スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。


第25話 そうだ、京都で決着付けよう! Aパート

 〜某郵便局〜

 

 「現代の飛脚の集いってなあここか!?」

 

 蛾眉雷蔵は自動ドアに戸惑いつつも、郵便局に乗り込む。

 

 「ヒィ!?」

 

 その異形の姿に従業員は驚き、騒ぐ。

 中には非常ボタンを押そうとする者もいた。

 そんな彼らを目で制し、蛾眉雷蔵は手紙を出す。

 

 「俺様ぁ客だ。こいつを伊賀崎の屋敷に届けろ」

 

 差し出された紙を見て、従業員は言う。

 

 「じゅ、住所などを、その……書いていただきませんと」

 

 「ああ!?そんなもん知ってたら直接乗り込むに決まってんだろうが!!ただし御家老や奥方様も含めた全面◯争になるかもな!!ガッハッハッハッハッハ」

 

 彼の高笑いを聞き、従業員は慌てる。全面戦◯という言葉が効いたのだろう。

 

 「そういう訳だ、しっかり頼むぜ」

 

 「は、はいい」

 

 その勢いのまま、おそらく運ぶ準備に取り掛かる。

 

 「代金だ、ほらよ」

 

 一段落した所で砂金入りの袋を渡した。

 

 「じゃあな!!」

 

 蛾眉雷蔵は踵を返してその場から去った。

 

 〜先日 牙鬼城〜

 

 天晴と決着をつける事に決めた蛾眉雷蔵は、早速その旨を伝えた。

 

 『気分はどうじゃ、蛾眉』

 

 『はっ傷も癒え、やるべき事もはっきりし晴れ晴れとした心地にて』

 

 『それで、ニンニンジャーを呼び寄せ牙鬼御前試合をしたい……と』

 

 『ああ、忍ばねえあいつらの事だ。きっと来るだろうさ』

 

 『それは良いとして、何故わざわざ京都なぞで行うのです?』

 

 『まあ良いではないか、妾も久しぶりに京都が見たいぞ〜数百年振りの京都巡りじゃ〜』

 

 『恐悦至極にございます』

 

 『ホッホッホッ長年牙鬼に仕えた男じゃから、この程度は許されるというものであろう……のう。狐』

 

 『…………………』

 

 そして京都行きが決まった。

 

 「待ってるぜ……赤いの」

 

 〜伊賀崎道場〜

 

 イチゴは道場の外回りを掃除していた。

 黒子時代から家の外の掃除を覚えたが、段差のある外でほうきは結構使える。

 

 「〜♪」

 

 ゴミをまとめていると郵便のバイクが近づいてくる。

 イチゴが会釈すると、配達員がバイクを降りて駆け足で近づいてきた。

 

 「あの……伊賀崎さんの住所ってこっちですよね?」

 

 「え、ええ」

 

 「じゃあ、渡しましたよ!!」

 

 折り目の付いた紙を渡して、配達員は急いで帰っていく。

 

 「なんだこりゃ」

 

 手紙を手で広げた。

 名前以外の送付元、宛先の住所不明、ただし墨でデカデカと蛾眉雷蔵、そして伊賀崎の一族へと書かれてあるのだけは分かる。名前のおかげで、捨て置くものではないのだけは分かる。

 

 「どれどれ〜」

 

 字面と睨めっこする。

 勢いのまま書き殴ったような達筆さで、名前以上の内容を読み解くのに難儀する。

 

 「お掃除お疲れ様」

 

 「どうしたの?」

 

 高校から帰宅してきた凪と風花に問われた。

 

 「あ、2人共お帰り。実は……」

 

 今さっきの出来事を話した。

 もちろん、手紙の事も。

 

 「殿様に聞いてみるのは」

 

 「あ、いいねそれ」

 

 写真を載せて

 

 『語訳求む』

 

 と、あれこれ細工しつつも丈瑠のショドウフォン宛に送った。

 数十分後、丈瑠から連絡が来た。

 

 『イチゴか』

 

 「はい、殿様!!しばらくぶりです」

 

 『といってもこの前一緒に戦ったばかりだけどな』

 

 「それで……結果は」

 

 『どうやら書体は戦国時代のものらしい、お前達では馴染みがないのも無理はない……俺もじいに指摘されるまで気づかなかった』

 

 「そうなんですか」

 

 『調べた結果はこうだ。向こうは一同で京都に行くから、舞台を整えた上で天晴とそこで一騎討ちがしたいらしい……』

 

 つまりは果たし状らしい。

 

 「そうですか」

 

 『これで良いのか?』

 

 「はい、ありがとうございます」

 

 『天晴に言っておけ。ラストニンジャになりたいと願うなら、この戦いは通過点でしかない……必ず生きて、勝ってこいと』

 

 「!!ええ」

 

 丈瑠から、こうも掛け値無しの激励を受けて意外に感じた。なんというか、以前より丸い態度というか……それはさておき、早速天晴達に内容を報告した。

 

 〜夕方〜

 

 天晴と八雲と凪と風花と霞とキンジは果たし状を見てから修行に入っていた。

 その日の稽古は変身しての実戦形式になるので、残されたイチゴと旋風は作戦会議に入る。

 

 「京都ですか……」

 

 「京都だね……」

 

 「なんで京都なんでしょうね?」

 

 「それはちょっと分かんないかな。うーん」

 

 旋風は考え込む。

 

 「何か?」

 

 「移動手段どうしようかな……って」

 

 「そんなのカイやオトモ忍で行けば良くないです?」

 

 「いやー、それがさ……10年ぐらい前だったかな」

 

 怪重機が京都に現れ、重要文化財を盗まれかけるという事件があった。

 デカレンジャーが頑張ってなんとか未遂に抑え込んでくれたが……

 

 「ありましたね」

 

 イチゴが9歳ぐらいの出来事だった気がする。

 

 「そんな事があったから、他の星のでっかいロボットで行くと侵略に来たのかもしれない……なんて思われるかもしれなくて」

 

 「じゃあ、向こうにアポ取っていけば……」

 

 「組合づてに頼んではみるけどアポ、届くかなあ……あそこ、京都だから文化的な意味でも陰陽師しかいなくてさ」

 

 「あれ?そうでしたっけ」

 

 「ほら、すずちゃんの周りに起きた出来事……あそこで僕達のトップがちょっかいかけたじゃない?」

 

 「ああ、五行仙だったっけ……祭里さんに術かけてすずさんを殺させようとして返り討ちにあったってなんか話にあったような……あ」

 

 陰陽連という、組合の前身であった組織……五行とは陰陽五行の事であるとすれば陰陽師と関係なくはない。むしろそこが大元であるとさえ言える。

 

 「さっきの話のちょい後に揃って消えちゃったから纏さんが繰り上げでトップに着いてさ……それで京都にいる団体が「五行仙がやらかした責任として、今後組織図から祓忍組合と我ら、お互いを切り離す事で手打ちとしましょう」って話を付けてきたそうでさ〜以来それっきり。京都の所だけ絶交になっちゃったって感じ」

 

 そんな話が明崎家でもあったような、なかったような……だが……

 

 「…………それってもしかして………」

 

 逃げた?

 

 「うん、追及を逃れるための方便って所だろうね。すずちゃんの力とその由来が本当なら、他の陰陽師に属する人達も彼女への恨みを子々孫々に至るまで伝えている事になる。京都で陰陽師をやってる所とか、特に」

 

 祭里の妻、すずはヒミコの後継、壱与の転生者らしい。そしてその人と敵対してたのが陰陽連、法術師の集団である……その存在を未来に残すなら、何百年か後だが陰陽師といううってつけの枠がある。

 

 「もし、彼らもその恨みの果てに彼女に危害を加えようという気になったら?」

 

 「………事実はさておき、疑われても仕方ないですね」

 

 「邪馬台国や陰陽連とかは過去の事ではあるとはいえ、僕達の生業は言ってしまえば過去の因縁が産み出した負念の清算だからね。身内の発する恨みともなれば、はっきりさせなきゃってなるのも仕方ないのかなーって所だよ」

 

 だから、身内じゃなくした……?

 

 「でも、そうさっさと縁切ったら、クロって認めるようなものでは」

 

 「そこだよね……でも、纏さんが何も言わないって事は、それで納得するだけの何かがあったって事かな……」

 

 「疑いを確信に持ってかれたとしても、一刻も早くすずさんと縁を作らないように努めた……とか?」

 

 すずの因子が因子だし、祓忍組合の一番偉い人の息子の嫁である以上、その存在はそっち側の世界にとってますます重要なものとなる……なら、縁もどこかでできるかもしれない。偉い奴程他の偉い奴との関わりが多くなる傾向にある法則もイチゴの辞書に載っている。

 

 「うーん、ありそう……五行仙の御乱心もすずちゃんの事を知ってからだそうだし」

 

 「まあ、恨む方も恨む方で辛いって話は聞きますが」

 

 「そういう訳で、京都に事前に情報を共有するのは難しい……だから、オトモ忍に乗っていくと警戒されるかもしれない……君のは特にそう」

 

 小美呼市での前列があるし、ないとは言えない。

 

 「仕方ない、流石にすぐどうにかしてくるような島津みたいな真似はしないか」

 

 数日後、新幹線に乗って京都に向かう事にした。

 ※しばらくの間、ヒソヒソより少し上の音量で会話する事になります。

 

 「交渉の結果、これの費用は組合が持ってくれる事になりました。感謝してよ〜」

 

 「やったぜ、親父!!」

 

 「すごいじゃん、お父さん!!」

 

 「ありがとうございます」×5

 

 「ありがとうございやす」

 

 「ははー」

 

 「ところでお兄ちゃん、体調はどう?」

 

 「快調だぜ風花」

 

 「その元気こっちにも分けて……」

 

 イチゴは筋肉痛だった。

 桃太郎との戦いや、狐の面を被ったロボットとの戦いで付け焼き刃とはいえ、二刀流の戦い方を経験してしまったのが仇となる。

 

 「(わり)いな、連日付き合ってもらって」

 

 乗るまでの間、何回か天晴と戦わされた。

 竹刀で剣術修行するより、スピードを求められて実戦的だったのを思い出す。

 

 「蛾眉雷蔵との戦い方に奇しくも一番近いのはお前だからな」

 

 長刀と短刀、サイズの違う二刀流。短刀の方は万能工具(ツール)で調達可能だったりする。まさか向こうの必殺技を構えだけでも真似させられるとは思わなかった。

 

 『頑張れば、雷出せるんじゃねえか?』

 

 とキラキラした目で天晴に問われた時は「ふざけんな、人間に出せてたまるか」と感じたのを思い出す。(剣技である以上、できはするのかもしれないが)

 

 「武器が忍者一番刀じゃないってのもハードル低いよね、シュリケンをセットする間を考えなくていいし」

 

 小狼(シャオラン)も緋炎と蒼氷の二刀流で戦った事があるようだが、一度しかやってない上サイズも似たようなものなのでイチゴに白羽の矢が立った。

 

 「その様子だとお留守番しとくべきだったのではないのでしょうか?」

 

 「まあ、ここまで付き合ったし……オレだけいないってのもね」

 

 「こうなりゃ後はいけいけどんどんだ!!よーし、待ってろよ(新幹線で通じる声量)」

 

 「それはそうと……」

 

 「新幹線だ〜!!」

 

 モコナ達が叫んだ。

 

 「しー、静かにしてよ。追い出されるでしょ」

 

 小狼(シャオラン)達もついてきたのだ。

 

 「す、すいません……」

 

 「ごめんなさい」

 

 「ごめんね」

 

 「ごめ~ん」

 

 「もう、気を付けてよね……モコナ、他は気にしないで」

 

 黒鋼のみ、腕を組んで目を瞑り、じっとした姿勢を崩さないのは流石としか言いようがない。

 

 「おれ達の分まで、本当にありがとうございます」

 

 「いいよいいよ、その代わり色んな所見て欲しいな〜なんてね」

 

 「御前試合なら、偉い奴らもいるだろう。潰すチャンスでもあるってこった」

 

 「まあ、それはしょうがないにしても」

 

 イチゴは隣の席のブロックを見た。

 

 「画楽君、この駅弁おいしいね!!」

 

 近くの席で比良坂命依が牛すき弁当を頬張っている。

 

 「着くのに時間がある、味わってお食べ」

 

 「うん!!」

 

 イチゴはその様子を見て問う。

 

 「ここまで揃う必要ある?」

 

 「いや〜〜〜僕達京都で絵の仕事依頼されちゃっててさ、ついていっても良いかな?」

 

 「途中でさよならになるかも」

 

 「それで構わない」

 

 「よろしくな〜」

 

 モコナが歌川と握手する。

 

 「よろしくね〜〜〜ところで、君の絵を書いてもいいかい?」

 

 「うん」

 

 かくして、歌川達も加わった。

 今、決闘前とは思えないような、和気あいあいとした空気を味わっている。

 

 「京都と言えば、新選組だよね!!」

 

 新選組……浅葱色の衣を纏い、京都にのさばる幕府の敵をバッタバッタと薙ぎ倒す戦闘集団。

 

 「し……新選組推しが強いね……命依さん」

 

 凪が困惑する。

 

 「自分と同じ時代に生きた有名人の集まりなんて、自慢したくもなるだろう?」

 

 「ああ、元々あの時代の人でしたっけ」

 

 命依も歌川も、幕末の時代らへんからいた存在である。

 

 「こうして一緒にご飯を食べてると、怨霊だって事忘れちゃいますね」

 

 「私自身も、ちょっと忘れそうになってる所……まあ、もういいんだけどさ」

 

 怨念が晴れても消えない辺り、普通の怨霊とは違うんだなあと今更ながらに思う。

 

 「メイは新選組の誰が好きなの?モコナは〜斎藤一〜」

 

 モコナは牙◯と言いながらちんまりした腕を真っ直ぐ突き立てた。

 モコナのいた世界にも新選組はいたそうだ。というか、宇宙人が身近にいないだけでイチゴの今いる世界と結構似ている。

 

 「そうだね〜〜〜私は沖田総司かな〜〜〜病で倒れちゃったけど、それでも戦って、それでいて強くて……画楽君は?」

 

 近藤勇か、土方歳三か、はたまた一際ゴツい武装をしているかもしれない(つまり一番絵になる)、服部武雄か。

 歌川は予想外の名前をあげる。

 

 「僕は……赤座番之進かな」

 

 「え……誰それ知らない」

 

 「結成して早くに亡くなったからね。関係者しか知らないぐらいの知名度しかないのも仕方ないかも……昔世話になったんだ」

 

 初耳とばかりに命依は驚いた。

 

 「……どんな人だった?」

 

 「優しい人だったよ。妖の僕だけじゃない、後にエイリアンと呼ばれる人にも救いの手を差し伸べていた」

 

 エイリアンという事は、どう見ても人間と違う見た目の奴と交流ができたという事……しかも前例のない、あの時代(幕末)に……他のみんなも感嘆の言葉を挙げる。

 

 「まあ、それもあってか「都を互いの血で染める必要もなかろう」って言って薩長の人達とも仲良くしようとしてて、他の隊員に咎められてたけどね」

 

 「あ~風当たり悪そう」

 

 「それでも、もう少し生きてたら新選組の結末を変えられたかも……そう思わせてくれる熱さも兼ね備えた、そんな人だったよ」

 

 「そうなんだ……」

 

 思わぬ話題を見つけ、みんな言葉を失っていた。

 

 「ああ……気を重くさせちゃったかな、ならこの話は忘れていい」

 

 「でも……」

 

 「笑って行く方があの人もきっと喜ぶだろうさ」

 

 そう、新選組、もっと昔の人達、彼達が守り、今に繋いできた街、京都にこれから向かうのだ……




牙鬼軍団って、時代感覚的に現代っ子の九衛門以外全員京都好きそう(偏見)
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