スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。



第24話 迷いながらのライブ会場!! Aパート

 〜牙鬼城〜

 

 有明の方達は次の作戦会議を行っていた。

 

 「前回はあれじゃったが……よーし、次じゃ次!!」

 

 「では、どのような恐れから集めましょう?」

 

 晦正影の言葉を聞いて、思索に入るも煮詰まるばかり。

 

 「……………そうじゃなあ、おい……蛾眉」

 

 蛾眉雷蔵は、虚空を見つめ佇んでいる。

 

 「お、おお……奥方様か、今日はどんな戦を?」

 

 「それを今から決めるのじゃぁ、お主も希望があれば申してみよ。御館様も認める武勇、期待しておるぞ」

 

 だが、蛾眉雷蔵の返答は予期せぬものだった。

 

 「……俺様は気分が優れぬ故、向こうへ行っています……御免」

 

 そして普段と調子の違う、覇気の欠けた様子で下がっていった。

 

 「大の戦好きのあやつが、どうしたのじゃろうな?」

 

 「何度かヒトカラゲに聞き込みをさせた所、どうやらあやつめ……人だった頃の己の死に様をほじ繰り返された模様」

 

 有明の方の脳裏に、雷鳴の如く衝撃が走る。

 一番槍とはいえ直属の部下でないため、戦況報告程度にしか聞かされていないが……未練を残したまま逝ったのだろうと彼を知る者が口々に揃えて言うような死に様らしい。

 

 「む、惨い……一体誰がそのような事を?」

 

 「そこまでは、分かりませぬ」

 

 「え~い、仕方のない……今回は奴抜きじゃな」

 

 作戦会議の中……九衛門は、蛾眉雷蔵の座っていた場所を調べた。

 

 「この妖気の残り滓……まさか」

 

 九衛門が以前戦った相手、イチゴというニンニンジャーとつるんでる少年にそっくりな妖怪……牙鬼幻月と並び恐れの力を行使する模様。しかも、牙鬼幻月の妖気を打ち消した上で妖怪を作り上げた。

 

 「蛾眉殿でも勝てないのか……?あいつは!?」

 

 〜伊賀崎道場〜

 

 イチゴがみんなと朝ごはんを食べる時に見たニュースで、アイドルがライブを行うと宣伝が入った……イチゴの異母妹であるマイ・アルカ・ジュエリアと、B小町?達と後色んな人達が歌うとの事。

 イチゴは、ショックで膝を落とす。

 

 「なんてことだ……アイドルは今、最強の時代を迎えようとしている……神よ……あなたは何故たくさんのアイドルを同じ時代に投入されたのですか?別々の時代に産まれていれば、みんなが名を刻んだスターになれたのに」

 

 「し、心中……お察しいたしや……す?」

 

 小狼(シャオラン)達の稽古の付き添いに来たモコナは、イチゴを慰めた。

 

 「イチゴ………そんな北◯神拳の人みたいに嘆かないで」

 

 「別に今じゃなくたっていっぱいいただろ、発掘されやすくも、選別されやすくもなっただけで」

 

 「……………」

 

 イチゴは、有識っぽい事を述べている黒鋼を見た。

 

 「村一番の美人とか言われてたような人間が、上を向いた途端美人の括りから外れるようになるんだ。それはそれで残酷じゃねえかと思うんだが」

 

 「あ、そっか」

 

 天に星は数多くあれど、その光を見つめるのはごく僅か……一等星はまだしも、ただの星では有象無象でしかない。

 星座で括られて覚えてもらえる星は幸運だろう。

 

 「とはいえ、既に世に出てる連中が歌うだけだろうが。そんなこの世の終わりみてえな顔する必要ねえだろ」

 

 「でもさあ、ここで優劣ついたら……その後が」

 

 順位自体は付かないとはいえ、ランク付けする輩はいるだろうし、盛り上がり方によってはそれこそが人気の違いとなる。そうなれば、今後の雇用が……

 

 「ほーう、妹がルビーに負けるのか不安か?」

 

 「…………」

 

 相手は、瞬く間にファンを増やしていった凄腕のアイドルの後継者だ……ルンもそうかもしれないが、王女がアイドルやって人気者になるのと、一般人がアイドルやって人気者になるのは、驚きもひとしおというか、ルンが養殖ものならアイは天然ものという感じ……娘ならどっちも養殖?まあそれもそうだが……とにかく、向こうの方がパワーを持ってそうな、そんな印象を感じる。

 

 「お前がヤキモキしてようが、してまいが、結果は来る。どんな理不尽な結果だろうとな」

 

 「行きましょう、イチゴさんにもできる事がある筈です」

 

 小狼(シャオラン)に言われた事で義務感が湧き、スマホを開いてみた。

 

 「さーて、どうするか……」

 

 「easyだな」

 

 「ですね」

 

 「応援一択だろ?」

 

 「だね」

 

 「あ……まだ販売されてるよ!!」

 

 凪達に言われた通りに見ていると、チケットがまだ販売されていた。

 

 「本当だ」

 

 ラストチャンスと表示されている……成るか?

 

 「でも、オレが行っても迷惑かもしれないしなあ」

 

 「えーい」

 

 モコナがイチゴからスマホを奪い取り、操作を始めた。

 

 「あ……」

 

 〜7日後〜

 

 「どうぞ」

 

 天がいけと命じているのかは分からないが、すんなり手に入った。

 

 「ありがとうございます」

 

 イチゴ一人で行く事になった、イチゴのやるべき事だから……と。

 だが一人で行くのに、なんとなく不安も感じている所であった。

 そんな折、妖が行列を作っていた。

 やたら尻尾の長い兎と、そら豆に糸足が生えたようなのと、トコトコ人形サイズの牛と、綺麗な着物で着飾った天狗と、和傘を差した化け河童が並んでいる。

 こいつらにチケットなんて概念なさそうだななどと思いつつ、イチゴは話しかけた。

 

 「何?君達も見にきたの?」

 

 『うん、昆虫Brothersが楽しみできたよ』

 

 セミ、ザリガニ、カブト虫のコスプレをして参加してる面白(ネタ)枠、何故か人気になっている。

 

 『ルビー様じゃ、ルビー様じゃ』

 

 そら豆はルビー推し。

 

 『有馬さんがええのう』

 

 天狗は有馬かな。

 

 『MEMちょみたいなお姉さんが、ワシは良いんじゃ〜い!!』

 

 牛だけに、角に反応しているのだろうか?

 

 「オレはマイの応援に来たんだ……」

 

 『マイ、良いチョイスだ』

 

 『マイちゃんの歌声良いよね』

 

 『去年の特撮系魔法少女、すごかったよね』

 

 「うん、昔は子役の後輩キャラだったけど、成長して主人公に抜擢されたんだってね」

 

 この7日間、ただ待っていた訳では無い。修行の合間、異母妹に関して知識を詰め込んでいた。マジでプライベートな情報じゃなくて、SNSにオープンに載せている。ちょっと検索すれば分かる話や、出演してる番組の話題など。

 

 『やっぱルビー様じゃ、ルビー様こっち見て笑いかけてくれるんじゃ』

 

 「ルビーって人、見えてるのかな?」

 

 『そりゃあもう、見えてるのが我らの共通認識ですぜあんちゃん』

 

 「へ〜」

 

 『こっち来いや、とっておきのスポットがあるで』

 

 『よし、行くか』

 

 化け河童の傘に、小さな奴らが乗っていく。

 

 「待ってよー!!」

 

 イチゴも傘の上に乗せてもらった。

 

 『行〜こうぜ!!』

 

 化け河童は傘に色々と乗せたままジャンプしだした。

 傘の上という不安定な足場ながら、空を飛ぶ快感を味わった。

 

 建物の中で誰かが話している。

 イチゴは目を凝らして見てみた。

 異母弟(おとうと)のライ・アルカ・ジュエリア……つまりマイの双子の兄と、誰か金髪の男が話している。

 外国人……という訳では無いが、色白の肌と金色の髪は夜では目立つ。

 

 「何話してんだ?」

 

 『聞きたいか?』

 

 天狗は頭巾を貸してくれた。

 

 「サンキュ」

 

 早速被ってみた。

 聞き耳頭巾というやつなのか、聴覚が研ぎ澄まされていくのが分かる。

 

 「君は役者にならないのかい?」

 

 ライが男を誘っている、王族であるという自覚が育てた気位の高さを持つ彼がわざわざ誘っているのだ。男はすごい奴なのだろうか?

 

 「俺に才能はない。ファンからの愛なんて二の次だった癖にとんとん拍子で人気になったアイドルと違ってな」

 

 ルンの事を言っているのは明白、話によればリトにしか好意を向けていなかったようなのは本当で、それを知っているからこそ聞いているイチゴに冷や汗が滴る。

 

 『ん?どうしたんだい?』

 

 「嫌、なんでも」

 

 イチゴは引き続き、聞き耳を立てた。

 

 「未成年で子供を産んだアイドルよりはマシでしょ」

 

 「!?」

 

 これまたすごい話の応酬、聞く人によってはスクープが出来上がる。

 

 「お前……」

 

 金髪の男はライを見た。

 

 「アイがアイドルを休止して再開し始めた時期と君とルビーちゃんの年が一致しているだろ?みんな何も言わないけど、薄々気付いてる」

 

 「何故……」

 

 何故その上で黙ってる?とかだろうか?

 

 「それでも魅せられてるって事じゃないかな?」

 

 「……………」

 

 「君にもその才能はある、僕が言うから確実だ」

 

 「……………悪いが、お前の望みには付き合えん」

 

 男は踵を返して、場を後にした。

 

 「う〜ん、後が怖いぞ〜」

 

 ライは割と執念深い方なので、首を縦に振るまでしつこいだろう……

 

 『あ……誰かがこっち見てる』

 

 イチゴは頭巾を脱いで返し、差された方向を振り向いた。

 

 「あ、イチゴ君」

 

 レイアが私服姿で来ていた。

 黒い、手さえ覆う程長い袖を着て帽子で顔が隠れるようにしている。

 

 「…………え!?」

 

 「誰か違う道通っていったって言うから見に来たけど……」

 

 「レイアも、ライブ見に来たの?」

 

 「とりあえずその傘から降りて。降りられないなら、私がどうにかするから」

 

 おいで……とレイアは両手を広げた。

 

 「え、えーと……その………………」

 

 真っ直ぐ飛び込めばレイアに抱きしめてもらう形になるのを想像すると、途端に恥ずかしくなってきた。

 

 「あ……自分で降りるよ」

 

 イチゴは傘から飛び降りた。

 

 『またね〜』

 

 「うん、またね〜」

 

 風がイチゴの周りで吹き、着地がゆっくりになった。

 

 「ああ……こんな感じか」

 

 イチゴが妖怪と一緒に行こうとしてたのは、関係者以外立ち入り禁止のエリアだったと聞かされる……

 

 「ごめんなさい」

 

 「私に謝っても仕方ないよ、まだ立ち入ってはないから、早く離れよ?」

 

 イチゴはレイアに連れられ、その場を離れた。

 

 「あいつらは」

 

 「気にしてもしょうがないよ、見えないから言っても自分でどうにかするしかないし、あの子達だって、楽しみにして来てくれたんだろうから」

 

 「あーそっか」

 

 怒られるのは、イチゴだけになる……

 

 「話を戻すけど、レイアも見に来たんだ」

 

 「うん、先輩の晴れ舞台だしね」

 

 特撮の魔法少女としては先輩と後輩にあたる。

 レイアの方は実際に能力持ちだが……

 

 「レイアは歌とかは……」

 

 少なくとも、レイアの番組の主題歌は別の人が歌ってた。

 

 「魔法よりかは、あんまり……」

 

 「あ、変な事聞いちゃった」

 

 「大丈夫、隠す事じゃないしね。他ので頑張る」

 

 番組内の演技やその他、実際の活動を指している。

 建物の出入り口に入った。

 流石にむせるような人だかりができている、小さい子供達もいるせいかもうこの瞬間から話し声が聞こえる。

 案内に従えばここに行き着く筈だが……

 

 「イチゴ君は席、どこ?」

 

 「オレはこっち」

 

 「私は向こう」

 

 レイアは案内図から場所を示した。初期から予約してたようで、かなり見やすい所みたいだ。

 

 「ここでお別れだね」

 

 「あ……そうだね」

 

 「お互い、頑張ろうね!!」

 

 レイア笑顔では手を振ってその場から去った。

 

 「……うん!!………………」

 

 元々一人で行動する筈だった、なのに……何故かレイアと別れて気落ちしている。

 ついていっても仕方がなかったのだと自分に言い聞かせ、イチゴはさっき手に取ったチラシを見て今日歌うアイドル達を確認した。

 

 ロケットシップ・ベイビーズ、ダンディーな曲で会場をクールに盛り上げてくれる事間違いなし。

 

 昆虫Brothers、賑やかし。

 

 B小町、最も強力なマイのライバル。

 

 MAI、言わずもがな

 

 学園探偵団、妹之山残、鷹村蘇芳、伊集院玲の三人組……小狼(シャオラン)達は、別世界の彼らと交流があったと言っていた。

 

 T(チーム)M(マイクロン)B(ボーイズ)……10年前トランスフォーマーと一緒に存在が明るみになり有名になった、人間の子供サイズのロボット生命体の三人。その見た目故か、子供達にホビー的な人気がある。

 

 ヒコボシ・ミナト、青色の肌と触覚を持つダンサー的男性アイドル。八雲が知っている人にそっくりだと驚いていた。

 

 牙鬼ぷりんせす……最後の欄にねじ込まれているように書いてある牙鬼ぷりんせす……名前とか正気なのだろうか?そんなユニット名聞いた事もないし……今現在活躍してる人しか歌手として参加できない手筈なのでは?

 考えても仕方ない、天晴達に写真なしでネタにしつつ進む事にした。

 

 「…………………」

 

 だが、警備員に肩を叩かれた。

 

 「あ、写真なしもダメですか」

 

 「……………………」

 

 「(なんか喋れよ)」

 

 黒子相手ならいつもの事と片付けられたが……

 スマホを直し、そのまま進んだ。

 

 〜13年前〜

 

 まだ、イチゴが戦車のおもちゃとか、そういうものが好きだった頃……

 

 『マイ、何それ』

 

 一緒にビデオ鑑賞をしていた。

 そこにはマイの母親のルンが歌っている所が映し出されている。

 マイはその映像を飽きる事なく見ている。

 

 『ママがアイドルしてるの。こうしてる時のママ、カッコいいんだよ〜』

 

 『まるでいつもはカッコよくないみたいだ』

 

 『うん……パパにはデレデレだし、猫みたいだし、パパいないと機嫌が悪くなるし』

 

 『………………(聞こえてないか気配を探る)』

 

 『ウフフ……イチゴったら怖がり〜』

 

 『いや……』

 

 キレイな人だったが、子供心に怒らせてはいけないと感じていた。怖がらない方が無理があるというもの。

 

 『イチゴは将来の夢ってある?私、ママみたいにアイドルになりたい』

 

 アイドルの娘はアイドルに向かっていく運命なのか……

 

 『ぼくはよく分かんない……アイドルになるって、なってどうするの?』

 

 『え?…………』

 

 『世界征服がしたい……とか?でも最初からプリンセスのマイなら特に何もしなくても良さそうだな』

 

 『世界征服ね……いいね、でも……ママが王子様の心をゲットするためなら私の王子様を見つけたい……みたいな?イチゴはできると思う?』

 

 『……さあ』

 

 『ヒドい、イチゴ!!ちゃんと答えてよ〜』

 

 『むせきにんな事は言えないもんね』

 

 『ふん、イチゴにはねだられてもサイン書いてあげないから』

 

 『ぼくがサインもらったってどうしようもないしな〜それよりこうして一緒に遊んでくれる方が嬉しいよ』

 

 『…………』

 

 『双子の兄ちゃんはどう思う?』

 

 マイの母親は地球とは別の星の人間で、その星では男女の双子が産まれ、ある時期まで肉体を共有する事になっている。言ってみれば複雑な二重人格のようなものだ。そして人格によって身体的特徴も変わる……マイも当然そうなっている。

 鈴の音を聞かせると人格が切り替わるらしく、当時のイチゴはそれを鳴らした。

 

 『僕ならイチゴみたいにただ応援だけなんて気はない、一時期とはいえ一心同体だ。しっかりサポートするよ』

 

 『おお……なんと力強い言葉だろう』

 

 〜現在〜

 

 イチゴ側であれこれあって、それ以来会話もしなくなっていたが……

 見ない間に、夢を叶えていたらしい。

 

 「マイのステージか」

 

 そう、改めて考えると緊張してきた。

 まさか、本当になるとは……しかし、今更なんて声をかけるか、今はそういうのがあるやつではないが……

 だがその瞬間、カイのイチゴをいつも回収するビームを受ける。

 コックピットの中に入ったイチゴはムッとした表情に変わっていった。

 

 「カイ、オレ今会場向かってたんだけど」

 

 だが、すぐにそれどころではないと聞かされる。

 

 『それどころじゃありません、その場所は今……空間ごと干渉されています』

 

 「…………は!?」




昆虫Brothers……つまりジョイントロン
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