ようこそ 逆さまの世界へ   作:User3580

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第六話 月日が経つのは早いですよね?

 

朝起きていつものやりとりをする。

ルーティンとかしている2人を抱きしめるところから宝刀の日常は始まる。

歯を磨き、朝風呂に一緒に入り、ご飯を作って一緒にたべる。

 

 

ご飯を食べていると白音が昨日とまた宝刀が一段と雰囲気が変わっていることに気付く。

「あの宝刀 何かありましたか?

 なんていうか カッコイイです。

 雰囲気が研鑽されてるというか」

 

率直な感想が嬉しくてつい照れる宝刀。

照れた宝刀が可愛くて自分も照れる白音。

ううん。おほん!と2人の世界を壊す黒歌。

 

「それ私も思ったにゃ。

 日が経つごとに宝刀が違うから面白いにゃ」

 

まさかの面白判定を喰らってしまった。

 

昨日、神器の精神世界へ潜り平子さんに一対一で修行をつけて貰ったことを話した。

そして自分に才があったことも話す。

流石に精神世界で殺されまくって会得した言わば卑怯な才であることは伝えれない。

絶対に心配して修行を禁止されてしまうから。

 

 

今からその型を練習すると伝えると、一緒に行って見たいらしいので開いた場所へ三人で向かった。

 

 

宝刀は刀を出して平子に教わった注意点を踏まえ、まずは正眼に構える。

呼吸法を用いて巡る酸素、力を入れる瞬間と抜く瞬間など一つ一つ身体に馴染ませて深呼吸を行う。

何度か同じことを繰り返し、スッと刀を振った。

違和感がある為、脇の開きを意識し、腕、足、腰などと一つ一つ丁寧に教わったことを確認していく。

 

幾度も振っては修正することで白黒世界の自分と現実の自分との乖離の幅を0に近づけていく。

妥協点を見つけると型を崩さないように丁寧にただひたらすら振った。

一振り一振りに黒歌と白音を想い、何より自分の意志を託すと言ってくれた平子の想いを乗せて。

 

 

 

黒歌から見た宝刀の姿は異様だった。

確かに日を追うごとに変わっていくのは面白いと言ったし、本当にそう思っているのは事実。 

 

でも昨日とはまるで違うことに気づく。

 

最初はぎこちなく不恰好だなぁって感じ。

まぁ習ったのも寝てる間の数時間だし過度に期待はせずに温かい目で見守るつもりでいた。

でも、よく見ると自分の想像とは全く違う結果になっていく。宝刀が一振りごとに身体を少しずつだがかえている。

時間が経てば経つほど様になっていき、気が付けば完成されていた。

私は多分見惚れてたんだと思う。

 

「男子、三日会わざれば刮目して見よ」とよく言うが宝刀はそんなレベルじゃない。

 

成長なんて生優しくない。これは進化。

 

どんどん振るう刀に気迫が籠っていく。

振れば振るほど一つの感情が黒歌に流れ込んでくる、あなたを守ると。

その一途な思いを感じて黒歌は呆れしまう。

 

「君は本当にバカにゃ

 バカで本当に愛おしい子にゃ」

 

 

 

こうして日が沈み、日々が流れていく。

 

 

 

 

 

 

流れる日々は早かった。いつも大体同じ。

まず朝起きて2人を抱きしめて、ひたすら白黒世界ですり減った心を癒すために2人に甘える。

 

黒歌も白音も甘える宝刀に味をしめて家の中では常にどちらかが傍にいる。黒歌なら抱っこ、白音なら手を繋いで部屋も外に行く時も一緒。

もう依存レベルはお互いに天井知らず。

 

 

甘い朝を過ごし黒歌・白音補充が終えると昼まで刀を振るう。

 

重要なことは白黒世界との身体のズレを馴染ませ、そこに想いと意志をのせて丁寧に振るうこと。

どうしても白黒世界と自分の乖離が発生するが諦めず平子の教えをひたすら忠実に。

慢心することなく常に向上を目指して。

お腹を空かせた2人が現れるまで刀を振るう。

 

 

昼ごはんを食べ終わると白音との模擬戦を行う。

お互い体術で己の身体のみの勝負。

この勝負ではお互いにご褒美を決めている。

 

白音が負けたら一日猫耳モードとなってもふもふ。

宝刀が負けたら一日可愛い女の子の服を着ること。

 

どちらも心からの願いなだけガチだ。

もふもふしたい宝刀。女の子姿の可愛い宝刀が見たい白音。

まぁ一度も勝てたことがなく、スカート短めのメイド服を着た男の娘がプルプルと顔を真っ赤にしている姿がよく見受けられた。

黒い猫と白い猫の顔が凄いことになるは必然。

だって可愛いのだから。

 

 

白音との模擬戦が終わると黒歌と気を用いた仙術特訓をする。

最初は気を感じることすら意外に難しく、黒歌が荒療治ではあるけど「房中術」が一番感じやすいということで猫耳モードで抱きしめてくれた。ものすごく幸せでした。

 

色々な術の仕組みや効果を座学で学び、実践を行ったが相性が悪いのか何なのか、ほとんど習得することは叶わなかった。

が、唯一気を闘気として纏い身体能力を底上げする技だけは出来る様になったことで自分の目指す道を見出した。

 

 

夜になると白黒世界で平子との死闘。

今はどうにか斬り合いが成立するまでは耐えれるようなり、成長したと認識している。でないと心が折れます。

 

一ヶ月間はただ平子の攻撃を無様に転がりながら避けることしか出来なかった。

速度に慣れたらスピードを上げる。緩急をつけて狂わせる。フェイントを仕掛ける。極め付けに瞬歩で滅茶苦茶斬られる。

 

もう笑うしかないよ。あの初めての日とは比べようがない技術で攻めてくるのだから、あの日ですら凄く甘かったんだと認識した。

 

黒歌との特訓で会得した闘気を纏い、身体能力向上したことで日進月歩の勢いとなり平子の行動に対応できるようになった。対応出来るまでに何千人の僕が旅立たれたことか。

 

ふと瞬歩を真似したくて平子に聞いてみると、霊圧と呼ぶものを爆発的に高めて高速移動するものと教えてもらう。

しかし残念なことに僕は自分の霊圧を感じることが何故か出来ない。諦めそうになったが、タダで諦めないのが急速乾スポンジクオリティーである。

 

思考を柔軟に考えて霊圧の代わりに気の闘気を爆発的に高める方法が思い浮かんだ。

結果、瞬歩と同じような瞬歩もどきが完成。

 

4日間知恵熱を出しかけて完成した瞬歩もどきをみせたら平子さんにめちゃくちゃ笑われた。 

 

「自分どないしたら諦めること知るん?

 普通霊圧感じ取れんなら諦めるやろ!

 どんだけがめついねん」

 

僕の頑張りを褒めることなく、更に馬鹿にしてきたのでさっそく瞬歩もどきで斬りかかるが普通に避けられた。

普通そこは情けでも切られるべきですよ。

 

完成した瞬歩もどきには重大な欠点が判明!

なんと闘気を思ったよりも消耗するので数度しか行えない圧倒的欠陥瞬歩まどきになってしまった。

 

だがそれでも瞬歩は瞬歩ということで戦いの幅が膨大に増えて、そこからはより濃密な死闘を繰り広げて技術を盗んでいく。

ある程度対峙できると認識した平子は一時斬り合いをとめながら視線の死角となる場所、フェイントの入れ方、緩急を出すタイミングなど自分の持てる技術を余すことなく一つ一つ教えてくれる。

 

平子さんにはもう頭が上がらないです。だから不意をついては斬らないで下さい。

痛いものは痛いです。

 

まぁこれだけ教わっても一度も平子さんを傷つけることすら叶わないんですけどね。ほんと一回くらい斬られて欲しい。

この痛みを一回くらい体験してみては?

 

 

最近になってだけど、平子さん、黒歌、白音は僕の成長速度が凄まじいって言って褒めてくれるようになった。

でも誰にも未だにも追いつけず、天狗になる前に首が飛ぶ毎日を過ごしてるので実感が湧かないよ。

調子に乗ったと思われた瞬間にはリアルに首が飛ぶのだから無理無理。

天狗になる?何それ美味しいの?状態ですわ。

 

 

 

濃密な日々は一瞬で二ヶ月も経っていた。

そんなある日、黒歌が突然朝から喚く。

 

「よし。突然だけ明日冥界に一度戻るにゃ!」

 

突然の宣言に白音と宝刀は驚く。

 

「まぁ2人の気持ちもわかるにゃん。

 でも2人とも強くなった。

 白音も昔と比べて技術向上してる。

 特に宝刀は滅茶苦茶強くなりすぎて黒歌さん実は若干引いてるにゃ。

 あの瞬歩もどきってやつあれほんとマジで訳わからないにゃん。いつのまにか懐に入ってるし、、。

 なんか白音とも体術勝負になってるし、

 闘気の練度も結構凄いことになってるし、

 まぁあれにゃ、、あの、あれにゃん。

 闘気と刀を用いれば鬼に金棒レベルにゃ。

 これならお互い身を守れると思ってるにゃ」

 

実は陰で結構引かれてた事実を知らなかったからショックが大きすぎて膝から崩れ落ちてしまう。

そっと白音が頭を撫でてくれる。

白音を縋るような目で見つめる。

「実は私も引いてた」

上げて落とされた宝刀のライフは0になった。

 

 

 

明日冥界へ向かう為、廃屋生活に区切りがつく。 

 

宝刀はこの日しかないと思った。猫耳と尻尾をもふもふ出来るは今が絶好のチャンスではないかと!

二ヶ月の共同生活で2人が何で喜ぶかなど確認済み。ならばあとはそこに漬け込みおねだりをすれば勝ち筋はある!

 

 

白音は宝刀がふらりと外に向かったのでどうしたの?と聞いた。

少し外の景色を見に行くみたいで私も一緒に付いて行こうとすると何故かやんわり断られた。

私は断られるなんて予想外過ぎてショックを受ける。まさか、これが反抗期か!!

 

 

宝刀は少ししたら家に帰ってきた。私は反抗期の可能性に震えながらも宝刀を見る。

 

私は夢の桃源郷を見つけた。

 

顔を赤らめてモジモジした猫耳生やし、ミニスカメイドを着こなす男の娘が御降臨されていた。

 

状況が突然すぎて黒歌も固まっている。

 

私はパンクしそうな中でふと疑問を感じた。

流石にこれは属性盛りすぎではないか?

 

だが結論。その考えは否である。

多分宝刀限定だがいくら属性が増えても可愛いならば問題はない。

言わば心理!!世界の理!

 

そんな残念頭脳なりに真面目に考えていた2人に宝刀がおどおどしながは話しかける。

 

「あっ、あの、その。

 黒歌姉ちゃん、白音お姉ちゃん。

 僕二ヶ月頑張ったよね。だから。

 2人からのご褒美が欲しいです。」

 

無表情僕っ娘+恥顔+もじもじ+猫耳+ミニスカ

これだけでも凄まじのに、たどたどしさとお姉ちゃん呼び。これには二人ともクリティカルヒット!!

 

黒歌と白音はいつの間にか猫耳と尻尾を宝刀に差し出していた。

もう私達には何も言葉はいらない。

その夜、にゃあにゃあと二人の女の子が発する甘い声が森の廃屋に響き渡った。

 

宝刀は作戦で打ち勝ちであった。そのかわり性悪な性格になってしまったのかもしれない。

 

 

 

 

翌日となりさっそく冥界に着いた。

初めて見た冥界は不思議な世界であった。

空も悪魔っぽい色としか思えないや。 

あっ!ドラゴン飛んでる。ファンタジー。

 

 

呆けてる宝刀を正常に戻るまで待って黒歌は何故今日来たかを教えてれた。

そろそろ両親が亡くなって一周忌だから、ずっとほったらかしてたのでこれを機に家の掃除をしたいらしい。

ある程度3人とも力をつけたから何も問題ないと判断したとのことだ。

 

 

早速2人の実家に行こうとしたが掃除道具や生活用品がないので街まで行くことにした。

街はとても賑やかで宝刀は目を輝かせてキョロキョロする。

 

それをみた黒歌が条件付きで街の散策をすることを許可してくれた。

1 この商店街から出ないこと

2 1時間後にはここに戻ること

3 知らない人にはついていかないこと

 

黒歌は宝刀にある程度のお金を渡す。

自分用に何かを買う思考を持ち合わせない宝刀の為に今日くらい冥界を楽しんでもらおうと多くのお金を渡していた。

 

三人はお互い自分のことをする為に離れる。と見せかけて黒歌は日用品を買う為に歩き始め、白音は念のためにこそこそ宝刀の後をストーカーもとい護衛をする。

 

ストーカー(護衛)の存在を知らない宝刀はブラブラ歩いていた。

特に物欲もない為なんとなく美味しそうだと思った食べ物をいくつか買ってもしゃもしゃ食べる。

 

一軒のアクセサリーショップを見つけた。

商品を眺めているとチェーンの先に天然石が繋がれたスティックピアスが目に止まる。

耳につけるとブラブラと太陽などの光に反射して綺麗に揺れる感じが気に入った。

お店の人に色々と聞いて宝刀は即買いをする。

お店の人に3つに包装してもらい店を出る。

 

ずっと3人で家族であることを形で残してみたかったから満足である。

 

1時間経つので戻ると小袋を持った宝刀と掃除道具などの荷物を持った黒歌と珍しく満面の笑みの白音(何かしら3人分のものを買ったのを知ってる猫)が集合する。

 

「なんでそんなに白音は笑顔にゃ?

 なんか珍しすぎて怖いにゃ」

妹の謎すぎる顔に少し怖さを感じた姉。

 

不思議なやり取りを終えて実家にに着く。

そこには寂れた廃屋があった。

2人は辛そうな顔をして中に入るが、家の中も所々穴が空いていたりボロボロの状態に泣きそうになる。

 

 

3人とも黙々と家の修繕に取り組んだ。

黙々と作業して夕ご飯前に修繕は完了した。

 

夕ご飯を食べながら黒歌がポツリと話す

「今日はありがとにゃん。

 私たちの家がまた綺麗なって嬉しい」

 

そう涙を流した。

 

「僕たちは家族だからここも僕の家だよ」

違うの?というと黒歌は首を横に振る。

3人は分かち合うように抱き合った。

 

 

泣き止み目を腫らふ黒歌と白音に僕は少しでも元気になってほしくて買った物をプレゼントした。

小袋を黒歌と白音に渡し、開けたいい?と黒歌が言うので首を縦にふる。

 

 

中を開けた2人はまた涙を流した。

黒歌には 白色と灰色のスティックピアス

白音には 黒色と灰色のスティックピアス

宝刀には 白色と黒色のスティックピアス

まるで3人で一つかのようなプレゼント。 

 

こんなの泣かずにいれない。

絶対に大事にすると2人は言った。

 

 

2人からすすり泣く声を聞きながら宝刀はこの日常を必ず守ることを強く願った。

 

 

 

それが嵐の前の静かさとしても。

 

 

 

 

泣き疲れた2人は先に寝ていた。

僕も二人を抱きしめて眠りにつく。 

 

そして黒色世界へ入る。

 

平子さんはすぐ現れたが今日はいつになく難しい顔をしている。

 

「宝刀。今日は大事な話や。

 今お前が居るのは悪魔の根城や。

 それは理解しとるか?」

 

宝刀は首を縦にして応える。

 

「嫌な気配がする。せやから念のためやけど、

 俺の力を見せとくわ ええか神器は変化する

 願え、不退転の意志や」

 

神器は変化する。不退転とオウム返しをする。

 

「ええか?よう見とけや」

 

平子は構えた刀を逆さまにして刀に言葉を告げる。

「◼︎◼︎◼︎ ◼︎◼︎◼︎」

 

声が聞こえなかった。

平子さんが刀をに向ける言葉のみ聞こえない。

更に刀が変化したが濃い霧に覆われてぼやけ何も見えない。

まるで刀が宝刀に姿を見せたくないような。

 

「まだ言葉は聞けへんかぁ。

 でも権利はもらっとるからな、、。

 あとは何かのきっかけや。

 願い続けろとしか言えんわな。」

 

一度だけ特別やと刀の能力を見せてもらった。

 

刀の能力は異次元としか言えない。

これが神器かとストンと腑におちた。

あぁ。これが超常、不条理に抗う神器。

 

 

それから少しだけより詳しく教えてくれたが、これ以上は刀から名を聞けるまで言えないとのこと。

なんか拗ねて怒ったりして力を貸してくれなくなるらしい。

 

 

色々気になることが大量に発生したが、ただ平子さんに一言言わせて欲しい

僕の愛刀って喋ったりするんですか!!??

 

せめてそれは事前に言って欲しかった。

 





機械仕掛けのマキナさん 誤字チェックありがとうございます!!
大変助かっております!!

今話もご覧いただきありがとうございます。
面白いと思っていただけた方。これからに期待と思っていただけた方。
よろしかったら高評価いただけたら嬉しいです。どうぞよしなに。

作者のやる気スイッチが起動します。
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