神社生まれの千香瑠様   作:坂ノ下

11 / 47
第11話 渡る者の絶えない橋 二.

 貴船の社に詣でて七日籠りけり。

 宇治の河瀬に行きて三七日浸かりける。

 長なる髪をば五つに分け、五つの角へ。

 顔には朱、身には丹。

 鉄輪を戴きて三つの足には松明燃やし、口に松明を咥え、頭より五つの火燃え上がる。

 面赤く身も赤なれば、さながら鬼形の如し。

 これを見る者は魂失い倒れ伏し、死なずということなかりけり。

 貴船の社の神力により、生きながら鬼となりぬ。

 宇治の橋姫とはこれなるべし。

 夜ごと京中を大いに脅かしける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 付近の車道にヘッドライトの光は見えず、エンジン音も聞こえてこない。まばらに設けられた街灯の灯火だけが夜の宇治橋を照らしていた。

 そんな薄闇の向こう側から石畳を叩く足音が近付いてくる。足音の間隔は数秒にも数十秒にも感じられた。だが実際にはもっと短いはず。明らかな錯覚だった。得体の知れない存在に対し、一葉の第六感が警鐘を鳴らしていたのだ。

 程なくして、暗がりの中に緑の球が二つ、ぼうっと現われた。

 

「おかしいわ。妬み嫉みを煽ったつもりが。魔法使いもどきって、皆こうなの?」

 

 球形の正体は瞳だった。夜闇に浮かび上がる緑の瞳。

 瞳に続いて顔と全身もはっきりと見えてくる。くすんだ金色のショートボブの、一葉と大して歳の変わらないであろう少女だ。黒い間着とスカートはともかくとして、ペルシアの民族衣装を思わせる上着は異質に映った。

 街灯の下で露わとなった少女は10メートルばかり手前で歩みを止める。

 

「貴方は、こんな時間に何をしているのですか?」

「またおかしなことを。こんな時間こそ、私たちの時間だというのに」

 

 一葉の質問に、少女は呆れたような声を出す。

 

「魔法使いとか……。リリィをそんな風に呼ぶ奴なんて、今時居ないわよ」

「あら違ったかしら。でもそう呼ぶのが一番近いかもね」

 

 恋花の指摘通り、魔法使いなどというのはリリィ登場時の呼び名だ。現在でも使っているのは、魔法少女チャーミーリリィシリーズの熱心なファンぐらいだろう。

 

「一葉がおかしくなったのは貴方のせい? だとしたら、随分悪趣味な怪異だね」

「ちょっと、人聞きが悪いわね。あれは本来の効果じゃないって言ったでしょう。貴方たちの魔力が干渉して変質したのよ。多分」

 

 瑤に追及された少女が心外だと言わんばかりに口を尖らせた。それから人差指の先に自身の金髪をくるくる絡めて弄り出す。

 

「第一、私の能力に人間を洗脳する力なんて無いわ。私がやっているのは、人間が心の内に秘めている感情を引き出す程度。他人を妬まない人間なんて、そうそう居ないからね」

 

 自らを卑下するかのような態度。そうかと思えば、逆に力を誇示する物言い。どちらが本心かは不明だが、いずれにせよ一筋縄ではいかない性格らしい。

 

「橋姫、なのね。本当に」

「……あら、そう言う貴方はまともな格好してるけど、巫女ね? 私を退治するつもり?」

「貴方の態度次第では、そうしなければなりません」

 

 皆の先頭に立ち橋姫と対峙する千香瑠が決意の表情で宣言した。ゲイボルグを握る両手にも力が込められている。

 しかしながら、一葉はまだ決断できないでいた。彼女にチャームを向けて良いものか。

 この身に襲い掛かるプレッシャーは普通ではない。ここまでの会話の通り、間違いなく超常の存在なのだ。

 だが彼女、橋姫は見た目が人と変わらぬ上に、意思の疎通が成立していた。話が全く通じないとも思えなかった。

 武器を交えなくとも、どうにかなるのではないか? その可能性を模索すべく一葉が口を開く。

 

「貴方の能力とやら、人に使用するのを止めてください。それが私たちからのお願いです」

「うーん……()()()()が変なことになってるから少し覗きに来て、ついでに能力も久し振りに試してみたのだけど。もう十分ね」

「では……!」

 

 穏便に済ませられると、身を乗り出しそうになる一葉。

 ところが橋姫は小首を傾げ、またしても自身の金髪を指で弄り始める。

 

「でもこのままただ引き下がるのも、癪よねえ」

 

 そう言って笑みを作る。

 くっきりとした大きな瞳に、整った顔立ち。誰が見ても愛嬌を感じるだろう。

 しかしそんな笑顔とは裏腹に、場の空気はぴりぴりと張り詰めていく。

 

「今日は私、荒事する気分じゃないから」

 

 白々しい前置きをしながら橋姫が右腕を真横に伸ばす。すると彼女の右隣に、淡い緑色をした光球が現れる。全高が人の胸元ぐらいある大玉だ。

 光球の後ろにまた同じ光球が、そのまた後ろに光球が、幾つも幾つも数珠繋ぎに連なっていく。あれよあれよという内に、7~8メートルに及ぶ一本棒となる。それはさながら、緑の大蛇のようであった。

 

「グリーンアイドモンスター。これが相手をしてあげる」

 

 橋姫の体がふわりと浮き上がり、そのまま夜の闇へ吸い込まれるように遠ざかっていく。

 けれどもヘルヴォルは彼女に構っていられない。先頭の光球が、大蛇の口がぱっくりと開き、こちらに向かって動き出したから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 古来より洋の東西を問わず、蛇は嫉妬心の比喩として描かれてきた。日本においても、江戸時代に刊行された『今昔百鬼拾遺』が蛇帯(じゃおび)なる妖怪を紹介している。

 また西欧では、緑は嫉妬を象徴する色。緑色の蛇の如き異形とは、まさしく妬み嫉みを表すものなのだ。

 

 

 

 

 

「たぁーーーっ!」

 

 緑の大蛇の突進に対し、千香瑠の横に居た藍が真っ先に飛び出した。

 巨大な鉄塊――――モンドラゴンを振りかざし、真正面から大蛇と激突。分厚い赤紫の刃が、真横から裂けた大蛇の口を袈裟懸けに斬り払う。

 彼我の速度が上乗せされて、その衝撃は相当なものになったはず。

 ところが大蛇は体をくねらせ後方へ方向転換したものの、応えた様子は見られない。

 

「藍っ! 一度下がって!」

 

 一葉はすぐさま指示を出す。

 藍も素直に従い千香瑠の元まで後退してくる。

 地面すれすれのところを浮遊する大蛇は宇治橋の上を縦横無尽に這い回っている。

 相変わらず車は一台も通らない。通行人の姿も無い。まるで橋自体が一つのコロシアムにでもなったかのようだ。

 

「もう一度! もっとすっごいのいくよ!」

 

 そう吼えると、藍がモンドラゴンの刃先を地面に下げて、同時に右足を後ろへ引きつつ体を半身の姿勢にする。全身のバネを使って渾身の一撃を繰り出そうというのだ。

 

「待って藍ちゃん! 恐らくアレには通じないわ」

「そうだよ。仮に通用しても、橋まで壊してしまうから」

 

 千香瑠と一葉が相次いで藍を引き留める。

 

「むーっ、じゃあどうやってやっつけるの?」

 

 頬を膨らませて不承不承ながら指示を聞く藍。しかし彼女の問いにすぐさま答えられる者は居ない。

 その間にも、遠巻きに旋回していた大蛇がこちらへ接近を試みてきた。それを瑤の放った銃撃が牽制し、大蛇は再び距離を取る。

 左右に高速で蛇行しながらヘルヴォルから付かず離れずの位置を保つ。既に何発もチャームの銃弾を浴びたはずだが、やはりダメージらしきダメージを負っているようには見えない。

 

「……橋の被害を抑えて倒す方法があります」

 

 今まで熟考していたのか、唐突に千香瑠が声を上げた。

 

「あの大蛇の源、負の感情とは正反対の感情をぶつけます。そうすれば滅せられると思うわ」

「具体的には、どうするのでしょう?」

 

 一葉に問われると、千香瑠は恋花へ視線を移した。

 

「今なら、恋花さんが適任ね」

「えっ、あたし? あたしで大丈夫なの? 千香瑠がやった方がいいと思うけど」

「こういうのは元々の気質も重要だから。陽の気が強い人が適しているの」

「そう? あたし、こう見えても色々考えてるんだけどなー」

「ふふっ、分かってます。だけど『空元気も元気の内』と言うでしょう? それに実際、皆元気づけられている。そうでしょう? 一葉ちゃん」

「ええ、その通りです」

「はいはい、そういうことにしておきますか」

 

 隊長の一葉と実行者である恋花が了承し、ヘルヴォルは大蛇討伐へと動き出す。

 

「私と瑤様と藍でチャームのシューティングモードにより敵を牽制します。撃破はできなくとも、嫌がらせにはなるようですから」

「そうね。その後は私が大蛇の抵抗を抑えるから、恋花さんに止めをお任せします」

「どうやって?」

「チャームで思い切り殴っちゃってください」

「ちょっ、そんなんでいいの? 本当に?」

「大丈夫です。ただ、そうね……。さっきの心境を少しだけ思い出して。それが負の感情に打ち勝つ力になるわ」

「……っ!? ~~~~~~っ!」

 

 千香瑠が最後にウインクしてそう言うと、恋花は真っ赤になって声にならない声で悶えた。

 そんなやり取りの間にも、ヘルヴォルは足を動かし陣形を変えていく。

 一葉をセンターに据え、三人が車道を含めた宇治橋の上に広く展開した。千香瑠とフィニッシュを担当する恋花はやや後方で様子を窺う。

 

「らんがやっつけたかったのにー」

「今回は恋花に譲ってあげて」

 

 未だ不満げな藍を瑤が宥める。

 だが不平を漏らしつつも、藍はチャームを操作し分厚い刃を後退させて、代わりに黒色の砲口を前方にスライドさせる。モードチェンジ。モンドラゴンの射撃形態だ。

 一方、相対する大蛇はと言うと、ヘルヴォルの作戦会議中にも橋の上を悠々と駆け回っていた。その光景、ぐねぐねと旋回する動きも相まって、遠目からでは宙を泳いでいるようにも見える。

 

「来ないからこちらから仕掛けましょう。ヘルヴォル、一斉射撃!」

 

 一葉の号令一下、三機のチャームが火箭を伸ばす。連続的な発砲音が夜の静寂を引き裂き、発砲炎が局所的な照明を作り出す。

 的はただでさえ大きい上に、横腹を晒す余裕を見せていた。故にヘルヴォルの放った砲弾は大蛇の全身を容赦なく打ち据えた。

 今度も撃破はならず。

 しかし大蛇は頭部を捻ってヘルヴォルへ向きを変えた。向かう先は右翼側に立つ瑤だ。彼女の弾幕が一番薄かったせいだろう。

 左右に小刻みに蛇行する突進。その大きく裂けた口が瑤を吞み込まんと上下に開く。

 しかし瑤は動かない。

 

「想定通りです!」

 

 一葉がすぐさまチャームをブレイドモードに移行し、横から大蛇に向かって跳躍する。マギで作った力場を蹴ってのジャンプはあっという間に中央から右翼への距離を詰めた。そうして真上から振り下ろされた刃が蛇の頭を捉える。

 見事なまでのクリーンヒットだった。しかしグリップを握る一葉の手に手応えはない。

 反撃が来る。大蛇が長い胴体を鞭の如くしならせて、横薙ぎの一撃を一葉へ繰り出した。

 上に跳んで難を逃れる一葉だが、空を切った巨大な鞭は勢い余って橋の表面を薙ぎ払う。舗装が抉れてアスファルトの残骸が舞い散り、車道と歩道を隔てる縁石が叩き割られた。もしも人払いが十分でなければ大きな被害が出ていたことだろう。

 

(ここまでやっても、三人では有効打を得られない。だけど敵を引き込めた)

 

 一葉の読み通り、大蛇はヘルヴォルの陣形のすぐ前まで迫っていた。おまけに大振りの攻撃が外れたことで無防備である。

 そこへ、一筋の閃光が奔る。光は大蛇の腹を穿ち、橋の欄干に縫い留めて動きを封じてしまった。

 正体は千香瑠のチャーム。槍型のチャームであるゲイボルグは投擲による攻撃を可能としていたのだ。

 

「恋花さん、今です!」

 

 千香瑠が合図するや否や、立射で撃ち続ける瑤の背後から恋花が飛び出した。一気に敵へ肉薄してチャームを振るう。

 恋花のブルンツヴィークは連撃重視で取り回しに優れたチャームである。その機体下部から銃剣のように伸びた刃が大蛇の頭を正確に補足した。上顎と下顎を繋ぐ口角を横から串刺しにする。

 

「信じるからね、千香瑠!」

 

 恋花は刃をすぐには引き抜かず、その場に踏み止まった。大蛇の口角を貫いたまま、チャームを両手で握り締める。

 さながら断末魔の如く、緑の巨体が上下に激しく揺れた。

 

「ぐっ……」

 

 チャームを保持する恋花の身にも相当な負荷となっているはず。現に低い呻き声が漏れている。

 そんな暴れ回る大蛇のすぐ傍に、千香瑠の影があった。

 

()ぁ!」

 

 裂帛の気合と共に、大蛇の腹に押し当てられた掌底が眩く光る。

 すると、あれほどのた打ち回っていた大蛇の抵抗が収まっていく。

 やがて緑の巨体が頭から崩れ出した。風によって散りゆく砂の城のように。跡には何も残らなかった。

 その後、ずっとチャームを握っていた恋花が地面に両膝を突く。

 

「瑤様、千香瑠様、藍、周囲を警戒してください。……恋花様、お疲れ様でした」

「ほんとだよ、もー。これしんどい……」

 

 一葉は自身も辺りに気を配る。

 しかし、どうやら杞憂で終わりそうだ。橋姫の姿は本当にこの宇治橋から消えていた。

 調査任務としては、目的を十分果たせたと言える。だが一葉としてはもう少し話を続け、できるなら交渉で解決したいという想いがあった。せっかくお互い言葉が通じるのだから。

 そんな中、一葉は瑤が片手で自身の体をぺたぺたと触っていることに気付く。

 

「瑤様? もしや負傷されたのですか?」

「そのはずなんだけど。突進をちょっと受けたから。でも、どこにも傷が無いんだ」

「それは、どういうことでしょう……」

 

 改めて周囲を見渡すと、派手に砕け散ったはずの舗装や縁石も無傷。ますますわけが分からない。

 訝しむ一葉たちの疑問に答えるのは千香瑠だった。

 

「あの大蛇を形作る光球には大した殺傷能力が無かった。初めから本気で事を構えるつもりは無かったんだわ、きっと。妖怪ゆえの余裕かしら」

「千香瑠様、その妖怪とは? 怪異とは違うのでしょうか?」

 

 無論、一葉も妖怪という単語自体は知っている。だがここで千香瑠が指しているのは、一般的に知られている()()()()()()としての妖怪ではないのだろう。

 

「人の噂が具現化したものが怪異なら、その存在が人の噂を生み出してきたのが妖怪。両者の判別は難しいけれど、出会った瞬間に分かったわ。彼女は妖怪だと」

 

 あの千香瑠がここまで警戒する相手。

 一葉は西国の地の底知れなさを垣間見る思いであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日早朝、京都市街ヘルヴォル臨時拠点。

 

「申し訳、ありませんでしたっ!」

 

 リビングにて、体を90度曲げて頭を下げる一葉。土下座でもしかねない程の勢いがある。

 謝罪の対象である恋花はソファに腰掛け、若干ぎこちない表情で苦笑していた。

 

「あんなっ、あのようなことを!」

「あー、思い出したんだ。あの時のこと」

 

 昨晩、宇治橋で二人きりの時に起こった出来事を今更ながら思い出したのだ。妖怪の仕業とはいえ、軽く流せるようなことではない。少なくとも一葉にとっては。

 

「まんまと妖怪の術中に嵌まり、あろうことか恋花様を傷つけるような真似を」

「ま、まあ結局何事も無かったし。傷つけるってのはオーバーでしょ」

「いいえ、オーバーなどではありません! あの時、藍たちの助けが遅れていたら私は……私は……」

「だから、気にし過ぎだってば。もー」

 

 恋花の言葉が、一葉には自分に対する気遣いに感じられた。いつもの明朗快活な態度をそのまま受け取ることができなかった。

 あの時は靄がかかったようにおぼろげだった光景が、今でははっきりと脳裏に浮かんでくる。

 光景だけではない。あの時の感触、柔らかくすべすべとした人肌。あの時の香り、ほんのり漂う香水と汗の匂いと、前者二つに勝る柑橘類にも似た甘い香り。そられを思い出す度、一葉は言いようのない後ろめたさを覚えてしまう。

 

「何もそんなへこまなくても。あのぐらい、スキンシップの延長だって」

「ですがっ」

「それに、そんな、嫌とか不快とかってわけじゃなかったし……。あー、だから、あれよ。この件はもう終わり! 気にしないこと!」

 

 話は終わったと言わんばかりに、ソファから勢いよく立ち上がった恋花はすたすたとリビングをあとにする。

 一葉はこの時、恋花を引き留めることも、言われるがままに綺麗さっぱり忘れることも、両方ともできないでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の午後。一葉と千香瑠は買い出しのため、街の中心部を訪れていた。

 必要な物――――主に食料品を買い揃えて帰宅の途に就こうかという時、一葉たちは見知った顔と出くわした。

 

「あっ……あーーーっ!」

「あら、奇遇」

 

 一葉が驚愕に口を開けるのも無理はない。

 白昼堂々、街の大通りを歩いていたのは昨日の橋姫だった。

 更に驚くべきなのは、彼女が人と腕を組んで体を寄せ合っている点。その澄ました顔を除けば、まるで恋人か何かのように見えた。

 そして橋姫の隣に居る人物もまた、見覚えのある顔。いつぞや恋花と意気投合していた桃色髪の美人である。

 

「フフフ、私たちこれからお茶しに行きますの。この日の出会いを祝して、ね」

「まあ、興が乗ったから。人間にしては豪胆なのよね」

 

 一葉の理解の範疇を越えていた。

 

「これは、一体何がどうなって……。千香瑠様?」

「敵意は無いみたい。昨日もあったかどうか怪しいけど」

「どうしましょう。我々は一体どうすれば」

「取りあえず、鹿野苑には知らせるべきだと思うわ」

「そう、ですね。うちの学園を通して伝えてみましょう」

 

 この後、鹿野苑高等女学園から橋姫に関して「手出し無用」と連絡が来るのに時間は掛からなかった。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。