休みが無いのでね、仕方ない。許してヒヤシンス。
時間あったら頑張る予定です。
その世界は極彩色だった。幾多数多の色が疎らに重なりあい、それがまるで白紙のキャンバスに描かれたような美しい風景に見えるのは、それ程までに小さな枠組みには収まらない壮大な光景であると認識しているからだろう。
そんな世界で。
いつの間にか知らない世界に何故かいることに激しい疑問と動揺が抑えきれぬまま、目の前に経つ
「お前は、後一年足らずで確実に死ぬ」
唖然とする。
ぷよぷよと浮いた様な気分が身体を襲い、次いでストンと地面に落とされるような錯覚を受ける。
何を言っているのか分からなかった。理解しようとする思考がない。
「故にタイムリミットは1年だ。その間にお前には、やってもらいたい事がある」
どんな表情をしているのか分からない。
ただ、その声色は奇しくも強ばった音色。まるで吐き捨てたくない苦渋の選択を述べたような重い焦燥。
何処かで鈴の音が鳴り響いた。
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讃州中学勇者!!それは困っている人や助けを求める老若男女年齢問わずに手助けをするお助け集団!!
ある時は海でゴミ拾い!!
ある時は山で山菜採り!!
またある時は迷子猫捜索!!
どんな依頼でもお任せあれ!!必ず解決してみせます!!
勇んでやるのが勇者部の信条!!現在4人で活動中!!無償のお助け戦隊は今日も行く!!
「という訳でぇー、イカれたメンバーを紹介するぜぇ〜!!」
「ゆ、友奈ちゃん?どどどどうしたのそんな口調で!?」
「まずは勇者部部長、………自称女子力のごんげ?好きな食べ物はうどん!!女子力?を保つ秘訣は肉うどんとご、ごうご?頼れる姉御肌で皆を包む!!想いを寄せるあの人に想いは届くのか!?犬吠埼姉妹の姉の方っ、犬吠埼風先輩!!」
「ちょっと!?何変な紹介してんのよ!!てかっ、べ、べべべ別に片想いとかじゃないんだけどぉ!?」
「え?両想いって事ですか?」
「違わーーーーーい!!」
「続いて行くぜぇ!!天使を現した様な姿と酔いしれる美声をつ、つちかった?歌姫!!先輩想いで頼れる後輩!!料理はまだ難しいけどあの人の為に頑張ります!!犬吠埼姉妹の妹の方っ、犬吠埼樹ちゃん!!」
「や、辞めてくださいそんな紹介ぃー!!恥ずかしいよぉ〜!!」
「恥ずかしがってる姿も可愛いね。あ、後で見せるように写真撮るよハイチーズ」
「うわぁぁぁ!!こんな写真見せないでよぉ!!」
「さぁ続きましてはお待ちかね!!年齢詐欺とよく言われるが否定出来ないのが彼女の悩み!!外見内面母性の塊!!包容力あるお胸は私の枕!!むっちり太ともあの人のモノ!!ぼた餅あげるは愛情カンスト!!貴方の心に留めて置いて!!勇者部参謀っ、東郷美森!!」
「ゆ、友奈ちゃん?わ、私の体のことしか言ってないような……?」
「東郷さんの身体が悪いです。先ず褒める所はそこだよね?」
「うわぁぁぁ!!私の友奈ちゃんが穢されてしまったわぁぁああ!!!」
「さぁさぁ最後の紹介!!貴方の心を温かく!!心の芯からホッコリさせるよ!!皆に笑顔を届けるエンジェル!!勇者部筆頭のこういってん?事っ、結城友奈!!」
「なぁにが紅一点よ!!部内皆女でしょうが!!筆頭上げるなら私しか居ないでしょ!!」
「て、天使私の紹介と被ってません?」
「樹ちゃんやっぱり気に入ってるんだね」
「と言うよりも、友奈ちゃんどうしたのいきなり?」
「なんかね〜、机の上に置いてあった紙を見たらついついテンション上がっちゃって〜」
「というわけで、今日も勇者部張り切って行きましょ!!取り敢えずまずは校長先生のカツラ探しから!!」
「「「な、なんと難易度の高い依頼を!?」」」
ゴミは分別するのが基本。どうもこんにちは竿役です。竿役?(偽)と仮名した方がいいかもしれませんね。最早疑う余地ないレベルでおめぇ竿役ちゃうやんけ状態ですので。
さて、この前会った時から1年経過しております。ええ、1年歳を食ったのです。最悪ですね。歳なんて取りたくないですよ。
春休みが終わり入学式&始業式があってから早1週間。現在下校時間となって帰宅途中なのですが、ふと端末に連絡が入り急遽予定が出来る羽目に。
from 風ちゃん
現在浜辺でゴミ拾い中。連絡確認次第出頭せよ。
刑事か何かですか?業務連絡を受けた俺は急いで……ということもなく、のんびりと浜辺を目指しております。てか浜辺ってどこの浜辺よちゃんと場所連絡せぇよ。
1年という年月が経った事でさらに色々な事がありました。
1番はそう、勇者部という部活動発足でしょうか。現在4人のメンバー、犬吠埼風ちゃんに結城友奈ちゃん、東郷美森ちゃんと今年から中学生になる新入生の犬吠埼樹ちゃんで構成された部活動だ。
活動内容は至ってシンプル。皆の為に成ることを勇んで実行する部活動。詰まり慈善活動である。
中学生が何でもするなんて……中々悶々とする要項だが、まあ彼女達は至って真面目だから。如何わしいお店のサービスとかと勘違いしないように。覚悟の準備をしておいてください。いいですね!!
まぁ突然勇者部やるとか言われてびっくりしたけども。なんか家の女三人衆がやけに表情暗くしてたけど、なんも無いよね?気の所為だよね?何か起こるとかそういうフラグじゃ無いよね?
まぁいいよ。どうせ俺には太刀打ち出来ないから。創作系なら俺どんな立場の人間か未だに分かってないから動こうにも動けないし。ストーリーとか知らないから結末わっかんないから何にも目指すことすら出来ん。巻き込まれたくないって思ってたって結局巻き込まれるんだもん。知ってるもん。ラノベ系並に主人公中心に物語が進んでいくって俺の中のゴーストが囁いてるんだもん。
と言うか、何となくだけど大分原作始まりますよ感が増してきたな。唐突に部活動立ち上げなんて何処のSOS団体なんだろうか。
こういうのよくあるよね。部活動を作ろう!!からの原作スタート。もしかしたら始まってる?わっかんね。
まぁ巻き込まれる事は確定してるし、そろそろ腹切る覚悟しといてもええか。
あ、切腹ちゃうぞ?あ、腹くくるか言い間違えやすまんな。
あ〜、家帰って遥ちゃんの体で癒されたかったのに〜。なんで強制参加〜?俺全く関係無くなーい?まぁ慈善活動して悪い気分しないけどさぁ〜。
あ、誰かから連絡きた。
from 遥
風ちゃんから連絡頂きました。頑張って下さいね。お布団あっためて待ってます♡
………ふぅ。久しぶりにヤルしかねぇよなぁ。
「━━━━━あ、やっと来たわね。遅いわよ、何してたの」
俺の登場に開幕嫌味を吐き捨てたのは風ちゃんだ。私怒ってますよ風に頬を膨らませてるが、それ可愛いだけではないだろうか。
すまんすまんと頭をポンポン撫でやる。恥ずかしがる風ちゃんは、会って以来ずっとこれが好きらしい。樹ちゃんや家の女三人衆が言っていたので間違いない。
「……もう、お姉ちゃん。デレデレし過ぎだよぉ……」
柄の長いトングをカチャカチャと開いて閉じてさせて近付いてきたのは樹ちゃん。君も甘えたがりだよねほーらよちよち〜。
……よし、満足気。コミュニケーション大成功の巻。
「風ちゃんが場所教えてくれないから探したんだぜ?まぁ中学からすぐ来れる場所なんて有明浜ぐらいしかねぇからすぐ来れたがよォ」
「高校からじゃ遠いもんね」
「おうおう、樹ちゃんは俺の苦労が分かってくれるかい?嬉しいねぇ、こーんな無愛想なお姉ちゃんがいるなんて思えんなぁ」
「だーれが無愛想で可愛げなくて可哀想な姉よ!!」
「誰もそこまで言ってないよ!?」
ウガーと今にも噛み付いてきそうな風ちゃんを胸の中に留まらせ、余ったトングを貰う。有明浜って意外と広いけど今日一日で終わらせるのかなここ。
「……お、お姉ちゃん。聞かれてるよ……?」
「ふぇ……あ、ふんっ。ち、違うわ。分担して区切ってあるの。今日は2時間かけてあの電柱がある所まで。明日明後日で仕上げるつもりよ」
何故か顔を真っ赤にして惚けていた風ちゃんが密着していた俺を突き飛ばしてそっぽを向きながらぷりぷりして言う。
なんだ?なんに怒ってるんだ?
「ほーん。で、残りの2人は?」
「別行動中よ。何も依頼はここの掃除だけじゃないんだから。友奈は校内で運動部の助っ人。東郷には依頼整理とホームページの更新をして貰ってるわ」
車椅子は流石にゴミ拾いキツイもんね。と風ちゃんらしい優しさを漏らす。
いや〜風ちゃんは本当にいい子だなぁ。思わず頭をポンポン。風ちゃんの顔も真っ赤でポンポン。おたふくみたいで可愛いぞ。
「流石に4人じゃキツイもんな。もう少し絞ったらどうだ?流石に皆大変だろう?」
「だからアンタを呼んだのよ。その鍛えた身体の見せどころでしょ?」
「いや見せ筋じゃないんだがなぁ……」
水泳をやっていれば嫌という程身体が絞られる。逆三角形は自分で見ても驚く仕上がり。高校生ながらこの筋量は自慢出来る。
そりゃ毎日泳いでは遥ちゃんに隅々までマッサージして貰ってるからこの肉体美になるのも必然だよな。やっぱり女性に身体解してもらうのが1番ええわ。昂る昂る。何故かオイルマッサージを断固として推奨してくるのはなんなんだと思うがまぁ気持ち良くなるからモーマンタイ!!
チラリと横を見ると90Lぐらい水が入る規格袋が4つほど、既に6割方埋まっていた。しっかりと燃えるゴミ、燃えないゴミ、アルミ缶、瓶と分けてある。ペットボトルは無いんだよなこの世界。見た事ないもん。
高校からここまで来るのに30分位かかったけど、中学と高校で下校時間の差があるから既に2人は一時間以上ゴミを拾っていた事になる。いや〜偉いな2人とも。流石マイシスターズ。
「……ちょ、もう……撫でるのやめなさいよね」
「……満更でも無い顔してるよお姉ちゃん。お兄ちゃん、また後でいっぱい撫でて欲しいな」
まっかせんしゃい。犬と戯れるぐらいわしゃわしゃしちゃる。
俺のてぇくにっくが火を噴くぜぇ。かぁくごしなぁ。
撫でる手を一旦止めてトングを握り直しはいゴミ拾い開始。と言っても、本当にそのゴミ袋に入ってる量がこの砂浜にあるとは思えんのだが。
大体この世界ってゴミも貴重な資源でしょーに。どうしてこう神樹様がくれる慈悲を無碍に出来るもんかねぇ。
この世界って神樹様が全ての物資を提供してくれてるらしい。らしいというのは、俺も瑞稀経由で知った事なので詳しくは分からないが。四国領土だけでは賄うに賄えないものを神樹様の力で頂戴してるんだって。
なに?神様ってそんな慈善活動厨なん?勇者部もそうだけどさ。
人間側から神樹様に御礼返しなんて何が出来る?外ヤバイんでしょ?守ってくれてるんでしょ?物資もくれるんでしょ?じゃあ俺達はどうするんだよ。
なんだよその完全な一方通行は。神様って人間の奴隷かなんかなのかよ。
絶対報復あるって。創作ものなら絶対神VS人間の立ち位置じゃねぇのかこれ?考えれば考えるだけ不穏な空気がしてきたぞ。
「……何あんた震えてんの?」
「……ん?これから起こるであろう現実に必死にしがみつこうとしてるのさ」
「しがみついてるって言うか、自分の体を縮こませてるだけじゃ?」
「神樹様にはしっかり感謝しないといけないということだけははっきりとわかった。……あぁ、神樹様っ。どうか愚かな人間をお許し下さい。私に
「……あんた此の前無宗教神なんていないって豪語してたわよね」
そんな昔の話なんて知らん。俺は今生きている。考え方価値観先入観なんてコロコロ変わるものさ。
2人もしっかりと神樹様に祈っとけよ?きっといい事があるさ。いや、当たり前の事をするのだから当然見返りなんて求めない。それこそ信条よ。
恐らく神樹様が見ているであろう方向(夕日の方角)に膝をついて深々と頭を垂れる。いやそこは普通両膝ついて土下座だろって思うかもしれないが、俺はどんな神にも等しく接するのが信条(嘘)。その地の神に肖った習わしなんて知らん。俺のやりたいようにやる。それが俺のポリシーさ。
「……一番罰当たりなの、あんたよね絶対」
何故だ?俺のこの信条が理解出来ないと?
……ならば戦争だ風ちゃん。俺が心の芯まで俺色に染めてやる。覚悟しな、ちびっこ共。
「っ!?!?おおおおおっ、俺色!?!?」
「はわわっ、はわはわはわわ!?!?」
……え、どしたの急に。
そんなに顔真っ赤に染めて。何で後ずさる?
「わわわ私達はまだ中学生よ!!私は兎も角っ、いいいい樹には早すぎるわぁ!!」
はい???一体何の話???