ソードアート・オンライン~The Devil May Cry (リメイク)   作:i-pod男

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大抵の物は以前投稿していた SAO x DMCの文章をコピペして行きます。今回は大部分がそうです。


The Cyber Prison Aincrad

始まりの街には既に大勢のプレイヤーがダンテやアルゴと同じ様に強制テレポートで連れ戻されていた。誰もが状況を理解出来ていない為、ざわついていた。

 

「アルゴ、この強制テレポート・・・・何が起こってる?」

 

「おいおイ、ベータテスターにも分からねえんじゃ俺っちも分からねえヨ。こんな事は初めてだからナ。」

 

偶然近くにテレポートしたキリトが二人の元に駆け寄って訪ねたが、アルゴは訳側から無いとと頭を左右に振った。

 

「おお?ありゃ何だぁ?」

 

突如広場の天井がWarning と System Announcementと表示された大量の横長の六角形に覆われ、空が紅色に染まった。更にホラー映画で使われるCGの血の様な赤黒いヘドロが隙間から垂れて来た。それはやがて巨大な外套を纏い、白い手袋を両手にはめた人の形を成す。

 

「ゲームマスターだナ。」

 

『プレイヤー諸君。私の世界へようこそ。』

 

「『私の世界』?つまりあいつは・・・・」

 

「ああ、茅場晶彦だ。」

 

ダンテはキリトの仮説を真っ向から肯定した二人は険しい表情でゲームマスターを睨む。

 

「キリト、何が起こってるか分かる・・・・・訳無いよな?」

 

「当たり前だろ?」

 

プレイヤーの注目が茅場を名乗ったゲームマスターのアバターに集まったのを皮切りに、ゲームマスターが喋り始めた。とても落ち着いた声だったが、ゲームマスターの顔が見えないと言うより、顔が全く『無い』所為で不気味さがより一層引き立てられている。

 

『私の名は茅場晶彦。今やこの世界をコントロール出来る唯一の人間だ。大多数のプレイヤー達は既にメインメニューからログアウトボタンが消滅している事に気付いているだろう。だがこれは不具合ではなく、ソードアート・オンライン本来の仕様である。繰り返す。不具合ではなく、ソードアート・オンライン本来の仕様である。諸君らは今後一切自発的にログアウトする事は出来ない。』

 

それを聞いたダンテやアルゴ、キリトやクライン以外のプレイヤー達は慌ててメインメニューを呼び出した。そして茅場の言った通り、確かに無い。ログアウトと表示される筈の項目が無くなっているのだ。

 

自発的なログアウトはプレイヤー自身が行うか、運営側が強制ログアウトさせるか、外部の人間がナーヴギアを取り外すかの三択しか無い。ダンテは密かにイーグル9の同僚達がこの異変に気付いてどうにかしてくれる事を祈った。

 

だが、その儚い風前の灯とも言える思いは無惨にも茅場の次の言葉に打ち砕かれた。

 

『外部の人間の手に寄るナーヴギアの停止、あるいは解除もあり得ない。もしそれが試みられた場合、ナーヴギアの信号阻止が発する高出力マイクロウェーブが君達の脳を破壊し、生命活動を停止させる。』

 

「あいつ、頭おかしいんじゃねーか?」

 

他のプレイヤー達は口々に野次を飛ばし、キリトの隣に居合わせたクラインも馬鹿馬鹿しいと鼻で笑い飛ばしながらそう訪ねた。だがベータテスターであり、他のプレイヤーよりも何十倍もの間フルダイブ体験をしたダンテとキリトは表情を強張らせて首を横に振った。

 

「いや、不可能じゃない。」

 

「ああ。高出力の極超短波は電子レンジが発する物と同じだ。分子を振動させる事によって温度を上げる。ナーヴギアが発する電気信号もリミッターの解除にさえ成功すればチキンみたいに脳を蒸し焼きにする位は造作も無い。内蔵バッテリーもあるから、接続解除しても電源を切っても意味が無い。」

 

茅場の演説は更に続く。

 

『残念ながら現時点でプレイヤーの家族、友人が私の警告を無視してナーヴギアの強制解除を試みたケースがある。その結果二百十三人のプレイヤーがアインクラッド及び現実世界から永久退場している。』

 

「に、二百十三人だト?!」

 

普段は落ち着いているアルゴもこれには驚いた。

 

「糞・・・・これでログアウト方法の三つ全てを潰されたって事か。流石は天才、と言うべきだな。凡人の物差しじゃ測れないってのは本当だ。」

 

ダンテは頭をガシガシ掻きながら舌打ちをする。

 

『ご覧の通り、多数の死者が出た事を含め、多数のメディアがこの事を繰り返し報道している。よってナーヴギアの強制解除が行われる確率は大きく減った。』

 

ゲームマスターの周りに多数のスクリーンが現れ、プレイヤーの死亡、一万人が仮想世界に幽閉された旨を伝えるニュースで溢れていた。

 

『諸君らは安心してゲーム攻略に励んでくれたまえ。しかし、十分に留意してもらいたい事項が一つある。今後ゲーム内にてあらゆる蘇生手段は機能しない。」

 

茅場の言わんとする事をいち早く理解したダンテは口の中がカラカラになるのを感じた。先程まで狩り続けていたフレンジーボアを思い出す。HPが底を突いた瞬間、ガラスの様にポリゴンの欠片となって跡形も無く消えて行くその瞬間を。

 

それが、今や現実となってしまった仮想世界の『死』なのだ。亡骸も、骨も、墓標すら残す事すら叶わず消滅する。死と呼ぶにはあまりに呆気無く、余りに空しい。キリトも目を見開き、同じ事を連想してしまったのだろうか、小刻みに震えている。

 

『HPがゼロになったその瞬間、アバターは消滅し、それと同時に諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される。脱出方法は只一つ。この浮遊城アインクラッドの迷宮を攻略し、第百層を目指す。最後に第百層のフロアボスを打倒し、ゲームをクリアする事だ。それがこの仮想空間から解放される唯一の方法である。』

 

未だに状況を飲み込めていない大多数のビギナープレイヤー達は只々戸惑うばかりだ。中にはコレが正式サービス開始のセレモニーの一端だと思っている者もいる。

 

「全百層をクリアだと?!何無茶苦茶な事言ってるんだ!!ベータテストじゃ碌に上がれなかったんだぞ!?」

 

だがクラインの言葉などお構い無しに茅場は続け、左手でメインメニューを開いた。

 

『諸君らのアイテムストレージにプレゼントを用意しておいた。是非確認してみてくれたまえ。』

 

全員が再びメインメニューを開き、アイテムストレージを確認すると、只一つ『手鏡』と表示されている。選択してオブジェクト化した。字面の如く手で持てる大きさの、何の変哲も無い、どこにでもありそうな長方形の鏡だ。アバターの姿が映っている。が、次の瞬間全てのプレイヤーが数秒の間光に包まれた。そのあまりの眩しさにダンテやキリト達は全員目を覆う。そして開いた瞬間、とんでもない事に気付いた。

 

「リアルの俺と同じ顔・・・・!?」

 

キリトは驚いていた。まさか自分の顔が仮想空間でここまで忠実に再現されるとは思わなかったのだろう。

 

「って・・・・クライン、だよな・・・・?」

 

クラインは髪の毛とバンダナは変わらなかったが、先程までの爽やかさはどこへやら、無精髭を生やした野武士面に変わっていた。キリトも青年ではなくまだ中学生位の青年だ。

 

「あ、ああ。おめえ・・・・・キリト・・・・・か?」

 

「いやいや、こいつぁ驚きだな。まさかキリトがガキだったとは。」

 

「ダンテはまあ、予想通りの見た目だな。ホストでもやってんのか?」

 

ダンテは首を横に振ったが、それ以上は何も言わなかった。MMORPGなどのネットゲームをやっている最中は現実での事を詮索しないのは暗黙の了解である。

 

「あれ?・・・・最上部長!?」

 

クラインがダンテの顔を見てキリトがまだ中学生だと言う事が分かった時よりも更に驚いた。

 

「ああ・・・・・お前、営業部の壷井、だったか?」

 

何度かトリッシュが自分の部へと引っ張って行った事があった。そして事ある毎に彼女にいびられている男がクラインこと壷井遼太郎なのだ。

 

「ま、それは兎も角・・・・身長や体格まで再現されてるのはどう言う訳だ?」

 

「顔と言うか、頭はナーヴギアに覆われるから当然再現されるし、初めてナーヴギア使った時にキャリブレーション、だったかな?それで体中あちこちを触ったから背丈とかも再現出来てるんじゃないかと。」

 

クラインの言葉に、ダンテははたと考えた。そして茅場の真意に気付いた。

 

「チッ。成る程、そう言う事か。変な奴だとは思ってたが、訂正しよう。茅場は随分と質の悪い趣味を持ったゲス野郎だな。」

 

ダンテはそう毒突いて鏡を無造作に投げ捨てた。砕け散った鏡の破片はやがてポリゴンへと分解された。茅場が何故『手鏡』なるふざけたアイテムを全プレイヤーに提供したか、その意図を読み取ったのだ。

 

「ダンテ、どうした?」

 

「アインクラッドで本来の俺達の姿形に戻したのは、ここが今の俺達の『現実』であると改めて認識させると言う立派な理由がある。」

 

トリッシュが言っていた茅場の言った言葉に対する引っ掛かりとはこれだったのだ。ゲームであっても遊びではない、本当にモンスターと殺し合いをする事になる。

 

「要するに俺達はアインクラッドと言う巨大なコロシアムに捉われたグラディエーターて事さ。」

 

「にしても、茅場の野郎・・・・一体何がしたいんだ?何だってこんな手の込んだ真似を?」

 

訳が分からない。クラインはそう良いながら無精髭を頻りに掻き毟った。

 

「黙って聞いてりゃ答えてくれるサ。」

 

アルゴは震えていた。ダンテは彼女の隣に立って安心させる為に肩を抱いた。

 

「大丈夫だ。落ち着け。」

 

『諸君らは「何故?」と思っているだろう。何故茅場晶彦が、ソードアート・オンラインのクリエイターにしてナーヴギアの生みの親が、こんな事をしたのか?私の目的は既に達せられている。ソードアート・オンラインを作った理由は只一つ。この作られた世界に干渉する事のみだ。そして今、全ては達成せしめられた。これにてソードアートオンラインの正式サービスチュートリアルを終了する。それでは、プレイヤー諸君、健闘を祈る。』

 

赤くなった空が元に戻り、ゲームマスターの姿は霧散して消えた。広場には静寂が訪れ、その直後、プレイヤー達は一斉にパニックを起こして逃げ惑い始めた。

 

「やるしか無いな。キリト、行くぞ。アルゴもついて来い。」

 

キリトはクラインを連れてダンテ達と共にいち早く広場から抜け出した。

 

「ダンテ、これからどうするんダ?」

 

「前に言ったろ?MMORPGでは使えるリソースは限られている。始まりの街の狩り場の価値が大暴落するのは最早時間の問題だ。俺達やキリトは少なくともある程度のアドバンテージがある。それを利用しない手は無い。それで自分を強化して行く。情報をある程度集めたら、プレイヤー達にガイドブックを無料で配布してくれ。」

 

「無料デ?!」

 

流石にそれは出来ない、アルゴそう言いそうになったが、まだ続きがあるとダンテが手で制した。

 

「ユウ。勿論全部を一挙公開しろとは言わない。ワザワザ貴重なアドバンテージを自ら潰すなんて阿呆な真似はしたくないからな。基本的な情報からで良い。例えばモンスターの名前、分布、攻撃パターン、弱点とかだ。第百層攻略が仮想空間から解放される唯一の条件、茅場はそう言っていた。ソレに対し、俺達は一万人と言うプレイヤーの絶対数に縛られている。今はもう9787人だが。」

 

「確かニ、残存兵力のステータスを底上げしなければ攻略なんて出来やしないよナ。分かったヨ。」

 

「勿論俺も手伝う。手数料も払うぞ。」

 

「ダンテから金は取れねえヨ。」

 

「小遣いだと思えば良い。お。」

 

少し遅れてキリトが沈んだ表情を浮かべてやって来た。だがクラインの姿は無い。

 

「・・・・・ん?クラインはどうした?」

 

「・・・・・残るってさ。」

 

「そうか。」

 

営業・事業部の飲み会に誘われた時に何度か壷井———クラインと顔を合わせた事はある。所々で抜けている所があるが、努力家で仲間意識が強い。平社員の同僚の中でも慕われている方だ。

 

「まあ、あいつなら大丈夫だろう。それに本人が決めた事だから一々気に病むなよ。さてと、じゃベータテスター同士で仲良くやろうぜ。日暮れまでにホルンカに到着するのを目標にしよう。」

 

三人は得物片手に次の拠点『ホルンカの村』を目指して迫り来るモンスター達を蹴散らしながら一心不乱に走りだした。

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