いつも楽しみにご覧頂いてる皆様。
最近の更新が遅れている事申し訳ないです。
プライベートで肉体的に精神的に疲れが溜まっておりまして言い訳でしかないのですがこの状態で執筆すると大変なことになるかと思いまして抑えておりました。
前話も本来はもっとしっかり構成していきたかったのですがこれ以上伸ばせないと判断して投稿しました。
今日からまた復活出来ますので更新は早くなると思います。
またご覧いただけたら嬉しいです。
朝起きると昨日と違った朝だとわかる。
僕には明日がある。そんな当たり前が違うんだって昨日思った。
多分、トワの言葉がなかったら僕はこの屋敷から出て行ったと思う。
そして取り返しのつかないことになっていたんだろう。
もう自分がどうすれぼいいのか分からないから。
怖かった。ただ人を殺めたことが受け入れることができなかった。
黒歌と白音の傍にいていいのか?心から笑えるのか?家族と呼んでいいのか?2人は僕の事を愛してくれるだろうか?
その答えを聞いてもし拒絶されたら僕はどうなっていたのか分からない。
聞こえる怨念、手に染みた血の色。全てがあの何もなかった自分に戻ってしまいそうだった。
でも今日は暗くて黒くてどろどろしたものが薄くなっている。だけれども、決して忘れてはいけない、これは痛みで教訓なんだから。
一緒にトワが答えを見つけるって言ってくれたんだからきちんと向き合う。
大丈夫。大丈夫。自分に言い聞かせる。
横を見るとすやすやとトワが寝ている。その姿を見て心がより落ち着いていく感覚がある。
ほんとに僕は一人では生きていけないな。
「トワ、ねぇ起きて?」
黒歌と白音が居なくて寂しくてトワを抱きしめる。
二人とは違ってなんていうか大人って感じだ。
黒歌と白音のような陽だまり匂いというより熟れた果実のような甘い不思議な匂い。
でもこのトワの匂いも好き。
「わっ!なんだ宝刀なのね。
ビックリしたわ。急に身体が包まれるんだから。
宝刀は甘えん坊さんね。」
そう言いながらトワは体を伸ばす。
体を伸ばしことにより主張される大きな胸に自然と目を向けてしまう。気まずくなって宝刀はトワの姿を改めて見た。
宝刀に近い白銀の髪色にボブのショートヘアーの髪型、切長の綺麗な瞳、艶やかな唇、口元にあるホクロが色気を感じる。なんというか本当に人形のように綺麗だなと思った。
完璧な美が目の前にある。
「どうしたの?そんなジット私を見て?」
キョトンとするトワ。
「トワが綺麗だなって思って。
ずっと見てたいくらい綺麗。」
宝刀はトワをジットみる。
「ほんとに君は、、。女の子殺しね。
でも君の顔を見て分かるけどそれ心から言ってるから何も言えないのよね、、。」
はぁ〜とため息をつかれた。
なんとなく話を変えなくては感じて宝刀は違う話題にする。
「ねぇトワ。昨日、僕も悪い部分があるけど、この屋敷にいる男の子に怒鳴られて殴りかけられたんだけど謝った方がいい?」
基本的に他人への配慮が欠けているとは宝刀自身気付いてはいるが、流石に昨日の件は自分も無視したことが悪かった。
どうしても、現実世界で言えば黒歌や白音の2人で基本的には完結している宝刀のコミュニティである。昨日からトワも含まれたら3人になったけど人を信用出来ないのは変わりはない。
この人なら大丈夫と感覚というより伝わってくる。相手に悪感情があるかどうかが理解出来てしまう。
逆撫を手に取る頃からより強く感じる。
あの時の男の子に悪感情があったがそれとは別に何か感じるものがあったから気になってしまう。
トワも男の子と宝刀のやり取りを隠れて密かに見ていたからアドバイスをする。
「昨日の男の子はサルネ。
彼はこの屋敷で1番の古株の子なの。
だから人一倍この屋敷に思い入れがある。
この屋敷はね守られているけど他の勢力から狙われてる所なの。
なんせ神器持ちの子もたくさん居る。中には特別な神をも殺すといわれる強力なものまでね。
ここを貸してくれている悪魔様も公言は出来ない。なんたって神器持ちの子や訳ありの子たちばかりで疎まれてきたから居場所をくれた悪魔様に感謝してるし仕えたくなるでしょう。だから将来的には強力な戦力となる。
他の悪魔たちからしても一悪魔に戦力が付くのは良くないの。
だからサルネはね、もしもの時の為にこの屋敷を守る為に力をつけたいのよ。襲撃された時に屋敷の子供たちを守る力をね。
そして貴方が戦うことを良しとは思わなかったんでしょう。貴方の代わりに刀を握って貴方も一緒に守ろうとしようとした結果があの発言や行動なの。
本当に不器用なんだけどいい子なのよ。
だから一度ゆっくり話してみて頂戴。」
宝刀はそれを聞いてなんとも言えない顔をした。
僕も不器用な方だと思うし突端な行動を取ってしまう。サルネと僕は似た者同士な気がしてきた。
「うん。もう一度サルネと話してみる。
なんだか大丈夫な気がする。多分だけど。」
宝刀はトワにもう一度抱きついてサルネを探しに部屋から出ていった。
トワは宝刀の後ろ姿を見ながらちょっとだけ嫉妬した。自分からコミュニケーションを取るように促したが自分以外に宝刀が誰かと仲良くすることが嫌だと思ってしまう。
「私ってこんなに独占欲強いのね。」
自分の知らなかった一面に笑ってしまう。
宝刀と別れたトワは屋敷を管理する者たちと会議を開いた。
これからのことを伝えなくては。
「おはよう。みなさん。
まずは宝刀のことを改めて情報共有するわ。
彼と出会ったのはいつもの通りに未来視の魔眼によるものよ。
その時に宝刀は左腕の火傷、毒に侵されている状態だったわ。その怪我を負った理由は家族を悪魔から助ける為に一人で上級悪魔と眷属と交戦して殲滅したらしいわ。」
悪魔の殲滅した部分で管理者たちからざわざわとする。
トワは続ける。
「確かに皆が不安がるのはわかるわ。
でもね、宝刀は家族を害する存在を殺めたことに心を痛めて発狂して自傷行為を起こした。
自分は悪だと、何もない自分だから家族に手を汚させないように自分の心を殺してでも助けようとしたのよ。
そんな彼を優しいと言わずに何というの?」
管理者たちも先ほどの慌てようが落ち着き、宝刀への認識が少し変化したように感じる。
「宝刀君の精神状態は大丈夫ですか?
昨日の取り乱し方は異常ですし。あんな幼い子が今にでも潰れてしまい消えてしまいそうでした。」
昨日の一部始終を見た者が言った。
「それならなんとか大丈夫よ。日数が経つと修復は無理でしょうからなんとか昨日話をしたわ。
多分だけど昨日じゃなかったら宝刀はここを出て行っていた。
そんな覚悟の顔をしてたし実際に昨日の会話のやり取りでもそう確信してる。
自分は人殺しを平然と行う化け物と思い、ここにいるとみんなを傷つけると思ったのよ。
宝刀は許しや贖罪を求めていた。だから私が楔となることを伝えて一緒に罪を分かち合うわ。」
管理者たちはトワの最後の含みある言葉に違和感を感じ少し首を傾げる。
トワが1人に対してここまで執着するのは珍しい。
「最後にもう一つ伝えたいことがあるわ。
私が何故この安寧の理想郷を設立したかは分かってるわよね?」
「えぇ。ずっと探している子供がいると。
見つける為に未来視を使って浮かんだ子供を救っているんですからね。
その副産物として保護した子供たちを匿っていたトワさんに感化された悪魔様がこの屋敷を提供してくださっているのが今の安寧の理想郷ですからね。
ということはまさか、、。」
「ええ。薄々分かってるとは思うけどね。
その探し人が宝刀よ。やっと見つけたわ。」
先ほどよりもざわざわと再び騒つく。
トワが言ったことを理解出来なかった。ずっと探していた存在がいつの間にか見つかっていたから。
騒つきが収まりそして次々と賛辞が送られる。
管理者たちは知っている。どれだけトワが探し求めてたかを。
「みんなのお陰でやっと見つけたの。
これ程嬉しいことはないわ。
だからこれからは宝刀にずっと寄り添って一緒に居続けたいと思ってる。
これは昔から決めていた決定事項よ。」
トワは嬉しそうに話す。
「それはよかったです。
ずっと探していましたしね。私も嬉しいです。
ですが、、。トワさん貴方の身体はもう、、。」
管理者の1人が悲しげに言った。
「確かに未来の魔眼のことは神器と違い突然変異と呼べる能力。そして未来視の魔眼には代償として使えば使うほど生命の根源が削られていく。多分、私は宝刀が20歳になるまで生きてるかどうかかもね。
目の方はあと何年持つかしら。
本当に不便な異能よ。何万年も生きれる私ですらこの状態なんだから。」
寂しげに笑うトワ。
さっきまでの明るい雰囲気が一瞬でお通夜になる。
みんな代償のことは知っていた。
何度も使用頻度を抑えるように言ってはいたがここまでトワの身体がボロボロになっていることは知らなかった。
「だから時間がないの。そして、ごめん。
私はもう子供たち保護したり一緒に生活する場合じゃなくなった。
この世にまだ助けを求める子が居るのは分かる。だって未来視での選択肢が留まることなんてないのだからね。
でも、私はこの異能を探し人である宝刀の為にしか今までも使ってこなかった。
その副産物が今の安寧の理想郷。
自分から手放すことは白状かもしれない、勝手に救っておいてほっとくこと、救える命を見捨てるのだから。
それでもね、私は天使じゃなくて堕天使。
悪には悪の救いがあってもいいのよ!
私の救いは全てが宝刀だったってこと。
だからこれからはずっと宝刀と過ごしていく。
私の全てが宝刀のように宝刀の全ては私よ。」
トワは心からの叫びを告げた。
ずっと宝刀の為に探す為だけにこの力を使ってきた。そしてもうじき目が見えなくなることは逃れられない。
なら少しでも宝刀の成長を見ていたい。笑った顔や怒った顔、泣いた顔、色んな姿を記憶や目に全てを焼き付けたい。
だから宝刀以外を切り捨てる。
もう執着を超えていると自分でも思う。何故たった1人の少年に固執しているかわからない。でもトワの心は宝刀をずっと欲していた。
必死なトワの姿をみた管理者たちは何も言えなかった。いや言えるわけない。
確かに急に子供たちの捜索を中断することや屋敷に居る子供たちから距離を置くことを本来は許してはいけない。
でもトワの今までの行動全ては宝刀君の為だ。ずっとずっとそれだけの願いを叶えるためにいた。
この屋敷自体トワの意志というより屋敷の主の悪魔様や私たち管理者たちがお願いしたことにより成り立っている。
「わかりました。
思う存分に宝刀君を愛してあげてください。
彼もそれを願っているでしょうしね。
でも、時にはここに遊びに来てくださいね。
宝刀君の遊び姿が観れるかもしれませんよ?」
少しでもこの屋敷に来てくれるように誘導する。
なんせトワはこの屋敷に住む子供たちの救世主なんだから。
みんなトワが大好きだから。
「みんな、ありがとう。
突然の事なのに本当にありがとう。」
トワは涙ぐみながらも伝えた。
会議はそこからトワの離脱を含めて2時間ほど掛かりこれからの安寧の理想郷としてどうしていくかと話し合った。
一番はやはりトワの存在が無くなることだ。
トワの堕天使としての影響力は大きい。
未来視の魔眼は勿論だが、実はトワは堕天使としての戦闘力としても凄まじい。
なんせ何年も子供たちの窮地を救ってきた。その中には上級悪魔や堕天使との戦闘も幾度となく行ってきたが、トワが怪我をして帰ってくることなど一度もない。それほどまでに戦闘力があり、元いた堕天使陣営の時にも幹部に連なったいたそうだ。
だからこそ、トワの存在は安寧の理想郷を狙う存在たちへの抑止力としては大きかった。
いちよう一週間に一度だけ宝刀を連れて屋敷へ寄ることを決定事項としてまた追々に議論を進めていく事にした。
会議が終わり宝刀を探しにトワは庭に行った。
そこには刀の振り方を教えている宝刀と教わっているサルネがいる。
遠くから見てもわかるけど仲直り出来たみたいだ。
周りには子供たちがキラキラした目で宝刀を見ている子や、刀を振るう宝刀を見て頬を赤らめてうっとりしてる子などとても今までの宝刀の生活ではあり得ない一コマがあった。
「むむ、宝刀は人を惹きつける能力は凄いわね。
まぁあれ程の異質さは人を惑わし虜にするものだしね。
女の子もあんなに頬を染めちゃって。
でも譲ってあげない。」
トワは独り言を呟きそっとその場から離れる。
今は譲ってあげるけどこれからは私の宝刀だから。
トワは複雑な気持ちになりながら普段は誰にも入室する事を許さない自室へ入る。
その部屋はさっきまでの素敵な一コマとはかけ離れた部屋であった。
トワの部屋には薬品の匂いで満たされている。そこには沢山のビンに薬品が詰められていた。
それはトワにとって欠かせない命を繋ぐ薬が入っている。
様々な効果のある薬草や研究で体に良いといわれる物の集大成を少しでも長生き出来る様に調合した努力の結晶であった。
それを少し飲んで椅子に座る。
少し身体を休めていると目から血が流れ落ちた。
「やっぱり目の進行はまずいわね。
あと何回か魔眼を使うとほとんど見えなくなってしまうわ。」
目からの血を拭き取りタオルをゴミ箱に捨てる。
そこには血がついた布が山のようにあった。
「私が堕天使で良かったわ。
人間だったらとっくに目は失明してたし身体が持たずに逝ってたわ。
宝刀の顔が見ることのできる段階で再会で本当によかった。
大好きよ。宝刀。」
少しブルーな気持ちになってしまったトワは宝刀に慰めて欲しいと思い再び探しに部屋を出た。
するとトワの部屋近くから宝刀が現れる。
「あら?宝刀はこんな所でどうしたの?」
ここは特に何かある訳ではない。
「ここに住む人にトワの場所聞いたらここにあるだろうって言っていたから。
あの、、トワに会いたいなって、ダメだった?」
身長的に上目遣いにトワをみる。
トワは鼻を押さえた。さっき血を止めたのに宝刀の愛しさや可愛さで鼻血が出そうになってしまう。
そして何より自分も会いたいと思った時に宝刀も私に会いたいと思ってくれたことが以心伝心みたいで嬉しい。
「私もあなたに会いたかったのよ。
なら宝刀の部屋で色々お話しをしましょ?」
トワは宝刀の小さな手を取り宝刀の部屋へ歩き出す。
部屋に着いてから今日の事を聞いた。
「今日はね、サルネと昨日のことを話をしてお互いの誤解が解けたんだ。
僕は2人の為。サルネは屋敷の家族の為。
お互い守りたい物があるからか分からないけど話がすんなりだよ。
彼は良い子だね。僕とは違う根っからの主人公みたいで真っ直ぐで裏表のない子だよ。
刀の使い方や身体の動かし方なんかを教えてくれって言ったから今日は色々教えてあげたんだ。」
笑いながら話す宝刀を慈愛の瞳でトワは眺めた。
サルネが宝刀を女の子と誤解していて若干惚れかけていたらしくて男だと知って膝から崩れ落ちたことや刀を振るう度に子供たちの自分を見る目がキラキラしてちょっと恥ずかしかったことなど身振り手振りで一生懸命に伝えようとする姿が堪らなく素敵だった。
でもトワは少し怖くなってしまった。もしかしたら宝刀は私との時間よりも屋敷の子供たちと一緒に居たいのではないかと。
まだ喋り足りないのか話している宝刀に恐る恐るトワは問いかけた。
「宝刀はさ、この屋敷から離れて私と一緒に過ごすって言ったら嫌かな?」
少し声が震えながらも聞いてしまった。
「ここから離れるの?大丈夫だよ。
トワが居てくれるなら嬉しいから。ずっと一緒に僕と居てくれるんでしょ?
確かに今日で打ち解けた子達は居るけどトワと2人の方が僕は居心地が良いんだよ。」
即答で答える宝刀。
トワはその答えが嬉しかった。宝刀を抱きしめてありがとうと伝える。
「明日から私の家へ少し遠くに移って過ごすわ。
ずっとずっと一緒よ。宝刀の全てが大好き。」
宝刀はトワのいつもと違う雰囲気を感じ取った。なんというか焦りや不安など凛としたトワにはない感情が流れてくる。
「トワ。いつかは話してね。
僕は待ってるからさ、どんな事でも僕はトワを嫌いにならないしトワが苦しんでるなら僕も一緒に解決出来る様にするからさ。
僕はトワを救たんだよ?悪にも救いがある。
それならさ、悪には悪なりに愛としい人への救い方もあるんだよ?」
笑いながら宝刀は伝える。
「宝刀は本当にズルいわ。そんな言葉を今のタイミングで言ってくるなんて女たらし極まれりね。
どんどん宝刀から離れなくなりそうよ。
もう少し落ち着いたら話すから待っててね。」
2人はお互いの体温を分かち合うように抱きしめ合い時間を過ごす。
ずっとこの時間が続けばと願いながら。
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