スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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第22話 奥方様御成(おくがたさまのおな〜り〜)Dパート

 「さあ、勝負だ!!赤いの!!」

 

 「あんたは後!!」

 

 「何ぃぃぃぃ!?」

 

 「だってそろそろ……」

 

 そう発言したタイミングで、九衛門は小槌を振るいに現れた。

 

 「妖術、肥大蕃息の術」

 

 「バクの夢は、終わらねぇ!!」

 

 そう言って、バクは巨大化した。

 その光景を見て、丈瑠はショドウフォンを構えた。

 

 「行くぞ、侍合体」

 

 「ブラウンは下がっててくれ」

 

 「お、OK」

 

 シンケンオーが現れた。

 

 「よーし、シュリケン合体」

 

 「仕方ねえ、終わったら勝負だ」

 

 シュリケンジンが現れた。

 

 「あっしもいくでやす」

 

 バイソンキングが現れた。

 

 「オレも来たよ」

 

 イチゴもカイに乗って現れた。

 

 「イチゴ!?」

 

 「正気に戻ったってみんな分かってくれたみたいで……よく分かんないけど、敵がいたらやることは一つでしょう?」

 

 妖怪を倒した結果、イチゴはさっきの丈瑠の言葉を忘れてしまったらしい……

 

 「………………まあいい、行くぞ」

 

 「おれ達は街の人の避難を」

 

 「よーし」

 

 「仕方ねえか」

 

 「うん」

 

 「行こう」

 

 小狼(シャオラン)達は別行動に入った。

 

 「大きくなろうが同じ事、その夢頂いちゃる!!」

 

 バクから光線が放たれた。

 そしてイチゴ達はバクの攻撃を受けた。

 

 『フッそんな攻撃、痛くも痒くもな』

 

 カイには効果がないらしい、ロボには効かないのかもしれない。

 

 「夢奪われちゃった(テヘペロ)」

 

 『ああああああああああ!!』

 

 「あれ?なんで俺達ここにいるんだ……?」

 

 「ちょっ何この格好」

 

 「ダッサ」

 

 「み……皆様、まさか全員」

 

 レンジ外で攻撃を受けなかったキンジ以外、ニンニンジャーは今自分が何故ここにいるのか分かってない状況だった。

 

 「(あいつら全員戦いに夢詰め込んでたのか……)」

 

 シンケンジャーはと言うと……

 

 「お前達、無事か」

 

 「ええ、なんとか」

 

 「さっさと倒すわよ」

 

 「えー、やれんのかな……」

 

 「ウチ、一人でやってみます」

 

 シンケンオーから猿折神が分離しようとしている。

 

 「ええ……」

 

 ニンニンジャーと比べ軽症ではあるが……ことはは夢を奪われた事で連携が……千明は多分丈瑠を越えるという目標を奪われた事でモヂカラが……夢が戦うパワーに影響しているのを改めて思い知った。

 

 『オトモ忍さん達、立ってください……あなた達自分で動けるでしょう?』

 

 『──────(電子音)』

 

 『なになに……今勝手に動くと主達がシェイクしちゃうので動けません、忍タリティが絶望的に足りないので……と。じゃあ仕方ないですね』

 

 「しゃーねえ……カイ、合わせて」

 

 『え……は、はい』

 

 イチゴは村正を持ち出し、カイに装備させた。

 銘は唱えない、それを言えば、在り方がバレるから。正気の奴もチラホラいる……

 

 「あれは……」

 

 その様は命依達が以前見た黒い影、それに似ていた。イチゴに似た何かが呼び寄せた、黒い影に。

 

 「まさか、あれ」

 

 「命依、この瞬間をよく目に刻んでおくといい……願望という仮面を剥いだ彼の、剥き出しの本能を」

 

 機能不全に陥ったラストニンジャの一族、そしてシンケンジャー達……避難誘導に専念している小狼(シャオラン)達……流石にこのままでは勝てない。

 

 「オレがなんとかしなきゃね」

 

 妖怪を倒さなきゃいけない理由は今の所皆無、だが……せっかく練り上げた村正の試し斬りはしたい。

 

 「行くよ!!」

 

 カイに加速を指示した。

 足軽が3体程現れる。

 

 「邪魔だ!!」

 

 一体、カイの拳で殴って爆発させた。

 その隙に回り込まれたのか、二つの方向から攻撃を受ける。

 

 『痛っ』

 

 カイは一歩下がる。

 すると銃弾と斬撃が足軽めがけて振りまかれる。

 

 「ここはあっしに任せて、行ってくださいやし!!」

 

 「何をするかは分からんが、今はお前に任せる」

 

 イチゴとカイは、コクリと頷く。

 

 「恐れは力、恐れは本能、いずれ来たる災厄への道標」

 

 バクに突っ込んでいった。

 

 「……!!ガシャドクロ召喚の術!!」

 

 そうして九衛門の手によって召喚されたガシャドクロは、バクの盾になった。

 

 「うぉぉぉぉぉ!!」

 

 援護防御

 

 「(ごう)()(じゅう)()(ざん)!!」

 

 カイはガシャドクロを縦と横に一閃、十字に斬り伏せる。

 

 「逃さない!!」

 

 そのままガシャドクロを、後ろに引いたバクの方へ回し蹴りで蹴飛ばした。

 ガシャドクロに刻まれた十字傷は紅く発光し、次の瞬間ガシャドクロはバクを巻き添えに爆発する。

 

 「夢が、夢がー!!」

 

 爆発の衝撃で今集められた夢が、こぼれ落ちた。

 

 「イチゴ……お前……」

 

 「数週間分じゃこれか……これ以上は存在に関わるな、デビルーク人だーれもいないしおーわりっと」

 

 『イチゴ様、何を仰っているのか』

 

 「分からなくていいよ、全ては夢のようなものだから」

 

 『はあ』

 

 イチゴの乗るカイは、動きを自然体にする。

 

 「はっはっはっ!!その先には例の小僧達もおらん!!パワーもお主は尽きたという!!よって打つ手無しは変わらん!!」

 

 晦正影は勝ち誇る。

 

 「そいつはどうかな?」

 

 「なんじゃと!?」

 

 「あれを見ろ」

 

 イチゴとカイの指差す方向……

 外を出た球児に、旋風が付き添っている。

 

 『……イチゴ様、あれがどうかしましたか?』

 

 「正気に戻ればそこは違う景色、見たことのない建物、初めて会う人間、であれば取る行動は一つでしょ?」

 

 そんな少年の進行方向は落とした夢、やがて彼らは相対する。

 

 「む……あの童は、まさか!?」

 

 「先生、あの子です……GO」

 

 イチゴは別回線を繋ぎ、合図を送った。

 そして球児の隣で、歌川が肩を叩いた。

 

 「君、名前は?」

 

 「浩二」

 

 「じゃあ浩二君、それを投げてごらん」

 

 光の玉として輝いている。

 

 「でも、僕本番でうまくいかなくて」

 

 「大丈夫、あんなに素晴らしい夢を描いた君ならきっとできる……画現術・屏虎現界陣」

 

 さっき妖怪との戦いで見た野球の会場が、再現される。

 

 「妖術による場の舗装……これでは妨害できぬか」

 

 正影達は失敗するよう、天に祈る事しかできなかった。

 

 「さ……やってごらん」

 

 「う……うん」

 

 浩二は落ちた夢を拾って構える。

 

 「いっけー!!」

 

 そして光っている夢を、投げた。

 投げられた夢は球のように飛び、シュリケンジン達に振りまかれていく。

 全員分の記憶が戻った。

 

 「うーん、また記憶が飛んだのか……」

 

 『おかえりなさい、イチゴ様』

 

 イチゴは頭を抱えた。

 

 「また、記憶が途切れてる……」

 

 「面倒だな」

 

 「ッ」

 

 歌川は膝を崩していた。

 

 「大丈夫?画楽君」

 

 「大丈夫だよ、けど流石に風景画はカロリー高いか〜」

 

 「おじさん、ありがとう」

 

 「どういたしまして」

 

 バクのビームをどうするか……

 速攻で片付けるにも、夢をくらうのはビームの発射も含めノータイムだと今さっきの攻撃で確信した。

 

 「流ノ介、水は出せるか?」

 

 「舵木折神を出そう」

 

 流ノ介は舵木折神を出した。

 舵木折神が空を跳ねる毎に、水が飛び散る。

 

 「これだけ水があれば」

 

 シュリケンジン内で、五トン忍シュリケンを回した。

 

 「ええい、もっかい奪うが良かろう」

 

 「よーし」

 

 バクからビームが放たれる。

 

 「鏡花水月の術」

 

 流水を集めてバリアを作る。

 舵木折神の水を用いた事で、カバーできる範囲が増えた。

 だが、ビームは透過し、シュリケンジンに向かっていく?

 

 「いつから反射できると錯覚していた?」

 

 そしてビームはシュリケンジンに命中……だが、シュリケンジンはドロドロに溶けて消えるのみだった。

 

 「何ぃ!?」

 

 「危ないなー舵木折神からもらった水で分身作ってなかったらまた当たってたじゃん」

 

 咄嗟の判断でカクレンジャーの手裏剣と、水遁の術を合わせ、

 

 『水分身の術!!』

 

 残りの水を囮に見立てた、分身の術である。

 

 「だが、タネが割れた以上もう終わりだ!!」

 

 「ああ、時間稼ぎがな」

 

 「?……………あ」

 

 上空で、テンクウシンケンオーが羽ばたいていた。合体はもう済んでいたのだ。

 

 「俺達は諦めない」

 

 「チャンスがあれば、何度だって掴んでみせる!!」

 

 「私達が諦めれば、全てが台無しになるのだからな!!」

 

 「つーわけで」

 

 「行きます!!」

 

 「ダイシンケン・天空唐竹割り」

 

 テンクウシンケンオーは、勢いを付ける。

 

 「先に夢を奪うまで」

 

 バクはテンクウシンケンオーに照準を定めた。攻撃を受ければ、テンクウシンケンオーの必殺技も有効打になり得ない。

 

 『もうさせませんよ〜』

 

 だが、誤算があった。いつの間にかカイがバクの後ろにいた。

 もう終わりと、そう言っていたので……油断していた。

 ロボには関係なかったようだ。

 カイはバクの背後から万能工具(ツール)を持ち出し、物体を弄るモードにして振り下ろす。

 

 『えーい』

 

 バクのビームを出す箇所を曲げ、夢を奪う効果を持つビームを撃てない体に改造した。

 

 「あー!!」

 

 「はぁっ!!」

 

 バクの脳天に、空から一撃が入る。

 

 「さっきから夢を失くしてばっかりだけど」

 

 「それに気づかせてくれた、仲間がいる!!」

 

 「夢なんて1日でどうこうできるものじゃないけど」

 

 「そんな仲間となら、どんな道でもきっと楽しいよ」

 

 「だから、イケイケドンドンで行くぜ!!」

 

 「あっしもお供させて〜いただきやす」

 

 「シュリケンジン・アッパレ斬り」

 

 シュリケンジンの刀で、バクを攻撃。

 追撃のように銃弾がバクを襲う。

 

 「そっか……」

 

 彼らは夢をかけてラストニンジャの座を争うのかもしれない、だが……だからといって、手を取り合うのがダメな訳でもないらしい。夢を叶えるのに一人だけでは挫けるかもしれないから……

 イチゴはカイに万能工具を一振り掲げてもらった。

 

 『仕上げに一発』

 

 「いくよっ」

 

 Xの字に攻撃したいカイは、シュリケンジンの攻撃と対になるよう、斜めに万能工具(ツール)を振り下ろす。

 

 「夢を……夢を見ていたんです、夢の中の私は」

 

 バクは再度バク発した。

 

 「や……やられたとな?」

 

 「どうする?御家老」

 

 「退却ぞ!!退け〜い」

 

 「お、覚えておくがよいぞ〜!!」

 

 「俺様は残って……」

 

 「お主も帰るのじゃ!!」

 

 「嘘だろ〜!?」

 

 牙鬼軍団は、引き上げた。

 

 「これにて……一件落着」

 

 「忍ばず〜ワッショイ!!」

 

 『ブイ!!』

 

 歌川は、早速と言わんばかりにキャンバスに今日の出来事を書き写していた。

 長くなると察し、浩二を家まで送ったイチゴ達は歌川と別れて帰路に着いた。

 

 〜志葉家 屋敷〜

 

 帰りついた後、黒鋼は考えに耽っていた。

 今日のイチゴは、以前別の市で見たイチゴに似た妖魔の気配にそっくりだった。気配だけでない、放つ力もそのものであったと見て良い。それはまるで、二人が同一である事を物語っているかのようで……

 だが、イチゴと妖魔を同一視するのは難しい。第一母親がいるのだ、どう足掻いても人間でしかない母親が……人間が妖魔を産む、それはトンビが鷹を産むどころかニワトリを産むようなもの、あり得ない。

 母親が神の子を産む役目を持った巫女だった?それもない、父親も王様である事以外は普通の人間だそうだ……

 

 「イチゴ……調子はどうだ?」

 

 「?」

 

 なんでいつの間にか屋敷に入っていたのか、なんで普段入りもしない部屋に入っていたのか、妖怪の攻撃を受けて以降の記憶がないイチゴには分からなかった。

 

 「特になんとも……」

 

 その妖怪が倒された今、その時の自分がどうだったか……などと気にする必要はない。

 

 「そ、そうか……」

 

 丈瑠は続けて流ノ介に言う。

 

 「流ノ介、その……悪かった」

 

 ブラウンにこれ以上関わらないようにと……必要だったとはいえ他ならない流ノ介に言わせた事を、省みていた丈瑠だった……

 

 「いえ、私も迂闊でありました……」

 

 『ではシショー、我が国で侍の道を広めて参ります』

 

 いつの間にか、ブラウンの上達を楽しみにしている自分がいた……それを自覚するきっかけになったと流ノ介は思った。

 

 「それと……不謹慎かもしれませんが、誇らしくもあるのです」

 

 追い出したも同然だが、立派に巣立っていったようで、気がかりも晴れた。侍として一番大事なものを覚えてくれていたようで、そこも一安心。

 

 「そうか、そうだな」

 

 その近くで、ことはは夢を奪われてから後の事を謝る。

 

 「うち、記憶ないんやけど……茉子ちゃん、ごめんなさい……流さんも、ごめんなさい」

 

 「気にしないで、それこそ夢みたいなものだったって事で」

 

 茉子は早く忘れたいようで、反抗期気味のことはの話をぶった切ろうとしていた。

 だが、千明がまだくらいつく。

 

 「あのさあ、ことはの夢って何?」

 

 「どうしたん?千明」

 

 「今回の敵の攻撃で、そういう話題になってったんだけど。あ……言えねえなら良いんだけどさ」

 

 少し……はにかみながらもことはは答える。

 

 「うち、みんなと仲良しでいたい」

 

 その言葉を聞いて、全員ことはの方を向いた。

 

 「殿様とも、茉子ちゃんとも、流さんとも、千明とも、彦馬さんとも、みんなと戦いが終わっても仲良しでいたい……あ、ニンニンジャーのみんなやイチゴにモコちゃん達ともな」

 

 「ことは〜!!」

 

 その言葉を聞いて茉子は号泣し、ことはに抱きついた。

 

 「(わ゙だじ)でよ゙がっ゙だら゙ずっ゙どぞぅ゙ずる゙がら゙」

 

 「ありがとう茉子ちゃん」

 

 「殿は〜夢は何かありますか?私はですね……」

 

 「外道衆、特にドウコクを倒すのが先だ。終わった後の事を今考えても、緩むだけだぞ」

 

 「は!!」

 

 流ノ介は快く返事をした。

 だが、その時の丈瑠は、少し別の方向を向いていた。

 不安なのだろうか?無理もない、先代でも倒せない敵だったのだろうから。

 彦馬は温かい目でその場を見つめていた。

 

 「イチゴ……」

 

 ことはの夢は、みんなと仲良しでいる事だった。その夢を食われた結果、反抗期気味になってしまったようだ。

 それが純粋な願いであるのに疑いようがなく、茉子程ではないが愛おしさいじらしさすら湧いてくるのを感じる。

 そして……イチゴも夢食われた結果、性格に変化が生じていたのは明白だった。

 

 「お前の夢は……なんだ?」




Q:降魔十字斬を使うコツは?
A:デビルークの人覚悟!!っていう負念をいっぱいいっぱい武器に宿らせて放つ事です。
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