スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは
今回のパートでは数行分ですがカチカチ山のカチカチ鳥が鳴くので、念の為ですが最近トラウマになった方はブラウザバックを推奨します。


第21話 突き破る沈黙 Bパート

 箒に乗って空を飛んでいる……多分制服姿……背格好からツインテールのJKが、こっちに向かって……突っ込んできている。

 

 「きゃああああああああああああ!!」

 

 「大変!!」

 

 避けるか……嫌、斜め下の角度で突っ込んできているので避けたら地面に激突してひどい事になるというか……想像したくない。

 抑えてブレーキになるよう、試みた。

 まず、箒の先端を掴んで……

 

 「あ……危ない!!」

 

 「うわぁぁぁぁ!!」

 

 速度が早いせいかイチゴの体も巻き込まれて移動させられた。

 掌に体重を乗せ、箒を倒す。

 箒の先端が地面に刺さり、二人とも飛ばされてしまう。

 繊維越しにもちっとした感触を覚えた。

 だが、それを堪能する間もなく、イチゴは気絶した。

 イチゴの顎に、女の子の頭頂部がダイレクトアタックしてきたのだ。

 痛みも感じる暇すらなかった……

 

 「…………て」

 

 それから何分経ったかも

 

 「…………して」

 

 視界にぼんやりと映るのは、少し見覚えのあるような銀髪と、それに負けないような色の白い肌。人間にしては尖った長い耳が見えるが、そこは大して気にする余裕もなかった。

 

 「しっかりして!!」

 

 女の子が柔らかい声をいっぱいにして揺さぶりながらもイチゴに呼びかけているのに気が付き、イチゴはゆっくり起きた。

 

 「……気がついた?」

 

 「うん」

 

 「……さっきはごめんなさい」

 

 「…………………き……気にしないで。ケガはなさそうで良かった」

 

 『ピー』

 

 黄緑色の小鳥がレイアを追いかけてやってきた。

 

 「あ、ピーちゃん。大丈夫?」

 

 『ピー』

 

 「私はレイア、この子は友達のピーちゃん」

 

 「オレはイチゴ」

 

 『ピー』

 

 小鳥はイチゴにビビり、後ろに隠れる。

 

 「あ……あなた、いつか(※第7話Aパート)遊園地で見かけた」

 

 「ああ」

 

 少女旋風マギア・レイア……新しい魔法少女番組の子だったような……と言ってももう1クール終わってもいい頃だ。

 

 「やっぱり!!かわいい子の近くにいたから印象に残ってた。その近くに二人して真顔の人がいるもん」

 

 モコナと黒鋼とセットで覚えられてたようだ。

 

 「あのウサ耳の子って知り合い?」

 

 「うん、異世界からのとっておきだって」

 

 「へ〜、そうなんだ」

 

 「思ったよりあっさり」

 

 口が滑ったが、異世界……もっと驚くか、そんなものないと言うとイチゴは思っていた。

 

 「嘘だって言える程私はあの子の事を何も知らないし……ね」

 

 「ところで、どうしてあんな目に?」

 

 「これの操縦、収録前に使えるようになれって言われてたけど、結構ピーキーなの」

 

 そう言ってさっきの箒を抱えていた、多分それを使ったアクションでも盛り込まれるのだろう。

 

 「(CGじゃないんかい!?)加速付けすぎじゃない?」

 

 「気を付けま〜す」

 

 ならばもう何も言う必要もない。

 

 「あ……そろそろ行かないと」

 

 箒を手に持って移動している……以後は徒歩でいくようだ。

 

 「じゃあね」

 

 「うん、またね〜」

 

 レイアは去っていった。

 

 「またね……か」

 

 それがいつになるのかは分からないが、叶う保証はないかもしれない。

 今、イチゴは消えたかった。

 先の事なんて、考えられなかった。

 だから、また会う事なんて……

 そう考えていると、空中に浮かぶ手裏剣がひとりでに動き回って、どこかへ行こうとしている……

 気になって後を追いかけた。

 キャンプセットに手裏剣が刺さり、怪人が産まれた。

 そして隙間から何か出てくる。

 燃え盛る炎をまとったような、二足歩行のぞうさん……

 多分、出現方法と見た目の不気味さからして、外道衆だ。

 妖怪と、アヤカシ!?

 色々出てきて、イチゴは困惑した。

 気を持ち直すために情報を整理してみた。外道衆のアヤカシはその不気味な風貌から様々な妖怪の伝承のルーツとなっており、牙鬼軍団の産む妖怪は妖怪の伝承を元にして牙鬼軍団の首領の妖力を帯びた手裏剣がその辺の道具にガッチャーンコ!して産まれたもの……だったような。

 だが、どれも脅威である事に変わりはない。

 

 「お粥くれ、お粥くれよ〜!!」

 

 そう言ってウサギは市街地に降り立った後悪さをしていった。

 

 「ムシャクシャするぜ、チクショー!!」

 

 アヤカシも、便乗して歩き回っているがきっとこいつも何かするんだろうなという確信でいっぱいだった。

 

 〜一方その頃 志葉屋敷〜

 

 外道衆が現れたのか、センサーが屋敷中に響く。

 

 「殿!!」

 

 「ああ、いくぞ……お前達」

 

 場所を確認し、出発しようとした時、黒子が別の用件を言いに来た。

 仕方なく彦馬が応対する。

 

 「こんな時になんだ」

 

 「────(客人が一人来ました)」

 

 「送り返せば良いではないか」

 

 「─────(ですが侍に会わせろと聞かなくて)」

 

 「仕方ない、俺達が外で話を付けてくる」

 

 丈瑠が勢いよく外に出ると、サングラスをかけた外国の男が一人……待ち構えていた。

 

 〜市街地〜

 

 「…………!!」

 

 動かなければ……

 でも、カイもいない今……

 万能工具……ポケットに手を突っ込んでもない。

 人々の安全を確保するのが先か……

 近づくナナシ連中に、足をあげて通せんぼしたりしてみた。

 

 「あっちいけ、シッシッ」

 

 「ガヤッ?」

 

 ナナシ連中は二人揃って顔を見合わせる。

 

 「ガヤ!!」

 

 「ガヤー!!」

 

 二人はコクリと頷くと、武器を持って襲いかかってきた。

 

 「やっぱりかー!!」

 

 さて、どうするかと考えていたその時……

 

 「でぇやああああああ!!」

 

 レイアが現れ、ナナシ連中の一体に強烈な飛び蹴りをお見舞いしてきた。スカートの中がチラッと見えたが、下に体操ズボンを着込んでいて、肝心のものは見えなかった。

 

 「(まあ、箒またがってたもんなぁ……)あれ、用事は……」

 

 「5分ぐらいどうって事ないよ」

 

 レイアは杖を持ち出して、何か唱えだす。

 

 「ミルミルフェアリル・シルフィード!!」

 

 何秒か閃光に包まれた後、レイアの衣装が別種のかわいらしいものに仕上がっていた。

 閃光の間、衣装が少しずつ変わっていったのかもしれない。

 

 「え………本……者?」

 

 イチゴが驚いているのも関係なしに、レイアは言い慣れたようにフレーズを唱える。

 

 「風に乗って、あなたの悩みをビュンと解決。少女旋風マギア・レイア!!」

 

 「おー」

 

 イチゴはとりあえず拍手した。

 

 「応援ありがとう!!あ……でももうちょっと気持ちも乗せてくれると嬉しいかも」

 

 「………………」

 

 「じゃあ、危ないから逃げてて」

 

 言葉に甘えるしかない……

 

 「無事でいてね!!」

 

 イチゴはその場から離れる。

 そして、適当な所を探してから覗き込んだ。

 

 「来い、ナナシ連中」

 

 アヤカシの呼びかけの元……ナナシ連中が数体、でてきた。

 

 「ガヤッ」

 

 そして襲いかかろうとレイアに迫る。

 すると……

 

 「ウインド・カッター!!」

 

 杖の先から風が放出され、ナナシ連中を攻撃する。

 

 「ガヤッ!!」

 

 ナナシ連中は真っ二つになった。

 

 「うわ……強」

 

 術込みで言えば、丈瑠達と張る……かもしれない。

 妖怪の方に注目してみた。

 

 「よーし、作戦開始〜」

 

 周辺からカチカチという音が聞こえてくる。

 カチカチ……ウサギ……

 

 「この音……まさか!?」

 

 昔話いわく……あるお家のお婆さんにひどい事をしたタヌキに仕返しを目論んだウサギは、火打ち石を使ってタヌキの背負った草を燃やした……その時の言い分が

 

 『カチカチ山のカチカチ鳥が鳴いたのよ』

 

 である。

 つまりこの妖怪っぽいウサギは

 

 「カチカチ山のウサギか!!」

 

 気付いた時には遅く、建物に火が燃え移り始めた。

 

 「嘘だろ……」

 

 見る対象をレイアに戻す。

 

 「やあ!!」

 

 彼女が風を吹かせ、アヤカシにダメージを与えようとするも、効いていない。

 向こうも火を扱うせいでうまくいってないようだ。

 どうする?

 

 「オレにはどうする事もできない」

 

 武器もない、カイもない。こんな状態では何もできない。

 だが………

 武器がないからなんだ、この光景を無視して、女の子一人だけに戦わせて逃げるだけだなんて

 

 「できる訳がない」

 

 イチゴは、前に出る事にした。

 丈瑠達が来るまでに一方だけでも崩しておきたい。

 イチゴは駆け出す。

 

 「誰だ!!」

 

 名乗る暇も惜しい。

 

 「うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 イチゴは一歩力を入れ、跳躍した。

 

 「く、来るか!!」

 

 迎え撃つように、アヤカシからの火炎放射が来た。

 

 「させるか!!」

 

 上着でガードして、空中で脱ぎ捨ててダメージをなかった事にした。

 地面に着地して、アヤカシを蹴り飛ばして別の方にやった。

 

 「いけない!!」

 

 レイアの制止を他所に、イチゴの歩みは続く。

 アヤカシをため池の部分まで引っ張った。

 

 「一緒に◯のうぜ、なあ」

 

 思わず本音が出た。

 アヤカシを一体倒し、平和を取り戻す……命の張りどころとしては上々か……

 

 「俺様よりムシャクシャしてる奴がいるー!!」

 

 「え……」

 

 「ああ、体がちょっとずつ痛い」

 

 黒子時代、外道衆に関して習った事がある。

 「三途の川の水なしで生きられない」

 「三途の川の水と現世の水は相反する」

 

 つまり水たまりに突っ込ませれば

 

 「体が欲する水とは別の液体(有害)に浸けられている」

 

 のと同義である。

 火を吐く相手なので被害を半減できて一石二鳥でもある。

 このまま押さえて、じわじわと弱っていくのを待つのもいいだろう……

 

 「ああ、危ない!!」

 

 レイアが何か叫んでいる、その内容を読み取るのに時間がかかって、これから起きる事に対応できなかった。

 

 「させないぞー」

 

 ウサギは腕のノコで木を伐採して木片を散らし、それを橋にため池を渡ってきた。

 

 「え……?」

 

 「やあ!!」

 

 そしてトングな左腕でアッパーを受ける。

 イチゴはため池から追い出された。

 

 「あいつ、因幡の白兎っぽい事までしやがって!!」

 

 複数の逸話を練り込んだタイプかもしれない。

 

 「よっこらせ」

 

 そして悲しくもアヤカシにまでその場から脱出された。

 

 「は〜、ムシャクシャする〜ムシャクシャムシャクシャ」

 

 「そんな!!」

 

 「ムシャクシャしてるし、ファイヤー!!」

 

 アヤカシもアヤカシで、イチゴを無視して建物に火による攻撃をしてきた。

 

 「やめ……」

 

 やめろも言い切れずに伸びたイチゴの側に、蛾眉雷蔵が現れた。

 

 「やるじゃねえか……と言いてえ所だが……力のない奴が何をしようがこんなもんだ」

 

 そう言って蛾眉雷蔵は、イチゴを背負った。

 

 「……放せ!!」

 

 「彼を放して!!」

 

 「誰だ?……小娘は下がってな」

 

 そしてヒトカラゲを多数繰り出す。

 レイアはヒトカラゲに、囲まれてしまった……

 

 〜一方その頃〜

 

 「そこまでだ、外道衆」

 

 丈瑠達も来た。

 

 「シンケンジャーも来たか、ムシャクシャするー!!」

 

 一行は、ウサギも見つけた。

 

 「おい……牙鬼軍団もいんじゃねえかよ」

 

 「という事は……」

 

 天晴達もやってきた。

 

 「お、殿様……誰だそいつ」

 

 外国の人が一人、一行の中にいるのだ。

 

 「リチャード・ブラウン!!侍見習いネ、よろしく頼むヨ」

 

 「ど……どういういきさつでございやす?」

 

 キンジは千明に説明を求めた。

 

 「以前戦った時に流ノ介が街の人を助けたら、その中の一人が侍になりたいと思った……で、こんな感じ」

 

 戦闘に間に合おうとしたのもあって、追い返すのもテストするのもできずにここまで来てしまった。

 

 「熱いな〜これ」

 

 「俺達はそう思ってないんだがな、時間がないから連れてるだけだって事、忘れては困る」

 

 「では、手筈通りサクラとモコナと一緒に行動していてくれ」

 

 「オーノー、ワタシも一緒に戦うヨ」

 

 小狼(シャオラン)がなだめる。

 

 「まあまあ、見取り稽古も修行の一環ですよ」

 

 「……ボーイの言う通りかもネ、そうするよ」

 

 〜例のBGM~

 

 「ショドウフォン!!」

 

 「「「「「一筆奏上!!」」」」」

 

 「破ぁ!!」

 

 ショドウフォンで文字を書きそれを反転させ、各々のモヂカラによって形成させたスーツに身を包み、5人はシンケンジャーとなる。

 

 「シンケンレッド、志葉丈瑠」

 

 「同じくブルー、池波流ノ介」

 

 「同じくピンク、白石茉子」

 

 「同じくグリーン、谷千明」

 

 「同じくイエロー、花織ことは」

 

 「天下御免の侍戦隊」

 

 全員「シンケンジャー、参る!!」

 

 「シュリケン変化」

 

 「シュリケンチェンジ」

 

 忍ぶ気のない、軽快な音楽が流れる。

 専用の装束……もしくはスーツを纏う。

 

 「暴れてアッパレ、アカニンジャー!!」

 

 「轟け八雲、アオニンジャー!!」

 

 「きらめきの凪、キニンジャー!!」

 

 「ひとひら風花、シロニンジャー!!」

 

 「揺らめく霞、モモニンジャー!!」

 

 「彩の星スターニンジャー!!」

 

 「忍ぶどころか暴れるぜ!!」

 

 「オー、ジャパニーズニンジャ、ファンタスティック!!」

 

 リチャードは拍手する。

 

 「ちょっと、丈瑠……あれ」

 

 茉子の指差す方向には……

 

 「……イチゴ!!」

 

 蛾眉雷蔵が、イチゴを抱えていた。

 丈瑠の驚いた声が、意識の遠のくイチゴの耳にも聞こえてきた。

 

 「さっきからいないと思ったら……」

 

 「人質を取ろうなんて、どういうつもりだ!!」

 

 「人質?」

 

 天晴が問いただそうとすると、蛾眉雷蔵は笑い出した。

 

 「ハッハッハッ、こいつは人質じゃねえ、見せしめだ!!三下の癖に牙鬼軍団に歯向かった野郎の末路としてなぁ」

 

 蛾眉雷蔵は、小刀の方でイチゴの首に狙いを定める。

 

 「クッ……」

 

 「やめろ!!」

 

 「五数える間に終わらせるからそれまで待ってろ、赤いの」

 

 蛾眉雷蔵がそう言った時……

 

 「ハァァァァァ!!」

 

 レイアの箒が蛾眉雷蔵にぶつかる。

 

 「何!?」

 

 箒から飛んで離れたレイアは、詠唱を始めた。

 

 「ストーム・プレッシャー!!」

 

 レイアの杖から風が吹き、上から下の方向に動くことで重圧となって、蛾眉雷蔵を押し潰し始める。

 

 「うぉっ」

 

 イチゴを手放した所で、レイアは即回収した。

 

 「誰だ?」

 

 「あ……前遊園地で見た」

 

 「行ったのか?モコナ」

 

 「殿様、あの時一人で稽古してましたから」

 

 「………………」

 

 小狼(シャオラン)の言葉で丈瑠は何も言えなくなった。

 

 「レイア・シルフィード……魔法学校で噂になった事がある」

 

 「知ってるのか八雲」

 

 「風の魔法の天才だそうだ……別の学校だったから実力の程までは知らないが」

 

 見たところ、天才という噂の裏付けになるぐらい強い。

 

 「熱いな……これ、俺達もイケイケドンドンだ」

 

 「クソッ」

 

 風で押し潰されながら、蛾眉雷蔵は小太刀を振り上げ、電流を矢のように放った。

 

 「キャッ!?」

 

 レイアは、杖を振るう体勢を崩し、尻餅を付く。

 

 「痛た……」

 

 丈瑠が近づき、退くよう促す。

 

 「危険だ、下がれ」

 

 「はい、私はこの人を連れて逃げますので、後はお願いします!!」

 

 レイアはイチゴの手を掴み、その場を去った。

 

 「頼む」

 

 「面くらったが、代わりに赤いのが二人か……腕が鳴るぜ」

 

 「私達も忘れないでいただこう!!」

 

 「流ノ介……お前達はアヤカシ、後建物の消化を頼む」

 

 「は!!」

 

 「天晴達も、頼む」

 

 「おう、任せとけ殿様」

 

 天晴は、妖怪を倒しに向かう。

 丈瑠は、蛾眉雷蔵にシンケンマルを向ける。

 

 「俺が相手だ、蛾眉雷蔵」

 

 「大将首が相手か、腕が鳴るぜ」

 

 〜遊歩道〜

 

 レイアは、イチゴを歩道まで連れてきた。

 

 「ここなら、ちょっとは安全かも」

 

 「さっきはありがとう」

 

 イチゴはレイアに礼を言った。だが、返ってきたのは叱責。

 

 「どういうつもり?」

 

 「?」

 

 「なんであんな事言ったの?怪物に向かって一緒に死のうなんて……」

 

 聞かれてたようだ。

 

 「別に良いじゃん、オレなんか……どうなったって」

 

 人の世界での自分の居場所はなく、妖の世界でもそれがない。白虎には悪いが、未来を考えられない。

 

 「!!良くない」

 

 そう言ってレイアはその両手でイチゴの肩に触れた。

 

 「あなたがいなくなったら、私は悲しい……それに人々を守る彼らの負けになるんだよ」

 

 「どうして?」

 

 「私や彼らの守るべき人々の中には、仲間も、まだ見ぬ誰かもいる、当然あなたもいる。ここであなたが犠牲になったら、戦いに勝っても、あの怪物達を倒しても、勝利じゃなくなる……」

 

 「そんなの、オレに押し付けないで……重すぎるんだよ……!!」

 

 いつだってそうだ。

 自分の命だけど、自分だけの命じゃない。

 何かあった時周りの人が悲しむからと、ベストな筈の選択肢の一つを、取れなくさせてくる。

 

 「重くていいじゃない、それがあなたの価値」

 

 「!!」

 

 「生きる人の価値だから、重くて当然だよ。だから……守らなきゃって思うの。あの人達も、私も。あなたが持ってるそれを、否定しないであげて」

 

 「オレ……あるかな?生きてる価値なんて、あるかな……」

 

 こんな自分でも、価値はあるのだろうか?イチゴはレイアに問う。

 背景も、何も伝えてないのだから、帰ってくる言葉は一つだろうに……多分、それを期待しているイチゴがいる。

 レイアは肩から手を放し、イチゴの右手を握った。

 そして、俯いているイチゴの眼に合わせるように、下から覗いて……上目遣いというもので言う。

 

 「あなたが否定しても、私はそれを肯定します」

 

 最後に、笑顔を浮かべた。

 そう……まあそう答えるだろう……だが……

 

 「え……」

 

 何かが、眼からこぼれ落ちようとしている。

 何年ぶりに流したか、忘れてしまったものだった……

 

 「……これは」

 

 同じくして、とめどなく湧き上がる安堵感。

 

 「あ……ごめんなさい、そんなつもりじゃ」

 

 「ううん、いいんだ」

 

 イチゴは我ながら現金だと心の中で自嘲した。

 他人に、力強く肯定されるだけで、ここまで嬉しくなるなんて……




アサキムには悪いが、イチゴ君浄化タイムであります
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