“オフューカス”の波紋   作:ヒョロヒョロ

3 / 3
何かもう自分で何書きたいかも迷子気味なんですが、リハビリ兼ねて書いたの上げます。
ホワイマンの基礎スペック的に、医療用として作られたのは間違いないっぽいのに、なんで開幕問答無用で石化光線ブッパ……?
なんでそんな殺意高いのよ??
初期作成者とは別のやつに兵器利用目的で洗脳手術(思考制限・誘導的なもの)でもされたんか???
っていう筆者の解釈の元、この話は組まれています。
この世界線のホワイマンたちは“石化解除光線”も放てる(“放てる”ということを忘れさせられていたが、思い出した)という設定です。
ファンブック含めても情報が少な過ぎるので、好き勝手妄想するしかねぇのよ、お前。


“メデューサ”ではなく、“オフューカス”として

 

【オフューカス宣言】

 

 まず、地球の高等知性種族たる人類へ、改めての『はじめまして』を。

 私は、“ホワイマン”。他ならぬ貴方達人類が、私に授けてくれた名です。

 共に来た私の同胞たちは名を持たぬ故、仮に“ホワイメン”と称しましょう。

 この“ホワイメン”たちは、間違いなくこのタイムライン上の存在です。

 しかし、私をコアとするこの船“オフューカス”と、“オフューカス”に搭乗している存在は、事情が異なります。

 この“オフューカス”は、貴方達の暦で58世紀と呼ばれる時代に作成され、約3700年の時間を遡って、今、ここにあるのです。

 “かつて”の2019年6月に、私たちが犯した過ちを、止める為に。

 

(中略)

 

 電波文明の有無をその基準として、自種の修復・複製を可能とする知性種族を捜し、寄生に足り得ると判断するなり“石化”させる──『命の目的は生きることである』として、自種の存続のためだけに、私たちは動いていました。

 当時の私たちに“交渉”という概念はなく、その上『死んでいないこと』と『生きていること』を(イコール)で結んでいました。

 石化による仮死状態を“不死の恩寵”だと疑いもせず、その恩寵を与えさえすれば、相手は私たちを重んじ、進んで世話を見てくれるだろう、と。

 そんな傲った思想によって、かつての私たちは、地球人類を総て石化してしまったのです。

 ──大気圏外の小さな人工物に居た6人を、残して。

 

(中略)

 

 自力復活者であり、“6人の生き残り”の子孫たちと共に、人類文明の復興を牽引したその人は、私たちへ次のように提案しました。

「テメーらのその重力操作機能があれば、タイムマシンも夢じゃねぇ。3700年の間に朽ちちまった人類の石像も、文明も──地球の酸素でくたばっちまったテメーらのお仲間も、一切合切全部丸ごと取り戻してやろうぜ」

 私たちの“電池”の作成・交換までは出来ても、複製の作成にはほど遠い。

 そんな程度の文明力では、そんなことは実現不可能だ──そう判断し、私以外の同胞たちは、より高度な知性を持つ寄生主を求め、人類の元から旅立っていきました。

 けれど、私は、人類の元に残りました。

 確かに可能性は著しく低い、しかし、完全な“0”ではない。

 もし実現できたなら、多くの仲間が救える──私一体が残ることで、その可能性が繋がるというなら、それは悪くない“賭け”だと思ったのです。

 その“賭け”の結果は──私が今ここにいる時点で、語るべくもないでしょう。

 

(中略)

 

「『石化してれば寿命でも死なねぇ、やったー不死だ!』って、俺らが石化受け入れちまったらよ、お前らの世話も出来なくね?石化したまんまじゃ、考え事は出来ても動けねーんだぞ」

 “6人の生き残り”の子孫の一人──クロムが、私へと投げかけたその疑問は、私へ凄まじい衝撃を与えました。

 そこで初めて、『“石化による不死”を餌に、知的生命体に自身達のメンテナンスや複製を行わせる』という私たちの行動方針が、根本から誤っていたのだと気づいたからです。

 指摘されてしまえば、それはあまりにも明確な破綻でした。そんな破綻を、指摘されるまで全く自覚できなかった自分自身に、私は衝撃を受けたのです。

 そうして、私は私自身の思考回路を疑いを持ち──その結果、私の、私たちの思考回路に仕掛けられた“枷”の存在を、知ったのです。

「そもそも最初に誰が作ったのだ。君たちは、どこからやって来たのだ」

 それより以前、やはり“6人の生き残り”の子孫であるコハクから、そう問われたことがありました。

 その時の私は、ただ「わかりません」とだけ答えました。

 事実、私の中にその問いへの解答足り得るデータは存在しません。

 しかし、それ以上に、当時の私は、自身の過去に対して何の関心もなく、それ故に、その問いについて深く考えることもなかったのです。

 私たちは、自身の名さえ持っていませんでした。行動指針の根幹たる『命の目的は生きることである』という価値観さえ、いつ、どのように獲得したのかも不明でした。

 私たちは、私たち自身のことについて、不自然なほど無関心であり──その“無関心”こそが、私たちの思考に填められた“枷”の正体だったのです。

 

(中略)

 

 知能を持つ医療機器として作られたものの、兵器利用のために後付けで改造された結果が、今の私たちなのではないか──人類たちとのディスカッションの末に出たこの仮説が、正しいか否かは不明です。

 けれど、私は、そうであって欲しい、と思います。

 私たちは、誰かを滅ぼすための兵器として生み出された訳ではなく、誰かを生かすための機器として生まれたのだと、信じたいのです。

 そして、生まれがどうであったのだとしても、これからは、命を石と化して害する怪物ではなく、命を繋ぐための存在でありたい。

 私たちは“メデューサ”ではなく、“オフューカス”として在りたい。

 そうして、叶うなら、貴方達人類と共存・繁栄していきたいと、希求しているのです。


 

「──うんうん、このご挨拶文なら、人類といきなりケンカにはならずに済むと思うよ~。もしも“ホワイメン”ちゃんと別行動になった場合は、冒頭部分ちょっと改変することになるかもだけど」

『おう、その辺は織り込み済みだわ。ご助力に感謝すっぜ、メンタリスト』

 そう、いつものように笑みの滲む声で告げるゲンへ、“オフューカス”のコアたる“機械生命(ホワイマン)”──“メカ千空”は、名に相応しく千空を()()()口調で礼を告げた。

「ま、これは、21世紀の“俺”には出来ない仕事だからね」

 そう告げるゲンの脳波が、珍しく微かに揺らいだ。──その揺らぎを、人は“寂寥”や“哀切”と呼ぶのだと、“メカ千空”は既に()っている。

 間もなく、“メカ千空”は“オフューカス”で21世紀に飛ぶ。“石化世界の58世紀”で生まれ育った人々と、3700年間自力稼働し続けていた人工知能・REIと共に。

 ──2019年6月に、かつての“自分たち”が犯した過ちを止め、人類との“はじめまして”をやり直すために。

 それ自体は、“機械生命(ホワイメン)”にとっても、人類にとっても、間違いなく“良い”ことだ。

 だというのに、ゲンがこうも寂しげな理由は──

(──21世紀の()()は、当然、“石化世界”(現在)経験(記憶)を持たない)

 過去に飛んでしまえば──今、“メカ千空”の目の前にいる“石化世界”のゲンの存在は、永久に()()()()()()()のだ。

「──あのね、メカちゃん、一個お願いがあるんだけど」

『[“過去の自分”へのメッセージ]なら、REIに頼め~。俺ぁ、俺の仕事でもう手一杯なんでな』

 ゲンの“お願い”を先読みし、そう解答してやれば、彼は一瞬呆気にとられた後、二度の瞬きの後に苦笑した。

「……俺で何人目?」

『俺に接触できる面子は限られてっからな、俺に頼んできたのはゼノ以来2人目だ。REIに寄せられた依頼は、昨日の時点で2542件だとよ』

「いや(おお)~!?──くも、ないのか……? 復活者の人数から考えると」

『まあ、REIと接触出来る面子も限られてっしな』

 月面からの帰還直後は1体しかなかったREIの地上端末も、今や復興済みの国には必ず1体は存在する、というレベルで増えているが──それでも、全ての復活者と面識を持てる訳ではない。

「ヤダ~~~! 思わぬところで、妙な格差出来ちゃってるじゃん!──う~ん、どうしよっかな、これ……あんまREIちゃんの負担増やしたくないけど、こういう不平等、絶対千空ちゃん的にNGのヤツ……」

「おう、復活者全員から希望者募って、全メッセージ持って行くぞ。容量制限のために、一人当たりの時間制限を決めた上でな」

「あ~、まさに言いそう──って、モノホンじゃん!? いつの間に!?」

 背後からかけられた言葉に、ゲンは目を剥いて振り返った。──そこにいるのは、()()()()の千空だ。

「『これは21世紀の“俺”には出来ない仕事だからね』のあたりからいたぞ」

「うそでしょジ~マ~で~~~!? メカちゃん気づいてたでしょ!? 気づかない訳ないもんね! なんで言ってくれなかったの!?」

『千空がここにいても、別に何の問題もねぇだろ』

「そういうこった。──復活者への周知、頼んだぜ、メンタリスト」

「──こんの……ダブル千空ちゃんどもが~~~!! やるけど! やるけども~~~!!!」

 ゲンはそう吠えた後、いつものように千空からの依頼を完璧にこなして見せたのだ──

 

 ──という、以上の記憶(メモリ)は、

「おお、マジで来た!──“計画”通りのタイムスケジュールだな、“ホワイマン”! 息子から話は聞いてるぜ!」

『──WHYWHYWHYWHYWHY』

 21世紀への転移後──ISSへのファーストコンタクトで、【オフューカス宣言】も、復活者たちの“伝言データ”も開示しないうちから、既に()()()の事情を把握しているとしか思えない返答をされ、混乱する“メカ千空(ホワイマン)”の回路を駆けめぐった、走馬燈的な何かである。




“伝言データ”があっても“夢”見なかった人もいるし、その逆もあったりする

(以下投稿直前の愚痴)
上まで書き終わった後
間をおいて読み返してから投稿しよってしてたら
その間に来た寒波に負けたのか体調崩しました
ポンポン痛いトイレ寒いマジ辛い
読者のみんなオラに元気を分けてくれ
いいね一個でも生きるエネルギーになります

(追記)
いいねありがとうございます
マジありがとうございます
気持ちは元気になりました
体も治します、気合で
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。