神社生まれの千香瑠様   作:坂ノ下

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第8話 呪物

 東京都心部が騒然とする。住宅街の一角を多数の警察車両と警察官が取り囲んでいた。包囲の外縁には、少数ながら軍の車両も見受けられる。

 白昼の街中で突如として発生した集団昏倒事件。

 ガス漏れ事故だのバイオテロだの様々な可能性が検討された結果、警察と防衛軍はひとまず『ヒュージ等による攻撃』と判断した。

 そうなると、ガーデンにお鉢が回ってくるのは当然の帰結である。現に今、警察の包囲網の内側に、エレンスゲ女学園所属の二十名ばかりのマディックが陣取っていた。

 

「状況を教えてください」

 

 簡易テントが張られたマディック部隊の本部にヘルヴォルの五人が到着した。

 来て早々の一葉の質問に、マディックの指揮官が返答する。

 

「現時点で、ヒュージサーチャーの反応は確認されていません。これまでに何度か偵察を試みたのですが、300メートルも進んだところで原因不明の吐き気と目眩に襲われ後退しました。申し訳ありません……」

「ここは、ただの住宅街で間違いありませんね?」

「はい。強いて特徴を挙げるなら、富裕層や中流層の多い比較的高級な住宅街、と言ったところでしょうか」

 

 白昼の街中で起きた異変。場所が場所だけに慎重に事を進めるべきなのだが、急がざるを得ない事情がある。

 

「住民の避難状況は?」

「近隣住民の避難は済んでいますが、閉鎖地域内の住宅の内、十二世帯が逃げ遅れています。恐らくは、負傷しているか意識を失っているものと思われます」

「その十二世帯の位置データは分かりますか?」

「はい、そちらの端末に送りますね」

 

 マディック指揮官のタブレット端末から、恋花の抱えているヘルヴォル専用のタブレットへとデータが送信される。

 早速開いて見てみると、ディスプレイ上の地図に黒点が表示されていた。

 

「ほぼほぼ同心円状だね。逃げ遅れた家は」

「そして恐らく、円の中心部に元凶が存在する」

 

 恋花の発言を一葉が引き継ぐ。

 被害が広がっていないということは、元凶もその場に留まっている可能性が高かった。

 しかしこの十二世帯については早急に対応しなければ命に関わりかねない。原因が全く不明な以上、想定は厳しく見積もるべきである。

 無論、幾ら猶予が無いと言っても、闇雲に突入するような真似はしない。

 

「皆さん、場所を変えて様子を窺ってみましょう」

 

 一葉はそう提案すると、ヘルヴォルを率いてマディック部隊のテントから離れていく。その言葉は嘘ではないが、移動した理由はそれだけではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「千香瑠様、お加減はいかがですか?」

 

 民家の影に入ったところで一葉が尋ねた。

 先程から眉間に皺寄せ口をきつく結んだ千香瑠のことが気掛かりだった。

 

「大丈夫、私は平気よ一葉ちゃん。まさか、ここまで強い気配を感じるなんて……」

「やはり、怪異ですか」

「これは多分、呪い。それも個人単位でなく周囲に影響を与えるほどの強力なもの」

 

 呪いという単語を聞いても、一葉はさして驚かない。既に超常の存在と幾度か遭遇しているし、そもそもリリィの持つマギだって魔法という超常の力なのだから。

 ただそれでも、自分たち人間が制御していない得体の知れないものは脅威だ。

 

「それで、どうすんの? マディックの子の話を聞く限り、近付くだけでもヤバそうなんだけど」

「恋花さんの言う通り、このままでは私たちリリィでも接近は難しいわ。……だから、私のレアスキルを使います」

 

 千香瑠のレアスキル、ヘリオスフィア。ヒュージの力を削ぐと同時に、自分と周囲の味方のマギ結界を強化する支援用のレアスキルだ。

 

「物理的な攻撃だけでなく、呪いの類も防げるのですか?」

「ええ、巫女ですから」

「凄いです千香瑠様!」

 

 素直に称賛する一葉。

 その横で「それで納得するんかい」とジト目になる恋花。

 

「ただそれでも、元凶に近付くとどうなるか分からないから。皆、気を付けてね」

「迅速に事を成さなければならない、というわけですね。元よりその予定でしたから、問題ありません」

 

 方針が定まると、次は具体的な手順について。

 

「もうお話終わった? 終わったんなら、らんが一番に行くよ!」

「こらこら、待ちなさいって」

「何でー?」

「言ったでしょ? 何が起きるか分からないって。だから藍は真ん中ね」

 

 今にも飛び出そうとする藍の腕を恋花が掴み、引き留める。

 

「ええ。今回は状況把握しながらの進軍になるので、私が先頭、恋花様が左翼、瑤様が右翼、藍が中央。殿は千香瑠様にお任せします。『フォーメーション・きつねさん』です!」

 

 一葉の号令によってヘルヴォルは動き出す。

 恋花の「大きい声で言わないでよ~」という羞恥の悲鳴を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では手はず通り、周辺部の警戒と、こちらからの連絡後に住民の救出と救急隊の誘導をお願いします」

「はい。ヘルヴォルの皆様もお気をつけて」

 

 一葉はインカム越しにマディック指揮官と通信を交わし、いよいよ異変の中心部へと足を踏み出す。

 がらんとした住宅区。主が立ち去り人気の無い民家の間を通り抜けていく。

 無人の街角に流れる空気が如何に奇妙か、ヒュージとの戦いの中で嫌というほど分かっていたが、不自然なまでの静けさは慣れないものであった。

 

「千香瑠様、そろそろ」

「ええ……ヘリオスフィア!」

 

 千香瑠のレアスキルが発動する。

 陣形を維持して進むヘルヴォル、一人一人の体を淡い輝きが一瞬包んでまた消えた。その輝きは、リリィ誰もが持つ不可視の防御結界を堅固なものにする。

 ヘリオスフィアの支援を受けて、両翼に展開する二人が索敵範囲を広げるためやや突出し始めた。

 

「民家に破損した形跡は見当たらない。本当にヒュージは居ないみたい」

「こっちも同じく。かえって不気味だねえ」

 

 瑤と恋花から立て続けに報告がもたらされる。

 一行は既に避難未完了の十二世帯が固まる地域に到達していた。

 横目に、玄関先で倒れ伏している住民の姿が映る。「後で必ず助けますから」と心の中で詫びつつ、一葉は更に前を目指す。

 

「少しだけ、体が重くなってきた」

「何かちょっと気分も悪いわ」

 

 瑤と恋花が今度は体調の異常を訴えてきた。

 一葉も似たようなものを感じ始めていたのだが、気のせいではなかったらしい。

 

「呪いの影響よ。元凶はこの先で間違いないわ」

「千香瑠様のお陰でこの程度で済んでいますが。時間を掛けず一気に行きましょう」

 

 不調を乗り越えヘルヴォルは歩みを続ける。

 目的地に辿り着いたのは、それから間もなくのことであった。

 どれが元凶なのか、迷う要素は少しも無い。近付いた瞬間、そこだと分かった。周りの家とは明らかに雰囲気の違う一軒家が目の前にあった。真昼の霧という不可思議な現象に包まれた家が。

 一葉は仲間たちにアイコンタクトで示し合わせる。「この家の周囲を確認した後、突入する」と。

 

「裏庭……異常無し」

「リビング……窓越しからは異常無し」

 

 早速、瑤と恋花が外周の斥候を試みた。

 然る後に正面玄関から一葉が侵入を図る。

 一般的な家庭より幾らか大きな、それ以外は何の変哲も無い一戸建て。ドアノブもまた特別な点の無い普通のドアノブだった。ちなみに鍵は開いている。

 ところが扉を開いた途端、一葉は驚きに目を見開く。

 

「千香瑠様、これはっ」

 

 真昼間のはずなのに、奥の部屋のカーテンは開かれているはずなのに、黄昏時の如く薄暗い。比喩でも何でもなく、本当に暗いのだ。

 

「間違いないわ。この家のどこかに元凶がある。すぐに見つけ出しましょう」

「その元凶とは何なのですか? どのような見た目なのですか?」

「それは、まだ分からないわ……。だけど実際に見たら気付くはず」

 

 顔に陰りを浮かべて千香瑠が言う。

 その言葉に従って薄暗い家の中を探索する。

 初めに目を引かれたのが、リビングで倒れ伏している一組の中年の男女。ここの家主夫妻だろう。意識は無いが、脈は正常。

 一葉は「あとで必ずお助けします」と心の中で詫びてから探索を再開した。

 

「藍ちゃんは大丈夫?」

「うーーー、気持ち悪いけど、平気。戦えるよ」

 

 千香瑠と藍のやり取りを背中で聞きつつ、周囲を窺っていく。

 この家、家具も調度品も良いものを使っているようだった。やはり裕福な家庭らしい。

 

 やがて探索は二階へと移る。

 階段を上り切った直後、もう一人の住人を発見した。

 二階の部屋の扉のすぐ外。仰向けに倒れていたので、近寄った一葉はその正体にすぐ気付いた。先日、公園に出没した()()()()()()()だった。

 

(あの時、身柄を確保できていれば)

 

 一葉は悔やむ。

 一般市民に対する捜査権など持っていないし、ヒュージ絡みでもないので無茶はできない。その上で、なお悔やむ。

 けれども、ただ悔やんでいたのは僅かな時間。一葉は彼の部屋と思しきドアを開ける。

 部屋の中、ど真ん中の床の上にソレは落ちていた。無造作に転がっていた。両手で持てる大きさの、寄木の四角い箱。

 

「絶対に触らないで!」

 

 後ろから千香瑠の刺すような声が飛んできた。

 一葉の足は、その場に縫い付けられたかのように動きを止めた。

 

「子取り箱」

「千香瑠様……?」

「呪物よ。女子供を呪い殺す、最悪の兵器」

 

 一葉の脇を通り抜けて部屋に踏み入った千香瑠が箱を見つめている。

 

「ですが、大人の男性も倒れていました。性質が変わっているのでしょうか」

「真似て作られた、模造品のようなものなんでしょう。威力もオリジナルよりは落ちてるわ。それでもこれだけ広範囲に被害を振り撒いている。放っておいたら、どうなることか」

「っ! すぐに、処理しなければ」

 

 焦る一葉だが、当然ながら方法など分からない。

 頼りになるのはやはり千香瑠だ。仕方ないことだが、怪異の件では彼女に頼り切りになっている。

 

「これ以上呪いが広がらないように、私がソレを無力化します。桜ノ社に応援を呼んでいる時間は無さそうだから」

 

 決意したようにそう言うと、千香瑠はまず初めに藍の方を振り向いた。

 

「藍ちゃんは私の後ろで、邪魔が入らないよう見張っていてね」

「千香瑠ぅ……」

「大丈夫よ。そんな顔しないで。街はきっと元通りになるわ」

 

 不穏を感じ取って眉尻を下げる藍へ、千香瑠は腰を屈め目線を合わせて語り掛けた。

 

「千香瑠様、私は何を」

「一葉ちゃんは、今から私がすることに動じないで。それから、成功するように祈ってちょうだい」

 

 無力。今の一葉は無力だった。

 何事にも適性というものがあるが、これはあまりにも無情に思えた。

 

 一方、室内にまで霧が入り込む異様な状況下で、千香瑠は行動を開始する。

 自身のチャーム、ゲイボルグの刃先を右手で触る。自ら手を切るために。千香瑠の白い掌から赤い血が僅かに滴る。

 今にも飛び出しそうな声を抑える一葉の前で、赤に濡れた千香瑠の右手が寄木の箱に伸びていく。

 箱の上から手を覆いかぶせた途端、千香瑠が目を閉じて口を小さく動かし始める。一葉には内容がよく聞き取れなかったが、それは祝詞の類であるように思えた。

 

 三分か四分か、それぐらいの時が流れてから、千香瑠の口が動きを止めた。

 しかし箱から手が離れていなかったので、一葉は安堵せずに周囲の様子に神経を尖らせ続ける。

 

「あ、ああ……駄目っ」

 

 悲鳴染みた千香瑠の呟き。

 気付けば箱から毒々しい紫の靄が漂っている。

 千香瑠と一葉と振り返った藍の見ている最中、靄は薄く広がり、天井にまで達し、更に拡散し続ける。

 

「呪いが、広がっていく……」

 

 千香瑠のその言葉で、失敗したのだと一葉は悟った。

 無力。

 レギオンの、ヘルヴォルのリーダーとして支持を飛ばし自らも動かなければならないのに。今の一葉は無力だった。

 千香瑠の嘆きを耳にしながら、ただ紫の靄を見上げることしかできなかった。

 

「……何か、何か来る?」

 

 藍の様子がおかしい。急にきょろきょろとし始めた。

 だが一葉には藍を気に掛ける余裕さえ無い。

 焦燥と自責の念に駆られる中、靄が部屋の窓をすり抜けていき、ついに家の外へと拡散…………しなかった。

 

「あら?」

 

 千香瑠の力ではない。彼女にとっても予想外らしく、大きく瞬きしている。

 やがて靄は広がるどころか、元いた箱の真上に集まり静止した。

 

「これなら、祓える!」

 

 千香瑠は箱に右手を乗せたまま、左手でゲイボルグを突き出した。

 槍の穂先は紫の靄を真ん中から穿ち、数秒を経て、靄を淡い光へと変えていく。

 それから更に十秒ほどして、千香瑠の右手がようやく箱から離れる。古ぼけた寄木の箱には赤黒い染みがこびり付いていた。

 

「除霊完了です」

 

 ついさっきまでの焦りは消えて、いつもの柔和な表情を浮かべる千香瑠。

 対照的に、一葉の顔には冷や汗が張り付いたまま。

 薄暗かった部屋はいつの間にか明るさを取り戻し、漂っていた白い霧も消え去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、一葉はエレンスゲの校舎内にて、怪異による集団昏倒事件が『新種のヒュージによる攻撃』と発表されたことを知った。

 事件の内容自体は隠さず報道されている。ただ、怪異の存在を世間にどう説明しようかと、当局が苦慮した結果なのかもしれない。

 ヘルヴォルは控室の中で、事件について話し合っていた。

 

「死者ゼロ。何名かは内臓にダメージを負って入院となってしまいましたが……」

「子取り箱に遭遇してこの結果は、奇跡ね」

 

 一葉は勿論、千香瑠の顔も決して穏やかではない。除霊直後はともかくとして、今振り返ってみるといかに危うい状況だったか改めて実感したのだろう。死者が出なかったのはあくまでも結果論に過ぎない。

 

「例の男性は、警察での取り調べ後に釈放されました。鎌倉から急遽駆けつけた桜ノ社の教導官も取り調べに立ち会っていたので、問題無いかと思われますが」

 

 そう言いながらも、一葉は不安を拭えないでいた。先の()()()()()()といい、今回の件といい、証拠不十分とはいえ放っておいていいものか。

 現行法上、呪いという行為自体で罪に問うことはできない。呪っている事実を本人に知らしめて精神的苦痛を与えた場合、罪になる可能性はあるが、今回のケースはおそらく当てはまらないだろう。

 怪異に関しては、ヒュージ関連法を準用するのが精々といったところか。

 

「ああ、それなら、今度桜ノ社のリリィたちが幾らか東京に分派されるみたいよ」

「本当ですか? 恋花様、耳が早いですね」

「ほんとほんと」

 

 対怪異の専門家である彼女らがやって来るのなら、ひとまずは安心できそうだ。

 しかしそれだけでは根本的な解決とは言い難い。

 

「あの箱、あの人が作ったの?」

「……可能性は低いと思うわ。ごく普通の、普通より裕福なぐらいの家庭だから。あれだけの呪物を作るなんて」

 

 瑤の問いに千香瑠が答える。

 まだ何も終わっていないというわけだ。

 

「あの時、変な感じだった。何か変だった。あの霧」

「藍ちゃん。ごめんなさい、それもよく分からないわ」

「何かね、西の方に飛んでった気がするー」

 

 藍は両腕をパタパタと上下に振って説明しようとする。

 既に事件直後に一度聞いた話ではあるが、やはり事態進展の一助にはなりそうにもない。

 だからと言って、千香瑠や藍を責められるものではない。当たり前だ。

 むしろ責められるべきは――――――

 

「なーに、また辛気臭い顔してんのよ」

 

 突然、一葉は恋花に頬を抓られる。恋花の指に大した力は入ってないが、驚いて顔を揺らしたために結構な痛みが走ってしまう。

 

「まあ考えてることは大体想像つくけど。勿論、一人で抱え込んだりしないわよね?」

 

 当然、一葉もその時が来たら皆に話すつもりだった。

 だが自分から切り出すのと、人に――――恋花に背中を押されるのと、こうも違うものなのか。

 心の中に渦巻いていたモノが軽くなった気がした。

 

「いえ、現状では怪異に対して千香瑠様お一人で対抗しているような状態なので。私たちも何らかの手段で戦力になれないものかと」

「そうだね。でもあたしの持ってきた塩は役に立ったでしょ」

「あれは塩の力?」

「たい焼きを食べさせれば、きっと満足して成仏するよ!」

 

 一葉が一言打ち明けると、恋花が瑤が藍が口々に言い合う。

 大して益の無い発言ばかりだが、千香瑠は楽しそうにくすくすと笑う。

 

「それじゃあ今度機会があれば、皆で修行でもしましょうか」

 

 千香瑠の提案に一葉は乗り気になり、恋花は「うげーっ」と顔を顰めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのまた後日。

 鎌倉府横須賀市、陸上防衛軍武山基地に教育隊が駐屯している。

 現在、基地内の広いグラウンドでは、新たに予備役として入隊するべく数十人もの男たちが教練中だった。

 そんな中、ランニングに精を出す集団から一人だけ引き離されている者が居た。

 

「はっ、はぁ、はぁ……っ」

 

 その青年は息も絶え絶え。脚はガクついている。長年の不摂生が祟ったのだ。

 

「何で、俺が、こんなこと……」

 

 少し前のこと。気が付いたら数日分の記憶が抜け落ちてるし、何故か警察に取り囲まれて尋問されるし。

 その上、事情を考慮される余地も無く、予定通り父の差し金で防衛軍へと放り込まれてしまった。

 

「そこ、また遅れているぞ。あと五周追加だ」

 

 教官からもたらされる無慈悲な台詞によって、青年の不満が噴出する。

 

「くそっ、くそっ、くそがっ! 何でこんなこと!」

「おっ、随分と元気が良いな。じゃあ腕立て伏せ五十回も追加だ!」

「くぁwせdrftgyふじこlp~~~!?」

 

 

 

 

 

「日本死ねぇーーーーーー!」

 

 

 




ガーデンの噂 完



本章は言わば起承転結の起に当たる部分。
次章からタグにあるクロスオーバー要素が生きてくることになります。
ガールズラブ要素についても…

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