スーパーロボット大戦Z Another Chronicle   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。


第26話 蛾眉雷蔵……成敗!! Bパート

 「天晴君、今助ける!!」

 

 白虎は己の真体を解き放つ。そしてそびえ立つ木と木の間を蹴りながら、白虎は天晴を探す。

 

 『どこだ?』

 

 産まれた地よりは広くも大きくもない樹林の数……しらみつぶしに探し回るのに大して時間はかからなかった。

 天晴は見つかった……枝に洗濯物のようにぶら下がって倒れていた。

 白虎は生きているか天晴の念を探って確かめる。

 

 『まだ息はある、良かった。木々に助けられたか……』

 

 だが、地面に1回着地(バウンド)した跡がある。

 

 『嫌、自分で受け身を取ったのか……とにかく連れて帰ろう』

 

 白虎は天晴を横向きに咥え、その場を離れた。

 

 〜十四夜の家〜

 

 正確には、その家族の家となる。

 退却したイチゴ達は勧められるまま避難する事にした。

 中も広く、庭も野球ができそうな程ある。名家なんだろうな

 青龍は人の姿に変化し、厨房で薬の調合に入る。イチゴも手伝った。

 そして、出来上がったものを白虎が連れ帰ってきた天晴に飲ませた。

 

 「お薬を調合して飲ませたから、傷の加減から見ても明日には目覚めると思いますけど……」

 

 「明日で目覚めるのか?」

 

 「ああ……(薬を飲んで苦みのあまり気絶する分も上乗せしてだが)」

 

 「本当に……ありがとうございます」

 

 旋風は青龍に礼を述べた。

 

 「いえ、当然の事をしたまでです」

 

 「それって飲んでいいやつ?」

 

 「ええ……どうして?」

 

 「いえ、なんでもないです」

 

 凪の言いたい事も分かる。作った場所から漂い続けている臭い、そして天晴の口から紫の液体がこぼれ出しているのが見えているからだ。イチゴも後学のために手伝う(基本的な製法は青龍頼みなのでどうしても手伝うになる)事にしたが、めちゃくちゃな材料のセレクトに閉口するしかなかった。セイヨウサンザシはともかく、いくらどこかの星にそれを食べる習性や文化があったとしてもムカデ等を使用するなんて……料理の範疇だと思ったイチゴの失態だった。

 

 「じゃあ、オレ達は」

 

 「ええ、手伝ってくれてありがとう」

 

 青龍や旋風を除き、部屋を出た。

 薬の用意が終わった今、イチゴに用はない筈だ。なにより強烈な不快感を払拭するため外の空気に浸りたい。

 

 「あ」

 

 別の部屋から命依が歌川と十四夜に付き添われ、放心状態で出てきた。

 

 「は〜陰陽師がいて助かった〜」

 

 イチゴが蛾眉雷蔵と戦ってる間に九衛門に陰陽連由来の封印術をくらわされ、行動不能になっていたらしい。術自体は十四夜達に解かれたようだが……

 

 「あれは使える対象が限られている上に外側から物理的に封印を叩き割れば解除できるのが失敗作たる所以らしいので……もっとも、僕はその事は知らないので祖母に合力してもらったんですが」

 

 「あのおばあさんの態度を除けばだけどね、礼ぐらい素直に受け取って欲しいよ」

 

 何かあったようで、命依本人は立腹だった。

 

 「ごめんなさい」

 

 「あ……こいつもだった……本当ここアウェー」

 

 イチゴはとりあえず命依に聞いてみる。

 

 「どうしたの?」

 

 「聞いてよー結城君、こいつのおばあちゃんがね」

 

 〜時は遡る〜

 

 『御婆様!!』

 

 十四夜は、祖母の元に訪れた。

 

 『おお、お帰り……今日の妖どもは強かったようだねえ』

 

 肌はしわがれ、肉は年相応に落ちていった様子で、しかし……だからこそ風格の映える……そんな老婆だった。

 

 『ええ、そうなんですよ。それよりもですね……』

 

 歌川が絵に書いた鳥に運ばせた命依を前に出した。

 

 『…………これは……』

 

 『まあ、そういう訳です。妖を己の身に降ろした奴にこうされたので連れて来ました。御婆様の力と知恵をお借りしたく』

 

 『しばし下がっておれ』

 

 どこからか刃物を取り出し、それで命依を覆う水晶を叩きだす。

 

 『!!!!!!?』

 

 命依はその様子を間近で見た事により、声にならない叫びをあげる。

 

 『なっ!?』

 

 『何をするんです!?』

 

 歌川がそれを止めようとした、彼女に恐怖を抱いていた十四夜ですら止めようとしたため当たり前である。

 

 『この術を解くには直接傷を入れなければならん』

 

 『じゃあ、俺が画現術で……』

 

 『妖力で干渉してもどうにもならん。それらでは解けぬ仕組みになっとる』

 

 『そんな……』

 

 『安心せい、殺しはせんよ……』

 

 その言葉を信じて、数十分……

 亀裂ができ始めた。

 

 『最後じゃ!!』

 

 亀裂に刃物を鞘に収め、鞘でぶっ叩く。

 命依を覆う水晶は、砕けた。

 命依は解放されたのだ。

 

 『ハァ……ハァ……』

 

 緊張感から解き放たれ、命依の体に疲れが出る。

 

 『良かった……』

 

 息を整えてから、命依は立ち上がる。

 

 『おばあさん、ありが』

 

 『礼はよい、用が済んだなら疾くここを去るよう……貴方にここは息苦しいでしょう』

 

 『…………そうですか…… で は そのように』

 

 命依は踵を返して、部屋を出た。

 

 〜現在〜

 

 結論、礼を言おうとした所邪険にされて避けられたらしい。

 

 「まあ、害加えようとしないだけマシでは?」

 

 「うーん、まあそうだけど……そうなんだけど……なかなか祭里君達みたいにはいかないねえ」

 

 「十四夜君達、ちょっとビビリ過ぎじゃない?」

 

 イチゴは付き添っている十四夜を見た。

 

 「仕方ないですよ……先祖から教え聞かされてきたもので……その」

 

 『全く……こんな人類の宝とも言うべき肉体を持つ彼女を恐れ一色でしか見れないとか、君達は哀れというかなんというか……男を辞めるべきだろう(モミモミ)』

 

 と、朱雀なら言っている所だろう。

 一方、黒鋼は、離れで精神統一に入っていた。両側にモコナとファイがいる。

 

 「………次はこうはいかねえ」

 

 「黒はん……」

 

 「ドンマイ」

 

 何があったかの話は聞いてはいけない気がして、イチゴはその場を後にした。

 

 「さて、これからどうするか……」

 

 「あ……今日は皆さんここで休んでいってください……多分、奴らまた来ますから」

 

 「ありがとう」

 

 「私は……」

 

 命依は歌川を見た。

 

 「予約している所があるから、そこに寄る事になるね」

 

 「じゃあ、ここでお別れになるのかな」

 

 「その方が良いかも」

 

 少なくとも、陰陽連の系譜にいる連中の陣地で休むよりは……

 

 「今日はありがとね」

 

 モコナは手を振った。

 

 「…………うん」

 

 命依達は十四夜の家から去った。

 自分を敵視する奴らの家より、金を出してホテルに泊まっている方が安心感もあるかもしれない。イチゴは泊まってから捕まったが……

 

 〜その夜〜

 

 廊下を歩いていると、キンジと霞が二人で話していた。

 

 「どうしたの?」

 

 「イチゴ君、こいつを見てくだせえ」

 

 何やら図面をキンジから渡された。

 バイソンキングの設計図だというのはなんとなく分かる。

 

 「何これ?」

 

 「私達の今からできるパワーアッププランです」

 

 実は、キンジのオトモ忍や変身用の装備一式は、天晴達の祖父の著書を元に作ったらしい。つまり、技術元が一緒であり、弄りようによっては合体が可能という事になる。

 

 「近々やろうかと考えていたのですが、悠長に構えていられなくなりましたもので」

 

 「流ノ介様が一人でコツコツ考えてやってのけたんですし、もっと人数が揃えばもっと早くいけると思いやせんかねえ?」

 

 「なるほどね」

 

 「プログラム自体はオトモ忍達を参考に今からでも組めるんですが」

 

 「……オ、オレは何をすればいいの?技術的な事はちょっと難しいな」

 

 「できあがるイメージが欲しい所です」

 

 「じゃあ」

 

 粘土でシュリケンジン達の模型を作る事になった……

 

 〜数分後〜

 

 「急ごしらえじゃこの程度か、ごめん」

 

 球形や長方形で再現するので精一杯だった。

 そうと弁えても結びつかない、小学生未満の出来だった。

 

 「構いませんよ」

 

 着脱は可能、ここからどうするか……

 

 「これから……」

 

 そんな時、モコナが現れた。

 

 「1号ロボと2号ロボが合体する時は……下駄合体だよ」

 

 「下駄……合体?」

 

 「2号ロボの手足を分解して、1号ロボにくっつけるの」

 

 「モコちゃんよく知ってますねえ」

 

 「昔侑子と一緒に見たの」

 

 侑子……小狼(シャオラン)達に異世界を渡る力……すなわちモコナを渡した人物らしい。

 丈瑠とも会話してた気もするが……

 

 「ボディが残ってるんですが」

 

 「そのまま重ねちゃえ」

 

 なんとモコナはシュリケンジン(の形にさせた粘土)の腕を両方ちぎり、残ったバイソンキングの胴体(の形をさせた粘土)にくっつけて、そのままそれとシュリケンジンのパーツとくっつける。

 

 「おお……」

 

 形ができあがった。

 

 「なんかそれっぽいのが出来上がった気がする」

 

 「でしょー」

 

 そんな時、何やら土煙が起こってきた。

 風の兆候もないため、明らかに人為的なものを感じ、イチゴ達は身構える。

 

 『とう!!』

 

 土煙から足に拳みたいなパーツ、腹部に三日月状のパーツがはめ込まれた小さいロボが出てきた。

 

 「な、何こいつ!?」

 

 「何者です?」

 

 急に現れた……敵意はないため、警戒は続けながらも会話……という方向になる。

 

 『(それがし)、風雷丸と申す者。異なる力一つに溶け合う気配を感じ馳せ参じて候』

 

 風雷丸と名乗ったそのロボはえっへんと胸を張った。

 

 「あ……こいつハリケンジャー達の乗る轟雷旋風神の頭と手だ!!」

 

 『よくぞ見破ったり!!』

 

 モコナの言葉により、風雷丸が叫んだ。

 

 「ハリケンジャー、ああ……鷹介さん達の仲間でしたか」

 

 「鷹介?」

 

 「椎名鷹介……偉大なる先輩達の一人です……」

 

 「そうでやしたか」

 

 急に脳内からイメージが流れ込んできた。

 晴れた日の空を背に、一人の赤い忍者……黄色い忍者と、水色の忍者と、赤飯みたいな赤色の忍者と、鮮やかな青の忍者が佇む。

 岩場で若者達は叫ぶ。

 

 『風が鳴き、空が怒る。空忍!!』

 

 『水が舞い、波が踊る。水忍!!』

 

 『大地が震え、花が詠う。陸忍!!』

 

 『深紅の稲妻、角忍!!』

 

 『蒼天の霹靂、牙忍!!』

 

 ハリケンジャーともう一つの流派、ゴウライジャー。それらに変身し、若者達は戦う……相手は、我らジャカンジャ。

 下っ端の自分達では、敵うべくもない。

 ゲラッパ!!ゲラッパ!!

 しかし、頭領達の言葉は絶対!!死して屍拾うものなし……

 

 「イチゴ君……?」

 

 「……はっ」

 

 「ど、どうしたでやすか?」

 

 「イチゴ?」

 

 「嫌、なんでもない。見覚えのないものが思い浮かんだだけだよ」

 

 『お主達鷹介殿達の知り合いか。お近付きの印にこれをお主達に進ぜよう……皆で忍タリティを込めるがよろしい』

 

 ブランクな忍シュリケン1枚をもらった。

 

 「何これ」

 

 『鷹介達が倒したものから落ちたものを、拙者の力でこう……』

 

 「そんな事できるんだ……」

 

 「封印の手裏剣は、忍タリティによって忍シュリケンへと変化しますので……風雷丸さんの忍タリティで変化したものと考えれば」

 

 「なるほどね」

 

 それから延々と、風雷丸は話し込んだ。

 

 「長い、短く」

 

 『むう……仕方ない。異なる道を歩んでいる者達が手を取り合う事で産まれる力は良いものである……という訳でござるな。例えるなら水の交わりの如く』

 

 「………………」

 

 『しかし気を付けるべきは、交わるというのは相手を己一色に染めるという訳ではないという事であってだな……相手はあくまで相手であり、己とは違うものとして尊重する姿勢もまた大事なのである』

 

 「勉強になります」

 

 『ではな、流派一体となるその時を楽しみにしておるぞ〜さらば!!』

 

 風雷丸は去った。

 その後霞はすぐに、もらった忍シュリケンに己の忍タリティを込める。

 

 「こんな感じですか」

 

 まだ特に忍シュリケンの形が変わった訳ではない。

 

 「あっしも」

 

 キンジも忍タリティを込めた。

 

 「どれどれ……」

 

 イチゴも試そうとしてみた。

 

 「あ……イチゴ君はそのままで……そっくりさんが一人で牙鬼幻月の妖力を塗り替えた程なので、込めてる忍タリティのバランスが崩れるかも」

 

 「ええ……」

 

 刀が空を切る、稽古の音が聞こえる。

 

 『せい!!』

 

 『や!!』

 

 『はあ!!』

 

 その中に黒鋼の叫び声も混じっている。

 

 「みんな気合入ってるね〜」

 

 「天晴のいない分も頑張んなきゃだからね……もっとも、目覚めたら天晴にもまた戦ってもらう事になるかも」

 

 「……そりゃ、天晴坊っちゃんには酷でありゃしやせんか?」

 

 キンジの言い分ももっともだ……が

 

 「数回ボコボコにされたぐらいでへこたれる天晴だと思う?」

 

 目覚めれば、すぐに動くだろう……体がどれだけボロボロだったとしても

 

 「……………思わないでやすね」

 

 「でしょう」

 

 イチゴは立ち上がり、その場を離れようとする。

 

 「イチゴ君もこれから稽古するでやすか?」

 

 「したい所だけど……まだ体がビリビリするんだ。戦いが明日ならこれを残したくない……もう寝ようかな」

 

 死ななかっただけ、刃を交わす事ができただけ上々だろう。

 

 「筋肉痛訴えてましたからね…………明日はイチゴ君は参加しない方向でいくべきでは?」

 

 「…………え?」

 

 霞の提案にイチゴは驚いた。

 

 「天晴君が落ちた後、蛾眉雷蔵はイチゴ君を狙いました。次もそうならない保証はありません……ましてやここは京都です。カイの助けは得られない」

 

 「……仕方ないか」

 

 〜翌朝 滋賀 某所〜

 

 「おうりゃあ!!」

 

 蛾眉雷蔵は太刀を一振り、街の破壊を始めた。

 

 「ホッホッホッまさかあやつらも一度決闘した手前、次にここを襲うとは思うまいて、やはり合戦は手広くやらねばのう」

 

 勝ったのは蛾眉雷蔵、であれば戦地を移そうがどうしようが勝手……

 

 「牙鬼軍め!!」

 

 現地の祓忍達が現れた。

 

 「おめえら三下になんざ用はねえ!!」

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