スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
『狐狸、出番ですぞ!!』
九衛門がため息をつきながら現れた。
「フゥ……仕方ない、妖術……肥大蕃息の術!!」
九衛門が小槌を振るう事で、ドーマンが巨大化した。
「遅くなってすまない」
八雲達が走ってきた。
「霞ちゃん、大丈夫?」
「ええ、呪いとやらも収まってます」
「心配かけてごめんね」
「よし、俺達も…………」
「来い、レイアース」
各々、ロボを呼び出そうとする。
だが、オトモ忍達は現れない。
「…………」
「どした?」
天晴はシュリケンを一番刀に差し直しもう一度召喚を試みる。
「で……出ない」
『イチゴ様ー、今京都の周辺なんですけど通れないんですー』
カイまで通信が来たのでイチゴは、近くにいる陰陽師に話を聞く。
「ヘイ、そこの少年。助けてくれてありがとう、オレの名前はイチゴだけど君の名前は………」
「御門
知人と似たような苗字のため、苗字は省略する事にした。
「じゃあ十四夜君、どういう事か説明よろしく」
十四夜は困惑を混じえつつも、説明してくれた。
「十年前の事件以降……その対策の一環で、こっちの認証なしに機動兵器を呼べなくする結界を京都中に張り巡らせてるんです」
「こっち側もお構い無しってか」
「多分所属が違いますし……」
「結界の外側はどこ?」
「京都の外ですが、乗って再び出てくるのは難しいかな……」
「だから今カイが進めないのか……」
「例のビームで結界を破るっていうのは」
「侵略行為とみなされる上に、アサキムが来るだろうが」
異空間以外でスフィアパワーを使うと、2回中2回アサキムがやってきたのである。
「今から許可取るっていうのは……」
「決める権限のある人達、みんな蘆屋道満にボコされてしばらく起き上がれない……」
「ええ……」
その様子を見て命依はイチゴに聞いた。
「イチゴ君さあ、君にそっくりなあいつみたいにでっかくて黒い影出せないの?」
「無理に決まってんでしょ、どうやるんだよ」
歌川がざっくりとしたやり方を説明してくれた。
「周囲の恐怖心を汲み取る感じだったね」
「ええ……」
やれる気がしない。やれるとして、うっすら思い浮かぶのは中学生ぐらいの年端もいかない少女の姿……それでどうしろと言うのか?
「まあ、できる訳ないって言ってるし無理なら仕方ないね」
十四夜が前に出る。
「僕達が出るしかない、騰蛇」
「ええ、今こそその時です」
「我が呼びかけに応えいでよ、十二神将が一柱……騰蛇機!!」
十四夜は手に持ったホビーな銃を構えて一発発砲した。
空から、騰蛇と呼ばれていた男性が携えていた剣を翼のように広げた大きな蛇が現れた。
今、現れたその蛇は空の上で咆哮する。
『シャアアアアアアアアア!!』
「空飛ぶ蛇だと!?」
「なんだありゃ」
「騰蛇……つまり、四神達の仲間?」
「説明お願い」
「ええ………今集中したいんだけど……ちょっと待ってて」
十四夜は何やら術を唱えた、するとどこからかナレーションが始まった。
『十二神将……その昔、強大な妖怪達と戦うために符術によって産み出された機動兵器である。
平安の世において、もっとも力と性格の安定していた四神を基に八機作られた。四霊クラスは都に収まらないため除外されている』
「つまり……大昔に作られたロボか」
それも青龍達をベースに産み出されたという事らしい。
『無から有を産み出し、そこに魂魄を宿らせる技術は、オトモ忍と決して無関係ではない』
「あ、続いてた」
「本当ですか?」
「なら、オトモ忍の大先輩って訳か〜」
「………(私達のオトモ忍にあれの技術があるのであれば、もっと自意識を示していても良い筈なのですが)」
「行くよ、騰蛇」
『ええ!!』
騰蛇はドーマンに突っ込む。
『はあ!!』
そして剣の如き翼を背中ごと振るい、攻撃。
「む!!」
ドーマンは攻撃を腕をかざして防御、斬撃音が響く。
『せい!!』
「どうしました?」
『たあ!!』
「拙僧の体に、届いておりませぬ」
『今だ!!』
騰蛇はドーマンに頭から尻尾の先まで絡みついて拘束する。
「!!」
『ブレイク・ダイナマイトォ!!』
そしてドーマンに巻き付いたまま、エネルギーを溜める。赤熱する程に溜めたそれは程なくして爆発を始める。
目に見える衝撃やらが迫るものの、建物の辺りで止まる。
「これも結界とかの効果?」
「それよりあいつ……」
『やったか!?』
しばらくしてから煙が晴れた。
爆発したドーマンはいない。ただ別の方向から、別のドーマンが現れた。
「!?」
『何!?』
「形代です✩」
ドーマンは手をかざす。
その手を振り下ろしてから、切紙が雨のように騰蛇に降り注ぎ、爆発する。
『くっ!!』
爆発を受け、騰蛇は横になって倒れた。
「騰蛇!!」
「ダメだったか」
「そんな!!」
「他に使役しているものがおれば、遠慮せず出すがよろしい」
「こうなったらオトモ忍なしでも直接やるしか……」
「あ、そうだ」
十四夜はイチゴに近づく。
「君……イチゴって言ってたけど"あの"イチゴって人でいいの?」
「オレを知ってる?」
「朱雀と接触し、青龍の背に乗って帰った人……知らない訳にはいきませんよ」
十四夜はそう言ってイチゴに銃を差し出す。
「これを貴方が撃って欲しい……ひょっとしたら貴方の知る青龍が来るかもしれない」
「う、うん」
イチゴは銃を受け取る。
「空に向けて撃つのがミソだよ」
「青龍達、助けてー」
イチゴは勢い余って空に向かって2発撃った。
無条件で力を貸してくれそうな青龍達を思い浮かべた。
玄武はともかく……朱雀は、今はダメだろう……特に命依が、こぼれそうな程に大きなものの持ち主がいるこの場ではめんどくさい事になる筈だ……と。
『皆さん……どうか、諦めないで!!』
『俺達が来たからには、大丈夫だ!!』
空から、青龍と白虎が駆けて降りてきた。
「おお、本当に来た……」
『イチゴ君、調子はどうだ……ああ、これを贈る約束だったな』
白虎と青龍の息子の描いた漫画の続きをもらった。
「ありがとう」
「いつぞやのあいつか!?」
「あいつも超機人だったんだな」
『も?言ってなかったが確かに俺達は超機人だ、どういう事だ……朱雀でもいるのか?……あ』
白虎は騰蛇を見た。
『確かに、超機人だ』
『大変、倒れてる!!』
そして騰蛇の元に駆け寄る。
「治るのか?」
『存在に支障はない……かな』
『術の中に治せるものはないが、俺達の体は自己修復ができる。この程度なら休ませれば問題はない』
十四夜は膝を折って頼み込む。
「貴方達四神に加え、我が祖先の作り上げた八神を合わせ……我らは十二神将と呼んでおります。その御力を、今我らにお貸しください」
『顔を上げてください』
『そう畏まる事もないさ。倒すべき相手が同じであれば、いつでも協力すると約束しよう』
「じゃあ……騰蛇」
『後は頼みます』
騰蛇は、風景と同化するように戦場から去る。
青龍はその場を見送りながら思う。
『(感じる……この千年、貴方達も戦ってきたんだって……その想い、ここで散らさせはしない!!)』
騰蛇は去り、代わりに青龍と白虎がドーマンと相対する。
「四神と直接相まみえるとは!!現世にしがみついた甲斐があったというもの!!」
『
『ああ!!』
青龍と白虎はドーマンに向かっていった。
『龍王火炎』
『虎王咆哮』
「みんな、耳を塞いで!!」
青龍が炎を吐き出し、白虎がシャウトを放つ。
「そうきますか?ならば!!」
ドーマンはどこからかしゃくじょうを持ち出して振り回し、叫びながら炎と咆哮をかき消す。
『ハァッ!!』
白虎は牙を剥き、ドーマンに噛みつこうとする。
「せい!!」
留めきって、ドーマンはしゃくじょうを横薙ぎに振るう。
『おっと!!』
白虎達は後ろに退いて避けた。
「晴明と戦った折にその力の幅はわきまえておりまする、源流となる四神とてその範疇でございましょうや」
『そう簡単に俺達の限界を見定められると思うな、青龍』
『ええ』
青龍と白虎が己を覆う程のオーラを噴出させる。
「なんだ?」
「来るか!!合体」
「え?するんです?合体」
十四夜が質問してきた。
まるで初耳とでも言うように。
「え?しないの?合体。朱雀と玄武もするよ」
イチゴは彼女達が雀武王に合体する様を思い出した。
「……………」
十四夜は頭を抱える。
「………製造過程に不備があったのかもしれない、当時彼らを産み出すのに使った設計図は海路で運んだらしいし、船旅って大変らしいから沈んで行方不明になったのもあると思えば……」
「大事な部分が沈んじゃったか……そっか……」
『必神火帝』
『天魔降伏』
『『龍虎合体!!』』
白虎が縮こまり、それを青龍が覆う形で合体を始める。
後に青龍の翼や手足などが肥大化する。
そして、青龍の口の部分から人の顔らしき部分が見えてきた。
『無敵青龍・龍虎王見参!!』
青い雷が、彼女の周りで轟く。
胸部装甲は白虎だが、それ以外の体全体は青龍で構成されているらしい。
「これが……合体した青龍と白虎」
シュリケンジンやカイと似たような大きさだった。だが、伸縮していたからまだ大きくなれるかもしれない。
「すごーい!!」
モコナが拍手した。
「熱いな〜これ!!」
「龍虎相交わりし時、産まれる巨人か……いいね。とても絵になる」
「これは、これはこれはこれは!!原初の四神はそのような姿を隠し持っていたのですか!!」
『人々に仇なす貴方の負念……ここで絶たせていただきます!!』
「よろしい!!絶てるものならば!!」
ドーマンは式神を二体召喚、召喚した式神にビームを撃たせる。
『ラスタバン・ビーム!!』
龍虎王も対抗して目からビームを放ち相殺する。
『今の内に!!』
速い手付きで、龍虎王とドーマンは符を掲げる。
『龍王炎符水!!』
「土の術、壁となりて我が身を守れ」
龍虎王が掲げた符から、炎が噴水の如く噴き出す。
土の壁が盛り上がり、炎の行く手を阻む。
「高速詠唱なら拙僧も負けておりませぬぞ」
間髪入れずに龍虎王は指で五芒星をなぞる。
『勅・勅・勅・勅!!』
五芒星の星の数だけ符が直進、符から繰り出される雷がドーマンを貫く。
「!?」
「やった?」
「イチゴ、それやれてない」
また、別の場所にドーマンが立っている。
再び身代わりを用立てたらしい。
「やはり、身代わりを揃えて正解でした……」
『え?』
「あ……そうだ。青龍、あいつ呪詛返しと分身が使えるんだ!!」
『うーん、もう少し早く教えて欲しかったかな……』
『ならば俺が出よう、青龍』
『うん!!』
『順天逆神!!』
龍虎王は合体を解除する。
そして今度は、青龍を白虎が包み込む形で合体する。
最強白虎・虎龍王推参!!
「今度はそう来たか!!」
「二人一組で行動して、己の長所を活かす方をメインに合体してるのか」
『ランダム・スパーイク!!』
虎龍王は素早い動きで建物と建物の間を疾駆し、ヌンチャクを持ち出す。
※少しの間、ヌンチャクを振るう動作に入ります。
「今度は直接攻撃主体か!?」
『分身の隙を与えない内に倒す!!』
虎龍王はヌンチャクを構え、息をつかせぬ勢いでドーマンに攻撃する。
ドーマンはしゃくじょうで防御。
「そうれっ!!」
そして隙間を縫うようにしてドーマンはしゃくじょうでラッシュを行う。
虎龍王はヌンチャクでしゃくじょうの中間を攻撃し、しゃくじょうを折る。
『うぉりゃあ!!』
そのまま左腕でドーマンを空中に押し出す。
『空中に飛ばされては呪えないだろう、青龍も玄武老もそうだったからな』
「ふむ……初めての試み、如何なものやら」
『ソニック・ジャベリン!!』
薙刀を一振り用意し、足を踏み入れドーマンに向かって放り投げる。
『いっけー!!』
投げた薙刀はドーマンの腹部に見事刺さる。
後は本体でいてくれ……これで終わってくれと、願うばかり……
「…………四神に感謝する事ですなぁ(小声)。皆々様、励むがよろしい!!晴明はいざ超えられると拙僧の癪に障りますので、加茂共辺りを勧めますぞ!!」
祈りが通じたようで、ドーマンは爆発した。
『我達に敵なし!!』
虎龍王は空を見上げた。
「あいつ……よく分かんねえ奴だったな」
「うん。人呪ったり、かと思えば激励の言葉言って爆発してって……」
「あの余裕っぷり、顔見せ興行ぐらいでしかなさそうですね。またどこかで会うかもしれません……」
「ええ……」
「考えても無駄だ、天兄……それよりあいつとの決着がまだだろう」
「そうだ、蛾眉雷蔵の所に行かねえと」
蛾眉雷蔵が待っている、今回は本来そのつもりで来た。
「よく分からないけど、京都で何かあるなら僕も付いていっていい?」
「気になるので私もお願いしてよろしいですか?」
「俺もいいか?」
「もちろん」
十四夜と、いつの間にか人間の姿に変化した青龍と白虎も加わった。
〜以下、移動中での会話〜
「とりあえず、一緒に戦った間柄なので改めて……御門十四夜です。祖先からの縁で京都で陰陽師をやってます、普段は高校で勉学に励んでます。一年生です」
「同い年じゃん、よろしくね」
「よろしくお願いします……祓忍の方々で?」
「おう、俺達5人は爺ちゃんがラストニンジャでさ」
「僕はその息子だよ、術が使える訳じゃないけど」
「そうなんですね……大変ですねお互い」
「あっしは妖怪ハンターをやっておりやすが、好天様の弟子入りを果たしにはるばるこの国にやってきたでございやす」
「モコナ達は異世界からやってきたの!!」
「ええ……随分バラエティ豊かな……」
「俺達がどういう存在かはさっきので大体分かってると思うが、この姿は自意識を反映させた仮の姿……とでも思ってくれ」
「なんというか、顔立ちがこの辺じゃなくてあっしの故郷の所から来てそうな感じでやすね」
確かに白虎は、金髪で碧眼で……アジア系の顔というよりアメリカに住んでそうな顔だ。
「そうか?まあ、この顔が一番しっくり来るから今更気にしても仕方がないな……」
「腕のいい術師の子孫って訳じゃないけど追加戦力です」
「画家です」
「助手です、この人達とは違ってその他って感じ」
「ラストニンジャの一族と妖怪ハンター、そしてあのイチゴさんと、異世界の戦士達か……」
「あのイチゴさんって、凄そうな響きですねえ」
「昔四神達全てに接触したので、要注目対象だったそうです。彼の事は小さい内から聞かされておりまして」
「別にみんなが注目するほど難しくはなかったよ、朱雀がJKの着替え◯いてた所を見たのがきっかけでさ」
「え!?」
「そ……そんな事、確かに言ってたな」
「元の姿だったから窓際のみんなにはバレなかったけど見える奴らにはバレバレなんだよね……学校覆えるぐらいデカいし……」
「そ、そんな……国と民の守護のために戦う良い方達だと思ってたのに……」
十四夜は困惑する。
青龍と白虎、騰蛇も会話を聞いただけでしかないが真面目そうな印象があるし、そういう存在達ばかりと思いたくなるのも仕方ない。
「あいつならやりそうだな」
「………………………一応、みんなのために戦う心はあるから…………アハハ」
「……クスハは……その……直接被害を受けてるんだ、庇う必要なんかないだろう」
〜白虎の回想〜
『青龍、今日も良い身体をしているね』
もにゅっ
『きゃあ!?すっ朱雀、やめてください!!』
『母上の悲鳴!!父上、ゴー!!』
『分かってる!!』
息子の孫悟空と阻止しに行った事が何回もあった事を白虎は思い出した。
〜回想 終了〜
「そっか……そっか……」
他でもそういう話を聞くが、どこでだったかと思い出そうとするイチゴであった。
「ところで、イチゴはなんで女の子が着替えてる途中って分かったの?」
イチゴは飛び火の気配を感じた。
「朱雀の自己申告だよ、当時小学生の子供が平日の高校の敷地、それも三階の高層になんて入れる訳ないじゃん」
「あ……うん、そうだね」
自己紹介の話はこれにて終了。
終わってから十四夜は白虎に色々質問していた。
「朱雀のキャラは想像ついたんですけど、玄武はどんな方なんですか?」
「『善哉、善哉』が口癖の気のいい好々爺って所だな。後、一度見たら忘れようもない見事な白い顎髭を蓄えているぞ」
「そうですか……あ、他に仲間がいたら教えていただけませんか」
「いたのはいたんだが、封神、三国、随や唐と時代を経ていくごとに減っていってな……今は俺達四神と、息子の孫悟空とその友達しか無事を確認できてない」
「子供……いるんですか!?しかも孫悟空って」
「産まれた事に俺達も驚いている。基本人当たりの良いかわいい子なんだが、問題もなくはない……といった具合だ。嫌、問題があるのは俺達もか」
「?」
「嫌……こっちの話だ」
「はあ……」
十四夜が聞いている話を小耳に挟みつつ、イチゴは青龍に話を聞いてみた。
「孫悟空の友達って……例の三蔵法師?青龍」
「ええ、賑やかな方達でしたよ。西に行った仲間を迎えに行くとかどうとかの旅の途中で息子と縁ができたらしくて……」
青龍は三蔵一行の事を思い出した。
道もない荒野の中だった、草木も枯れ、太陽のみが時の流れを示しているような……そんな場所の中で、馬車を走らせていた集団……
白竜『ホーッホッホッホッホッホッ』
白竜のハイになったムチ捌きにより、馬車は当時で考えられない猛スピードを出していた。
八戒『おい……サル……じゃなかった、悟浄、もうお前が運転してくれよ』
悟浄『私は無免許だ、イヌ……じゃなくて八戒……ここで〜一句』
三蔵『……………………(気絶している)』
「…………ああ(察し)」
イチゴは、そいつ達のキャラクターがよく分かった。
数分後、十四夜は改めて天晴達に礼を述べる。
「しかし……今回は桁違いに強い相手で危なかった、皆さんのおかげです。白虎さん達も……ありがとうございます……僕の先祖であれば……苦戦せずに終わらせたんでしょうね」
「俺達はするべき事をしたまでだ」
「また何かあれば、今日のように力を貸しましょう。これは召喚用の符です」
白虎と青龍から、紛うことなき善人オーラを感じて眩しく感じる。
「シュリケンジン出せたら俺達も戦えたんだがな」
「どうでしょう。これを機に、祓忍組合との関係修復とか考えてみるのは」
「うーん、大人達の意見もあるから……難しいと思うけど」
「すず多分気にしてないよ?」
モコナがすずの名を口に出した途端御門の態度が、変わった。
「………い、今
十四夜の額から、一瞬で滝のような汗が流れだす。
「う、うん…………」
そしてゴキブリのように後退りし、壁にもたれかかる。
「や……やっぱりいるのか……」
「亜種としてなら比良坂命依もここにいるけど」
命依は手を挙げた。
「え?死ぬの?僕……」
「…………………」
それ以上の追及はできなかった。先祖からの積年の恨みが純粋な恐れへと転化しているのか、まるで
「……………………………」
命依は苦々しい表情を浮かべている。
「命依さん?」
「こういう相手をただ怖がってる奴が一番怖いんだよね、危険を取り払うための行動にブレーキがないもの。大勢で囲んで一方的になぶるのも厭わなくなる」
「…………………………」
実体験を述べていると分かっているせいか、重みが凄まじい。
「まあ、白虎も言ってたろ?力を合わせる時に合わせられればそれで良いじゃねえか」
「そう言ってくれると助かります……」
〜でっかいお寺の屋上〜
天晴達は彼らのいた場所のその先に着いた。
だが、蛾眉雷蔵の所に行けたのは天晴だけ。残ったイチゴ達は現在、道中で牙鬼軍団に絡まれている。
「来たな、赤いの」
「どうしてここで待ってたんだ?」
「この景色を、見てもらいたかっただけかもしれねえ。俺様達の憧れ、誉れ、雅、全てがあったこの地を……」
「お、おう?」
「フッなんでもねえ。今のテメエらに関係のねえ話だったな」
「いーや、俺も見てていいな〜と思ったぜ。だからあんたもすぐ向こうに行かせてくれたんだろ?壊れるのは寂しいもんな」
「ヘッ、見透かしたような口をききやがって、赤いの。用意はいいか?」
「おう、始めっか」
ニンニンニン、ニンニニニン
「シュリケン変化」
天晴はアカニンジャーに変身する。
蛾眉雷蔵は両の腰に備えた刀を引き抜く。
「来い!!赤いの!!」
「おう!!」
両者の武器が、今、激突する。