スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
今回のパートはその道に関してド素人なので粗しか出ないかもしれませんが、生暖かい目で見ていただければと思います。


第22話 奥方様御成(おくがたさまのおな〜り〜)Cパート

〜建物の外〜

 

 「来たか」

 

 蛾眉雷蔵は、天晴の到着を見て喜んだ……が

 

 「なあ、ここ面接会場か?」

 

 「違うよ!!こんな屋外でする訳ないじゃん」

 

 「研修か?」

 

 「早い早い」

 

 天晴が自分を奮い立たせた天晴でない事に気付き……

 

 「おい、どういうこった?」

 

 蛾眉雷蔵、キレた。

 

 「なんで赤いのがあんなに腑抜けてんだ?あれじゃあ三下以下じゃねえか!!」

 

 八雲が反論する。

 

 「お前らの所の妖怪に夢を食べられた結果だ、仕方ないだろう!!」

 

 事実そうであり……八雲達も困惑しているのだ。

 

 「そうかい……じゃあ、◯ねや」

 

 蛾眉雷蔵はバクを倒そうとした。が、有明の方の放つ足軽に制止される。

 

 「おお、蛾眉や蛾眉や、ここはこらえてたもれ」

 

 「……奥方に言われちゃあ仕方ねえか……寝る」

 

 蛾眉雷蔵は、不貞寝を始めた。

 

 「…………」

 

 「待てー!!」

 

 ブラウンが武装して現れた。

 

 「ブラウン……どうして」

 

 破門を宣告した筈だったが……

 

 「シショーは言った、もう教える事はない……と」

 

 「ああ」

 

 「それすなわち免許皆伝という証ナリ」

 

 「!!」

 

 一同はズッコケた。

 

 「違うぞ」

 

 丈瑠は否定した。

 

 「不肖ブラウン、義によって参上ツカマツル」

 

 「だから違うってば」

 

 「まあ、今は諦めるしかねーよ丈瑠」

 

 〜例のBGM~

 

 「ショドウフォン!!」

 

 「「「「「一筆奏上!!」」」」」

 

 「破ぁ!!」

 

 ショドウフォンで文字を書きそれを反転させ、各々のモヂカラによって形成させたスーツに身を包み、5人はシンケンジャーとなる。

 

 「シンケン」

 

 丈瑠が名乗ろうとした所、被せるようにブラウンも叫ぶ。

 

 「シンケンブラウン、リチャード・ブラウン」

 

 「………………シンケンレッド、志葉丈瑠」

 

 「同じくブルー、池波流ノ介」

 

 「同じくピンク、白石茉子」

 

 「同じくグリーン、谷千明」

 

 ブラウン「天下御免の侍戦隊」

 

 丈瑠「おい、被せるな」

 

 四人「シンケンジャー、参る!!」

 

 「シュリケン変化」

 

 「シュリケンチェンジ」

 

 忍ぶ気のない、軽快な音楽が流れる。

 専用の装束……もしくはスーツを纏う。

 

 「轟け八雲、アオニンジャー!!」

 

 「きらめきの凪、キニンジャー!!」

 

 「ひとひら風花、シロニンジャー!!」

 

 「揺らめく霞、モモニンジャー!!」

 

 「彩の星スターニンジャー!!」

 

 「・・・」

 

 「忍びなれども忍ばない」という言葉をいつも出す人がいないも同然なので、続かなかった。

 

 「おお、みんなすげえな」

 

 「お兄ちゃん、これっ」

 

 風花は天晴に忍者一番刀を渡す。

 

 「なんだこれ」

 

 ペタペタ触るだけで、何もしないようだ。

 初めて見た……そんな感じに見える。

 

 「仕方ないな〜ほら」

 

 スイッチを押し、変身させる。

 

 「うわっ」

 

 急に大きな音声が響き渡り、天晴は困惑する。

 

 「ちゃんと持つ!!」

 

 「お、おう」

 

 そのまま天晴はアカニンジャーに変身した。

 

 「あっしが音頭を取るでやす、忍なれどもパーリナイ!!手裏剣戦隊ニンニンジャー、忍ぶどころか暴れるで〜ございやす」

 

 「行くぞ!!」

 

 丈瑠達は仕掛けた。

 足軽達は、手持ちの槍で応戦する。

 

 「お前達の夢をくらうがいい」

 

 バクは食らった夢を足軽達に振り分けた。

 その結果、足軽達は忍者にジョブチェンジした。

 

 「何!?」

 

 足軽が刀を振るう。

 攻撃は、先程と違い鋭く、荒削りな攻撃となっている。

 

 「この太刀筋……天ちゃん!!」

 

 「こいつ……食べた人の夢を分けられるのか!?」

 

 「だが、本人程の力はない……畳み掛ければすぐに終わる」

 

 「ブラウンは下がっててくれ」

 

 「リ、リョーカイ」

 

 攻撃を仕掛けようとする時……

 ことはと、歌川画楽と比良坂命依が現れた。

 

 「みんな、遅れてごめん」

 

 「ことは……」

 

 「侍の小娘と……誰じゃあ?」

 

 「ただの画家ですよ」

 

 「その助手だよ」

 

 「おお、画家か!!妾のこの美しい姿を描くと申すのか、良かろう。存分に描くがよい」

 

 「あ……依頼ならこの帳簿にどれだけ払うか書いてもらってから」

 

 ことはは会話の間にみんなと合流する。

 

 「みんな、ごめんな……でもウチ、戦うわ」

 

 「お、おう」

 

 「うん……」

 

 大切なものはこぼれ落ちた。

 でも何をするべきか……それだけは残っているから。

 

 「ショドウフォン、一筆奏上!!」

 

 ことははシンケンイエローに変身した。

 

 「…………ふむ、これでは奥方様達が不利そうだ」

 

 「……おい、あの男を黙らせろ」

 

 有明の方の傍にいた正影は足軽に命じた。

 足軽は歌川に向かって突っ込む。

 

 「血の気の多い方々だ」

 

 距離を取った歌川がキャンバスに魚を描くと、魚が現れ地面を泳ぎ、足軽を噛みちぎった。

 

 「こやつ……ただの画家ではありませんぞ!!」

 

 「……話とはなんじゃ」

 

 歌川が話し始めた。

 

 「この人達は忍者と侍達だ。一人二人の夢を食べられた程度で覆せる戦力差じゃない」

 

 「画家風情が、分かった風な口を利きおって」

 

 「まあよいではないか、晦、続けよ」

 

 「その妖怪は他の人の夢も蓄えてそうだね、それで勝負してみないか?(キラキラ)」

 

 こいつうまいこと言って人の夢を体験したいだけだろとその場にいる誰もが思った。

 

 「良かろう、バク」

 

 「夢の園へご招待〜!!」

 

 バクの言葉と共に目の前の風景が野球場となり、足軽達の衣装が野球のユニフォームとなった。

 

 牙鬼球団vsチーム志葉……とデカデカ表示されている。

 

 「野球か……」

 

 丈瑠は普段より落ち着きのなかった。

 

 「まさか丈瑠、野球知らねえって訳じゃねえ……よな?」

 

 「キャッチボールなら経験はある」

 

 彦馬と、友達とで、それぞれ……

 

 「それだけできてもなあ……」

 

 「異世界人4人は?」

 

 「モコナ、いけるよ!!」

 

 モコナはメットとバットを装備し、スウィングの素振りを見せた。

 

 「実況で頼むぜ」

 

 「オレは見学するよ〜」

 

 ファイは既にスタジオに座っていた。

 

 「サクラちゃんもこっちでお願いね」

 

 「うん」

 

 千明はバク達に注文を入れる。

 

 「ちょっと待っててくれよ、ルールとやり方共有してっから!!」

 

 〜数分後〜

 

 丈瑠は開口一番に言ってのけた。

 

 「よし、だいたい分かった」

 

 「大丈夫か?丈瑠」

 

 「打たれない玉を出せば問題はない」

 

 「まあ、そうだけどさ……」

 

 「殿の投球、楽しみだなぁ!!」

 

 「オー、シショーの言う通り!!」

 

 「大丈夫かしら……」

 

 そうして……野球勝負は、始まった。

 

 「実況と審判はモコナと」

 

 「バクが務めます……さあ、暑い日の夜に見る夢の如き戦いの幕開けです」

 

 足軽がバットを構え、流ノ介がキャッチャーとして構えている。

 

 「さあ、殿!!どんな球でもキャッチしてみせます!!」

 

 丈瑠は、ボールを構えた。

 キャッチボールと言っていた分、堅苦しくもない分、やや崩れている。

 そこは経験で片付けてもいい……侍としての戦いで野球の知識と経験が必要になるなんてそうそうない。ここで重要なのは

 「それで放てるのか?」である。

 

 「はあ!!」

 

 丈瑠は、ボールに己のモヂカラを込めて放った。

 そのボールは、丈瑠のモヂカラを受け燃え上がる。

 

 「なんと志葉丈瑠選手、炎を纏った(物理)球を投げたぁ!!」

 

 「す……すげえ」

 

 「本物の炎の魔球を見せてくれるとは、絵にしがいがあるねえ」

 

 足軽の一人はバットを振るうも当たらず、流ノ介のミットにギリギリ収まる。

 剣で培った筋力から放たれるボールは常人の視界に止まらず、高速移動する火だけがその軌跡を描いていた。

 

 「凄まじい豪速球、これは……取れない!!」

 

 「炎の魔球、夢がありますねえ」

 

 「えーい、あんな球ぐらい打ってみせんかー!?」

 

 同じボールを投げ続け瞬く間に、三振に導いた。

 

 「流石です、殿!!」

 

 「流ノ介もよくキャッチした、次も頼む」

 

 「ぐぬぬぬ……」

 

 「初っ端から総大将クラスだからね〜〜〜どうしようもないってやつ?」

 

 「そうじゃな……次じゃ次」

 

 有明の方は比良坂命依の言葉で機嫌を取り戻す。

 その頃、蛾眉雷蔵にも呼び出しがかかっていた。

 

 「んあ?俺様も出ろだあ?御家老がばってぃんぐましーんでもしとけば良いじゃねえか」

 

 「それではワシの正体を晒すかもしれんのだぞ!!(小声)」

 

 「晒して困るような正体なんかもん持ってるとダメだな御家老」

 

 「おい、聞き捨てならんぞ!!」

 

 気を取り直して……

 

 「小狼(シャオラン)君、頑張って!!」

 

 次は小狼(シャオラン)だった。

 

 「うん!!」

 

 「小狼(シャオラン)選手、入場〜」

 

 ヘルメットを被った小狼(シャオラン)が入場した。

 

 「敵味方含め最年少の選手、ここで華々しい活躍を見せるかどうか見ものです」

 

 「頑張れよ!!」

 

 「ボールをよく見るんダヨー!!」

 

 「画楽君……あの子中学生?」

 

 「そのぐらいだね」

 

 「元服もしてなさそうじゃな……あれ戦わせて良いのか?」

 

 「大丈夫、小狼(シャオラン)は強いよ♪」

 

 モコナは腹を叩いてえっへんと威張る姿勢を見せる。

 

 「今、運命の火蓋は切って落とされようとしています」

 

 バクの言葉により、勝負は始まった。

 

 「来い……」

 

 小狼(シャオラン)はバットを構えた。

 足軽もボールを握る体勢を取る。

 そして、ボールを放つ。

 

 「球分身の術!!」

 

 ボールが分身し、いっぱいの数になって迫ってきた。

 

 「うわ!!」

 

 捌ききれず、小狼(シャオラン)はバットを少しだけ振って後退、そのままボールは足軽のミットにin。

 

 「天晴坊っちゃんの夢の力が残ってやしたか!!」

 

 「こうならないよう、野球に絞ったんだけどねえ」

 

 「予想外の事態……それはまるで悪夢の如し」

 

 「玉分身の術!!」

 

 再び、ボールが投げ込まれた。

 

 「おれも分身するしか……」

 

 「え?……」

 

 「はぁっ分身の術!!」

 

 小狼(シャオラン)も四人に分身し、バットを振るった。

 

 「くっ!!」

 

 しかし、本物でないとすり抜けるのか空振りとなる。

 

 「四人が限界か」

 

 「小狼(シャオラン)選手、四人に分身するも届かず、このままでは次で終わりになる展開に……!?」

 

 「すごいな……前に一度見せただけなのに」

 

 「その後ちょっと……秘密の特訓があったりして……アハハ」

 

 「?」

 

 凪の言葉に一同、疑問符を覚えた。

 

 「さあ、泣いても笑っても後一回……小狼(シャオラン)選手、プレイボール!!」

 

 ホイッスル音が鳴る。

 

 「球分身の術!!」

 

 足軽は、分裂する球を投げる。

 

 「怯むな、修行の日々を思い出せ!!」

 

 「は!!」

 

 黒鋼の言葉を聞いた小狼(シャオラン)は、ハチマキで目を隠した。

 緋炎を持つための剣の修行に取り組んでた時の事を思い出す……

 

 「実体、そして殺気は一つだ」

 

 小狼(シャオラン)は、感じたままにバットを振るった。

 手応えと共に、ボールは吹っ飛んでいった。

 

 「今だ、走れ!!」

 

 「はい!!」

 

 言われたまま、ハチマキを取った小狼(シャオラン)は走った。

 足軽では彼を止められず、点を許してしまう。

 

 「小狼(シャオラン)選手、先制点を取った〜!!」

 

 「やったー!!」

 

 モコナは大喜び。

 

 「小狼(シャオラン)君……!!」

 

 サクラも喜んだ。

 

 「おお、見事じゃな〜見た所忍共の一派でもなさそうだし……そこのお主、我が牙鬼軍団に入らぬか?」

 

 「いえ、おれの望みはあなた達を倒した先にありますので」

 

 即答だった。

 

 「早いわ!!ちっとは迷わんか!?」

 

 そして今回の行動で、全員術などを使って良いんだという結論に達した。

 

 「俺の魔法弾をお見舞いしてやる!!」

 

 「今のでデータは掴みました」

 

 「星にするでやすよ〜!!」

 

 「ヘブンボール!!」

 

 全員、自分の持っている術技でなんとか点数を稼ぐ。

 5対0まで持っていった。

 

 「何故じゃあ!?あいつらなんであんなに強いのじゃあ!!初めてなのじゃろう!?」

 

 「あの人達は戦って運動神経鍛えてるからね〜〜〜基が良いのかもね」

 

 「………………」

 

 蛾眉雷蔵はゆっくりと起き、配置の場に向かった。

 

 「おお、蛾眉……やると申すか」

 

 「奥方様に負け戦を味合わせる訳にもいかねえからな」

 

 「信じておったぞ〜」

 

 「蛾眉雷蔵選手、入場〜」

 

 「彼はスロースターターですが、一度火が付けば実力はエース級、果たしてどんな試合となるのか」

 

 投手は凪だった。

 

 「僕か……天ちゃんの代わりにやるしかない……」

 

 凪は所定の位置に立つ。

 

 「頑張ってー!!」

 

 「無茶はしないでくださいやし!!」

 

 「お願いしまーす」

 

 「そう構えんな、何度もやりあった中じゃねえか」

 

 「運命の一打、プレイボール!!」

 

 言われたまま、凪はボールを放った。

 

 「えい!!」

 

 蛾眉雷蔵はボールを見据えた。

 

 「牙凌道・雷幻打ち」

 

 蛾眉雷蔵選手、バットに落雷を纏わせ、そのまま振るう。

 ボールの中心を捉えた一打は、球場より遠くまで行った。

 

 「蛾眉雷蔵選手、雷を纏ったバットで、ホームラン!!」

 

 「夢を切り裂く雷鳴のようですね〜」

 

 ホームランとなり、点数を取られる。

 それから……どんどん点数を取られ、ついには逆転された。

 

 「おお、よいぞよいぞ!!蛾眉、流石じゃな!!」

 

 「あいつあんな強いのかよ」

 

 「どうする……このまま負けたら」

 

 敗色が強くなり、不安が湧いてきた。もし、ここで負けたら……

 

 「諦めるな」

 

 ブラウンが叫んだ。

 

 「ワタシ、シショー達から習った。侍は、決して諦めない。夢を取り返すのも、敵を倒す事も、諦めちゃいけないんだヨ」

 

 「そう……そうだな」

 

 「ブラウンの言う通りだ……」

 

 丈瑠達は互いの面を見合わせた。

 

 「俺達がここで諦めちゃダメだ」

 

 ブラウンに活を入れられた気分だった。

 ホイッスルがなる、次のターンが始まる。

 次は天晴の番だった。

 

 「おう、あんたが相手か」

 

 相変わらず蛾眉雷蔵は苛立っている。

 

 「今のオメエになんざちっとも興味ねえんだよ赤いの。さっさと球をよこせ、すぐに終わらせてやる」

 

 「よく分かんねえけど、もうちょっと楽しくいこうぜ。これはスポーツ、でっかいとこの先生が見てる訳じゃないだろ?」

 

 「主君の奥方は見てる、それで充分だぜ」

 

 「そっか、いっくぜー!!」

 

 「頑張って、お兄ちゃん」

 

 天晴はボールを放つ。

 

 「天晴選手、ボールを投げます。キャッチャー向けてのストレート!!」

 

 「夢のない範囲、これは……」

 

 「意外とうまいな」

 

 「小学校の時に授業でやってたって言ってたけど……」

 

 「はんっ!!」

 

 蛾眉雷蔵はバットで楽々と打ち返す。

 

 「止まって見えんだよ」

 

 返ったボールは天晴ごと空に打ち上げる。

 

 「うわぁー!!」

 

 やがてボールは天晴から離れ、上空へと向かう。

 落ちた天晴は、ことはに救助された。

 

 「怪我はなか?」

 

 「ああ、サンキューな」

 

 「良かった」

 

 ことははホッとした様子だった。

 

 「………」

 

 だがこのままではホームラン待ったなし。

 そんな時千明はウッドスピアを地面に設置して掲げた。

 

 「伸びろ〜!!」

 

 千明のモヂカラが発現、木が伸び、ボールの進路を妨害する。

 ボールは木から滑り降り、千明の手に収まる。

 

 「へっへっへ……キャッチ」

 

 「千明君、パス!!」

 

 「よっしゃ!!」

 

 牙鬼チームが走り終える前に所定の位置に投げる。

 点数を抑える事に成功した。

 

 「谷千明選手のディフェンスにより、点数を抑えるのに成功しました」

 

 「あんなの、妾は認めんぞ!!」

 

 「あれも実質ゴッ◯ハン◯やメガ◯ンヘッ◯みたいなものだからさっきのと変わんないよ」

 

 「審判、判定は?」

 

 「セーフ!!」

 

 「…………セーフ」

 

 モコナもバクも、セーフと判定した。

 

 「ぐぬぬ……」

 

 「あんた、強えな〜」

 

 「……………ふん、次はこんなもんじゃねえ。次はこんなもんじゃねえからな!!とっとと目ぇ覚ませよ赤いの!!」

 

 蛾眉雷蔵は不機嫌な態度を崩さないまま、その場を後にした。

 

 「なんか嫌な事でもあったのか?あいつ」

 

 「まあ、そんな所だ……今の天兄が気にする事じゃない」

 

 「お、おう」

 

 ベンチにて……

 茉子に千明は声をかけた。

 

 「なあ、姐さん」

 

 「何?」

 

 「やっぱ、ことははことはだよな」

 

 「……………」

 

 「いっつも一生懸命稽古して、ドジも踏む事はあるけど、周りの事を気にかけて……何があっても、そこは変わんないよなって話」

 

 夢があれば人は輝ける……が、夢のみで人はできていない。

 蛾眉雷蔵に礼を交わす天晴も、紛れもなく今まで一緒に戦ってきた天晴そのままであると言える。

 蛾眉雷蔵もおそらく、それを痛感している。でなければもっと天晴でもバッサリといっていた筈だ。

 

 「でも、このままでいいなんて思ってないよ」

 

 「俺も」

 

 「みちゃいらんないネ」

 

 ブラウンが参戦する気らしい。

 

 「ブラウン選手、入場〜!!」

 

 「大丈夫か?」

 

 わからない……が、堂々とした構えにはやれそうな希望が見えるようだった。

 

 「では、投球の時間です」

 

 足軽が投げるようだ。

 

 「フゥン!!」

 

 ブラウンはバットを振った。

 空を切り裂いてボールに命中する。

 豪語する程ではなかったが、飛んでいった。

 

 「(このチャンス……掴んでみせる)ハァッ!!」

 

 小狼(シャオラン)の踏み込みは飛び蹴りと化しつつも、所定の位置に踏み込む。

 スピードと勢いで、それを止められる者はいない。

 同点に持ち込んだ。

 

 「さて……次は……」

 

 「俺が出る」

 

 黒鋼だった。

 

 「黒鋼選手、入場!!」

 

 「異世界出身ナンバーワンの活躍は如何に?」

 

 対する相手は……

 

 「儂が相手をしよう」

 

 正影の特徴的な頭部そのままにピッチングマシーンとなって現れた。

 

 「………………」

 

 「妖怪バクめの夢から仕入れた形態じゃ、我が身がどうなろうと、不退転の決意で臨もうぞ!!」

 

 足軽に運ばれ、所定の位置につく。

 

 「来い!!」

 

 黒鋼の持つバットから、龍がまろびでようとしている。

 いつも振るう剣技の延長か、黒鋼は驚く様子もない。

 ただ、いつものように目の前に迫るものを斬る……それだけが彼の腕を動かす。

 

 「では行くぞ!!」

 

 正影の胸部らしい箇所から、ボールが放たれる。

 マシーンのような力強く、無駄のない軌道でそれは向かう。

 

 「黒りん、横、横」

 

 ファイの言葉で、黒鋼は横薙ぎにバットを振るう。

 命中し、球は大きく飛んだ。

 その様は天を翔ける龍のよう。

 

 「行くぜ!!」

 

 その隙に、忍者達の速力で点数を取る事に成功する。

 

 「やはりやるな、黒いの」

 

 蛾眉雷蔵はベンチ越しに称賛した。

 

 7対6

 逆転に持ち込めた。

 ゲーム、セット……

 

 「やったね!!」

 

 「いい絵が描けそうだ」

 

 「負けおったな〜〜〜」

 

 有明の方は怒り心頭だった。

 

 「バク、もっと夢を出せい。あ〜最初からこうすれば良かったのじゃ」

 

 「あいよ」

 

 また誰かの夢を振り分けているようだ。

 

 「何?」

 

 足軽達は、刀を持って丈瑠達の所に向かって来る。

 

 「気を付けろ!!来るぞ」

 

 身構えたものの……

 

 「ディヤァ!!」

 

 刀の振り方、走力、全てが軒並み弱くなっている。

 これなら避ける前に攻撃を仕掛けられる。

 

 「何ぃ!?」

 

 「これでは弱くなってるではないか、どういう事じゃあ?」

 

 有明の方は晦正影の鉄筋部分を掴み、ブンブン揺さぶった。

 

 「私めにもさっぱり……」

 

 「今だ!!」

 

 丈瑠達は足軽達を切り裂き、ことはに倒すよう促す。

 

 「シンケンマル、土煙りの舞」

 

 「夢の如く、去りにけり〜」

 

 バクは、バク散した。

 そんなバクから何か光がこぼれ落ち、その光は四方に散っていく。

 その光の一筋は、天晴とことはの胸に届いた。

 

 「おう、みんな……どうした?」

 

 「あ、戻った」

 

 「天兄、天兄の夢はなんだ?」

 

 「何聞いてんだよ、ラストニンジャだろ?」

 

 「…………そうだな」

 

 「あれ?茉子ちゃん?」

 

 「ことは、おかえり〜」

 

 茉子はことはを抱きしめる。

 

 「う、うん……」

 

 〜一方その頃〜

 

 屋敷で、自問自答の如くイチゴは村正に新たな銘を与える工程を繰り返していた。

 

 「霊剣村正……違う!!もっとオレって感じの特色強めなものがいいよなぁ……」

 

 そんなイチゴにも、取られた夢が戻ってくる。

 

 「屋敷!?いつの間に」

 

 イチゴは、目の前の景色に当惑した。

 攻撃を受けたのは分かるが、その後どうしてたのか……とりあえず外を見つめた。

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