スーパーロボット大戦Z Another Chronicle 作:レゴシティの猫
霞達のスマホにメッセージが出る。
「……………ええっと……え、牙鬼軍が?別の地で!?蛾眉雷蔵ですか!!」
「……………奴ら!?」
「京都じゃないだと!?」
当てが外れたので意気消沈しつつも、行く準備を始めた。
その際に白虎は姿を元に戻した。
『戦う人達は俺が運ぶ、乗ってくれ』
「ありがとう」
「じゃあ、オレは……」
「天晴君の事もあるしお留守番……でいいかな?流石にデカいのが出たら力を貸して欲しいけど」
「うん、分かった」
ファイにまで言われたので、イチゴが出ないのは確定。
「お前達は行かねえのか?」
「ですね、僕達は京都を離れる訳にはいかないから……」
「……そうか」
黒鋼はそれだけで終わらせた。
「そちらにとっては肩透かしでしょうね」
「いいや、守護に務める人間もいて初めて攻める事ができる」
「そう言っていただけるとありがたいです」
「世話になったな」
一行は何人かを除いて白虎の中に搭乗する。
乗れるのに驚きを隠せない。
『行こう』
〜数十分後〜
「牙鬼軍、見えてきた!!」
現地の祓忍の倒れている姿が散見する。
命はあるにしても、戦闘に加勢してもらうのは期待できないだろう。
「助けつつ、牙鬼軍を倒す感じだな」
『用意はいいな?』
白虎に乗っている全員、頷いた。
『行くぞ!!』
サクラ達を除いて、各々武器を持って白虎から降りた。
「!?」
ヒトカラゲは驚き、彼らもまた武器を構える。
〜一方その頃〜
「ん……」
天晴は目を覚ました。
「あ、起きた」
「ここは……」
「僕の家族の屋敷です」
今場にいるのは、天晴、旋風、イチゴ、十四夜、青龍。
「そっか……ピーマン生で食べた時より口の中がきついんだけどよ、何飲んだんだ?俺」
別の世界で、クスハ汁と呼ばれる代物である。
「天晴……世の中には、知らなくて良い事がたくさんあるんだ」
「お、おう……」
イチゴの言葉を聞いて青龍は訝しんだ。
「なあ……負けたのか?俺」
「まあ……そういう事になるね」
「よし、ちょっくら行ってくるぜ」
包帯だらけの体を押して、着替え始める。
「あ……健康ドリンクを飲ませた後とはいえまだ傷は残ってますから」
「無茶だ、天晴」
「すまねえ、親父……青龍……でも行かなきゃなんねえんだ」
「どうしてだい?」
「待ってるからな」
「誰が待ってるんです?」
「蛾眉雷蔵だって言うんなら、行かせる訳には行かないよ」
旋風の言葉が重くのしかかる。
「みんなだ」
「え?」
「みんな、俺を待ってる」
「天晴坊っちゃん……」
「え?」
キンジの声が聞こえて、イチゴは驚いた。
「あ」
「キンさんは、行ってなかったの……」
「待ち構えて天晴坊っちゃんを止めようと思ってたのでやすが……」
「そっか」
「行くんでやすね?どうしても」
「ああ」
そして、キンジは天晴をギターで斬りつけてきた。
旋風がびっくりした表情でそれを見つめる。
だが、すれすれの部分でキンジは止め、ギターをしまう。
「見切れるぐらいには回復してるみたいでやすね」
「ああ……すまねえ、親父。行ってくる」
旋風はため息をつきそうに上を向きながら答える。
「もう、せめて気を付けてよ?これ以上怪我しないように」
「サンキュー」
天晴は準備を終え、外に出る。
「じゃあオレも行こうかな」
イチゴも用意を始める。
「京都離れたら、カイ呼んで……そしたら大丈夫でしょ」
「皆さん気を付けてくださいね」
「うん」
『乗ってください!!』
天晴達は変化を解いた青龍の背に乗った。
『止めはしません。ただし、無事に勝ってください……』
青龍は出発する。
〜一方その頃〜
「はっ!!」
一行は、ヒトカラゲに武器で攻撃する。
「せいっ!!」
順調に蹴散らしジュッカラゲも出だした頃、ようやく蛾眉雷蔵達も視界に入り、向こうも気付いた。
「よう、赤いの抜きで俺様に敵うとでも思ってるのか!?」
「天兄がいなくたって関係ない」
「この前の続きにきたぜ」
「……来いよ!!」
「シュリケン変化」
八雲はアオニンジャーに変身する。
「はあ!!」
八雲は忍者一番刀を振るい、蛾眉雷蔵に攻撃する。
黒鋼も続いて攻撃。
「せやぁ!!」
「!?」
蛾眉雷蔵は大太刀の方で黒鋼の攻撃を防ぎ、八雲の攻撃は片手間で防ぐ。
「こいつ……」
蛾眉雷蔵の注目は黒鋼にしか向いていない。
確かに黒鋼の方が強いのは分かりきっている……が、流石に八雲の神経を逆撫でた。
「黒鋼、避けろ。ヨーデイ・ンゴラド」
「!?」
青色の翼龍が出で、火を噴いて蛾眉雷蔵を攻撃する。
「これでもまだ見下すか!!」
八雲は波状攻撃を仕掛ける。
「どれだけ見直そうが」
蛾眉雷蔵は脇差で翼竜を一突き、そのまま雷を喚び、翼竜を雷を帯びたものに変質させる。
「三下のままだろうが!!」
そのまま、八雲に返す。
「くっ!!」
八雲は膝を付く。
その瞬間、霞と風花が跳躍し、弓矢を撃ち出す。
しかし、太刀の方の一振りで矢は落とされる。
「そんな!!」
そんな時に雷電が現れ首を降ろし、石を一つ、置いていく。
「来やがったな」
「この前の奴か」
派手な御簾付きの駕籠……奥方もいる。
「ここにやってきた理由は他にもあってのう……見つかったか?蛾眉」
「ああ、御家老……間違いねえ、牙鬼軍の将が一人!!
敵国の姫と恋に落ち、滅ぼすのでなく同盟……共存を訴えた事で、仲間内から裏切り者と称され処されたその男……男の訴えに端を発し優先的に滅ぼされた国、国と運命を共にせんとした姫の無念の涙が、怒りが、死した男の魂と混じり合い妖怪へと変生させた。
変じた妖怪の名は……
「おめえ、祠壊したんか!?」
牙鬼軍に損害を与え……牙鬼軍が滅びた後も、怨念だけは留まり続け、恨む対象を見失ったまま人々に被害をもたらす存在と化す。
「元々俺達の側の奴をどうしようが勝手だろ」
それを哀れに思った徳高き僧により、石に封じ込められていた。
「祠って……牙鬼の将軍を祀ってたの?」
風花は、横たわっていたまま叫ぶ祓忍に話を聞く。
「うむ、これが意外とカップルに非業の別れが起こらないよう守護してくれる守り神として人気が高いのだ」
「そんなのを、わざわざ……」
「此奴を制し、我らへの恨みを我らが敵を倒すのに使わせるのも乙なものよ」
「なるほど、その牙鬼の将軍……牙鬼幻月とは別の
「ええ……」
そんな訳で、石に封じ込められていたものが目覚めた。
『オオオオオオオオオオ!!』
白粉を塗ったような白い肌、結い上げもせず垂らしたままの頭髪、折れた矢の突き刺さったままの具足姿……そして、山をも踏み抜けそうな巨躯。
これはヤバい。
そこにいる誰もがそう思った。
『キバ……オニィィィィ!!』
晦正影と奥方達を見た瞬間、真っ先に刀を抜き、向こうに振るってきた。
晦正影は、後退し、刀を受け流す。
「貴様の討つべき敵は向こうである、刀を納めよ!!」
晦正影は、呪文も添えて戀鬼に叫ぶ。
戀鬼はその言葉を受け……向こうではなく、こちらを向く。
『キ……バ……オ……二……』
「来る!?」
『キバオニ────!!』
戀鬼はニンニンジャー達に攻撃を始める。
50m級の巨体から繰り出される攻撃は強力で、直撃は受けなくともその場にいる人達はほぼ吹っ飛んでいった。
「きゃあっ!!」
「う!?」
「うわぁ!!」
各々、凧を用意して地面に激突するのだけは避けた。
「無事ですか?皆さん」
「うん」
「まあ……なんとか」
「特にサクラちゃんは」
「
「これが……牙鬼軍の新たな戦力……皓比憐」
「強すぎる……」
「暴走してるから、余計に暗示が効きやすいのかな?」
蛾眉雷蔵は戀鬼の動向については静観していた。
「こんな奴利用して、納得できんのか!?」
黒鋼の繰り出す一撃を避けて蛾眉雷蔵は言う。
「御館様の指図じゃあなあ」
「よのう」
「哀れとは思えども、今は牙鬼軍に一人でも将が欲しいのじゃ。やってたもれ〜」
誰も特にためらう様子もない。
「流石に、ピンチだね……」
「天晴君がいないと厳しいね〜」
「ストップだ、ファイさん……天兄を当てにして弱気になってるようじゃダメなんだ」
「……そう」
「あ、みんな……見てみて」
何かが、高速で上空を飛んでいる。
飛行機よりも早く、シャープにこちらに向かってくる。
黒い弾丸?真っ昼間に見えるものを表すにはそういう他ない。
「なんだろう?」
「色味だけはよく見た覚えが……あ」
「カイ!!」
『はい!!』
それはカイだった、翼をバタつかせながら、戀鬼にドロップキックをくらわす。
『グワッ』
戀鬼は背後からの急襲を受け、転倒する。
「大丈夫?みんな」
見えないが中にいるであろうイチゴが聞いてきた。
「うん」
「サンキューイチゴ」
「……話は変わるけど、誰こいつ?」
イチゴは凪から説明してもらった。
「それが本当なら、なんであいつらじゃなくて、こっちに攻撃を!?」
「暗示をかけられているみたい……」
「じゃあ、悪いけど成仏してもらうしかないか」
イチゴはカイ越しに戀鬼を見据えた。
強いのは強いだろう……が、倒せない訳ではない筈だ。
『キバオニ………』
戀鬼もまた、カイを認識する。
『キバオニィィィィ!!』
「くっ!?」
戀鬼は刀を振るう、パンチで攻撃する腹づもりが一瞬で守りに転じてしまった。
「カイ?」
『大丈夫です、いけます!!』
カイは戀鬼の刀を白刃取りの要領で掴み、空中に投げ飛ばした。
『グワッ!!』
戀鬼は受け身を取り、起き上がった直後体に刺さった矢を外して投げてくる。
「防がなきゃ」
『いつでもいけます』
カイは万能
「ふう」
『キバオニ……』
「……何故宇宙人のロボットが幽霊
祓忍の質問に風花は叫んだ。
「……………考えたら、ダメ!!」
スフィアとやらがそれを可能にしているのか、イチゴができるからなのか……あまりにも当たり前に繰り広げられる攻防に疑問を挟む余裕を忘れる所だった。
牙鬼軍の妖怪は物体を依代に取り憑いてできたものだから一般人にも見えるが、戀鬼は違うカテゴリーと見た方が良い。
『キエエエエエエエエ!!』
戀鬼は刀を振るい、空を切り裂く。
衝撃波が飛び、カイを狙う。
「おっと」
突然の攻撃だが、イチゴはカイごと避けた。
『あれは今できますか?』
鬼光眼の事である。
「うーん、ちょっと難しいな」
『そうですか……』
「イチゴさん!!」
「先にこいつ片付けようか」
「お前が来たなら、あいつも来る。なら後は任せるしかねえよな」
「黒様、見える?」
「……………攻撃している所を中心に狙えばなんとかなるだろ」
「……ありがとう」
『俺達も手伝おう!!』
青龍と合流できたのか、虎龍王も参戦する。
「この数なら、怖いもの無しだ!!」
『………………』
戀鬼は刀を構えた。
〜その下の地上〜
「……………本当に大丈夫なのか?あれ……恋する乙女としては、妾ちぃーっとばかりあやつがぶちギレる気持ちも分かるからのう」
有明の方は、戀鬼を指差して言った。
「ええ、儂の術で制御してますので、大船に乗った気持ちでいただければ」
「おお、そうか……むむ、あやつは!?」
一振りの斬撃がヒトカラゲを両断する。
「?」
蛾眉雷蔵は驚いて、斬られたヒトカラゲの方を見た。
「よう」
「ハ……ハハッ!!」
聞き覚えのある声に笑みが浮かんだ。
殺した筈の男が……決着に心残りのある相手が、生きていたからだ。
「遅かったな、天兄」
「もう……心配させてから」
「真打登場ですね」
「すまねえな」
「イヤッハー!!」
ギターの音色と共に雷鳴が移動しながら響き渡り、ヒトカラゲを倒していく。現れたのはキンジ。
「本当に大丈夫みたいでやすね」
「だろ?」
「青龍さんのお薬が効いたみたいだね」
「おう」
「そうだ……はい、天ちゃん」
凪は例の忍シュリケンを投げ渡した。
「後は天ちゃんの分だけだよ、忍タリティを込めて」
「こうか」
天晴はブランクな忍シュリケンに忍タリティを込める。すると「合」という文字の忍シュリケンとなった。
「これは……」
「僕達もよく分かんないけど、力を合わせるのが必要だってさ」
「じゃあ、頼んだよ」
「任せとけ」
「おお……伊賀崎殿の孫か?似ておる」
「私達もそうなんですけど」
「何!?真か……」
周りを無視し、蛾眉雷蔵は天晴に問いかける。
「生きてたようだな」
「ああ、この通りピンピンしてるぜ」
「ビビってねえだろうな?」
「まだ、俺の足は動く。動く限り、俺は何度でも立ち上がってやる!!シュリケン変化」
天晴はアカニンジャーに変身する。
「暴れてアッパレ!!アカニンジャー!!」
「さあ、昨日の続きと行こうぜ!!」
蛾眉雷蔵は両刀抜き、構えた。
天晴は忍者一番刀を繰り出す。
「出会え、出会えーい!!」
大量のヒトカラゲが発生した。
「天晴坊っちゃんの邪魔はさせやせんよ!!」
そのヒトカラゲ達は、キンジ達が応対した。
〜数分後〜
先日と遜色ない、それどころかさらに果敢に天晴は攻めた。
蛾眉雷蔵は、高揚を覚えつつもそれを捌く。
勝負の行方は、奥義にかかっている……そういう雰囲気が形作られていく。
「こいつで勝負を決めてやるぜ」
蛾眉雷蔵が口笛を吹く、すると雷電が蛾眉雷蔵に近づく。
蛾眉雷蔵は雷電に搭乗した。
「一瞬で決めてやる」
「受けて立つぜ」
「牙凌道」
電撃が蛾眉雷蔵の刀に直撃する。
「シュリケン忍法奥義」
「合」の忍シュリケンを忍者一番刀にセット。
「雷幻斬り」
雷電に突進を任せ、二刀を振るう。
「乱舞忍烈斬」
その瞬間、忍タリティを込めた全員の忍者一番刀が消える。
「あれ?」
「あ」
天晴の所に集まっているらしい。
集まって、六本分天晴の周りを回転している。
「こんな効果なんだ……」
「レッツパーリィ……でやすね!!」
「ここまで力を貸したんだ、さっさと倒してもらうぞ」
「いけー、お兄ちゃん」
天晴の仲間達は叫びながら、ヒトカラゲ相手に格闘で対応した。
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
全員の忍者一番刀で順々に攻撃していく。
蛾眉雷蔵の攻撃を一撃一撃、削いで行きながら、蛾眉雷蔵自身にもダメージを与えていった。
「何故だ……そんな力、今更どこから」
「なんでだろうな〜でも、俺だけの力じゃないって事は確かだ」
「戦に
弱い奴の力を集めて、強い奴を叩く。
今、自分は、目の前の強者と認めた男と戦っているのだ。そんな風に紡がれる力でなんか……
「仲間のくれた力に間違いはねえ!!そう信じられるから、この力は強えんだ!!」
「!!」
間違いはねえ、という言葉が蛾眉雷蔵の体を貫き、体中を巡った。
「いっけー!!」
トドメと言わんばかりの大振りの一撃が、蛾眉雷蔵を襲う。
ウルトラマンZいるし、戀鬼参戦できそうな気がしてしまいました。