いつも楽しみにしてくださっている読者の皆様
遅くなり誠に申し訳なくおもってます!
話の展開などでどう進めて良いのか分からなくなり何度も修正してはの日々でした。
駄文なりに頑張っていきますので見捨てずにどうかこれからも温かい目でご覧ください。
どうぞよしなに。
これはトワ・ヴァレイの物語である。
その少女の過去はずっと1人ぼっちだった。
忌み嫌われての1人ではなく精神的な1人ぼっち。
いつ生まれたかすら忘れてしまったが幼い天使だった頃から自分は鳥籠の中に居るみたいだった。
未来を見る魔眼を持って生まれたイレギュラー。
『星読みの規格外』
その異名が自由に空を飛べる天使の羽を鎖で縛ったかのように動けなくさせる。
ただの天使には宿すことのない魔眼。それも未来視を司るものであり条件はあるが必ず見たいものを起こることを明確に見ることのできる力はイレギュラーであった。
1人ぼっちだったとは言うが、天使たちから気味が悪いと敬遠されることはない。彼ら彼女らは天使の名の通り優しさや慈愛が深い。
でも生まれた時から宿す未来視という神に連なることすら出来る異能はあまりにも破格すぎた。
魔眼の使用による代償を鑑みて数年に一度の星読みの儀式もしくわ緊急事態などの発生に際してのみ力を解放するが、そのたった一回でも効果は絶大であった。
幾度となく悪魔、堕天使からの進行を事前の未来視で防いできた。
天使たちは奇跡が起きる度に崇拝、羨望、憧憬、畏怖など様々な視線を幼い少女へ向ける。
誰も自分を1人の天使とは見てくれない。
太古から生きる天使が、自分より強い天使が、老若男女の天使たちが自分の顔を伺い下手に出る姿は幼かったトワにはあまりにも不気味な世界だった。
自分は天使を導く存在だと自惚れることが出来たら良かったのだろうがトワはそうではなかった。
一緒の目線に立って欲しい、悪い事をしたら怒って欲しい、もっと普通の天使として接して欲しい。
自分はただの幼い天使であり、ただのトワ・ヴァレイであり、ただの女の子なんだと叫びたかった。
一度でもいいから甘い恋をしてみたい。
自分の事を色眼鏡で見る事なくただの女の子として可愛いって言ってくて自分のありのままを受け入れてくれるそんな人を。
だがそんなちっぽけな願望は叶うことない。世界は平等を許す事なくトワは所謂天才であった。
魔眼を持っていながら天使としての潜在能力は群を抜いていた。一を知れば十をも超えて知るを体現するかのように何でも吸収する才。それに驕らず努力もしてしまう生真面目さ。柔軟な天才的な思考に絶世の美女と呼べる容姿端麗さ。
全てを持って生まれてしまった化け物。
気がつけば四大熾天使とほぼ同格のような扱いになっていた。もう気がつけば気軽に話してくれる存在は居ない。
四大熾天使は天使陣営の四天王と呼べる存在であり聖書の神を頂点とするならNo.2のようなもの。なりたくてなった訳ではないのに、、。
だけども天使を嫌うことは出来なかった。自分を大切にしようとする気持ちはとても強く感じてるから。天使の性かは分からないが命の大切さを知るトワは優しい少女であった。
世界は無情にも優しい少女に試練を課した。
全てを変えたのはある年の星読みの儀式と称された未来視を使用する日から始まる。
その星読みの儀式で見てしまった未来は悪魔、堕天使、天使の三つ巴の戦争、そしてニ天龍による介入で混沌を極めることになる未来であった。
戦争の始まりもトワからすればくだらないこと。魔王と呼ばれる悪魔が堕天使との小競り合いで死亡した事により悪魔側が面子を建てる為に全面戦争に強行したことが原因であった。
そんなものの為に罪もない善良な悪魔、堕天使、天使のたちがひたすら死ぬ未来を知ってしまう。
幾万もの命が絶え泣き崩れる者、下半身がはじけ飛んでいる死体に向かって必死に回復行為を行う者、恋人を庇い守り死にゆく者、死屍累々の世界を見てしまった。
その中にはトワを敬いながらも良くしてくる者や最近子供が産まれた者も居る。
確かに1人の統治者の死は痛ましいことだが負の連鎖を止めずに関係のない命を散らす事になんの意味があるのだろうか?
だからトワは全てを伝えた。
これから起きる戦争の無意味さを必死に伝えた。だが聖書の神の答えは戦争の肯定であった。
今までの悪魔の横暴、堕天使の所業を考えこの戦争が起こることを事前に既知としたアドバンテージをもって悪魔・堕天使に終止符を打つ決定事項と。
トワは抗おうとした。何度も聖書の神に訴え四大熾天使、権力ある全てものに何度も何度も訴えた。
命の重さは誰しもが平等であり不平等な理由で失って良いものではない。
だがそれは1人の天使だけではあまりにもちっぽけな言葉であった。
そして観測通りの戦争が始まった。
そこから多くの者が知るように戦争が起き全勢力が命を摘みあうこととなる。トワも自分の持つ圧倒的な力を奮い命を取らない程度で次々と戦闘不能にしていく。せめてでもこの戦争の無意味さを知るものを多く残せるように。
だが遂にニ天龍がやってくる。ニ天龍は聖書の神ですら想像をも超える力でありトワでさえも傷つけることが精一杯であった。
《天災》という言葉がこれほどまでに似合う存在は居ないだろう。
悪魔・天使・堕天使の共闘を行わない限り全滅するのは自分達である為に三つ巴は全力で協力したが殆どが傷すらつけることができず惨めなものだった。
結末は全勢力が満身創痍となりどうにか聖書の神の命と引き換えにニ天龍を神器に封じ込めるという形で幕を終えた。
誰も得をしない戦争が終わりを告げて只々これから未来ある命が消えた事だけが皆の心に刻まれた。
それから数日の時が経ちトワは戦場と化していた場所に居た。そこにはまだ弔われることなく夥しい息のすることない骸が転がっている。
自然と涙が出た。
もっと自分が頑張ればもっと自分に力があればもっと必死になれば、、
もっともっともっともっと、、、。
後悔という言葉の真の意味を知ってしまった。
戦地を歩いているとパキッと音が聞こえる。足元を見ると誰かのロケットペンダントだった。
そこには幸せそうな家族の写真があり生まれたばかりであろう赤ん坊が笑っている。
もう一度戦地をぐるりと見渡した。この幾万の数だけ家族を持つ命があり幾万の命の帰りを待つ家族がいると思うと膝から崩れ落ちてしまう。
心が折れた音がした。
トワの穢れを知らぬ壮麗純白な天使の羽は黒く暗く闇をも喰らうほど漆黒に染まりその日をもってトワ・ヴァレイという天使は堕天使と成った。
そこからの記憶は曖昧で多分いろんな土地をふらふらしていたんだと思う。
堕天使に堕ちてしまったことで天使陣営には戻ることも出来ない。流石にいくら天使への貢献があっても堕ちてしまったのだから歓迎されることはないだろう。
だが堕天使陣営に助けを求めることは心が受け付けることなく今までの鳥籠に仕舞われていた反抗心か好奇心かは分からないが鳥籠から解き放たれた鳥のように空を羽ばたいた。
ついでに甘い淡い恋なんてものを一度くらい経験してみたいと思いながら。
幾百年もの時が流れて気が付けば容姿も幼さが完全になくなり大人の色気を醸す程に成熟した。
あの戦争で感じた後悔や自分の無力さも同じ過ちを繰り返さないように決意して放浪する中で自分の異能や堕天使としての力を自己流として極限まで高めることは忘れることはなかった。そのおかげで少しづつだが自分の中での落とし所を見つけ心としても成熟する。
何年経ったか分からないが放浪しても運命の出会いはなかった。トワは全てにおいて才能、容姿、頭脳において完璧過ぎていた。だから近寄り難く何処に行っても尊敬や崇拝の対象となってしまう。
それがトワの心をより寂しくさせる。
そんな日々の中でいつものように鍛錬をしていると10人もの堕天使の集団が近づいてきた。
その一団を警戒しているとリーダーである堕天使が名乗り出た。
リーダーは自分は堕天使総督と言った。そして引き連れているのは幹部であり強いらしい。
トワは驚くしかない。目の前には堕天使のトップを担っている存在がいる。
堕天使のトップがこんな辺鄙な場所に観光地目当てで幹部を複数連れて来るなどアホを極めてないだろうから狙いは自分であることを悟りより警戒心を強めた。
警戒心を剥き出しにするトワに堕天使総督は慌てて交戦する意思はないことと出来れば話し合いたいことがあると伝えてきた。
トワは警戒をしながらも話し合いに応じる事を伝え自分の住まう山に造った家へと向かう。
堕天使総督はトワの住まう家に着き落ち着いた中で大まかに戦争の後始末のことを教えくれた。
トワが放浪している間に悪魔・堕天使・天使で様々な事柄が起きていたらしい。
悪魔は《悪魔の駒》というものを作成して悪魔でない種族を擬似的に悪魔に改変して減った種族数を増やしていること。
だが無理矢理な場合もあり全ての者が幸せになっていないらしい。
天使は聖書の神が殉職したことにより混沌を極めて神を信じる信者たちの離反を恐れて神の不在を伝えることが出来ず蔑ろにしていること。
堕天使は突如神器を宿す者を捜索しているそうだ。
悪さに使う者には罰を与え、力を怖がる者には保護し力の制御をする役割を行っていること。
神器に関しては堕天使総督個人として興味があるらしく解析していずれは不本意に神器を宿した人間から神器を切り離して日常へ戻すことを目標として活動しているなど教えてくれた。
堕天使総督は一度口を閉ざし場の雰囲気を整えて本題を伝えた。
天使時代から四大熾天使と同格であるトワの名は堕天使陣営に轟いており先の大戦争でトワの圧倒的な戦闘力の高さ、敵を殺めることなく戦闘不能にするだけに止める良心を鑑みてぜひとも仲間になって欲しいと。
トワは特段悩むことなく仲間になることを了承する。一人で居ることも疲れたし堕天使総督の目標も悪くないと感じたから。
堕天使陣営に仲間入りしてからは今までの自由気ままな生活とは180度逆転の生活となった。そう社畜のような日々になってしまった。
何故か加入当時から幹部扱いであり執務室を用意されそこには毎日自分の背丈を超える書類の山が築いてある。いきなりの激務過ぎて憤り総督に詰め寄ってもいつの間にか話を逸らされて気がつけば書類を捌いてる自分がいた。
奔放な堕天使総督にヘイトを書類のように高く募らせながら毎日を過ごしていくうちにトワにもストレスを溜める。
だがストレスに関しては毎日嫌みたらしく突っかかってくる戦闘狂の奴が居るのでわざと煽って一方的にコテンパンにしてはストレスを解消している。サンドバッグに最適な奴がいるここに関してはいい職場だと思う。名はコカなんとからしいけど覚えるつもりはない。
最近は大まかに執務室で書類を裁き部下となったものにも稽古をつける毎日を過ごしている。
最初は突然の幹部となったトワに疑心の塊であったがトワの真面目さや柔軟な思考で働き方の改革を行い、戦闘力の高さをもって分かりやすく稽古をつけてくれるなど理想の上司を体現してくれたことでトワ一味の団結力はえぐいことになっている。
堕天使陣営の幹部としても慣れてきたてふと思うが天使だった頃よりも居心地がいいことに気がついた。
なんだかんだ気さくな堕天使総督に意外と堕天使に思えないほど真面目な幹部が居て、突っかかってくるが崇拝や尊敬の念を見せない奴などトワにはありがたいの一言である。
今日もいつものように書類を裁く。
だがこの状況に甘んじ真実から目を背けることは世界は許すことはなかった。