未来からやってきたと言うシチーと瓜二つのゴールドシチーと、現代のシチーとトレーナーのお話。

未来からやってきたシチーはトレーナーにベタベタで、気持ちを素直に伝えれない現代のシチーは、その光景にヤキモキしていた。

夜2人のシチーだけになった時、未来の自分からここに来た経緯聞かされ、シチーは驚愕する。

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未来からやってきたと言うシチーと瓜二つのゴールドシチーと、現代のシチーとトレーナーのお話。

未来からやってきたシチーはトレーナーにベタベタで、気持ちを素直に伝えれない現代のシチーは、その光景にヤキモキしていた。

夜2人のシチーだけになった時、未来の自分からここに来た経緯聞かされ、シチーは驚愕する。


ゴールドシチー「暑苦しくて、ウザくて、優しいアンタが好き」

 

 

「眠すぎる…」

 

金曜日の昼下がり。日頃の疲れが溜まっていたのもあり、ゴールドシチーのトレーナーは昼食を食べた後、心地よい眠気に襲われていた。

 

「トレーナー室で仮眠取ろうかな…シチーも授業だし、トレーニングまでまだまだあるし。」

 

そう考えて校庭をぶらぶらと散歩していると、三女神像の前で、制服を着た金髪のウマ娘がキョロキョロと、周りを見ている後ろ姿が目に入る。

 

(あれ?今って授業中だよな)

 

その姿を見た時、なぜかその背中は何かを探しているようで、俺がすぐに声をかけないと消えてしまうのではないかと思ったほど儚げで、それほどまでに見ているこっちまで心細くなるように頻繁にキョロキョロと、困惑した様子だった。

 

声をかけようと思った時、ふとそのウマ娘が振り返る。その娘の顔を見てすぐに誰だかわかった。

 

「え、シチー!?何してるんだ、今授業中だろ!?」

 

「っ!」

 

ゴールドシチーは顔を見た途端、すぐにトレーナーの方に向かって走り出してきた。その勢いのままトレーナーに抱きついてくる。

 

「ちょ!? シチー!?」

 

「見つけた…もう…もう絶対離さないから…!」

 

 

 

________________

 

 

「ってことで、こんな状況です」

 

「いや、そうはならないでしょ」

 

どうやら昼頃に見た彼女は、未来から来たそうだ。未来で気がついたらここにいて、不安でたまらなかったところ、知っている人を見つけて安心したのだと言う。なんてことをシチーに説明すると、一蹴されてしまった。

 

放課後、トレーニングをするためにトレーニングウェアに着替えた現代のシチーが、トレーナー室で起こっていることに理解が追いつかず、トレーナーから説明を受けるが、それにしてもよくわからないと言う顔をしている。

 

「てか、コイツが未来のアタシだったとして、なんでこんなにアンタにくっついてんのさ。」

 

今、未来のゴールドシチーはトレーナーの膝の上に座り、彼の腕を掴み自分の前で交差させ、彼に抱かれている。それを現代のシチーが眺めている状況である。

 

「だってアタシ未来ではトレーナーの彼女だし」

 

「はぁ!?」

 

「え?…え!?え!?!?」

 

困惑したトレーナーは未来と現代のシチーの顔を交互に見る。すると少し顔を赤らめたシチーが、

 

「こ、こっちみんな!てか、アンタはちょっと黙ってろ!」

 

「えぇ…すみませんでした…」

 

「可哀想だねトレーナー。アタシが慰めてあげよっか?」

 

膝の上のシチーが上目遣いで、トレーナーの頬を撫でる。

 

「おおぅ…なんかこっちのシチー、身長はあんまり変わらないのに大人って感じがする…」

 

「そりゃ未来からきたからでしょ」

 

「そっかぁ…」

 

「アンタ、それで納得すんな!大体どうやって未来からきたって言うのさ!」

 

「さぁ?アタシもあんまりよくわかんないけど、三女神の像の前にいて、気がついたらここにいた。」

 

「そっかぁ、三女神かぁ…。なら仕方ないな…」ナデナデ

 

「アンタはさっきからちょっとは疑え!あとそっちのアタシを撫でんな!」

 

「だって撫でてほしいって言われて…」

 

「トレーナーさ、なんで過去のアタシあんなに怒ってるかわかる?」

 

「いや全く…」

 

「アタシが今トレーナーを独占しちゃってるから妬いてんの」

 

「は?違うし。トレーニング行きたいのに行けないからだし!」

 

「だってさ。じゃあトレーニング中もトレーナーとくっついてていいってこと?」

 

「ダメに決まってんでしょ!目障り!」

 

「ま、まぁまぁ2人とも…」

 

正反対の2人のシチーの間に入り、2人をなだめながらグラウンドへ向かう。

 

その際にも未来のゴールドシチーはトレーナーにもたれかかりながら、腕を絡めていてくっついて歩いている。

 

「ったく………てかさ、アンタなんでそんなに"アタシの"トレーナーとくっついてるわけ?」ジトー

 

「…未来で怪我しちゃったから。向こうでは”いつも“トレーナーがアタシにこうしてくれてたから、つい」

 

「へぇ……」

 

2人の間にはいつ喧嘩が始まってもおかしくない空気が漂っている。

 

「やめて!仲良くして!」

 

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

 

 

 

「…でかい」

 

結局シチーのトレーニングをサボるわけにも行かず、3人でグラウンドへ来た。面倒ごとを避けるために、未来のシチーの方はトレーナーのパーカーを着ている。

 

「俺のでごめん。もし臭かったら本当にすまない…。サイズがシチーより大きいと思うから、フードを被れば多分バレないと思って…」

 

「…別にアタシはトレーナーの匂い好きだから」

 

「え、」

 

「そこ…アタシがトレーニングしてる隙にいちゃつかないでくんない?」

 

(あ、やばい。)

 

「それとも何、アタシの走りはアンタにとってどうでも良いんだ。他の女と話す方が重要なんだ」

 

「ち、違うってシチー…これはその…」

 

ウォーミングアップで軽く一周してきたシチーが、腕を組んで足でトントンと音を鳴らして、耳を後ろに引き絞って俺を見ている。これはブチギレている時のシチーだ。

 

 

「…アンタもそういうのがいいんだ」

 

「え!?いや、その…」

 

「ふふふ…」

 

「は?なに?」

 

「べつに?」

 

 

「仲良くしてぇっ!!」

 

トレーナーは大人になってから初めて、ストレスで胃痛を経験した。

 

 

………………………

 

 

その後もなんやかんやありながら、トレーニングをこなしたシチーは、休憩中にトレーナーと少し話をしていた。

 

 

「トレーナー、この後蹄鉄見に行く約束だけど…」

 

「あぁ覚えてるよ。だから今日のトレーニングは軽めにしようと思ってるよ。」

 

「へぇ…じゃあアタシもついて行っていい?」

 

「は?アンタみんなに知られたら面倒だし留守番でしょ」

 

「んー…今回はその意見に賛成かな…」

 

現代組はついていくことに難色を示している。

 

「アタシこっちの世界でアンタたちしか分からないし、この状態で誰かと会ってボロが出たら面倒じゃん?」

 

「たしかに…じゃあ一緒に行こうか。シチーもそれでいいよn………え、シチー…?なんか怒ってる…?」

 

トレーナーが確認を取ろうと振り返ると、無表情で無言のゴールドシチーが居た。

 

「…別に?アンタはそう言うやつだったって再認識しただけ」

 

「え、えっと…ごめん…だってシチーが…」

 

「前からずっと約束してた私よりポッと出の女の方がいいんだ。」

 

「いやでもシチーだし…」

 

「今のアタシじゃないし」

 

「えぇ…」

 

「アンタ今めんどくさって思ったでしょ」

 

「え!?いやいやそんなことは…」

 

「まぁこの頃のアタシは実際めんどくさいしね」

 

「は?何アンタ」

 

「もうやだ!誰か助けて!ストレスで胃が死んじゃう!」

 

「大丈夫だって。ほら、アタシに構わずそっちのアタシとイチャイチャしなよ。アタシ気にしてないし」

 

「いやでも絶対シチー怒るんじゃ……」

 

「はぁー?なんのことー?」

 

(あ、だめだキレてるやつだこれ。)

 

____________________

 

結局3人でくることになった商店街。目的であった蹄鉄は早いうちに買い終わり、今はトレーナーの晩ごはんの食材を買っている。トレーナーは左右を2人のゴールドシチーに囲まれながら買い物をしている。

 

「ねぇ…すっごい買いにくいんだけど…」

 

「アタシ達のことは気にしなくて良いってさっきから言ってんじゃん」

 

「いや、その…周りからの視線的な…」

 

「へぇ〜現役モデルのアタシがいつもこんなにアンタの食生活のこととか心配してあげてるのにアンタは不満で、それにアタシのことは無視して未来のアタシと喋るんだ」

 

「いやだからそうじゃなくて…」

 

現代のシチーは少し不機嫌だが、2人のシチーはトレーナーを挟んでぎこちない会話を始めた。

 

「アンタさ、トレーナーのなんなの?」

 

「未来の奥さん」

 

「はぁ?ふざけてんの?さっき自分で彼女って言ってたじゃん」

 

「冗談。……ただ、今は色々あって向こうでは今は一緒にいない。」

 

「ふぅん……」

(未来のアタシはトレーナーに惚れ込んでるわけじゃない…のか?)

 

「……アンタはどうすんの?」

 

「え?」

 

「もしこれから先、トレーナーと別れて1人になった時、アンタはどうするの」

 

「何その質問…。急に重いんですけど」

 

「ま、アンタがどうしようがアタシがやることは変わんないけどね」

 

そう言って未来のシチーはトレーナーと腕を絡める。

 

「え"!?」

 

「はぁ!?意味わかんないんだけどアンタ!」

 

そう言って現代のシチーもトレーナーの腕に抱きつく。

 

「待って!!良い感じの雰囲気だったでしょ!だから頑張って空気になってたのに!」

 

「アタシはもう我慢しないってだけ。だから頑張って耐えなよトレーナー?」

 

「はぁ!?コイツはアタシのなんですけど!」

 

「だから仲良くしてっt ミシ あ、ダメだ。腕から鳴っちゃいけない音が聞こえる。離して!痛い痛い痛い!!」

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

「で、アンタ一体なんなの?」

 

買い物が終わり、トレーナーを送り届けた後、ゴールドシチーが2人いることを知られるのは面倒なので、外泊届を出して2人はホテルに泊まっていた。

 

夕食を食べ、夜が更けてきた頃、彼女は未来の自分に向かってその存在を問う。唐突すぎる質問に少し面を喰らった表情をした未来のシチーが、スッと真顔に戻った後に聞き返す。

 

「何が?」

 

「いや、普通に考えて未来から来たとかありえないから」

 

「そう言われてもね、アタシも本当に気がついたらこっちにきてたって感じだったし。」

 

彼女は軽く空を見上げながら、やれやれと言った感じで返事をする。

 

「それにさ、アンタのその歩き方何なの」

 

「…」

 

「バレないとでも思ってんの?アンタのその足、怪我したってだけじゃないでしょ。」

 

「なんだ、バレてたんだ…」

 

そう言って彼女は長めのソックスを脱ぎ始めた。その後シチーに入ってきた光景は信じられないものだった。

 

「…は?……なに…それ」

 

「義足。見たことくらいあるでしょ」

 

「それのことを聞いてんじゃない!どうしてそうなったって聞いてんの!!」

 

シチーは彼女の足についている義足を認めたくなくて、そんな現実を認めている自分に腹が立って大声をあげた。そうすると未来のシチーからは、さっきまでの飄々とした余裕のある態度が急に消え失せ、真剣な面持ちになりこう言った。

 

「…アタシの……せいなの…!」ポロポロ

 

「は?え?ちょ、ちょっと」

 

いきなり泣き出した彼女をシチーはなだめる。泣き出した彼女を見て、シチーは一旦冷静を取り戻した。彼女が落ち着いたのを見計らってシチーは不安を持ちながら彼女に質問する。

 

「…これからアタシに何が起きるの」

 

「それを話そうと思ってた。覚悟はいい?」

 

「…」コク

 

「わかった…」

 

そう言って彼女は自分に起きた過去を語り始めた。

 

_________________

 

 

「ケータイ失くすとかマジありえない!」

 

「ごめんって…」

 

「アタシの連絡も見てないとか…」

 

「本当にすまない…」

 

「ハァ…。でも、浮気じゃなくてよかった…」ボソ

 

「え?なんか言った?」

 

「別になんにも!!」

 

「えぇ…そんなに怒らないでくれよ…」

 

季節は12月のクリスマス。店のイルミネーションやちらほらと降る雪が、いつもの街を幻想的にしていた。

 

モデルの仕事が終わってからトレーナーに連絡を送って2時間経った後、ケータイを失くしていたトレーナーがようやく車で迎えに来てくれた。

 

本当は撮影が終わって暇だから来てほしいと、無理を言ったアタシが悪いことはわかってる。けど、アタシがこんなに言うのは2時間も返信がなかくて、トレーナーが浮気をしているんじゃないかと思ったからで、そうじゃないとわかった今は別にそんなに怒ってない。

 

アタシは怒った勢いにブレーキをかけれなくて、そのままの勢いでトレーナーに怒ってしまった。そのあと、安心で緩む口元を見られたくなくて、左手の肘を窓枠について窓の外を見るふりをして口元を隠す。

 

駅前に大きく飾られているクリスマスツリーを囲んで、カップル達が楽しそうに写真を撮っている。

 

 

アタシはまだトレーナーに好きと言えていなかった。告白してしまうと、この関係が壊れてしまいそうで、教え子以上恋人未満のこの関係が心地よくて、次に踏み出すのが怖かった。

 

(でももし、トレーナーが誰かに取られたら…)

 

そう考えるだけで胸が痛んだ。だからアタシは勇気を振り絞って窓の外を見たままトレーナーに話しかけた。

 

「アタシさ……好きな人……いるんだけど…」

 

「そっかー…。え!?!?嘘!?」

 

「マジ。」

 

「どんな人なんだ?」

 

「めっちゃ暑苦しくてうざい」

 

「それだけ聞くとあんま良いとこないぞその人…」

 

「でもさ、アタシが子どもなのに、その人はずっとアタシのこと見てくれたし、その人がいるからアタシはレースにも出られたし、自信もついて自分のことも好きになれた。」

 

「おぉ…めっちゃいい人じゃないか…」

 

アンタだよ!!なんでこんなに行っても気づかないわけ!?アタシは心の中で叫んだ。

 

「…アンタもそう思うんだ」

 

アタシは少し苛立ちを隠せずに、ぶっきらぼうに言い放つ。

 

「そりゃあ…だって今のシチーがいるのはその人のお陰なんだろ?そんな人がいたんならもっと早く言ってくれればよかったのに。」

 

言えるわけないじゃん!?心の中で2、3回トレーナーを殴る。

 

(あぁもう!こうなったら…意地でもアンタだって気付かせてやる…!)

 

緊張で全身に力がはいる。アタシは唾を飲み込み、意を決して深呼吸をして、窓の外を眺めながら何事もないように平然を装い喋り始める。

 

「そいつ不器用でさー、アタシがこんなにアピールしてんのに全然気付かないし、今じゃアタシの他に別のウマ娘とか担当してるし。ケータイはなくして、アタシからの連絡見てないし…」

 

「え。え……?それって…」

 

 

その時アタシは恥ずかしくて、トレーナーがどんな顔をしているか見れなかった。嬉しそうな顔をしてたのかな。もしかしたらテンパりまくって耳まで真っ赤だったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと見ておけばよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!シチー!危な_____」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に覚えているトレーナーの言葉はこれだった。その次に覚えているのは病院の天井。何が何だか分からなかったアタシに、病院の先生とマネジが一緒に入ってきた。

 

2人が言うにはアタシ達は飲酒運転をしている車と衝突したのだと言う。トレーナーは反対車線から飛び出してきた車を避けようと、ハンドルを左に切ったらしい。

 

その結果アタシの命は救われたが両足は無くなったと。

 

「…は?」

 

言われたことが理解できなかった。アタシは布団を勢いよく捲る。無い。太腿の半分より先の足がなかった。

 

アタシは現実を直視できずに暴れた。その様子を見た医者から鎮痛剤を投与され、アタシは意識を手放した。

 

 

次に目が覚めた時にはさっきの怒りは少しだけ鳴りを潜めていた。

 

 

もうモデルとして活動できないかもしれない。これから先、日常生活にも支障が出てくるかもしれない。なんて医者から言われたが、そんなことはどうでもよかった。そんなことよりも、アタシはふと気になったことを2人に問いただす。

 

「……トレーナーは…?」

 

「「…」」

 

2人は目を逸らして何も話そうとしない。

 

「トレーナーはどこって聞いてんの!!」

 

小さな病室にアタシの怒号が響き渡る。

 

なんとなく嫌な予感がしていた。その予感を払拭して欲しくて聞いたのに…。アタシのそんな不安な気持ちが顔にも出ていたのだろうか、その様子にマネジが重苦しそうに口を開く。

 

「あのね…シチー……トレーナーさんは今違う病室に…」

 

「っ!今すぐ連れてって!」

 

「でも今、彼の意識は…」

 

「いいから早く!!」

 

マネジが気が進まないながらも、アタシを車椅子に乗せて、トレーナーの病室へと連れて行ってくれた。そこにはトレーナーがたくさんの管や機械に繋がれていた。いつも元気すぎてうざいくらいのトレーナーが、見る影もなく、静かに眠っていた。

 

それを見た時アタシの視界は真っ白になった。トレーナーの顔さえ見えなくなって、延命のための機械の人工的な音だけがやけにうるさかったのを覚えている。

 

「…おそらく今夜あたりが峠だろうって…」

 

「っ! …ちょっとトレーナーと2人にして……」

 

「わかったわ…」

 

そう言うとマネジはアタシをトレーナーのそばに近づけて、病室からゆっくりと出ていった。

 

 

 

 

 

「アンタさぁ、何やってんの?アタシやマネジにこんなに迷惑かけてさ?目覚めたらゆるさないかんね?」

 

 

 

 

 

アタシはトレーナーの手を握り締める。いつもがっちりとして暑苦しいトレーナーの手は冷たくて。

 

 

 

 

 

「アタシが連れてけって言ったとこには絶対連れてってもらうから。あーあと、アタシからの呼び出しには絶対来ること。拒否権とかないから。」

 

 

 

 

 

返事はなく、握り返してもくれない。

 

 

 

 

「それから…」

 

 

 

 

アタシの声だけが聞こえる病室。アタシが喋らないと、点滴の音も聞こえてしまうんじゃないかと思うほどに、静かで、何もない白すぎる病室。その全てがアタシを1人だと嘲っているような気さえした。

 

 

 

 

「…死なないでよ………トレーナー…………」ポロポロ

 

 

 

 

 

 

 

 

________________

 

 

 

ピリリリリリ!ピリリリリリ!

 

勘に触るような甲高い音で叩き起こされる。アタシは知らない間に眠ってしまっていたらしい。

 

何か良くない音だというのはすぐにわかった。頭の血がサーッと引いていき、心臓が握りつぶされそうな勢いでキュッとしたのを覚えている。急いでナースコールを押してトレーナーの手をもう一度強く握りしめて彼を呼ぶ。

 

「ねぇ!トレーナー!お願いだから起きてよ!」

 

「シ………チ……」

 

その時トレーナーはうっすらと目が開いて、アタシの方を見た。目があってわかってしまった、彼の命はここで消えてしまうのだと。彼の焦点の合っていない目。掠れて聞こえにくい小さな声。熱血をそのまま人にしたような彼とは真反対の現状。

 

「トレーナー!」

 

アタシの顔は涙でぐちゃぐちゃになってたと思う。体の中の水分が全部出てるんじゃないかってくらいに、涙が溢れて止まらなかった。

 

「さ……ご……き……て…く………か……?」

 

彼の目と声、そして彼が必死に何かをアタシに伝えようとしていることがわかって、アタシは本当に最後なんだと実感した。だからアタシは黙ってゆっくり頷いてトレーナーの顔を見て、一言一句聞き漏らさないように全神経を集中させた。

 

「…キ……レ………だ………………チー………あ…い…………て……る…」 

 

そう言いってトレーナーは笑顔で息を引き取った。

 

 

「聞こえないよ……いつもみたいに、うざいくらいのデカい声で言ってくれないと…聞こえないよ………」ポロポロ

 

 

アタシは握ったままのトレーナーの手を離すことができなかった。今ここに彼はいるのに、彼はもういない。段々と熱がなくなっていく、弾力のあるゴムを握っているような嫌な感触は、今でも脳裏にこびりついて、忘れたくても忘れられない。

 

 

 

________________

 

 

 

 

それからのことはあんまり覚えていない。アタシの治療がひと段落した後、アタシは義足をつけてリハビリを開始した。幸い義足に慣れるまでそんなに時間はかからなかった。それに義足をしていても、長いソックスを上の方まで上げていれば見た目で義足だと判ることはなかった。

 

久しぶりに来た学園は何もかもが、色の抜けた違ったものに見えた。トレーナーと走っている時はあんなに鮮やかだったグラウンドの芝も、今ではくすんで見える。

 

学園はアタシには地獄だった。どこを見てもトレーナーのことを思い出す。校門、食堂、グラウンド、トレーナー室、学園の近くの河川敷までもが彼との思い出が詰まっている。そんな場所を通るたびに聞こえてくるアンタの声なんて、嫌いだ。

 

 

 

 

 

『シチー!!』

朝、寝坊せずに登校したアタシの顔を見たアンタの嬉しそうな声も。

 

 

 

 

 

 

『シ、シチー…?』

アタシが機嫌悪い時に、話しかけてくるアンタの情けない声も。

 

 

 

 

 

 

 

『シチー……』ムニャムニャ

トレーナー室で寝落ちして、寝言でアタシを呼ぶアンタの気の抜けた声も。

 

 

 

 

 

 

 

『シチー』

レースの直前、いつもと違う落ち着いた様子で話しかけてくるアンタの低い声も。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、忘れさせてくんないんだよ……」ポロポロ

 

 

 

 

 

全部、大嫌いだ。

 

 

 

 

 

_________________

 

 

 

 

学園でのアタシは抜け殻のようだった。レースのことを授業で先生が話していたら、トレーナーの声と被ってしまう。だからアタシは授業をほとんど聞いていなかった。

 

ふと授業中に窓の外を見た時に、トレーナーのコートがチラリと見えた。

 

「!」ダッ

 

「え?ちょっと!ゴールドシチーさん!?」

 

見えた時にはアタシは授業を抜け出して、慣れない義足で走り出していた。タチの悪い冗談であって欲しかった。すぐにネタバラシしなかったことも、アタシの足がなくなったことも、今回は全部許してあげるから。

 

アタシの顔を見て、ごめんっていつもみたいに泣きそうな顔をして、謝ってくれればそれでいいから。

 

「ちょっとアンタ!」

 

「え…私ですか…?」

 

「あ…」

 

わかっていた。そんなことは妄想に過ぎないって。そろそろ目を覚ました方がいいってことも。

 

それでもアタシはアンタのことを忘れられなかった。

 

「すみません…人違いでした…」

 

気まずくなって、そそくさとアタシはその場を後にした。途中で抜け出した教室に戻ることも、そのまま外を歩いているのも嫌で、何も見ないように下を向き続けて目的もなく歩いた。

 

何かを見たらトレーナーを思い出してしまいそうだったから。

 

雨なんて降っていないはずなのに、アタシの視界はぐらぐらと揺れていた。

 

どうしていつもあんな態度を取ってしまったんだろう。アイツのことをこんなに好きだとわかっていたら、おはよう、ありがとう、ごめんってもっとちゃんと言えばよかった。好きだって言えばよかった。

 

どうして最後までくだらないことしか言えなかったんだろう。

 

 

 

 

「あ…」

 

 

アタシは気がつけば三女神像の前にまで来ていた。空にはアタシの心の中みたいに、黒く分厚い雲がかかっていた。三女神の顔をマジマジと見つめていると、トレーナーの顔と言葉がビデオのように、アタシの頭の中にはっきりと浮かんできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『今の君はすごくキレイだ』

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何があっても君を走らせるって約束する』

 

 

「…めろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『キミの夢を届けにきた!』

 

「やめろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『君が走りたがってるってわかってたから』

 

 

「…やめて…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すっごくキレイだ!』

 

 

「っ!! やめろって言ってんでしょ!!」

 

誰にもいない空間に、女神像に向かって1人で涙を流しながら叫ぶアタシ。側から見れば完璧にやばいやつだと思われる。でもその時のアタシには、周りのことなんて考えている余裕なんてなかった。

 

 

「アタシの忘れたいこと思い出させて!アタシの大事な人を奪っておいて何が三女神だ!!ウマ娘の始祖だか神だかしんねーけど!そんなに偉い人ならアタシのトレーナーを返せよ!」ポロポロ

 

 

誰もアタシに返事を返さない。当たり前だ。だって誰もいないんだから。

 

「アタシ…何やってんだろ……」

 

一通り思っていることを吐き出せて、少しスッキリとしたアタシは、寮に帰ろうとした。その時、アタシの周りにポワポワとした光が漂って、アタシを取り囲み始めた。

 

「はぁ!?なんなのこれ!」

 

その光はどうやらアタシから出ているようで、振り払ってかき消そうとするけど、その光はアタシの手をすり抜けてアタシにはどうしようも出来なかった。

 

すると光が急に眩しく光って、アタシは目を瞑った。

 

 

 

____________

 

 

 

「そんで、次に目を開けたらこっちの世界に来てた…」

 

「……」

 

「これがアタシの未来で経験したこと。そして、これからアンタが体験するかもしれない未来。」

 

「……」

 

シチーは返す言葉がなかった。自分の未来がここまで悲惨な末路を辿ることを信じたくなかった。しかし、彼女の表情や声のトーンからして紛れもなく真実で、疑いようもなかった。

 

2人の間には静寂が訪れていた。部屋の空気は重く、陰うつとしていた。数分間、その沈黙が続いた後、その沈黙をはじめに未来のゴールドシチーが破った。

 

「アタシが今アンタに言えることは素直になれってことと、我慢すんなってこと。アンタのその、『関係が崩れたくない』ってくだらないわがままで、アンタは何もかも無くすことになんの」

 

「……」

 

「…ゴメン…きつい言い方だった」

 

「…いや、大丈夫…」

 

二人の間に再び気まずい沈黙が訪れる。未来のシチーは疲れたのか、いつのまにかベットに横になっていた。

 

現代のシチーもそれを見て、部屋の電気を消しベットに入る。しかし、ベットに横になってもなかなか眠れなかった。

 

シチーは未来の自分から言われたことをずっと考えていた。今の状況が心地よいこと、素直にならないといけないということ。全て未来の自分の言う通りだった。

 

(でも…そんな簡単にはいそうですかって変われるわけないじゃん…)

 

(トレーナーがいなくなるのは嫌、自分の足がなくなるのも嫌。……でも、アタシの気持ちを素直に伝えたところで、こんなめんどくさいアタシのこと、アイツは本当に好きなの?向こうのトレーナーはアタシのことが好きだったらしいけど、こっちのアイツがもし……)

 

 

シチーは頭までかけ布団をかぶり、彼女とは反対の方向を向いて寝ようとしたが、自分の将来辿るかもしれない未来を突きつけられ、不安や焦燥からあまり眠れなかった。

 

 

____________

 

「で、考えは決まったの?」

 

「………一応」

 

「そっか…」

 

朝、制服に着替えている二人の会話はこれだけだった。

 

………………………

 

 

「「…」」

 

現代のシチーのトレーニングのために学園へと向かう2人だったが、その間には気まずい空気が流れたままで、2人は口を開かなかった。

 

 

 

そのままトレーナー室へと到着し、コンコンとドアを2回ノックしてトレーナー室へと入る。

 

「お、来たな。2人ともおはよう!」

 

「…」

 

「ん」

 

「…シチー…?どうかしたのか…?」

 

「…別に」

 

「…昨日何かあったのか…?」

 

トレーナーは何かあったのかと思い、未来のシチーの方へと目線をやると、

 

「まぁ、色々ね…」

 

と、話をはぐらかされるだけだった。

 

「もし体調が悪いなら今日はやめとこうか?」

 

「…いや、大丈夫だから」

 

そう言って、シチーはずっと下を向いてトレーナーと目を合わさずにいた。

 

その言葉を最後にトレーナー室は静寂に包まれた。

 

その静寂を未来のシチーがハァと一つ息を吐いてから破った。

 

「ねぇ」

 

「ん?」

 

「アンタってさアタシのことどう思ってんの」

 

「…え?」

 

「はぁ!?ちょっとアンタ何言って__」

 

「いや、だからトレーナーはアタシのこと好きなのかって聞いてんだけど」

 

「えぇ!?ど、どうした急に!」

 

「もし、アンタもアタシのことが好きなら、こんなにめんどくさい奴なんてほっといて、アタシにしなよ。」

 

「シ、シチー?」

 

彼女は間髪入れずに続ける。

 

「アタシだったらトレーナーのしたいことなんでもしてあげるよ。だからさ、アタシのこと選びなよ」

 

「え、えっと…」

 

そう言ってトレーナーの腕を取ろうとした時、今まで何も言わなかったシチーがトレーナーの腕を掴み、大きな声でこう言い放った。

 

「コイツはアタシのだから!」

 

「えぇ!?ちょ、シチー!?」

 

大声でそう宣言したシチーの顔は真っ赤だった。

 

「うっさい!アタシがここまで言ったのに、アンタはアタシになんか言うことねぇのかよ!」

 

「でも、俺とシチーは教師と生徒の…」

 

「そんなこと今はいいから!」

 

「…好きです……」

 

「で!アタシが卒業したら!?」

 

「…結婚したいです」

 

「な…!何言ってんの!?」

 

シチーの顔はゆでたタコのように耳まで真っ赤だった。

 

「え!?だってシチーが言えって!」

 

「それはそうだけど!…その…付き合うとかって…思ってて…」

 

「あ…」

 

そうして2人はしばらく無言で見つめ合った後、大きな声で笑い出した。

 

「アンタってさほんとにアタシのこと好きすぎでしょ」アハハ

 

「でもそれはシチーもだろ?」アハハ

 

トレーナー室には2人の幸せそうな笑い声が響いていた。

 

それを見た未来のシチーはフッ…と少し笑うと、糸の切れた操り人形のように力なく倒れる。倒れた彼女から優しい光が一つ、また一つと蛍のように空に向かって登っていた。

 

「シチー!?」

 

「ちょ、ちょっと!」

 

トレーナーが彼女を優しく抱き抱えると、彼女の体の輪郭がぼやけて、トレーナーの手が彼女を通して透けて見えていた。彼女の体は優しい光に包まれ、体に重みがなく、吹けば飛ぶ綿毛のようだった。

 

「どうなってるんだ…!?」

 

「どうも何も…あたしは未来からきたから…。時間がきたって…ことじゃない…?あたしの存在は…ここで消えるって…こと…。」

 

彼女は苦しそうにそう答える。彼女は今にも消えてしまいそうなのを、根性だけで堪えているような状態だった。

 

「これだけ…アンタにも……言って…おかないとね…」

 

そう言って彼女は自分のストッキングを下ろして、両足を見せる。彼女の太ももにはなにかの留め具が巻き付けられていて、それが足の先についているものを止めていた。

 

「これって…!」

 

「…」

 

「ごめんねトレーナー…あんたがせっかく……アタシの走りを褒めてくれたのに…アタシ…もう何にも無くなっちゃった…!」

 

彼女の両足は義足だった。シチーは何も言わずに真剣な顔で2人のやりとりを見守っていた。

 

「トレーナーが死んで…もう2度と…会えないと思ってた…なのに…もう一度…アンタに会えた…それだけでもう…何もいらない…」ポロポロ

 

「っ!!」

 

彼女から初めて聞いた本当の未来の話。トレーナーは驚き、言葉を失っていた。

 

「嘘ついて…ごめん…。アタシ…もう何もないの…だからさ……そんな顔しないでよトレーナー…アンタが好きだったゴールドシチーは…もういないんだよ……」

 

最後まで泣きながら悲しそうな笑顔を浮かべる彼女。その笑顔は儚げで美しく、心からのものではなかった。自分を蔑み、軽んじ、虐げてせめて彼らが悲しまないようにとしているようだった。

 

「何言ってるんだよ!」

 

だが、彼はそんなことは望まない。彼女の手を強く握りしめ、思いの丈を彼女にぶつける。

 

「足がなくなって走れなくなっても!キミのその美貌が失われても!シチーはシチーなんだよ!俺の大好きなゴールドシチーなんだよ!」ポロポロ

 

「…っ!」

 

「すぐ他の子に嫉妬するようなめんどくさいところも!自分は子どもだって理解してるのに、それを直せない不器用なところも!レースのためにモデル業に支障が出るくらい頑張る努力家なところも!全部大好きなんだ!!

 

足がなくなったからなんだ!足がなくなったなら俺が代わりに背負ってやる!シチーが何もかも無くなっても、俺の中にはシチーと作り上げてきた全てがあるんだ!シチーが自分のことを嫌いになっても、俺はずっとシチーのことが大好きだ!!」ボロボロ

 

ボロボロと涙を流しながら、彼女の手を握りしめて彼女に自分の思いの丈を伝えるトレーナー。それを聞いた彼女は少し泣きそうな顔をした後、優しく微笑んだ。

 

「……っ!……うっざ…アンタもその暑苦しいところも……いい加減…治しなよ……」

 

彼女は涙を流しながら少し笑った。憑き物がとれたように優しく微笑む彼女の笑顔を見て、2人は彼女がこちらに来てから初めて心の底から笑った気がした。

 

 

「最後に……聞かせて…アタシって…アンタから見て…どう思う…?」

 

「あぁ!キレイだよ!すごくキレイだ!ゴールドシチー!!」ポロポロ

 

「ふふ…うっさ………声…デカすぎ…。ねぇ…アタシ…」

 

「…なに?」

 

「トレーナーのこと……頼むわ……」

 

そう言って彼女は笑顔で消えていった。彼女だったものは光の粒子となり、空へと吸い込まれていった。

 

「…うん、わかってる。任せて」

 

シチーは彼女が消えていった空を見据えて真っ直ぐに返事をした。

 

 

 

 

______________

 

 

「…んぅ?」

 

アタシは見たこともない花に囲まれた場所で目が覚めた。

 

「ここ…どこ?………あぁそっか…アタシあの後、急に力が抜けて……。そう言うことね……」

 

自分の状況を整理しているうちに自分がどこにいるかを理解できた。

 

「あーあ…せっかくトレーナーに会えたのに……。…結局、過去の世界のアイツにも、元の世界のアイツにもアタシは何にも言えなかったな…」

 

アタシは何も知らない場所で独りでぽつんと立っていた。見渡す限りに見たこともない黄金色の花が咲いていて、近くには綺麗な小川が流れていた。

 

「…ま、過去のアイツから聞きたいこと聞けたし、よしとするか…」

 

そうつぶやいて、仕方ないと自分を納得させて、道なき道を歩き出そうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シチー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後ろから懐かしい声が聞こえた。アタシを呼ぶ、大きく、暑苦しく、ウザい声が聞こえた。

 

「…!」

 

その声を聞いた瞬間、アタシの足は止まって、アタシの目からは大粒の涙がボロボロと出てきた。そのせいでアタシの視界は振り向く前にもうすでに涙で覆われて、前がほとんど見えなかった。

 

溢れ出る涙を両手で拭って、アイツに見せないように必死に堪えて振り返る。そこには見慣れた姿のアイツがいた。アイツは笑顔でこっちに向かって、手をちぎれるんじゃないかってぐらいにブンブンと振っていた。ハァ…ここまで来て何にも変わってないじゃん…。アンタってほんとに…

 

「アタシのこと好きすぎでしょ…」

 

 

そう言って彼女は笑った。涙が一筋頬をつたい、今までで1番の笑顔で笑った。そして彼女は彼と2人で歩き始めた。

 

 

「ねぇトレーナー」

 

「? どうしたシチー?」

 

アタシの口は前より素直になっていた。

 

「暑苦しくて、ウザくて、優しいアンタが好き」

 

 

 

 

 

fin

 



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