頭を撫でた。

 

 「家出関係で言うならララ様達よりよっぽど大人しい方ですがね、発明品然り友達然り、片っ端から使ってきますし」

 

 「あんな事言うザスティンに遠慮しなくて良いからね~」

 

 ララはノノをなでくりなでくりし、ノノもえへーと顔をほころばせる。

 

 「ご苦労様、ザスティン、ブワッツもマウルも……ヒカル君にもそう伝えといてくれるかな?」

 

 「ハッ」

 

 「ノノ、もう、こんな事しちゃダメだぞ……ママも春菜ちゃんも、他の奴らも探したんだからな」

 

 「約束はできかねます、お兄様にうんと言わせるまで」

 

 「うーん、そこは嘘でもして欲しいな………その…………元気………だったか?イチゴは」

 

 「はい!!お兄様は私の能力を全く受けていませんでした!!」

 

 「そう……」

 

 2人は少し落ち込んだ様子を見せた。

 

 「え、なにか?」

 

 「なんでもない」

 

 じかーいじかい

 

 お姉様の1人、彩と言うのですがもうすぐ「卒業」というものをするそうです、ところで、卒業って何ですか?お父様、え?お前にはまだ早い?はあ……千明さんも卒業ですか?……あ、お兄様がいます!!お父様、唯さんとイチャイチャするぐらいなら私もその場に混ぜてくださいー!!という、お話




この後、ノノは入学という概念を父親に教えていただきました。
いかがでしたか?面白いと思っていただければ嬉しいです。
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