高月家の次男   作:犬も歩けば棒に当たる

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入獄

囚人データ

名前 高月義一

罪状 高月家皆殺し(祖父、父、母、姉二人、兄)

年齢 14歳

外見 黒髪短髪黒目。身長167cm。体重68kg。

刑期 280年

非常に悪列な犯行であり、反省の色も見えない。社会に与える影響も大きく、グリンスフィール監獄地下二階層への収監を命じる。

 

 

 

グリンスフィール大陸最大の刑務所、グリンスフィール監獄へ向かう護送馬車の中には今、男五人女二人の計七人の囚人と二人の見張りがいた。見張りは茶色い統一的な制服を着ており、囚人を挟むように前と後に一人づつ立っており、囚人は三人と四人が向かい合う形で床に胡座で直座している。もっとも見張りが居なくても、囚人は重い手枷と足枷を付けられている上、護送車の周りには鼻の利く戦闘犬がいるので逃げるのは難しい。だから、馬車が止まっている今も大人しく皆、護送車の中で座っているのである。

「さぁ、さっさっと入れ!」

「イッテェな!おい!押すな!」

新しい囚人が転げ込むように入ってきた。

まだ十代の赤髪赤目の少年で、着ている服は短パンに半袖、靴すら履いていないと言う完全なる部屋着。その若い年齢もあり、酷く浮いている。

「今回の護送予定はこれで最後だ。このままグリンスフィール監獄に向かう。最後まで警戒を怠るなよ。」

「「は!」」

刑務官の会話が耳に届く。それを聞き流しつつ、俺は斜め前に座った少年を観察した。

服は市井に売っているような安めの市販品。スラム出身と言う訳ではなさそうだが、金持ちの子と言う訳でもなさそうだ。肉付きはよく歳にしてはかなり良く鍛えられている。何か武術を習っていたのか?しかし、恐らく人殺しの経験はない。つまり、子供の暗殺者とか戦争経験者とか言うわけではなく普通の子供さそうだ。

何でコイツ捕まったんだ?よく分からん奴だ。

丁度少年の隣に座っている男も同じ事を考えたのか、灰色の軍服を着た四メートル近い色黒の巨漢が少年に話しかけた。彼は制服の前のボタンを全て開けている。肌けた体には無数の傷跡があった。

「よ、小僧。お前名前は?」

「ジブラだよ。」

「俺は館カイって言うんだ。んで、ジブラ、お前は何して捕まったんだ?」

「なんだお前?いきなり馴れ馴れしい奴だな。」

「いいじゃねえか。どうせ監獄まで暇なんだし。ま、話したくないなら話さなくて良いけど。ちなみに、俺は軍命違反だ。」

「軍命違反?何したんだ、オッサン?」

「お、オッサンって………。まあ、あれだ。少しばかり仏心を起こして、ガキの命を見逃しちまったんだよ。」

巨漢のカイはその凶悪な見た目に反し、子供好きである。子供のジブラと話す姿はどう控えめに見ても犯罪の臭いしかしないが、ジブラに話しかけたのは、犯罪者特有の空気を感じないジブラ(子供)を心配したからである。

「命令はその場にいた全員の抹殺だったんだけどな。息子に被っちまってどうしても殺せなかった、で、それがバレて捕まったてわけだ。」

「?それの何が悪いんだ?」

「ああ?何言って……?………て、そうか、まだガキだし分からねえか。軍において命令は絶対。それを破ることは大罪なんだよ。」

カイが生徒に話すように優しく語るが、少年はなんだか納得出来ていない様子だ。やはり闇の中で生きてきた人間と言うわけではないようだ。

「そんな事よりお前は何して捕まったんだ?」

「俺は何もしてねえ!嵌められたんだ!」

大方予想通りだなと話を盗み聞きながら納得する。

「罪状は?」

「殺人だよ。身に覚えの無いな!他国の要人を殺したとかで弁明も許されずこれだよ。俺は国を出てすらいないのに!」

「くくくく!」

突然、笑い声が響く。

声のする方を見ると、丈の短い上下一体の前開きの胴着を着て、腰に巻いた帯で服を止めた女が、思わずと言う風に笑い声を上げていた。

身長170cmくらい。赤い髪を頭の後ろで一つに縛っている。

少年程ではないがコイツも結構若そうな女だ。十代後半と言った所か。ま、少年と違って濃密な死の気配を纏っているけどな。

「何が可笑しい!」

「冤罪なんて珍しい事でもないわよ。仮に貴方の言葉が全て正しいとして、それは嵌められた貴方が間抜けだったってだけの話。これ以上自分の無能を曝したくないなら黙っていなさい。もう手遅れかもしれないけど。」

「何だと!?」

少年は女の胸ぐらを掴む。下に着ていた鎖帷子が見える。中々の業物だ。あ、帯ほどけた。

「何か間違った事言ったかしら?」

「テメェ!」

少年は今にも殴りかかりそうな感じだが、相手が女と言うことで何とか我慢している感じだ。もっとも、このまま戦えば負けるのは少年だろうけど。

止めた方が良いかな?

女の言ってることは正論だけど、言い方ってものがある。あんなの冤罪掛けられてこれから刑務所ぶち込まれるって奴に言うような事じゃないだろ。

めんどくせぇけど、ガキが殴られる場所とか見たくないからな。

「まあ、その辺にしとけ。これ以上は流石に刑務官も黙ってねえぞ。」

「ち、……くそ!分かったよ!」

しかし、俺が止める前に軍服の大男が場を丸く納めてくれた。俺の心配は完全に杞憂だったようだ。

それは良かったんだが、仲裁のためにと上げかけた腰の所在がない。俺は数瞬間固まった後、ススススと気付かれないように腰を下ろす。

「(いや、別に尻が痛くなっただけだし……………………………。)」

悪いことはしていないんだが、何となく居心地が悪くなり、内心で言い訳を言いながら目線をさ迷わせる。しかし、直ぐにまた女の方へ視線が引き戻される。女の格好は、さっきのゴタゴタで帯がほどけキワキワの姿になっていた。丁度位置的にも目の前に安座をかいて座っているので、前を向くと自然に肌けた体が見える。無機質な鎖帷子の黒色とピンクの乳輪とのコントラストがまたエロい。左右に開かれた足の付け根がエロすぎる。これで見るなと言う方が無理がある!思春期の男子舐めんな!

俺は諸事情により今まで女性の裸と言うものを画面や紙越しですら見たことがないので余計に興味があった。股から徐々に視線を上げていく。股、子宮、腹、胸、鎖骨、肩、首筋、口。そして、此方を見ていた女と目があった。

「…………。(ジー)」

「冷や汗(-_-;) 」

「……………。(ジー)」

「冷や汗(-_-;) 」

俺はサッと目線を反らす。女は「ふ」と勝ち誇るように鼻で笑った。顔が赤くなる。

女は更に勝ち誇るように頬を吊り上げた。

いや、お前、胸見えてるから!そんなやってやったみたいな顔してるけどパンツ丸見えだから!!

「冤罪かどうかなんて事より私は貴方に興味があるわ。」

だから、前隠せよ!気になって仕方がねえんだよ!もう直視できねえけど!

てか、その格好で「興味がある」とか言われると、ベッドに誘ってるように聞こえて、チンコが。

「(あ、やべ!)」

「(な、何で今の流れでチンコ立ててるのよコイツ!変態じゃない!どこに立つ要素があったのよ!)」

「その………前………隠したらどうだ?」

「は?」

コイツ、突然何を言ってるんだ?ガン飛ばしで負けた言い訳か?と女はいぶかしみながら視線を下に向ける。すると、鎖帷子ごしに自分の胸が見える。さらに視線を落とすと、薄い花柄のショーツが見えた。今日はTバックなのでかなり付け根が際どい姿になっている。

「……………。」

別に見られたからと言って、どうと言う事はない。女としての恥じらいなど暗殺者になると決めた時から捨てている。

いや、恥ずかしく無いわけではないが、殺し屋の矜持として、此処で「キャーーー!」などと女みたいな悲鳴を上げるのはプライドが許さない。

でも、この格好で勝ち誇っていたのかと思うと顔を覆いたくなるほどの恥だ。それは暗殺者とか一般人とか以前の問題だ。ただの変態だ。だが、談じて認めん!てか、認めたら生きていけない!

「そんなことはどうでも良い。別に減るものでもない。(減るよ!てか、現在進行形で精神力が減ってるよ!くそ!これも全部あのガキのせいだ!こんな車内でチンコおっ立てるような変態に変態って思われてるんだよきっと!)」

「そ、そうか。(変態だ。)」

奇しくも二人の評価が一致した。

「で、貴方何者なの?」

もう仕方ないので、当初聞く予定だった話を無理矢理聞くことにする。話しぶり返しやがったら、ぶん殴ってアイツのチンコも出してやる!ふふふふ!

「人に物を尋ねる時はまず自分から名乗るのが筋だろう。」

「………(コイツ、正論を! )まあ、道理ね。私はメア。殺し屋よ。好きな物は強い男、嫌いなものは弱い奴と女だからって嘗める奴。」

殺し屋と言う単語にジブラは頬を引きつらせていた。

「今一番興味があるのは貴方かしら。」

「俺が何かしたか?」

「ふふ、惚けてくれるわ。そこに座ってる囚人達を威圧だけで黙らせたじゃない。」

ああ、あれか。

俺もそんな事をする気は無かったんだがな。

護送車の中は今こそ静かだが、俺が護送車に入った時は、本当に煩かった。しかも、俺が子供だと言うことで嘗められ、何人かに絡まれた。辟易した俺は軽く殺意をぶつけたと言うわけだ。

「あれは、忘れてくれ。………。俺は高月義一だ。」

「「「「!!!」」」」

「へえ、どおりで」

(こいつは驚いたな。あの高月家か。)カイ

(知ってたら喧嘩なんて売らなかったのに!)囚人A

(ふん)囚人B

(高月家って何だ?)ジブラ

 

 

高月家

ハイムーンコーポレーションの創始者である高月の血を引く一族。世界屈指の金持ちであり、独自の兵力を持つ。中華八族にも数えられる一族。もっとも、高月家の次男により一族は皆殺しにされ、すでに本家の血を引くものはその次男しかいない。ちなみに、今、ハイムーンコーポレーションを誰が継ぐかで分家筋の中で苛烈な争いが起こっている。

 

★★★★★★

馬車に揺られながら三日ほど。

寝食を共にすればそれなりに打ち解ける。

俺が特に仲良くなったのはジブラとカイ、メアの三人だ。ジブラは年が近いから、カイはこの中で一番まともそうだから、メアは何故か気に入られて。

ちなみに、護送中の食事は一日一回。最低限の量しかでない。これは脱走を防ぐための措置で、囚人に必要以上の元気を与えないためだが、地味にキツイ。

もっとも、排泄を刑務官の目の前でやらないといけないので、食事制限があるのはある意味で良心的である。食事量が少なければトイレの頻度も少ないと言う意味で。

トイレの時はもっとも脱走のリスクがある。そのため、いくつかの決まりがある。

一つ、刑務官二人以上の同席。

一つ、戦闘犬三体以上の同席。

一つ、トイレは必ず一人ずつ行う。その時、他の囚人は全て檻(護送車)の中に入れ、鍵を閉める。

など

 

 

とは言え、ルールの詳細は囚人には知られていないので、ルールに託つけて、セクハラやモラハラをする悪い刑務官もいる。

特に刑務官がサディストだったり、囚人が絶世の美男子や美女だったりするときは頻度が高い。

不幸なことにメアは絶世の美女だったので、トイレの度にセクハラを受けていた。

ルールに託つけて、裸になるよう命じられ、M字開脚の格好で持ち上げられる。両腕は上に真っ直ぐ持ち上げ、少しでも下げれば罰が与えられた。

メアはそのままの格好でおしっこやうんこを垂れ流し、おしっこの場合は協力と言いマンコを極限までおっぴろげられ、終わったら体を拭くと言う呈で、四つん這いにさせられ、マンコや尻に指を入れられた。

この時、感じて我慢汁を出そうものなら、「何だ?全然汚れが落ちないじゃないか!」などと言われ、休憩時間が終わるまでイカされ続けられたり、「豚の分際で一丁前に感じてんじゃねえよ!」などと理不尽な暴言を吐かれることになるが、既に殺し屋として最低限の『教育』を受けていたメアはそんな醜態を晒すことはなかった。

メアは兇族と言う暗殺一族の生まれで、他の一族と同様生まれつき再生能力が高く、子供の頃から拷問はもちろん、性行為に対する訓練も受け、五才の頃には実の父親や親族に一晩中回された。さらに、媚薬漬けにされ、犬や馬に犯されたこともある。そんな悲惨でアブノーマルな体験した身からすればこの刑務官達は甘すぎるし、常識的すぎる。こんな程度でイクわけがない。

しかし、流石に豚だの淫犬だの言われ、自分を獣以下呼ばわりされ、自分より圧倒的な弱者にいいようにされるのは不愉快である。

そのため、トイレが終わった後のメアは何時も機嫌が悪かった。

ちなみに、高月も顔が良いので一部の刑務官(男)からセクハラを受けていた。どうでも良い話だ。

 

「おかえり。今日は長かったな。」

「ふん。何時ものことよ。あいつら何時か殺してやる。」

「それについては同意だが、あいつらに会うのも明日が最後になるかもな」

「どう言うこと?」

「明日の昼過ぎには監獄に着くってさっき話してるのを聞いた。」

「それは良かったわ。これ以上続くなら我慢出来ずに本当に殺していたかもしれないからね。」

 

 

★★★★★★★★★★

 

グリンスフィール大監獄(G.G.P)

とある孤島の中央を開発して作られたグリンスフィール大陸最大の大監獄。

囚人の中には超能力者もいるが、全館をESP阻害装置により囲まれているため特殊能力を使用することは出来ない。

 

敷地面積 370万キロヘクタール

収容人数

男性 956名

女性 480名

20歳以下の未成年 282名

 

監獄の構造

地上一階から地下四階までの五階層からなる。

地上一階層(居住区域+共用スペース)

居住区域には囚人が就寝するための大部屋がある。一部屋百人が収容される。現在は男部屋10部屋、女部屋が5部屋、空き部屋が15部屋ある。また、大食堂や医務室など共用スペースがあるのもこの階層。

地下一階層飢餓地獄(特別居住区域+拷問区域)

他の囚人に著しく悪影響を与えると見なされたものは特別居住区域にある小部屋に収容される。この階層の全域は地下二階層から上ってくる熱気により、常に昼の砂漠のような茹だる熱気に晒され、此処に来た囚人は例外なく熱中症状に悩まされる。また、問題を起こした囚人を禁固刑に処すための懲罰牢があるのもこの特別居住区域である。

一方、拷問区域は文字通り重犯罪者に対し拷問を行うための区域である。拷問室と死刑台が立ち並び、世界中で暴れ回っていた凶悪な犯罪者達の悲鳴が毎日聞こえてくる。

地下二階層焦熱地獄(拷問区域)

八熱地獄(高熱の黒縄、巨大な熱釜、など)と総称される八つの小地獄からなる。

地下三階層極寒地獄 (拷問区域)

地下四階層叫喚地獄(拷問区域)

 

★★★★★★★★

 

監獄に着いた。

監獄内部に入る前に、検査室で身体検査を行う。検査室は四条半程の鋼鉄製の小屋で、入り口のドアに目通しの鉄格子がついている。

まず、俺が中に入る。

鉄の扉が閉められる。

その扉の前に一人の刑務官が塞ぐように立つ。一方、俺は小屋の中央付近で立ち、目の前には眼帯をした長身の女。後には刑務官が三人。女の服装は他の一般刑務官が着ている緑色の軍服+軍帽のような支給品とは違い、かなりアレンジされている。たぶん、それなりの地位にいる役職(ポスト)持ちだろう。てか、この格好で役職(ポスト)持ちじゃなかったら逆に驚きだよ。

女の身長は190cmくらい。スタイルが非常に良く、服装は裸の上半身の上に上着を着ただけのかなり過激なファッション。下はホックの開いたローライズパンツを着て、腰には黒い鞭を携帯している。一応、全部隠せてはいるがギリギリ狙いすぎだろ。

彼女は足を開いて椅子の上にどかりと座り、仕込み刀のような黒い杖を体の前に立て、その上に両手を置いて、此方を見下ろすように睥睨している。

「矯正長のマキノだ。今回は殊更に特別なクソ共が集まったと言うことで私自ら身体検査をすることになった。まずは服を脱げ。」

言われた通り、Tシャツとズホン、靴下を脱ぎ、刑務官に渡す。

刑務官はそれを丹念に確認し、何もないのを報告する。

「異常ありませんでした!」

「こちらもです!」

「そうか。じゃあ、次はパンツを脱げ。」

「はぁ?そこまでやんないといけないのかよ!」

「口答えをするな!さっさと脱げ愚図が!」

マキノは鞭を叩きながら怒鳴る。

さらに、俺の後にいた刑務官の一人が完璧なる無表情で付け加えた。

「昔、尻の穴や膣の中、口の中等にコインやライターを入れていた囚人が実際にいたのです。その結果刑務官の殺傷事件が起きまして、以来規則に明文化されるようになりました。ちなみに、拒否される場合は実力行使も許可されています。」

誰だか知らないが傍迷惑な奴だまったく。

俺は渋々とパンツを脱ぐ。別に実力行使されたくらいでどうと言うことは無いが、わざわざ騒ぎを起こすこともない。

その後、尻の穴から耳の穴、口の中の隅々まで調べられ、検査が終わる頃には、げっそりとしていた。

はぁ、あんなに奥まで調べるのかよ。てっきり、ちょっと広げて中を見る程度だと思ってたのに。はぁ…………。何だか人として大切なものを失ってしまった気分だ。

「次はこれを胸の前で持て!」

渡されたのは黒い長方形の板に白い字で俺の名前が書かれたネームプレート。

「人物書に貼る写真を撮る。」

「パンツは………いや、何でもない。さっさと終わらせてくれ。」

人間より大きな事を体験すると小さな事がどうでも良くなるものである。と言うか、もう何でも良いから早く終わらせたい。

俺は言われた通り、右手でプレートを胸の前に置く。

が、何が悪かったのか女は目を吊り上げ、鞭を俺のチンコ目掛けて振るった。ぐおおお!

避けるのは簡単だったが、避けたら数が増えるだけなのは既に学習していたので、甘んじて鞭を受ける。

「こ、今度は何ですか?」

若干苛立ちを持って尋ねる。

「この豚が!何だその舐めた姿勢は!プレートを片手で持つな!両手でぶれないようにしっかりと持て!それと、足は肩幅に開き真っ直ぐ立て!」

なるほど。確かに俺は片手でプレートを持って、片足に重心を置いている。先に言って欲しかった。

てか痛い!痛い!さっきから俺のチンコを土竜叩きのように叩きやがって。別に沢山叩いたからって良いことないよ?

「これで良いか?」

「プレートの向きが逆だ!」

「あ」

俺はいそいそと向きを直す。

「今分かったぞ!お前は豚の中でも格別に出来の悪い豚だ!これ程検査に時間が掛かったのはお前が初めてだ!」

え?そうなの?

ちょっとショックだ。俺的には出来るだけ早く終わらせようと従順にしていたつもりなのに。まさか過去最低記録を更新していたとは。でも、検査の時間の半分くらいは鞭で叩かれてた時間+悶絶していた時間なんだけど。

勿論、賢い俺はそんなことは思っても決して口にはしなかった。

 

その後、写真を前後左右の計四方向から取り、軽い身体測定を終え、ようやく検査は終わった。

「検査は以上だ。では、そのまま外に出て他の者の検査が終わるまで待て。」

え?聞き間違えかな。今゛そのまま゛って言われたような。

「えー………と、服は?」

「ああ、心配するな。お前の服は此方で預かり、出所する日に返すことになる。まあ、出所する日がこればの話だがな。」

「いや、そう言うことじゃねえよ!裸のまま外に出ろって事か、て聞いたんだよ。」

「なんだ。そんな説明もされてなかったのか。まあ、いい。特別にこの私が説明してやる。お前達にはまず゛洗礼゛を受けてもらう。服は洗礼後支給される囚人服を着ろ。」

「じゃあ、その間は……」

「どうせ洗礼を受けるには裸にならなければならないのだ。時間を無駄に使わないためにその間は裸でいろ。」

「…………………幾らなんでも横__

横暴と言おうとして、手が鞭に向かったのを見て、そそくさと部屋を出た。

 

 

 

十分後。

ようやく最後の一人が検査を終えて部屋から出てきた。検査を受けた順番は俺が一番初め。そして、俺の犠牲の元、検査後に裸になると言う事実が分かったので、男六人が始めに検査を受けることにした。次にメアが受け、最後に受けたのは、気の弱そうな゛みつき゛とか言う女だ。みつきは両手を使い胸とアソコを隠しながら顔を赤くして帰ってきた。

 

その姿を見てみんなの内心が一致する。

(でかい!)

確実にiカップ以上はある。何だあの凶悪なサイズは!服の上からでもデカイと思ってたが、脱ぐと一段ととんでもない!

 

「メアみたいなサバサバスレンダー美人も良いけど、エロいボディをした恥じらい系美女もいいな。 」

「いいな(ドヤ!!)じゃ、無いわよ!変態!染々つぶやいてんじゃないわよ!てか、チンコ立てすぎだから!」

隣に立っていたメアに腰をチョップされる。メアは腰に手を当て、威風堂々と立っていた。

 

「前者については謝るが、後者については立ってるんじゃなくて、鞭で打たれすぎて腫れてるだけだから!」

「そうなの?」

「お前は打たれなかったのか?」

「数回打たれたくらいね。」

「俺は二十回以上打たれたぞ。何故俺だけ!あの看守め!」

 

メアは可哀想なものを見る目で俺を見て、左手でチンコを掴み、目を近づけた。ホワイ!?何やってんのコイツ!!

 

「確かに、良く見ると鞭の跡があるわね。」

「お前、そう言うのはどうかと思うぞ。もう少し恥じらいとか、慎みとか、チラリズムを意識した方が男にはモテる「別にアンタにモテたいと思ってないから。」さよですか。」

 

美人にチンコを触られ、不覚にも少し興奮したが、俺が望んでるのはこう言うんじゃないんだよ。

みつきを見てみろ!あの恥じらいの表情!

左手でアソコと尻を精一杯隠そうと頑張りマンコに指を突っ込んでいるような格好になり、右腕を横にして乳首だけでも隠そうとしているが、歩く度に腕がずれて、左の乳首が右腕に乗って、余計に強調されている。しかも、それに気付かないうっかりさ!very goodだ!

 

この恥じらいとチラリズムこそエロの王道。

今までの奴等は誰も体なんて隠さず威風堂々と歩きすぎて、恥じらいもくそも無かったからな。てか、それ以前の問題として、視界に入るのがチンコ丸出しのガチムチ男ばっかりと言う地獄絵図だった。思い出させんな!

 

 

俺達全員が集まったのを確認して、矯正長のマキノが声を上げた。

「よし!全員揃ったな?これから貴様らには洗礼を受けてもらう。付いてこい。」

 

 

★★★★★★

 

洗礼

洗礼①表明

大声で自分が如何に愚かで無価値な人間かを述べる。反抗的な目をしていたり、口が止まると近くで聞いている刑務官に鞭で叩かれる。何もなくても叩かれることもある。

「貴様らは何だ?」

「「「「「「俺達(私達)は豚です。」」」」」」

「声が小さい!もう一度だ!」

洗礼②棒儀式

自分の犯した罪の大きさと数だけ四腕の赤ゴリラにより平手をくらう。これは罪を洗い流すための儀式ではなく、罪を自覚させるための儀式である。許しを乞うことはあってはならない。

ジブラ「な、何だあの赤いゴリラ?腕が四本もあるぞ?!てか、デケェ!」

高月「アジュマキュロだ。西の山岳に生息している。通称、学習猿とも呼ばれ、人の言葉を解し、人を優に越える剛力を持つ。通常の個体より少しデカイ気はするが………。三メートルくらいあるぞコイツ………」

刑務官「よく知っているな!だが、賢しぶりおって!気に入らん!貴様は十回追加だ高月!」

高月「………はい。」

刑務官「ふん、従順なのは良いことだ。いいか?よく聞け!こいつは貴様らに罪の大きさを教えてくれる有難い獣だ!感謝して尻を出せ!」

館カイ「この年になって尻叩きかよ。」

囚人B「ふん」

ジブラ「い、痛ええぇぇ!!」

みつき「いやぁあああああ!!」

洗礼③地獄への道

黒砂(こくしゃ)と呼ばれる超高熱の黒い砂のプールのような道を歩く。進むにつれて底は低くなり、砂の温度は所により百度を越える。しかも、砂は粘土のように重く、無数の砂の手が歩くものの体を掴み、止めようとするだろう。だが、決して止まってはならない。止まれば生きては出られないだろうから。(ちなみに、道は何レーンかあり、歩くレーンは身長により決められる)

刑務官「貴様は13レーン!貴様は五レーン!貴様と貴様は四レーンだ!貴様は八レーン!貴様は六レーンだ!」

ジブラ「何か不気味な砂だな。」

みつき「い、今、こ、この砂動きませんでしたか?」

館カイ「(なるほど。あの身体測定はこれのためか。)」

囚人B「ふん」

高月「(コイツさっきからふんしか言わないな。)」

洗礼④洗礼

通称、虫地獄。幻虫により自身の罪を被害者の立場に立って追体験する。

ジブラとカイは何も起きなかったようだ。他の奴等は若干顔が青くなっている。

洗礼⑤御流し

頭部から消毒水を掛け、体を殺菌する。

 

 

洗礼を終え、濡れた体を布で拭き、支給された下着と囚人服を着る。俺とジブラは黒い囚人服で、他の六人はオレンジの囚人服。どうも自室がある階層により服の色が違うようで、地上一階層はオレンジ色、地下一階層は黒色らしい。しかも、地下一階層は問題児やヤバい奴等を集めた階層らしい。なんでや。

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